2020年2月定例会 質疑

1 議案第1号 令和2年度鈴鹿市一般会計予算
 (1) 歳入と歳出の考え方について
  @ 総合計画の財政見通しとの整合性について
 (2) 基金の考え方について
  @ 予算段階での残高の考え方について
 (3) 行財政改革の考えについて
  @ 経常経費抑制の考えはどうなっているか

○26番(中西大輔君)
 議席26番,中西大輔です。通告に従って質疑のほうを行わせていただきます。
 まず,議案第1号 令和2年度鈴鹿市一般会計予算についてお聞きしたいのですが,総合計画2023後期計画のパブリックコメントのときに公開された財政見通しと今回のこの予算について,若干疑問点があるんです。財政見通しでかなり厳しい予想を出した上で,総合計画2023後期計画を進められるということになっているんですけれども,今回のこの当初予算を見ていますと,金額的に少し多いのかなと。前年度よりも若干少ないんですけど,ちょっと多いかなというところがあって,その部分が厳しい予想との間のギャップとして感じられますので,その点についてお聞きしていきたいと思います。
 また,2月26日,東京都日野市のほうで財政非常事態宣言というのが出されたりしておりまして,そのようなことを念頭にお聞きしていきたいと思います。

 歳入面のことで,予算資料の16ページ,財政調整基金の動きなんですけれども,ここ数年の動向から考えても財政調整基金の取り崩しが少し多いかなと思いますが,どのような考えなのかということをお聞かせください。
 11ページ,普通交付税と臨時財政対策債の発行額との関係ということが気になるところです。地方債の発行額,総額のほうは抑えられているのですけれども,臨時財政対策債の発行自体は若干ふえているということについてお聞かせください。

 歳出面のほうです。先ほど冒頭でも言いましたが,3ページのところから見ていると,歳出全体としては,昨年の6月補正後に比べて約0.7%減少しているということですが,それでも先ほど言いましたように金額的には大きいと考えますので,歳出面ではどのような見直しというのがあったのかということをお聞かせください。

 そして,2019年10月から12月期のGDP一次速報で,実質成長率がマイナスというふうな報告が出て懸念材料になるのかなと。また,今回のコロナウイルス対策についても質問趣旨の聞き取りの際から気になっていたのですが,経済への影響の厳しさが予想されるところで,今回それらのリスクというものは,どのようになっていくのかなということが気になるところです。
 以上,財政見通しで示された4年間で約23億円の財源不足が予想されるとする内容に対して,今回の予算編成というものは,どのように整合性を持ちながら編成されたのかということをお聞かせください。

○議長(森 喜代造君) 政策経営部長。
○政策経営部長(樋口幸人君)
 皆様,おはようございます。
 それでは,中西議員の令和2年度鈴鹿市一般会計予算についての御質疑のうち1点目の歳入と歳出の考え方について,総合計画の財政見通しとの整合性についての御質疑につきまして説明申し上げます。

 財政見通しにつきましては,鈴鹿市総合計画2023後期基本計画の策定に当たり,今後4年間で歳入歳出がどのように推移するかを展望し,財政的な課題を共有した上で,持続的な行政経営を行うために,昨年10月に後期基本計画素案の公表に合わせてお示ししたところでございます。財政見通しは,平成30年度までの過去の決算額をベースに算出したものでございますが,4年間で約23億円の財源不足が生じるものと推計をしております。

 令和2年度の当初予算につきましては,財政見通しと比較いたしますと,歳入につきましては,普通交付税額と臨時財政対策債の発行可能額を推計いたしましたところ合わせて40億9,000万円となり,約5,900万円上回りましたが,企業収益の減収見込みから法人市民税が14億4,305万4,000円となり,約3億円下回ったことなどから財政調整基金繰入金を除いた一般財源総額としましても同程度下回る歳入予算を計上いたしております。

 歳出につきましては,今後の人口減少等の課題に対応しながら,本市が持続的かつ安定的に力強く成長していくためには,将来の人づくりにこれまで以上に力を注ぐ必要があると考え,子育て・子育ち支援や教育環境の充実を初めとした予算を計上したことから,一般財源所要額が約19億円上回ったことなどにより,財政調整基金繰入金を25億円計上して予算を編成したところでございます。財政調整基金につきましては,この3年程度,予算全体としては同額程度という状況でございます。

 各事業費の予算要求に当たりましては,平成30年度決算額をベースに要求するものとしたところでございますが,義務的経費におきましては,本年度の発行額などを勘案しながら予算不足が生じないように慎重な見積もりを行っている部分があること,また,箱物の建設費におきましては,設計単価に基づいて見積もりを行う関係上,実勢価格による工事費を上回る額で予算を計上している部分もございます。
 そういった中で,過去3カ年の当初予算額と決算額を比較いたしますと,平成28年度は約35億円,平成29年度は約6億円,平成30年度は約23億円の減額となっております。

 令和2年度におきましても,予算上は一般財源所要額が財政見通しから約19億円上回っておりますが,今後予算の執行に当たりましては,さまざまな節減努力により,財源不足を解消していく考えでございます。

 なお,歳入につきまして,最新のGDP速報値において成長率がマイナスとなったことに加えまして,新型コロナウイルスの感染拡大が長期化することにより,企業活動の停滞や観光客の減少等による法人市民税のさらなる減収が懸念されるところでございます。予算の最終調製の時期の関係から,その影響は見込んでおりませんが,歳入の動向につきましては,今後も注視してまいります。
 以上でございます。

○26番(中西大輔君)
 ありがとうございます。大枠がわかりましたので,次に基金の考え方をお聞きしたいと思います。
 予算段階での残高の考え方についてお聞きしたいのですが,その中でも財政調整基金と特定目的基金についてお聞きしたいと思います。

 財政調整基金については,この予算資料から見ても,16ページの中にありますが,予算段階で残高が約30.3億円程度というふうになっております。先ほどもありましたが,ことしというのは,景気の後退と新型コロナウイルスの影響ということが考えられるわけですし,また,大規模な災害の発生ということも想定したときに,この金額の妥当性ということについて,考え方をお聞きしたいと思います。

 もう1つ,特定目的基金についてですが,予算段階での残高は約8.5億円と,資料から見るとなっておりますが,このようにかなり減らした中で,年度末,積み立てし直すことができるのか,また,大規模な施設更新なども想定されて残高の金額というのが気になるところですけれども,その点の考え方をお聞かせください。


○議長(森 喜代造君) 政策経営部長。
○政策経営部長(樋口幸人君)
 2点目の基金の考え方について,予算段階での残高の考え方についての御質疑につきまして御説明申し上げます。

 令和2年度の当初予算で財政調整基金を25億円繰り入れることにより,令和2年度末の残高はあくまでも予算の段階ではございますが,30億3,091万1,000円となる見込みとなっております。
 財政調整基金の役割といたしましては,大規模な災害により生じた突発的な経費や予期せぬ減収を埋めるための財源としても想定されているため,市民の皆様に安心して暮らしていただくためには,常に一定額以上の残高は確保しておく必要があるものと考えております。
 財政調整基金の残高につきましては,特に基準はございませんが,自治体によっては標準財政規模の10%から20%の範囲で目標に設定しているところがございます。これを本市に当てはめてみますと,直近の決算状況では約38億円から76億円になろうかと思います。
 また,過去のリーマンショックにおきましては,約70億円あった法人市民税が約15億円にまで減収したということから,40億円の財政調整基金を要したこともございました。
 仮に,本市における企業の経済活動が長期間停止することにより,税収が激減した場合を想定いたしますと,法人市民税に計上した予算額がひとつの目安になるものとも考えられます。そのような考え方から令和2年度に計上しております法人市民税の予算額は14億4,305万4,000円でございますので,令和2年度末の残高につきましては,一時的な財政出動という観点からは不足はないものと考えております。

 次に,公共施設整備基金につきましては,令和2年度に3億9,000万円の繰り入れを行うことにより,令和2年度末では5億2,684万8,000円(後に「5億7,414万7,000円」と訂正あり)の残高見込みとなっております。令和3年度以降に控えております大木中学校の建設費や天名地区公共施設一体整備事業,さらに現在策定中の個別施設計画に基づく長寿命化改修費等を見据えますと,より多くの残高を確保する必要があると考えております。財政調整基金も含めまして,できる限り取り崩すことなく決算できるよう財政運営に努めていく考えでございます。
 以上でございます。

○26番(中西大輔君)
 考え方のほうがわかりましたので,歳入面のところで,今,影響のほうが法人市民税の減収のところだけだったんですけれども,実際は歳出面も影響があると思いますので,その点を含めて考えていただければなと思います。

 それでは,関連して3つ目の行財政改革の考え方についてということに行きますが,このように厳しい状況になってくると,どうしても経常経費の抑制ということが重要な視点になってくると思います。ここまでのこと全てに関係してくるところなんですけれども,今回の予算資料や予算書を読み込んでいても,行財政改革,その中でも経常経費をどう抑制していくのかという部分がどのような考えなのか,また,どのような手法で取り組むのかということがわからないのと,事業の大幅な見直しというのがあったりするのかということもわからないので,その点の考え方をお聞きしたいと思います。


○議長(森 喜代造君) 政策経営部長。
○政策経営部長(樋口幸人君)
 先ほどの御質疑の中で,公共施設整備基金の令和2年度末の残高につきまして,5億7,414万7,000円と申し上げるべきところ,5億2,684万8,000円と申し上げましたので,訂正の上,おわびを申し上げます。申しわけございませんでした。
 それでは,続きまして,3点目の行財政改革の考え方について,経常経費抑制の考え方はどうなっているのかの御質疑につきまして説明申し上げます。

 国においては,現在,抽象的な行財政改革から具体的な取り組みに向けた地方行政サービス改革の推進を示しております。その取り組みといたしましては,業務の民間委託の推進,公共施設等総合管理計画の策定促進,PPP/PFIの拡大,ICTを活用した業務の見直しなどを掲げ,地方自治体に取り組みを求めております。
 本市におきましても,予算書75ページに,款,総務費,項,総務管理費,目,企画費のRPA導入効果検証事業費497万4,000円を計上し,今後の経常経費削減に向けた取り組みを進めております。

 RPA導入効果検証事業費とは,ICTを活用した業務の見直しの1つであり,パソコン上で定型的で反復して処理する業務をロボットに置きかえることのできる業務の自動化,効率化のツールでございます。他地域の自治体におきましても取り組みが始められたツールであることから,令和2年度に導入効果の可能性を検証してまいります。
 また,このほか,文化会館施設整備費として2,365万円を計上し,その中で文化会館の長寿命化を図るためのPFI導入可能性調査を実施してまいります。

 後期基本計画の期間におきましては,全ての実行計画を行財政改革の視点を持って進行管理できるよう,総合計画の単位施策の中に統合しております。全ての職員が新しいことに取り組む場合は,事業廃止で財源を捻出するビルド・アンド・スクラップの考え方と,民間委託等の地方行政サービス改革の推進を図ることで既存事業を見直し,硬直化する経常経費の抑制につなげております。
 以上でございます。

○26番(中西大輔君)
 ありがとうございます。経常経費の抑制,もしかすると年度内に厳しいことがあるかもしれませんので,全庁的に取り組んでいただけたらなということを期待します。