2007年 9月定例会 討論

2議案反対、残り賛成

 議席番号29番,すずか倶楽部の中西大輔です。
 今回,私は,議案第71号 鈴鹿市運動施設の設置及び管理に関する条例の一部改正についてと,議案第72号 鈴鹿市都市公園条例の一部改正についての2議案に対して,反対の立場をとらせていただきます。
 その他の議案については,賛成するものです。

 反対の内容についてですが,議案として全面的な反対ではなく,行政側が江島総合スポーツ公園に指定管理者を導入する場合のシュミレーションを行い,運動 施設及び公園管理についてどのような変化があるのか,周辺住民,利用者など,関係する市民に対して,説明と意見交換を行うなどの期間を設定し,実行した上で,再度,議案としての提出を市に求めるものであります。

 それでは,再考を求める理由について述べさせていただきます。
 まず,一つ目に,鈴鹿市立体育館及び武道館は,現在の鈴鹿市においてスポーツの拠点施設となっていることからです。  特に鈴鹿市立体育館について述べさせていただきますと,昭和48年の建設以降,施設は市においてバスケット,バレー,ハンドボール,卓球,バドミントンなどを初めとしたインドアスポーツの中心としての役割を担っており,また,テニスコートも各種大会,日常の活動の場として,その上で私たちも利用してきています。また,近年は,各種ニュースポーツの場として活用されてきています。
 その中で,平成19年度について,年1回体育館専有使用の抽せん会が行われるのでありますが,今回,19年度は15種目,30団体近くの参加があり,年 間117日ある土曜,日曜,祝祭日の利用日や,その際にほとんど埋まるほどでした。また,19年度においては,その中で鈴鹿市教育委員会,文化振興部ス ポーツ課,社会福祉課によるスポーツ関連の鈴鹿市両事業が抽選会を前に,合計32日に設定されており,年間の土曜,日曜,祝祭日の約4分の1を鈴鹿市が専 有している状態です。これに各種スポーツの中体連などの大会を合わせると,3分の1から半数近くが公的な利用と考えられます。このことは,鈴鹿市立体育館 が鈴鹿市にとってスポーツ関連行政の大きな起点となっていることを指し示していると私は考えます。
 また,提供されると期待されるスポーツ教室について,現在も,さわやか,バドミントン,バレー,健康,女性健康,卓球などが体育館で運営されており,これらに協力していただいている方々との調整はどうなるのかの疑問があります。
 それに加え,鈴鹿市立体育館は,選挙時における開票所になっていることも十分検討されるべきです。統一地方選のように,日程がはっきりしている場合には 特に問題がありませんが,今回の参議院選挙のように,日程が急に決まるなどの場合,日程調整をどこが行うのかを考える必要があります。
 それらの点から,鈴鹿市直営ではなく,指定管理者を導入する必要について,私は疑問を持ち,拙速な条例改正に反対するものです。

 二つ目に,県営鈴鹿スポーツガーデンとの比較からです。
 県営鈴鹿スポーツガーデンのアリーナ体育館は,ことしの4月にオープンし,フロアの広さは,ほぼ鈴鹿市立体育館と同じであり,管理運営は指定管理者とし て三重県体育協会が行っていますが,利用料金について大きな格差があります。例えば,バレーボールの大会を,一般で土曜日の9時から18時に開催した場合 で比較すると,単純計算でスポーツガーデンが2万8,000円,市立体育館が1万5,720円とほぼ倍額の差があり,この点についての調整を市がどう考え るのかを疑問を持ち,拙速な条例改正に反対するものです。また,このことは,鈴鹿市行財政改革計画,平成18年3月のものの中の受益者負担の適正化の面からも,十分に検討がなされているのか疑問に考えるものです。

 三つ目に,施設整備に関連してです。
 鈴鹿市立体育館は,昭和48年に建設,せんだって耐震補強もされましたが,施設の老朽化は進んでおり,特にフロアに関して,建設後,昭和63年と平成5 年に整備されていますが,表面を削り,整備する方策は限界があり,現実的にフロア面には木くぎが出ているところなどがあり,次回には,全面的な張りかえが必要になるとすれば,大規模改修となり,市の責任となるのですから,その点を考慮に入れる必要があるのではないかと思います。
 また,市立体育館地下に耐震貯水槽を設置することも計画にあるのですから,そのようなことについても,すべて方針及び整備日程を明確にしてから,指定管理者導入を考えるべきではないかと思います。その点から拙速な条例改正に反対します。

 四つ目に,体育館及びスポーツ公園周辺の住民との関連についてです。
 現在,松池横の23号線沿いにブルーシート内で生活している方が,市立体育館駐車場にも自動車の中で生活していると思われる方がいますが,このような人 たちに対するアプローチをどうしていくのか,周辺地域の方の中にも不安があります。これまでのように,それぞれの担当課で対応することでよいのか,それと も福祉関係の部署で対応するのか,市としての方針をはっきりするべきです。 また,松池では,本年夏に繁茂したヒシが暑さで腐り,臭気を発生させたという問題があります。農業用のため池としての役割を終えた現在,今後どのように保全,もしくは違う形で活用していくのかについても,地域住民を交えながら十分に検討をされるべき
です。
 公園部については,高齢者のグランドゴルフだけでなく,子供たちの遊び場としても含め,憩いの空間として現在も活用されていることから,拙速な条例改正と指定管理者の導入をする前に,市民の意見を広く収集することに,市はまず努力するべきです。

 最後に,市民に対する情報開示と説明責任について,また,職員の意識改革と向上について,市が本気で取り組んでいるようには見えないことです。
 平成15年,16年の事務事業評価と平成17年ではシートの形式が異なり,平成15年,16年ともに,当該事業に民間を導入することで,サービスの低下 が起こり得るという評価が出ているにもかかわらず,17年は,その項目が変化してなくなっています。その評価に対してどのようにするかということが非常に 問題と思います。 また,素材としての体育館及び武道館と公園の価値が高いのであれば,まず,職員の配置なども含め,鈴鹿市が市民に対して経営努力の姿勢を見せることが必要ではないでしょうか。
 鈴鹿市行政改革計画中,このような言葉があります。透明性のある行政運営の確立,分権型社会では市民へのアカウンタビリティの確立が一層強く求められて きます。そのためには,市民からの請求に応じて情報を開示するのみにとどまらず,行政情報を可能な範囲でわかりやすく,積極的に提供するという姿勢が必要 です。このことからすれば,行政として,他市では契約以外のことを履行しないという問題点があるということを把握しながら,その点についてきちんと検討し ないまま,このように指定管理者を導入するということについて,非常に問題があると考えます。
 
 そのためにも,私は,今回反対の立場をとり,市が市民に対す る説明と意見交換を行う場を持つことと,条件整備と調整についての期間を設定し,もしくは明確にした上で,再度,議案としての提出を市に求めます。
 議員各位の御賛同を求めるものであります。
 よろしくお願いします。