2009年9月定例会 討論

全議案賛成(意見付与)

 議席番号29番,すずか倶楽部,中西大輔です。
 今回,私は,議案第74号 平成20年度鈴鹿市一般会計補正予算から,議案第82号 鈴鹿市国民健康保険条例の一部改正についてまでの全議案に対し,賛 成の立場をとりますが,議案中,議案第74号 平成20年度鈴鹿市一般会計補正予算について,私の行った質疑と,それに対する答弁内容,そして,現在の社会情勢を踏まえ,意見を述べさせていただきます

 せんだって17日に,ホンダから2009年3月期の単独決算で,最終損益は今期550億円の赤字になる見通しが発表されましたが,このことは,税収面 で,鈴鹿市に大きなダメージがあることを意味していることは,皆さん,御承知のことと思います。そして,つい2カ月ほど前には,ここまでの業績の低迷とな ることは予想されていなかったはずです。
 このように,現在の社会・経済情勢の変化の速さは,これまで私たちが経験したものよりも急速に進み,この地域だけでなく,日本全体,世界各地で大恐慌に 匹敵すると言われるほどの経済の停滞を招いていることは周知のとおりです。また,今回の出来事は,社会・経済構造の大きな転換点にあることを示唆していることは間違いのないところです。
 このようなことを考えながら,私は,さきの一般質問で,行政による公共事業的な発想での仕事の創出の必要性を鈴鹿市に問いました。アメリカでも,ニューディール政策的な発想での雇用創出政策を行うことをオバマ大統領が発言しています。
 このような社会の大きな転換点においては,金融支援政策だけで難局を乗り越えることは難しいでしょう。地域産業の支援のためにも,市民生活の支援の視点からも,雇用創出のための政策を行うために,財政的な裏づけが重要となります。また,失業などを初めとした社会問題への対応はもちろん,その影響により,子供たちのさまざまな活動に支障が出たりするなど,子供たちの成長の可能性を 狭めることのないよう,次世代を支えるための政策を後退させないことも,このような社会状況だからこそ真摯に取り組むべきです。
 同じように,高齢者,障害者の方々など,社会的弱者となる人たちを支える政策についても後退させるべきではありません。そのためにも,財源をしっかり確保する必要があります。

 そこで,今回の議案第74号 平成20年度鈴鹿市一般会計補正予算について,歳出,第2款総務費,第1項総務管理費,第2目人事管理費,退職手当2億 3,300万円の増額補正と,歳入,第18款繰入金,第1項繰入金,第1目一般繰入金での財政調整基金繰入金2億2,100万円の関連について,私は質疑 を行いました。
 その際の答弁で,今議案で相互の関連はないとのことでしたが,その一方で,過去の一般質問の答弁にもあるとして,退職手当の財源確保について,財源の不足が出た場合,財政調整基金での対応とならざるを得ないという答弁が出たことについて,現在の社会情勢をかんがみると,この財政課題について,市は姿勢を正すべき,再考すべきときだと考えます。

 また,今後,10年間の推計で,年額約10億円が退職手当として予想されていると答弁にありました。しかし,現在の経済情勢では,法人市民税の大幅な減収,また,個人の収入減に伴う個人市民税の減収も予測されます。
 このようなことから,今後,来年度以降,各部への枠配分予算のシーリング以上に,さらなる緊縮財政となることは不可避のはずです。行政の各種事業のスリム化を超えて,市民への行政サービスに多大な影響を与えることも必至です。
 このような社会・経済情勢の中,職員退職手当について,今回の補正予算に示されたように,従来の考え方のまま進めることは,市民の理解を得られるところではないと考えるところです。
 退職手当について,それを見込んで生活設計を立てていることも,支給予定の職員の皆さんにはあることでしょう。しかし,民間企業では,退職金の大幅カットなどが現実に行われています。そのことは,市長も含め,十分に意識して,今後の予算編成に取り組むことを求めます。
 何より,このような情勢であるからこそ,今回の補正予算を契機とし,退職手当に関して,分割の年金型として,1年当たりの財政負担を軽減するであるとか,さらに踏み込んで減額を検討するなどの必要があるのではないかと考えます。
 そのために,新年度予算編成においては,退職手当に関連して,鈴鹿市職員退職手当支給条例の見直し,改正も視野に入れた上での検討を求めるものです。

 このような難局に対しては,政治の質のあり方が大きく問われます。鈴鹿市政においても従来の発想ではなく,より柔軟で新しい発想を取り入れながら,社会 の変化に対応した政策,施策に取り組むことが重要です。それは,本日ありました鈴鹿市緊急経済対策会議のあり方にも言えます。
 鈴鹿市全体の課題として,行政だけではなく,議会,第三者機関を交え,政策検討することの必要性があります。あわせて,現在審議中の第5次鈴鹿市総合計 画,第2期行財政経営計画素案についても,このままなし崩しに審議を進めるのではなく,素案策定時から大きく変動した社会経済情勢に対応して,行政の側か ら素案についてチェックし,再評価した上で,その再考と見直しを行うことを求めるところです。
 以上のことを提言,提案した上で,議案第74号における退職手当と財政調整基金からの繰り入れについてを了解し,本議会での全議案について,私は賛成の立場をとらせていただきます。
 議員の皆様の御理解をよろしくお願いします