2010年 12月定例会 討論

全議案賛成(意見付与)

 私は,議案第75号から84号の全議案に対して,賛成の立場をとらせていただきます。

 まず,議案第75号から79号の補正予算案について,今定例会議案では,先ほど杉本議員の討論でもありましたとおり,職員給与条例の改正に伴う補正と, 一般会計及び下水道事業特別会計合わせて3億4,000万円の緊急経済対策による補正が,その主なものとなっており,経済対策につきましては,市議会から の提言に基づいて行政のほうも行動されたということで,その点は評価できるものだと考えております。
 しかし,このような緊急経済対策については,決して乱用されるべきものではなく,少子・高齢化人口減少社会を迎える中,安易に市債などに頼るというふうな姿勢は,やはりなるべく抑えるべきであり,その市債などを使うことで,そのツケが次世代に回ることは,決してとめなければいけないことである,そのよう に考えております。その観点から,より慎重に経済対策は行われるべきと考えております。
 また,人口増の時代,経済成長の時代は,経済成長には打ち出の小づち的な側面が,また,そのような発想があったかもしれませんが,現在は,また,現在以降は,もうそのような考え方に,またそのような時代に戻ることは難しいというふうに考えられます。打ち出の小づちはない,そう考えるべきです。今手にあるのは,いわゆるハンマーと同じようなもので,それを乱用すれば,その反動で物事を壊しかねない,ハンマーであれば,必要な場面に適切に使うことが求められ ている,そう考えるところです。
 そのような意味で,今回の補正予算での経済対策につきましては,産業振興の側面というよりも,不況による社会不安を低減する,もしくはできるだけ抑制するという観点で出されているものと理解させていただきます。

 それでは,議案第75号について,幾つか提言をさせていただきたいと思います。
 今定例会での一般質問において,私は市長等の退職手当について問いましたが,今議案で職員退職手当の9,900万円の増額補正から考えることは,やはり職員退職手当についても精査せざるを得ない時期に来ているのではないかということです。市民税減収の中,義務的経費の比率が増し,財政が硬直化しつつある ことは否めない事実であるというふうに考えます。義務的経費削減の取り組みについて,退職手当の精査をしていただくよう提言いたします。

 また,8款土木費でのグリーン帯整備事業につきまして,歩行者空間としての意義もあると思いますが,同時に,このグリーン帯を採用することによって,道幅が狭くなるということによって,自動車等の速度の抑制にもつながる事業と考えますので,要望があるところという受け身の姿勢だけではなくて,もう少し積極的な取り組みを提言させていただきたいと思います。
 安全な生活空間の創出という考え方も含めながら,市職員の方々も日常の業務の中から取り組んだほうがいいところはどこであるかなど,地域をチェックして 抽出して,また,それを地域に投げかけて,そこから整備を行うということを考えてもよいのではないかということを提言させていただきます。

 13款諸支出金での土地購入費に関して,中勢バイパス整備事業に関連し,平成10年に特別会計から4,292万円で先行取得した用地を今回,一般会計で買い戻し,国へ3,280万円で売却するということに伴う3,000万円の増額補正について,一般会計での買い戻し,そのものに問題があるとは考えません。 しかし,事業の停滞によって,土地価格の変動などの理由から,やむを得ない結果とは言え,約1,000万円の差額が生じているということについては,国 と地方の関係について,考えるべき点が多いと思います。差額は,つまり市民の税金であり,それを埋めるためには,開通による事業波及効果などを期待しなければいけないところであり,今後も強く市として,一刻も早い事業振興を国に要望すべきと提言いたします。

 議案第77号 平成22年度鈴鹿市下水道事業特別会計補正予算(第1号)について,現在の経済状況から,経済対策として行うことについては了解いたしま す。しかし,今後も経済対策として下水道事業工事等を考える際には,少子・高齢化人口減少社会ということを想定しながら,単純に面的な拡大を行うということで工事を行うのではなく,工事箇所を重点的に集約するなどして,よりコンパクトな市街地形成につながるようにしていただくことを提言いたします。

 議案第81号 鈴鹿市建築協定条例の制定について,先ほども杉本議員の討論の中にもありましたが,地域づくりにおける住民参加の推進ということが考えの 中に入っているのであれば,やはり同様の条例を活用した他地域の取り組みなどを情報収集し,また,市民に情報提供する。必ずしもうまくいってない事例もあ ります。条例を活用してということではありませんが,やはりこの地域住民が協定をつくって,自分たちの町並みを保存していくということに積極的に取り組ま なければ,見なれた町並み,歴史的な町並みはいとも簡単に壊されてしまうということがあるということは,全国的にも見てあることですから,そのようなこと も含めて,市民に情報することで,鈴鹿市でも市民で協定をつくり,自分たちの町を考える,そのような素地の養成に努めることを提言いたします。
 そのほかの議案につきましては,特段異議なく賛成し,私の討論を終わらせていただきます。
 皆様の御理解をよろしくお願いします。