2011年 12月定例会 討論

全議案賛成(意見付与)

 私も石田議員同様,全議案に賛成の立場をとりますが,意見を付与して賛成とさせていただきます。

 まず,議案第69号 平成23年度鈴鹿市一般会計補正予算(第3号)について,歳出予算につきましては,先ほど石田議員もおっしゃってましたが,障害者 の福祉サービスに関する予算を初め,放課後児童クラブへのAED設置補助,児童虐待やドメスティックバイオレンス対策のためのデータベース構築,災害対策 となる津波浸水マップ作成や鼓ヶ浦小学校屋上へのフェンス設置,鼓ヶ浦サン・スポーツランドのテニスコート人工芝張りかえなど,市民生活の向上につながる ものですから,別段異論なく賛成するものです。
 その中で何点か指摘をさせていただきますと,まず,民生費における障害者福祉推進費と障害者自立支援費の増額補正について,それぞれ福祉タクシー券を複 数枚使えるようにしたことで利用者数が増加したこと,また,生活介護や就労支援などのサービスの利用人数及び回数の増加ということで,利用者の方々,また 市民の方々にとってプラスになったということで,その点は評価できるものです。しかしながら,障害者自立支援費で7,940万円と大幅な増額補正が行われていることにつきましては,やはり年度当初において,きちんと利用予想を立てた上で予算立てを行っていくべきだと,行うべきだということを提言させていただきます。
 また,サービス利用者の増加はどのようなことかというふうなことを考えたときに,先ほど石田議員が生活保護不適正支給の話を別の文脈でおっしゃっていま したが,やはりそのようなことが起こり得るリスクということがありますので,やはりしっかりとしたチェック体制を構築していくことを提言させていただきま す。
 その今回の補正予算の議論の中で見えたことで,非常に問題だと考えることは,一つは,鈴鹿市行政の意識の問題です。それは,鼓ヶ浦サン・スポーツランドの維持修繕費に係る予算立て,もう一つは,防災災害マップ作成に関する,この大規模地震対策費の二つの,この予算立てについて,余りにも外部依存している体制というのが見えたということです。
 鼓ヶ浦サン・スポーツランドの予算立てにつきましては,委員会審議の中でも予算根拠が,まずはっきりせず,最終的には県の基準によって予算立てがされた ということがやっと出てくる状況,防災災害マップにつきましても,その内容については,随意契約となる業者の,あくまで見積もりの上でやっているというこ とであって,市民の立場に立った視点からの予算立てになっていないということは,やはり問題視するところであります。
 税金を使うという意識が市行政の中で希薄になっているのではないか,その点につきましては,やはりきちんと市民の説明責務を含めて,予算立てをしていくということをするべきだということを提言させていただきます。

 次に,議案第73号 現在の防災安全課を独立した防災危機管理課へと再編する鈴鹿市行政組織条例の一部改正について,私,平成21年6月の一般質問にお いて,危機管理室の設置ということで一般質問させていただきました。その立場からして,私としては,この議案については異論なく,危機管理のセクションが できるということですので,異論なく賛成したいと思います。
 しかし,本当に危機管理のセクションは必要と考え設置するのであれば,今回,議案質疑や委員会審議の過程で,どのような答弁が行われるかと見ますと,余りにもあいまいな答弁に終始していたというふうにとしか見えません。そのあいまいな答弁というのはどのようなことかと考えれば,やはりあいまいな意思のもとで,この議案が提出されたということであると考えます。
 このように,防災危機管理課という名前そのもの自体,また,取り組み自体,それについては,いろいろな自治体で行われていることですので別に悪くはないのですが,その言葉だけに踊るのではなく,きちんと本来危機管理について取り組むべきだというふうに考えるところです。
 本来であれば,今の文脈で言えば賛成しにくい状況ですが,委員会での討論の中にもありましたように,この防災危機管理課が設置されることによって,市民の方々にとっての危機,災害に対する取り組み,そのようなことが少しでも早く解決していく,そのことを期待して,賛成するものです。
 また,この議案に関して,行政側のこの問題点,少し挙げますと,委員会の審議の中で,この防災危機管理監という位置づけがありますが,その位置づけにつ いて,市長,副市長との役割はどうなのだというふうな話が出たときに,レベルを分け,ある程度の部分まで危機管理監,それ以上は市長,もしくは副市長とい うことで,危機管理計画の中で考えていくという答弁がある一方で,では,危機管理計画というのは,どのようになっているのかと言えば,今の時点で,いつま でにつくるか未定であると,このような不誠実だと考えるような答弁が出てきているわけです。やはりこの点は,議会として真剣に考えるべきところだと思います。
 また,時系列で考えても,平成21年6月,当時の副市長の答弁で,危機管理室設置については取り組んでいく,考えていくという答弁が出ていましたが,今回の議案の議論の中では,全く危機管理室,危機管理の体制ということについて,しっかり考えてきたという姿勢は見られておりません。
 また,ことし7月には,危機管理グループが設置されておりますが,危機管理という概念自体そのものに非常に不安定なものがあるというふうに見えます。

 そこで,私としては,今回賛成するに当たって,三つの点を提言させていただきたいと思います。
 一つは,危機について
 この危機については,やはり社会システムの安定性や継続性を脅かす事態というとらえ方で考えるべきだと思います。その点で申しますと,先ほど石田議員がおっしゃっていましたが,不適正支給に係る行政の市民からの信頼が失墜した,これも,自治体にとって,市民にとって大きな危機の一つであると,そのようなとらえ方もできるということになります。また,地震,台風などの自然災害だけではなくて,今の社会状況を考えますと,原子力災害,伝染病などの感染症,経済危機,かなり広範にわたる概念となってきますが,その点について,きちんと整理していただくということをまず提言します。

 二つ目,危機管理について
 危機管理については,各種の危険による不測の事態と最小限の費用で効果的に処理するためのリスクマネジメントの考え方をしっかり取り入れていただくように提言させていただきます。このリスクマネジメントの考え方で行ったときに,やはり部局間,今までは縦割り行政ですが,部局をまたいで連携が必要となる,また,その中で危機管理計 画の概要も出てくるのではないかと考えますので,リスクマネジメントの考え方をしっかりと取り入れていただきたいと思います。

 三つ目,危機管理監について,まだ,どのような取り組みをするのか,どのような人物像なのか明確に確立していない,そのような中では急いで導入するべきではないと考えるところです。また,導入することによって人件費増が見込まれるという中では,やはりとるべきことは,結果的に副市長の兼任として,その必要性自体をきちんと,その副市長の兼任として,まず,その体制のもとで危機管理監そのものの必要性自体をきちんと研究及び検証してから取り組むことを提言させていただきます。
 これらについて,できれば2月中,来年度,平成24年2月中には大まかな方針が議会に提示される,最終的には4月までにきちんと出されることを提言させていただいて,この点についても,賛成をさせていただきます。

 次に,議案第74号 鈴鹿市税条例等の一部改正について,今回の議案改正については,法律の条文改正に伴う,法律改正に伴う条文整理であって,内容は寄附金税額控除,肉用牛の売却に対しての課税特例,東日本大震災に係る住宅借入金等特別税額控除の特例ということが,その主たる内容になっています。
 今回,私,討論で申したいのは,この寄附金税額控除についてです。この寄附金税額控除は,NPOなどに対する寄附金について,税額控除が行われるという ものです。この内容が改正されたということで,今後,鈴鹿市としては,今回の条例改正を契機として,鈴鹿市の市民活動がより活性化するように控除対象とな る団体などの拡大について,三重県の動向などについて情報収集を行いながら,鈴鹿市独自での控除対象となる団体の制定,条例改正,条例の制定のほうにも取り組んでいただきたいと提言させていただきます。

 次に,議案第76号 指定管理者の指定について,選定委員会による答申書を見ると,団体の財政状況について,配点と比較したところ,算出されている点数がかなり低くなっていることは不安点である。このようなことも答申の中では指摘されております。また,今回,そのような点がある一方で,今回,指定管理の期間を2年間としたことは,ほかに指定管理されている施設と,指定管理の期間の整合性を図るということで取り組んでいることは評価できる点であると考えます。また,指定管理者として指定されている三幸・スポーツマックス共同事業体については,これまでと同じ事業者であることも,2年間の短期指定管理であることから考えると,継続した運営ということで納得できるものだと考えるところです。
 しかし,賛成に当たっては,二つの点を提言させていただきます。
 一つは,委員長報告にもありましたが,国道23号線沿い,江島総合スポーツ公園には,まだホームレスの方がいるという課題があります。そのような方々に 対して福祉部門,また,指定管理者,スポーツ課,市街地整備課等と,どのような連携で働きかけをしていくのか,周辺住民の方々に対しての説明責任をとって いただくことを提言します。なぜならば,現在,周辺では子供たちも遊ぶことも多いですし,今後,松池跡地,松池,まだ,もうないんで跡地と言っていいのか,松池の整備に取り組む際 にも,やはり子供たちが活用できるようにという地域の声もあることを考えると,やはりホームレスの課題に行政として真摯に取り組むべきだと提言させていた だきます。
 二つ目は,2年間の指定管理期間としたことで,西部体育館など,他の施設との指定管理期間とそろえることについてです。鈴鹿市は,平成24年度において,この2年間のうちの最初の1年間,この24年度において,指定管理そのものの是非はもちろんのことですが,鈴鹿市におけるスポーツ施策との関係から,施設管理のあり方を再検討するべきだと提言させていただきます。
 市として明確な理念や計画がないまま,単に指定管理制度を導入することは,サービスの向上という側面よりも,コスト削減の側面が強くなる懸念があると私は考えるところです。やはり市として明確なスポーツ戦略を整理した上で,指定管理について,改めて考えるべき,この1年間できちんと整理していただくよう に提言させていただきます。

 その他,療育センターの再整備につきましては,専門職の方がふえる,また,その方々が学童,放課後児童クラブなどとの連携も行っていくということですの で,これを機会にいろいろなことを整理して,子供たちにとってもプラスになるような,障害を持つ子供さんたちにとってもプラスになるような施策になること を期待して,賛成させていただきます。
 その他議案については,特に意見なく賛成させていただきます。
 以上で,私の賛成討論を終わらせていただきます。
 御賛同よろしくお願いします。