2022年 2月定例議会 討論

「全議案に賛成」

 議席17番,中西大輔です。私も全議案に賛成させていただき,意見を述べさせていただきます。

 まず,議案第1号について,一般会計予算ですが,直近10年で右肩上がりに増加して,今回,令和4年度予算では,多くの施設改修や,そのほか民生費関連で経常的な支出が想定されることが増加するなどして,前年比5.5%増の682億4,500万円で計上されております。
 その中,歳入を見ると,市税収入が,前年より増加が見込まれるということで,約285億3,000万円が計上されています。その額は,実際のところは平成28年とほぼ同等である点ということは,今年度の予算執行に当たって考慮する点ではないかと考えます。

 地方交付税と臨時財政対策債ですが,平成28年は,交付税が37億円,臨時財政対策債が22.3億円でした。令和4年度予算において,交付税は約30億円と試算され,その中で臨時財政対策債の発行額を32億円という計上となっております。臨時財政対策債等については,確定時点での動きはあるでしょうが,借入残高が増えているということについては,今後の交際費の推移への影響を考慮するべきではないでしょうか。

 基金について見ると,公共施設整備などに関連する特定目的基金は,平成28年度に約13.9億円だったものが約8億円に,地方債減債基金は約29.2億円だったものが約15.1億円と減少する予算となっています。どちらも将来世代に影響のある内容であり,将来リスクや状況などを勘案して,不測の事態に対応できる残高の検討が必要ではないでしょうか。

 財政調整基金の運用に当たっては,安定的な運用を意識しているということは評価したいと思います。その中で,繰入れ予定額として上がっていますが,執行過程で精査され,全額執行となることは少ないと考えますが,現在の事業規模を続けるのであれば,予算編成時に約30億円程度の残高が必要と考えられ,実際の余裕が小さいことは,憂慮すべき点かと考えます。

 そのような歳入の中で,歳出予算について注目するべき点は,今回の予算の中で次期総合計画であったり,都市計画マスタープラン,地域福祉計画やハートフルプランなどをはじめとして,各種計画の策定が関係したものになっていることがあります。各種計画の策定に当たってですが,自然災害や今後の社会変動を考えると,第5次総合計画の策定時点や総合計画2023の策定時よりも市民参画についての行政の動きや考えが問われると考えるところです。

 代表質問で,その点を取り上げ,答弁では,若い世代の意見を聴取し,市政に反映させることは非常に重要な取組であること,各種計画の策定に当たって,多くの市民の方への参画手法を検討し,取り組んでいただくことをお答えいただきました。実際の取組を期待するところです。
 同時に,皆さんにも訴えさせていただきたいことは,これまでの計画策定過程では,中間報告などの形で議会との情報共有の場がほとんどなく,パブリックコメントにかかる最終段階での報告がほとんどでした。その点について,令和4年度の取組においては,中間時点でも情報共有と意見交換への配慮を期待するところです。

 私たち市議会も,所管の常任委員会で取り上げるなどして,積上げた議論や意見などが計画に反映されるよう取り組んではどうかと考えるところです。

 公共施設やインフラの維持に関する取組についても同様です。財政状況や将来のリスクを考えると,全ての施設やインフラを維持することは難しいことです。だからこそ,既存の計画を基にしながら,多くの目,視点で考える必要があるということを訴えたいと思います。

 ここでも当然のことですが,やはり行政と議会の関係が重要になります。施設の在り方について,政策課題を横断しながら俯瞰的な視点で,市全体から見た検討はもちろん,公民連携も含めた手法の議論など,よりよい形にしていくためには,行政と議会の間の情報共有はもちろんですが,意見交換を重視するという姿勢が必要です。私たち議会としてもチェックの在り方を考えるべきではないでしょうか。

 市民の皆さんについても,今後いろいろな政策課題を進めていくに当たっては,要望事項だけではなく,財政も含めた市政運営全体を自分事として考えられるような情報公開,情報共有を,これまで以上に進めるべきですし,若い世代の教育にも織り込むことも大切で,その上で熟議を行っていくということが鈴鹿市政の運営において重要になると考えるところです。特に議会とは,先ほども申しましたが,従来の手法,前例踏襲の形で計画素案が決まってからの報告,協議ではなく,中間報告,検討過程での議会との情報共有や意見交換を,行政は積極的に行っていただくべき,それを期待するところです。

 財政状況についても,いろいろな政策課題があります。個々の要望を私たちが市民の皆さんの声としてお聞きし,それを行政に訴えることも必要ですが,やはり中長的な視点から財政も考えていくということが必要でしょうと。議会として行政に,情報共有を強く求め,チェックと議論を行っていく必要があるのではないかということを訴えさせていただきます。

 今後,不測の事態が発生することも想定され,予算執行の過程では,事業仕分などに取り組む必要が出てくる。場合によっては,事業の見直しということも迫られるかもしれないというのが今回の予算だというふうに考えます。事業仕分の観点を持った行政の取組を期待するところです。

 私たち議会としても,事業仕分の意識を持って,委員会審査などに取り組む必要が出てくるのではないかと考えます。

 以上を意見して,議案第1号 令和4年度一般会計予算に賛成とさせていただきます。

 次に,議案第14号 鈴鹿市運動施設の設置及び管理に関する条例の一部改正についてです。

 審査の過程・内容については,先ほど藤浪議員の討論にもありましたので,割愛させていただきますが,今回,実際,審査の過程で私でも賛成なのか反対なのか,非常に迷ったところです。
 しかし,4月1日から予約システムが運用されることを勘案すると,今回は議案として賛成する方向で行くべきだというふうに考えましたので,賛成の方向で意見を述べさせていただきます。

 懸念する点は,議案質疑の際にもありましたが,今回,検討するに当たって,アンケート等は行わず,利用者の方の寄せられる意見を参考にしただけであって,意思形成と決定に関する文書が存在していないという点については,これは鈴鹿市として改善していただくべきではないか。
 また,一般公開・利用をする少人数対応に対する考えなどについて,市の対応については,やはり不備が若干あるのではないかと懸念するところです。

 しかしながら,今後,市民,利用者の方々はもちろん,私たち議員や議会からの意見があった場合,臨機応変に対応されるということを期待して,賛成とします。

 そのほかの議案には,特段意見なく賛成します。
 議員各位の御賛同をいただきますよう,よろしくお願いいたします。