2024年 2月臨時議会 討論 「議案11号職員定数条例の一部改正に反対 その他議案には賛成」 議席25番、中西大輔です。 私は、議案第11号に反対し、残り全ての議案に賛成、その上で意見を述べさせていただきます。 まず、反対する議案第11号 鈴鹿市職員定数条例の一部改正について、内容のうち、消防機関の職員の定数上限を10名増やすことについては、昨今の自然災害の状況や救急搬送数の増加、また感染症の対応などを考えると、異議はありません。しかし、市長部局の職員の50人増に関しては、私も議案質疑を行いましたし、一般質問でも関連する部分を多々取り上げられておりました。また、総務委員会のほうも、映像のほうで聞きまして、議論等をいろいろ勘案しても、現時点で承認するに値する情報が不足していると考えます。そのため、議案の再提出を求めることを訴えるため、今定例議会においては反対とします。 理由のほうを述べていきます。 まず、私、議案質疑を行うに当たりまして、2月22日の時点で、ほぼほぼ最終に近い形で要旨を執行部側のほうに連絡しました。しかし、それに対する対応については29日までなく、しかもメール連絡については、その29日の夜11時、非常に遅くの時間に送られてきました。仕事の手順や時間外勤務に対する考え方など、人を増やす前に課題があると考えずにはいられませんでした。 また、質疑に対するやりとりの中で、市長部局の数字に関して、外部に出ると独り歩きするといけないためという言葉がありました。しかし、そのようなやりとりに触れることなく、総務委員会においては説明があり、また数字に関しては、その後、資料が提出されております。このようなことについて、行政の対応に誠実さが欠けていると私は考えます。この件については、12月定例議会でありました繰越明許費の対応と重なる部分があると考えずにはいられません。 そして、何より私は、財政面について危惧しております。定数上限となったときの人件費を質疑で確認しましたが、消防機関の職員では約7,500万円、市長部局の職員に関しては約3億7,000万円とありました。 消防機関の職員に関しましては、先ほど申しましたように、理解するところですが、市長部局の職員について、財源の考えが不明で納得できません。厳しいと言われる財政下で、義務的経費として経常的支出が増えるのであれば、財源について理解と納得のできる説明が必要ではないでしょうか。 池上議員の一般質問にもありましたが、私たち鈴鹿市議会では、人口減少など社会情勢を鑑み、昨年の統一地方選挙から定数を4名減らしております。それにより、報酬関係として年間約4,000万円、鈴鹿市議会として削減しております。そのことを一体、行政はどう考えているのか、考えずにはいられません。議会への説明責任を軽んじているのではないか、そのことを疑います。 また、50人の提案根拠について、総務委員会では各部署からのヒアリングで算出したものだと説明がありました。また、委員会では地方分権による権限移譲が業務に影響があるのではないかという御意見もありましたが、実際にどれだけ業務に影響があったのか。また、追加資料に部局別時間外勤務上限超過実施者数というものがありました。それを見ていましても、各部のどの課、どのグループで負担があるのか、そのような点について分からない、説明が必要と考えます。 そのようなことがない中、先週は組織変更が報告されました。業務に関して、人の数で対応するのではなく、事業そのものや業務手順の見直し、人事の考え方も精査すべきで、それらを含めた説明が不足していると私は考えます。 関連して、議案第31号 令和5年度鈴鹿市一般会計補正予算(第8号)で退職手当の減額補正がありました。その内容のほう説明資料で見ますと、当初予算時よりも定年退職予定者の人数が減る一方で、早期退職者及びその他退職予定者の数が増えています。この点、働き盛りの職員の退職が想定より増えているということについては、いろいろな事情があるとは思いますが、人数を増やす前に課題があるからではないかと考えることが妥当ではないでしょうか。 確かに、多様化、複雑化する行政需要に対するには、膨大な情報と向かい合う必要があります。かなりの負担があるということは認識しております。しかし、過去を踏襲する形での人事異動が職員の負担になっている部分があるのではないか、そのように精査して対処することも必要だと考えます。 専門分野の人材確保についても、外部から採用ということだけではなく、内部で育成する考えはあるのか、民間活力というのであれば、質疑で取り上げましたが、図書館への民間導入のその後であったり、現在、市直営となっている施設などに対する指定管理、いま一度、考え方がどうなっているのか、そのようなことも説明が必要ではないでしょうか。 以上、定数上限の引き上げに関して、市側の情報と説明が不足していると考えます。そのため、人件費に対する財源と組織変更も含めた積算根拠の説明とともに、通年議会として私たちも行っておりますから、やはり議案の再提出を求めるべきと考えますし、そのため、今議会では反対とします。この点、ぜひ議員各位の御賛同を頂ければと思います。 以下、賛成議案に意見を述べます。 議案第9号 鈴鹿市行政組織条例の一部改正について述べます。 部長級の役職として技術統括監を置き、その下に新設・技術監理契約課を置く内容ですが、業務について、公共工事の技術管理に関すること、工事の検査に関することが含まれています。公共施設政策課と別立てとなる形ですが、業務内容はそちらと合わせるべきと考えるところです。やはり公共施設等に関連する部署を統合して一元化する必要があると示しています。ですが、今回の議案に関しては、鈴鹿市ではまだそこまでの整理を行っていないため、前期基本計画期間終了に向けて検討していただくこと、その期間のための措置として、条例改正に賛成するものです。 議案第2号 令和6年度鈴鹿市一般会計予算について、賛成しますが、配慮が必要な点があると意見を述べます。 総合計画2031前期基本計画の初年度となる令和6年度予算ですが、総合計画2031における財政見通しで、計画期間全体で約50億4,000万円が不足、2027年時点の財政調整基金残高は16.7億円と推計されたものです。非常に厳しい予測が出されているところは配慮するべき点です。 先日、日本銀行がマイナス金利を解除して17年ぶりの利上げと、イールドカーブ・コントロールの廃止、上場投資信託の新規購入停止を発表しましたが、今後、これらがどのような影響を市民生活に与えるのか、また、市財政に与えるのかということは検討材料です。少なくとも公債費の利息分を中心に上振れがあることが予想されますし、それは今後の市債発行への影響も懸念されるところです。 議案質疑で、公共施設整備基金と地方債減債基金について問いました。そこで、令和6年度予算において、特定目的基金である公共施設整備基金残高がどうなるかと確認したところ、約5,700万円とありました。これは憂慮する点です。今後、千代崎中学校や白鳥中学校、天栄中学校、いろいろ大きな施設改修が必要となるものがあります。この中で、大きな金額が必要になることは間違いないと考えますが、それだけではなく、そのほかの公共施設についても、改修や修繕のための予算が必要であって、基金残高は重要となります。今回の予算を機会に、施設整備だけではなく、維持修繕も含めた基金への転換を検討して、目標額を設定して基金を積み、最低でも10年は不安なく運用できるようにするべきと意見し、取組に期待します。 地方債減債基金について、本年度予算では4億円が繰り入れられ、繰入後残高が約15億円強となりますが、株価などをはじめとして、社会変動の影響を考えれば、地方債減債基金の取扱いはより慎重に行うべきと意見します。 歳出面について、令和6年度予算では、子ども医療費の18歳までの対象拡大や小中学校への空調設備設置など、経常的支出の増加につながる施策が挙げられている一方で、歳出抑制に対する意識、行財政改革に対する意識は乏しいのではないかと危惧しています。 先ほど述べましたが、議案第11号では定数上限を上げることが提案されていて、それによる人件費増に対する財源の考え方も不明なままです。財源確保のためには、歳入増につながる政策を進めること、それともう1つ、やはり事業仕分けのような視点を持ちながら歳出を見直すこと、市の言うトータルマネジメントの取組を一層推進するべきと考えます。 また、市民の皆さんに対しては、市が事業を行うためには財源が必要で、無料化や無償化と言われても、実際は税などから支出されていることなど、主権者教育から市財政について考える機会を増やすことも必要と意見し、取組に期待します。 何よりも次の世代に財源を残す、持続可能な地域社会を残すことが、現役世代の責任です。そのような視点から、予算執行に当たって、議会はもちろんですが、市民の皆さんとの情報共有と説明責任にこれまで以上に誠実に取り組まれることを期待して、議案第2号 令和6年度鈴鹿市一般会計予算に賛成します。 議案第3号 令和6年度鈴鹿市国民健康保険事業特別会計予算について意見を述べます。 今回の予算における歳入部分では、国民健康保険料収入が前年度に対して約3億6,000万円減少していることが出ております。その要因は、後期高齢者のほうに移行する部分であったり、賦課基準所得額がマイナスになったことなどによる影響ということでした。そして、その影響については、賃金上げが行われても、今後、どれだけ保険料収入に反映されるか見通しが立っていないというところにつながっていることも説明のほうで聞きました。 このようなことを背景にして、今年度の予算では6.2億円、国保基金のほうから繰り入れられることになります。この点について、令和4年度決算の討論で、国保料の減額を求める御意見もありましたが、基金運用について、その当時の行政判断は妥当だったと考えられます。また、このことは国保だけでなく、一般会計においても、基金残高に対して慎重な議論が必要なことを指していて、基金残高について目先の金額だけで考えるのではなく、また制度だけではなく、財政面についても周知していく努力が必要ということを示していると考えます。 あわせて、議案第16号 鈴鹿市国民健康保険条例の一部改正について、こちらに関しても賛成はしますが、課題として、やはり高額所得層、こちらのほうで後期高齢者支援分として2万円限度額を引き上げることへの配慮が必要になってくるでしょう。ここ数年、こちらのほうの所得が高い層の方に対して引上げが続いておりますが、対象となる方々に対しても、生活環境が激変する可能性もあります。また、可処分所得の減少にもつながっておりますから、やはりこのような変動に対して柔軟に対応すること、機動的に対応できることを期待させていただきます。 議案第31号 令和5年度鈴鹿市一般会計補正予算(第8号)について意見を述べます。 補正内容についてはおおむね妥当と考えます。しかし、議案第11号で述べましたが、人件費における退職手当の減額補正部分について、いろいろと事情もあるとは思いますが、働き盛りの職員の退職が想定よりも増えていることは、人事異動に課題があるかもしれないなど、真摯に受け止め、組織改革に取り組まれることを期待します。 公民館費について、箕田公民館の空調設備修繕のための補正が181万1,000円計上されています。ホールのエアコンの機器類を室外機も含めて更新するという話でしたが、この事業から考えられることは、今後、同様の機器類を修繕・更新するに当たっては、同等の金額が発生するということでありますから、公共施設マネジメントの取組方、考え直さなければいけないのではないかということを意見させていただきます。 最後に、いま一度、皆さんにお伝えしたい、また、皆さんにお願いしたいことですが、令和6年度予算で公共施設整備基金残高が約5,700万円とされ、経常的支出による事業も増えています。しかし、議案第11号について、定数上限を増やすことに対する経常経費増に対する財源措置の考えははっきりしていません。 また、条例改正の根拠となる定員管理方針は、2月定例議会の直前に議員に公表され、また、定数にも関係すると考えられる令和6年4月組織変更について報告されたのは3月21日です。このような行政の姿勢を容認してよいのでしょうか。毅然と議会が向かい合わなければ、鈴鹿市によいことはないと私は考えます。本定例議会では否決し、財源と組織変更も含めた積算根拠の説明とともに、議案の再提出を求めませんか。議員各位の御賛同をよろしくお願いいたします。 以上で、私の討論とさせていただきます。 |