2007年9月定例会一般質問
「鈴鹿市行政評価について」

○29番(中西大輔君)  こんにちは,すずか倶楽部の中西大輔です。
 今回,2回目の質問となりますが,通告に従いまして,鈴鹿市行政評価とNTT西日本研修センタ跡地の2点に関して一般質問させていただきます。
 どうぞよろしくお願いいたします。
 それではまず,鈴鹿市行政評価についてですが,平成15年度から事務事業評価のシステムが導入され,また,平成17年度から5次総合計画に基づき各単位 施策が実施されていますが,行政評価については,過去の議会における関連質問及び答弁からも読み取れるように,成果重視の事業実施,市民への説明責任,ア カウンタビリティの面から,これからの鈴鹿市行政のあり方にとって,総合計画の進行も含め,非常に重要なシステムであることは明らかです。また,行政内部 だけでなく,行政評価で得られる情報を市民も活用しやすいよう,そのようなシステムを構築することに取り組むことは,市民の市政への自立した積極的な参加 にもつながり,そのことで,より行政改革が進むのではないかと考えます。
 そこでまず,18年度の行政評価についての質問です。
 一つ目に,単位施策評価も導入された18年度の行政評価について,現在までの進捗状況の説明を求めます。
 二つ目に,決算と予算を考えるとき,評価結果の公表をできるだけ早くできないか,その点についての説明を求めます。
 三つ目に,市民への公表時期が11月となっていますが,予算との連動を考えると,この時期では遅いのではないかと考えますので,その点について説明を求めます。
 よろしくお願いします。


○議長(大西克美君)  市長。
               〔市長 川岸光男君登壇〕
○市長(川岸光男君)  それでは,中西議員の鈴鹿市行政評価についての御質問に,御答弁申し上げます。
 私は,限られた資源の中で,効率的,かつ効果的に行政運営を進めていくには,前例踏襲を基調とする管理型から,効率性・効果性を重視する経営型に転換していくことが必要であると考えております。
 この経営型の行政運営,すなわち行政経営を戦略的に行うためには,民間のマネジメントを取り入れ,環境変化に対応し,限られた経営資源を有効に使いながら,計画の達成を図っていかなければならないと考えております。
 本市では,この戦略的な行政運営を実施していくためのツールが行政評価だと位置づけをしております。
 地方分権時代におけます地方自治体の政策形成能力の向上が強く求められる中,情報公開の推進に伴います行政活動に対する市民への説明責任の適切なる対応 を初め,少子・高齢化社会の急速な進展や,景気低迷によります財政状況の悪化などをかんがみ,これらの課題に迅速,かつ的確に対処するための手法として, 行政評価は,近年多くの自治体で取り入れられております。
 議員も御承知のように,本市では評価の初期段階といたしまして,職員の日常業務であります,また,市民にとりましても,最も身近な事務事業を対象とした事務事業評価を平成15年度に導入をいたしました。
 その後,各部各課がさまざまな観点から事業の検証を行う中で,事務事業の改善につながる一方,評価結果を市民の皆様に公表することで,事業執行の透明性の確保にも努めてまいりました。
 また,平成18年度からは,これまでの事務事業評価に加えまして,第5次鈴鹿市総合計画の行財政経営計画に位置づけられております単位施策の階層を対象とした単位施策評価を実施したところでございます。
 単位施策目的の達成度や事務事業の貢献度,執行効率を踏まえた評価を行うことで,各事務事業の方向性や予算配分等の優先順位づけのための判断を行うなど,より効率的な行財政経営の着実な推進に努めているところでもございます。
 現在,こうした一連の行政評価は,業務内容の改善や執行効率の改善ツールとして,また,総合計画の進行管理ツールとして重要な役割を担うとともに,職員の意識改革の向上を図るという点におきましても,徐々にではございますが,定着をしてまいったと考えております。
 しかしながら,単位施策評価につきましては,実施をして2年目ということもございます。未成熟な点もございます。
 したがいまして,今後は,効率的,かつ効果的な評価運用につきまして行政評価,アドバイザーによります職員研修を行うなど,単位施策評価の熟度の向上を 図りながら,計画・予算・評価の連動を図ってまいりたいと考えておりますので,御理解を賜りますようによろしくお願いを申し上げます。
 詳細につきましては,企画財務部長から答弁いたさせます。

○議長(大西克美君)  企画財務部長。
            〔企画財務部長 長谷川正人君登壇〕
○企画財務部長(長谷川正人君)  それでは,1点目の鈴鹿市行政評価のうち,まず初めの平成18年度行政評価について,御答弁申し上げます。
 一般的に行政の仕事は政策・施策・事務事業という3層の構造としてとらえることができ,これらを相互に目的と手段の関係を保ちながら,一つの体系化を形成することで総合計画を策定いたしております。
 そして,この計画に対します進行管理としての評価でございますが,一口に,行政評価と申しましても,それぞれの階層に応じた評価の方法がございます。
 市が目指すべき方向や目的を指し示す政策を大局的な見地から評価する政策評価,その政策目的実現のための方策としての施策を評価する施策評価,それに,施策の目的を達成するための具体的な手段である事務事業を評価する事務事業評価であります。
 現在,本市では一般的な施策を施策と単位施策の二つの階層に細分化して,第5次総合計画を策定しており,そのため,実施しております行政評価は,先ほど 市長より答弁させていただきましたとおり,事務事業評価と単位施策評価により構成されていますので,それぞれの状況についてお答え申し上げます。
 まず,事務事業評価についてでございますが,これまでは評価時期を新年度当初の4月から5月に行っておりましたので,評価者が人事異動でかわるなど,適正な評価をするのに不都合な点もございました。
 したがいまして,18年度分事務事業評価では,行政評価アドバイザーの指導を受けまして,年度末の人事異動に影響を受けることなく,事務事業を実施した 者が評価を行い,人事異動に伴う事務引き継ぎへの活用がスムーズに行えるよう,年度内評価を本年2月中旬から実施いたしました。
 その結果,ほとんどの事務事業評価シートの提出が19年度当初に可能になりましたが,18年度決算数値につきましては,19年度当初に確定いたしますことから,19年度5月末までを修正期間といたしました。
 この間,すべてをまとめる担当課であります財政課では,評価シートの内容チェックを行うとともに,評価漏れのないよう担当部局と十分な協議を進めておりまして,事務事業の目標達成への進捗状況や経年変化,コストの推移を示すデータを確定する作業を行ってまいりました。
 19年度では,平成18年度において実施しました事務事業と,19年度から実施を予定している新規事務事業を含めた896の事務事業を対象に評価を実施いたしております。
 このような流れの中で,次の階層の評価であります単位施策評価が短期間にできるよう,事務事業評価の諸データ,特に投入コストの推移や事業の妥当性など のデータを単位施策評価シートに移行する作業につきまして,毎年,事務事業評価システムの改善をしながら実施してきております。
 また,本年7月には,事務事業評価のレベルアップを図るため,一部の主管課を対象に,事務事業の問題点把握の仕方や改善案の出し方などについて,個別研修を行っておりまして,この10月には,改善案どおりの事務改善が実施されたかどうかの検証を行うこととしております。
 このように,事務事業評価を実施してから4年目を迎える現在では,職員の意識改革と評価テクニックの向上を目指した取り組みも実施いたしておりますので,よろしく御理解賜りたいと存じます。
 次に,平成18年度分単位施策評価について,説明申し上げます。
 これまで行ってまいりました個々の事務事業の改善だけではなく,成果志向に基づく,第5次鈴鹿市総合計画の進行管理や予算優先順位判断も行うため,総合 計画の行財政経営計画で位置づけられた143の単位施策の評価を実施いたしております。つまり,事務事業を集約した結果としての単位施策として成果はどう であったかという評価に当たるものでございます。
 実施に当たりましては,その評価を行う所属長に対して,単位施策評価の作業,手法についての説明会を5月末に実施し,円滑な評価ができるように指導しております。
 なお,単位施策評価につきましては,事務事業評価のような絶対評価ではなく,構成される事務事業全体を見通した相対評価でありますことから,事業の方向性,優先順位判断など,まだまだ熟度を高める必要があると思っております。
 18年度末に実施しました単位施策評価に対する評価者へのアンケート調査によりますと,活用度に関しての回答結果では,総合計画の進行管理としての活用 度は72%と高い数値を示しておりますが,事務事業の方向性判断の活用度としては57%,予算配分等に関する事務事業の優先順位判断の活用度に至っては 44%という,十分満足できる結果ではございませんでした。
 今後も,さらなる単位施策評価システムの改善や評価者への研修を重ねてまいりたいと考えております。
 現在,各部局から提出されました143の単位施策評価と,それを構成する896の事務事業評価との整合性について,担当課と調整作業を進めている途中でありますが,9月中には確定し,10月下旬には公表したいと考えております。
 次に,評価結果の公表の時期についてでございますが,先ほども申し上げましたとおり,本市の行政評価は,単位施策評価と事務事業評価とが一体となったシ ステムとなっておりますので,それぞれの評価データに整合性を持たせるための作業に1カ月程度の時間を要しますことから,現行のスケジュールで御理解を賜 りたいと存じます。
 なお,評価データの計画・予算への活用と評価シート入力作業の簡素化を図ることによる入力作業の短縮化を図るなど,今後も改善を重ねてまいりたいと考えております。
 また,単位施策評価を行う折,構成される事務事業を担当部局内で2次評価を行い,精度を高めるための修正ができますことから,事務事業評価だけの公表を早めることは避けたいと考えております。
 よろしく御理解賜りたいと存じます。
 次に,予算との連動を考慮した場合ですが,11月の公表では遅いのではないかとの御質問でございますが,新年度予算編成作業は,毎年10月ごろから始まりますので,9月末に確定する評価が,予算要求時には十分活用できると思っております。
 以上でございます。
 御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。

○議長(大西克美君)  中西大輔議員。
              〔29番 中西大輔君登壇〕
○29番(中西大輔君)  ありがとうございます。
 それでは,答弁の内容から2点,詳しく説明を求めたいと思います。
 まず,政策評価について,今後どのようなタイムスケジュールで導入を検討しているのかお聞かせください。
 また,答弁中,現行のスケジュールとありますが,この点,わかりやすいように,再度,系列的に整理しての説明をお願いします。


○議長(大西克美君)  企画財務部参事。
○企画財務部参事(林 治門君)  それでは,中西議員の2回目の質問となります,政策,まず1点目,政策評価につきましての評価時期などにつきまして,御答弁を申し上げます。
 先ほども部長から答弁がございましたように,第5次鈴鹿市総合計画におけます本市の将来都市像を実現するための施策としましては,基本構想に類する政策 と行財政経営計画としての単位施策,そして,単位施策の目標を達成するための具体的個別事業としての事務事業の3層構造から形成をされております。
 そのうち,政策は,おおむね10年先を見据えて,行政と市民が協働して目指していくものとして位置づけをしておりますことは,議員もよく御承知のことかと存じます。
 また,本市の総合計画は,平成18年度から平成27年度までの10年間としておりまして,その政策目標としましては,鈴鹿市は住みよいところだと思う人 の割合を,将来都市像の達成を図るための資料とし,本総合計画の最終年度となります,平成27年度における目標値を80%と設定をいたしております。
 したがいまして,政策評価の実施時期といたしましては,評価を行うといたしましても,平成27年度ということになろうかと思っております。
 ただ,先ほども申しましたように,政策は,市民との協働により目指すべき目標でありますことから,行政だけでの評価をすることは望ましくなく,結果として,市民の皆様の判断もいただきながら評価をされるべきものであろうと考えております。
 したがいまして,政策評価の時期と方法については,現時点では確たる考えは持ち合わせておりませんが,現在は,行財政計画に位置づけられました単位施策 評価と実施計画に位置づけられております事務事業評価とを行っておりますので,まずは,それぞれを的確に評価することで,より充実した市政運営に活用して まいりたいと考えておりますので,よろしく御理解を賜りたいと存じます。
 続きまして,2点目の最初の答弁でございました現行のスケジュールについて,系列的に説明をということでございます。
 まず,18年度分の事務事業評価におけますスケジュールでございますが,評価シートの作成開始時期を事業実施年度内の本年2月中旬からといたしました。 この年度内評価としたことにつきましては,先ほど部長から御答弁申し上げておりますので,省略をさせていただきたいと存じます。
 各課から提出されました評価シートにつきましては,事務局であります財政課で,決算額が確定いたします5月末までを修正期間として,記入内容の点検と担 当課との調整を行い,6月初旬には,担当課との協議を得まして,ひとまず,この時点で,事務事業の指標数値などを確定いたします。その後,事務局におきま して,この数値データを単位施策評価シートに入力,転記する作業を行います。これまでが事務事業に伴います事務作業となります。
 次に,単位施策評価におけるスケジュールでございますが,まず,5月下旬に評価者となります各所属長を対象に,単位施策評価説明会を行い,評価シートの 記入及び評価方法について指導を行います。その後,各所属長は,6月いっぱいにかけまして単位施策評価を行いますが,その評価と並行して,単位施策に構成 されます各種事務事業の評価シート内容についても再確認をし,単位施策との整合性を図ることといたしております。
 そうして,全単位施策評価シートの提出が整います7月の上旬から8月の中旬までの約1カ月半ほどをかけまして,143の単位施策と896の事務事業の整合性について,事務局を含めて評価者であります所属長と担当者との協議を行っております。
 次に,8月中旬から9月初旬にかけまして,さらなる評価シートの精度を高めるための最終確認を担当課及び所属長が行った後,評価シートが確定をいたしま す。その後,事務局では,全評価シートファイルをPDFファイルに変換する作業に約1カ月,ホームページを所管します秘書広報課においてファイルの添付作 業に約3週間かかりますことから,ホームページの公表準備がすべて整いますのが10月下旬になることとなります。
 以上が,行政評価が市民へ公表されるに至るまでのスケジュールでございますので,よろしく御理解を賜りたいと存じます。
 私からは,以上でございます。

○議長(大西克美君)  中西大輔議員。
              〔29番 中西大輔君登壇〕
○29番(中西大輔君)  確認をさせていただきますが,現在,行政評価を見ることができるのは市政情報課窓口,もしくは,鈴鹿市のホームページ上のみという理解でよろしいのでしょうか。

○議長(大西克美君)  企画財務部参事。
○企画財務部参事(林 治門君)  議員御指摘のように,行政評価の結果を市民に公表する手段といたしましては,現在は,一つは,ホームページへの掲載でありまして,一つは,市政情報課への関係書類を備えさせていただいております。
 以上でございます。

○議長(大西克美君)  中西大輔議員。
              〔29番 中西大輔君登壇〕
○29番(中西大輔君)  ありがとうございます。
 それでは次に,行政評価と計画・予算・評価,これらがうまく連携していくことが行財政改革の大きな力になっていくと考えますが,現在の鈴鹿市における,これらの連動の状況について,説明をお願いします。


○議長(大西克美君)  企画財務部長。
○企画財務部長(長谷川正人君)  それでは,計画・予算・評価の連動について,御答弁申し上げます。
 計画・予算・評価の連動につきましては,平成18年度に行政評価アドバイザーの指導と助言をいただきながら,計画部門を担当いたします企画課と,予算・ 評価を担当いたします財政課との間で,それぞれが現状把握を行う中で,計画と予算,それに評価を効率よく連動させる環境整備づくりについて検討会議を重ね てまいりました。
 その結果として,現状では評価基準を同一にするには,コスト面や担当課への負担が大きいというなどの理由から,費用をかけずにできることから実施することとなりました。
 したがいまして,本年度は,手始めに,予算・評価をうまく作用させるための一歩の動きとして,新年度予算査定時に活用できるシートの作成を進めているところでございます。
 よろしく御理解賜りたいと存じます。

○議長(大西克美君)  中西大輔議員。
              〔29番 中西大輔君登壇〕
○29番(中西大輔君)  それでは,私なりのまとめとして提案を述べさせていただきたいと思います。
 5次総合計画についても,単位施策レベルからの見直し時期が近くなっていると思います。この見直しについて,より価値の高いものにしていくことが,今後の鈴鹿市政にとって重要なことだと考えます。
 答弁中に,成果志向に基づく第5次鈴鹿市総合計画の進行管理,予算優先順位判断の視点からという言葉がありますが,過去の答弁の中にもありますように, 行政評価の目的には,それらとあわせ,職員の意識改革もあると理解しています。これらを,より充実させていくために,これからの行政評価システム中に,ぜひ,担当部局による施策及び事業についての事前評価の作成と中間評価の実施,そして,それらの市民に対する公開の導入を提案します。これにより,先ほど小島議員の質問と答弁にもありましたが,枠配分予算との連動によって,より効果的な予算活用が期待できるのではないかと考えます。
 また,途中ホームページと評価についての公開についての件について,今回の行政評価を初めとして,市ホームページを活用して,市政情報提供を積極に行うのであれば,その情報を閲覧し,活用することのできる機会の公平性,また,活用するための学びの場やスキル獲得の機会の公平性について,単純に個人や地域に,その責を求めるのではなく,鈴鹿市は,そのための端末設置の整備なども含め,情報弱者を生み出さないためにも,行政として改めて検討するべき時期では ないかと私は考えます。そのために,まず,市の施設,公共施設における市政情報提供のあり方の再検討を行うべきであると提案します。
 今後の評価の充実を期待して,これで行政評価についての質問を終了させていただきます。