2009年3月定例会一般質問 「市政方針について問う」 ○29番(中西大輔君) 議席番号29番,すずか倶楽部の中西大輔です。 私も,いつになってもここで緊張がなかなかとれないので気が小さいなと思うところなんですけれども,きょうもちょっと頑張らさせていただきたいと思いますので,よろしくお願いします。 この議場のこの位置に立つということは,相撲で言えば土俵に立つということで,土俵の上でやっぱり真剣勝負をしないと鈴鹿もよくならないと思いますので,ひとつ頑張っていきたいと思いますので,よろしくお願いします。 それでは,通告書に従いまして,一つ目,さきに行われた市長の施政方針に関連して質問させていただきます。 代表質問等の答弁も含めて,市長の言葉の中で,市長のリーダーシップと職員の改革への取り組みで行財政改革に取り組むとありましたが,せんだって我がすずか倶楽部で宮崎県都城市の部マニフェストと部マネジメント改革について会派視察を行いました。そこでは,39歳の私と同じ年なんですけれども長峰誠市長が自分のマニフェストに沿った形で各部に政策ミッションを提示して,それに対して各部が市長に対するマニフェストを作成,外部評価を取り入れながらそれをもとに市政運営に取り組むという姿がありまして,非常に参考になりました。このような形で,また川岸市長にもリーダーシップをとっていただき,政策実現に取り組んでいただきたいなと。また期待させていただきたいと思います。 先ほどの板倉議員の話でもありましたが,現在の社会状況がよく言われるように,百年に一度の状況であるならば,私はそれよりも新しい時代,世界的に社会が新しい局面に入ってきている時代だと思うのですが,市の進めようとしている諸策については,やはり再評価しているのかが気になるところです。基本的には行財政改革についても現在の社会状況以前に考えられているものですから,早急に再評価と検証をするべきと考えるところです。 その中でも効率化,よく取り上げられていますが,このような社会変動の中,それ以前の考え方で進めることが必ずしもよい結果につながるとは限らないはずです。短期的な視点ではなくて中長期的な視野のもとで考える必要があります。 一例なんですけれども,幼稚園再編の話題よく出てきますが,就学前教育を充実させていく子供たちの教育や子育てのセーフティネットを広げるという視点で考えていけば,そこでの投資は短期的には大きく見えても長期的にその子供たちの育ちにプラスになることで,それ以降の問題行動であるとか,成長後の人的資源の充実につながることなどを考えればトータルでの効率的な運用,社会的コストの減少につながると考えられるはずだからです。 そのようなことを前置きにしながら今回の施政方針演説の中で,特に第2期行財政経営計画のスタートと,それに関連するということですから,より一層の「選択」と「集中」がどのように進められるのか,また,計画が推進していくことになるのかをお聞かせいただきたいなと。 特に施政方針の中で取り上げられた「鈴鹿市における経済対策」,「F1の開催とシティセールス」,「住民自治と多文化共生」,「救急医療体制と学力保証」,「災害や疫病に対しての安全・安心」,「経済と産業の発展のための基盤整備」の内容について,第2期行財政経営計画の中で,それぞれがどのような政策のもとで考えられ,それぞれに関連する施策について,今年度は3年の計画ですから,今年度は特にどのような項目についてウエートを置いて考えているのか お聞かせください。 ○副議長(伊藤寿一君) 市長。 〔市長 川岸光男君登壇〕 ○市長(川岸光男君) それでは,中西議員の御質問に御答弁申し上げます。 施政方針と総合計画との関連についてでございますが,私は,本定例会におけます冒頭の施政方針の中で,平成21年度の市政運営に当たり基本な考え方や主要な施策について,その一端を述べさせていただきました。 それに対しまして,総合計画におけます行財政経営計画につきましては,総合計画の基本構想に基づいて政策を実現するための基本計画に当たるもので,まちづくりを進める上で基本となるものでございます。 来年度からスタートいたします「第2期の行財政経営計画」につきましては,平成21年度から平成23年度を計画期間とし,本市が取り組む施策を示したものでございます。厳しい財政状況ではございますが,本計画に添って施策を着実に進め,本市の将来都市像でございます「市民一人ひとりが夢や生きがいをもって安心して暮らせるまちすずか」の実現に向けて,なお一層努力をしてまいる所存でございますので,よろしく御理解を賜りますようにお願いを申し上げます。 なお,議員御質問の細部につきましては,企画財務部長から答弁いたさせますので,よろしくお願いします。 ○副議長(伊藤寿一君) 企画財務部長。 〔企画財務部長 長谷川正人君登壇〕 ○企画財務部長(長谷川正人君) それでは,中西議員の施政方針と総合計画の関連につきまして御質問の詳細に答弁申し上げます。 施政方針につきましては,大きく分けまして6つのテーマに大別しております。順に申しますと,「経済対策」,「F1復活とシテイセールス」,「協働社 会・共生社会の実現」,「緊急医療体制づくりと子どもの育成」,「生活に密着した安心と安全対策」,「活気あるまちづくり」でございます。 まず,「経済対策」につきましてでございますが,雇用問題,住居問題,経済の活性化など市民生活を中心とした市内の社会経済状況によりまして幅広く対応していく必要があると考えておりますが,現状では今月中に公表させていただく予定であります第2期行財政経営計画におきまして,労働環境の充実,持続的で安定した経営基盤づくりなどの施策が該当いたします。景気後退下での市民生活の不安にきめ細かく対処できるよう市長をトップとする緊急経済対策本部を中心に市としての取り組みを検討し,方策を講じてまいります。 続きまして,「F1復活とシテイセールス」ですが,行財政経営計画では,豊かな自然と観光資源の活用などの施策や構想の推進における効果的・効率的な行政運営という施策の中のシティセールスの推進の単位施策が該当いたします。 特に平成21年度におきましては,3年ぶりに開催されるF1日本グランプリレースの成功に向けた取り組み及びモータースポーツ都市,モータースポーツの聖地としての「鈴鹿」の世界的な知名度を活用したシテイセールスに取り組みたいと考えております。 続きまして,「協働社会・共生社会の実現」ですが,行財政経営計画では,共生社会の実現,また,構想の推進の中の市民参加が活発なまちづくり等の施策が該当いたします。来年度は市民参加による住民自治が充実したまちづくりの実現,外国人住民との共生社会実現に向けて取り組みます。 続きまして,「緊急医療体制づくりと子どもの育成」ですが,行財政経営計画では,子どもを育てやすい環境づくり,子どもの教育の充実,医療体制・制度の充実,救急・救命対策の推進等の施策が該当いたします。来年度は,医療への不安が全国的に発生している中での本市の救急医療の充実に向けた取り組み,少子高齢化時代を迎えた中での少子化対策としての子育て支援,確かな学力の保障を図ることを目的とした教育現場の充実などを行います。 続きまして,「生活に密着した安心と安全対策」ですが,行財政経営計画では,防災対策の推進という施策及び身近な生活環境を守る活動の推進という施策の中の感染症の発生及び蔓延の防止の単位施策並びに構想の推進の中の情報共有の推進の施策が該当いたします。 来年度は,今後発生が予想される大規模地震に備えての新たな取り組み,災害時の情報提供及び新型インフルエンザへの対応について取り組みます。 続きまして,「活気あるまちづくり」ですが,行財政経営計画では,人・物がスムーズに行き交う交通綱の充実,蓄積された知識と技術の活用による競争力の向上,持続的で安定した経営基盤づくり,新ビジネスの創造と産業の振興等の施策が該当いたします。 来年度もさらに地域の経済力を高めるための産業の活性化,新たな産業の創出と育成のためのものづくり研究開発支援,それを支える道路などの基盤整備について推進してまいります。 以上,施政方針の項目と総合計画の関連について,項目別に主なつながりを例示させていただきました。 なお,第2期行財政計画につきましては,本定例会閉会後の市議会全員協議会の場で報告させていただきます。 以上で答弁とさせていただきます。 ○副議長(伊藤寿一君) 中西大輔議員。 〔29番 中西大輔君登壇〕 ○29番(中西大輔君) 大筋の方を了解させていただきました。ありがとうございます。 その中で,やはりこれからの安全・安心のところで,地震というのはいつ起こるかわかりませんから,そのあたりの施策の方は十分に進めていただきたいのと,感染症に関しては,お隣の愛知県豊橋市で新型鳥インフルエンザのH7型が発生したということもありますし,これについてもタミフル耐性のインフルエンザウイルスなどが発生している現状からかんがみて,早急にいろいろ対応していただけたらなと思います。 それ以外の件について,個々にまたお聞きしていきたいんですけれども,ともかく今回のことを百年に一度のことであると考えれば緊急対策という言葉になるでしょうが,これが大きな時代の転換点,新しい局面だと考えれば,もう少し根本的な見直しとなると思います。そのようなことを考えながら話の方を続けさせていただきたいと思いますが,まず,鈴鹿市における経済対策と経済と産業の発展のための基盤整備の二つにかかわることについて,さきの12月議会において,私は,公共事業などによる仕事の創出を提案しましたが,現在取り組んでいる緊急雇用対策やふるさと雇用再生特別基金での対応なども含めて,国や県との相互補完的と言われる対策だけではなく,今後,市で自主的・積極的な経済対策や雇用創出策があるのかお聞かせください。 また,雇用減からつながる購買意欲や購買力の低下についてはどのように考えているのかお聞かせください。 ○副議長(伊藤寿一君) 産業振興部長。 ○産業振興部長(今井正昭君) それでは,中西議員の御質問に御答弁を申し上げたいと思います。 雇用対策につきましては,平成21年度予算で国の方では,ふるさと雇用再生特別基金事業を実施いたしております。これは国が交付金を都道府県に対しまして交付して,この基金を造成して雇用情勢の厳しい地域において都道府県及び市町村が地域の実情に応じまして創意工夫に基づいた雇用機会を創出するということを目的といたしております。 制度の概要につきましては,都道府県及び各自治体が地域の雇用再生のために継続的な雇用の創出の図れる事業を策定いたしまして,当該事業地域の求職者を雇用して実施する民間団体に委託をして実施した場合に,その要した経費が都道府県に造成された基金から補助されるというものでございます。 実施される事業といたしましては,産業振興の分野から,あるいは教育分野まで多岐にわたっておりますけれども,こういった事業も多数ございますので,こういった事業につきまして,本市といたしまして,こういった分野で地域の特性を発揮した事業をいろいろ考えておりますけれども,これらの事業を民間に委託するというようなことから,産業を活性化して継続的な雇用創出できる状況を生み出してまいりたいというふうに考えておりますし,また,このほか経済対策につきましては,基礎自治体としての企業に身近な利点を生かしながら,ものづくり動く支援室を中心に中小企業支援を強化して企業の経営基盤の強化につながる支援を引き続き継続して実施してまいりたいというふうに考えております。こういった部分の中で,それぞれの購買力が高めていくような形がつながっていけばいいのかなというふうに考えております。 以上でございます。 ○副議長(伊藤寿一君) 中西大輔議員。 〔29番 中西大輔君登壇〕 ○29番(中西大輔君) ありがとうございます。 ただ,この根本的な状況だとすれば,緊急雇用対策であれば大体6カ月というふうな前提になってくるんですけれども,やはり1年なりの期間というふうに考えを変えていただいて行政の側でワークシェアをしながら,もう少し雇用創出をする。必要なところというのは多々あると思いますから,そのあたりについても十分検討していただきたいなと思いますので,よろしくお願いします。 それの次に,F1の開催とシティセールスに関する内容について移らせていただきます。 言葉の中では,セールス資源の獲得というふうなところの視点が非常に色濃く出ていると受け取れるんですけれども,やはり市長の言葉の中でも,F1の歓迎ムードを盛り上げるための事業を官民一体となって推進しますとあったように,私はこのような社会状況の中だからこそ,行政が待ちの姿勢ではなくて行動の視点で旗を揚げる形でどんどんシティセールスを行うべきではないかと思います。 例えば,昨年ニュースでもありましたが,陸上幅跳びの池田久美子選手が鈴鹿の方に結婚を機にみえたというような話もありますし,また,パラリンピックの伊藤選手の話題,また,せんだってのうましくにの駅伝の話題など,例えば,スポーツ,陸上の場面でもこういうふうなことを集めれば一つのセールスポイントとなりますし,三重県内から他市町からこちら鈴鹿の方に誘導する一つのセールスポイントになり得るんではないかと思います。 また,食べ物でも最近鈴鹿の産業の中では,おはらぎ(おはらみ)というふうな形で表現されていますが,例えば,そういうふうな白子近辺の和菓子などでも白子近辺の歴史伝統資源,そういうものをつなげてウオーキングなどをもっと新しく提案していくことでシティセールスの面でおもしろい素材になり得るのではないかと思います。 このように行政の側から積極的に鈴鹿の魅力を創出する取り組み,またそのようなしかけに取り組んだり,旗を揚げるような形で民間と提携する形について積極的に取り組まれるのかどうかをお聞かせください。 ○副議長(伊藤寿一君) 企画財務部長。 ○企画財務部長(長谷川正人君) それでは,行政の側から積極的に魅力創出の取り組みをするのかという御質問に答弁申し上げます。 市内では日々,市民生活を初め,さまざまな主体がそれぞれさまざまな営みや活動を行っております。シティセールスは,その営みや活動における個性ある素材や強みを本市の知名度を活用してほかに売り込もうという考え方でございます。 したがいまして,すべてを行政が行うというものではなくて,第一義的にはそれぞれの主体がシティセールスの意識も付加して活動していただくのが本来あるべき姿だと考えております。そうした考えのもと,行政としての役割の範疇におきまして主体的に行うもの,支援的に行うものに整理してシティセールスを進め ていくものと考えております。 また,その場合に,それぞれの主体間で連携し合うものがあれば連携することにより,よりよい結果を生むものと考えております。行政としましては,それぞれの部局におきまして本市の強み,弱みを分析しておりますので,そのもとにこれからの戦略的な施策をまとめておりまして,行政の役割を踏まえ,積極的に進めていく考えでおります。 以上でございます。 ○副議長(伊藤寿一君) 中西大輔議員。 〔29番 中西大輔君登壇〕 ○29番(中西大輔君) シティセールスについて,セールスマンというのは基本的につくったものをつくった人ちが自分たちで売ってくれというのを,じゃあ売ったるわというふうなことではなくて,やっぱりそういうふうなものを積極的に集めてコーディネートして販売につなげるというのもセールスにとっては非常 に重要な視点じゃないかなと思います。 そういう意味でいうと,行政が全部やる必要はないけれども,セールスマンという視点でしっかり取り組んでいくというふうなところですね。旗を揚げるであるとか,声を上げていく,そういうふうなところにはぜひ積極的に取り組んでいただきたいと思いますので,検討をよろしくお願いします。 それでは,話また変わりますが,住民自治と多文化共生の面についてなんですけれども,そこの言葉の中で,一点私は気になったところがありまして,というのは,高齢化人口減少が進む日本にとって海外から人材を受け入れることは大きなプラスになりますという表現がありまして,そこのところをほんとにそのままの表現で考えていいのかどうかということを検証されたのかなと思いました。 というのは,このような発想というのは従来型の発想ではないかなと。雇用の調整弁的な考え方で表現されている部分でないかなと思うところです。 というのは,例えば,最近も新聞で話題になりましたが,外国人看護師採用が思うほど進んでいない現状などもありますし,また,日系ブラジル人の方々の中でも日本語のできる方の帰国が進んで,逆に語学力に乏しい方が残留していくというふうな場面が出てきているなどの傾向もあります。このようなことが導いてくることというのは,これから外国人の方を受け入れていく中で,私たち自身,社会構造自体大きな転換に直面していくということになっていくと思います。そのような前提で考えていく中で,非常に急速に形を変えつつある課題ですが,昨年度から含めて非常にほんとに速いスピードで変化していますが,この点につい てどのように考えているのかお聞かせください。 ○副議長(伊藤寿一君) 生活安全部長。 ○生活安全部長(島村 悟君) 議員の御質問の趣旨は,海外からの人材受け入れは社会構造の実態の大きな転換に直面するので,この点の考え方についての御質問ということと承っております。 海外から人材受け入れるということに関します方針や施策につきましては,当然国が決定することでございますが,本市におきます現状は,既に議員御承知のとおり,この地域の特性としまして数多く在住してみえる南米から主に出稼ぎ等で来日してみえる日系の外国人に関しまして,いろいろ課題を抱えておりますので,この課題を共有しております当市で構成してます外国人集住都市会議におきまして議論を重ね,国に対し多くの提言をしてまいっております。その結果,国も課題を認識しまして,会議からの提言を踏まえた対策をとりつつございます。 この外国人集住都市会議で出された課題をほんとに端的に申し上げますと,永住を含めた長期滞在型の人材受け入れについては,人材の日本語の理解と会話の能力が必須となりますので,日本語のスキルアップの取り組みと地域社会との共生のための取り組み,この2点に大きく集約できるんではないかというふうに思います。そういう意味から言いますと,ただいま議員の御質問の中にございました人材の受け入れは社会構造自体の大きな転換に直面するということはおっしゃられるとおり,もう既にこの外国人集住都市会議のメンバー都市では既にもう起こっているというふうに認識しております。 反対に言いかえますと,この課題を解決すれば外国からの人材の受け入れにつきましては,本市にとりまして人口の増加や産業の活性化など市政発展のプラス面に働く面がかなりあるんかなというふうに思います。 いずれにしましても,海外からの人材受け入れに関します当面の課題につきましては,しっかりと取り組みまして住民自治の進展と多文化共生社会の実現につなげていきたいと考えておりますので,よろしく御理解いただきますようお願いいたします。 ○副議長(伊藤寿一君) 中西大輔議員。 〔29番 中西大輔君登壇〕 ○29番(中西大輔君) そうですね。今の方針で進んでいくのが今の現状だと思います。その中でも,やはり今回の緊急雇用対策でもいろいろ学校の方はあるんですけれども,例えば,生活安全部の方でその地域コミュニティであるとか,外国人コミュニティとつなぐことのできる方をコーディネータとしてもう少し短期ではなくて1年ぐらいの契約でも結構ですから雇用した上で,この社会構造の変化に対応していくことをしっかり考えていただくことが必要ではないかなと思います。やはり多文化共生の中で言えば,文化をある程度理解している人がコーディネートしなければ言語についてもうまく伝わらない部分があると思いますので,検討をお願いします。 それでは,緊急医療体制と学力保障の面について話を移らせていただきます。 医療への取り組みについては,市長の言葉の中でも非常に力強く語っていただいたので,非常にありがたいことだと思います。 また,実際に原課の健康づくり課さんの活動を通しても非常にこの1年進んできた課題,そういうふうな実感を受けているところです。 ただ,やはりこの地域医療を取り巻く情勢というのは非常に厳しいことは変わらなく,せんだっての報告でもありましたように,救急告示病院の指定の方に2病院受けていただきましたが,それをもっていいというわけではなくて,最低限の救急医療体制を支える仕組みがとりあえずできたというふうなところ,そのあたりのことも含めて市民に情報の方を提供しながら意識啓発していく必要があると思います。 今回,文教福祉委員会からの方の議会からの提言等も含めて出ていることがありますので,そのあたり意識向上,啓発活動,独自の相談電話の設立なども含めて十分検討していただきながら取り組んでいただきたいと思います。その点は,今の言葉でお願いしますということで終わります。 ただ,学力保障の件についてなんですけど,少人数教育の方を充実するという面,このことは非常にいいことだと思います。 ただ,この言葉の中で,ちょっと残念というか,もう少し言っていただきたかったなというのは,就学前の子供たちの学びや育ちを含めたことを守るという点ですね,この点についてもう少し踏み込んでいただければなと感じていたところです。ですので,その点について,質問の方を進めさせていただきます。 特に教育については,いろいろモンスターペアレントとか,今回もいろいろ問題提起がありましたが,一般質問の中でも。 ただ,問題対応型の行動で取り組んでいる限りは,また問題解決。また起こった。それに対応する。イタチごっこの状況は変わらないものだと私は思います。このような状況を打開していくためには,もっと根本的なところ,子供たちの育ちの部分から考えることが大切だと思います。 今回の冒頭にもそれは少し述べさせていただきましたが,子育ちの始りの時間を充実することからトータルでの社会コストの低減につながることを教育は特に意識していただくことだと思います。それはもちろん日本の子供たちの育ち,外国の子供たちの育ち,どちらも含めてトータルで子供たちの育ちを守るという姿勢というのをしっかり出していただきたいなと思います。 そこで,きのうの答弁の中でも,子供たちの育ちの理想像ということをいろいろ答弁の中でお聞かせいただきましたが,私としては,やはり子供たちに求めるものを社会性というふうな観点ではなくて,社会力という観点で取り組んでいただいてはどうかと思います。 というのは,社会性というのは,極論を言ってしまうと,この世の中は金やというふうな考え方で世の中がある面は皆さんも特に聞かれる場面があると思います。ただ,世の中は金やというふうな社会の価値観にうまいこと乗っていくと,極論を言ってしまうと,事件でありましたように,そのために人を殺す,極論を言ってしまうとそういうふうなことにもつながりかねない。ですから,この社会力というところに取り組んでいただきたいんですけれども,社会力というのは,ちょっと今手元にあるんですけれども,岩波書店で「子どもの社会力」ということで門脇厚司さんという方が述べられている概念なんですけれども,どのようなものかというと,よかれと思う社会を構想し,それをつくり運営し,その社会をさらにいいものに変えていく力である。また,それが本来の機能を発揮するためには,その下地として従前な他者意識や他者への共感能力が備わっている必要があるということです。ほんとにこれ,教育の目標として重要なことではないかなと思います。 このような中でいうと,外国籍の子供たちの言語獲得だけではなくて,日本の子供たちの中にも親の育児能力が低下していることで,やはり教育の現場では問題が起こっているということも現状としてありますから,就学前教育からの子育ち環境の充実をぜひ考えていただきたいなと思います。 この社会力を念頭にして質問させていただきますが,せんだっての一般質問で,確かな学力の獲得で目指す人間像についてはお聞きしましたので,子供たちにとっての心の育ちと居場所についてと子供たちの学びと居場所の課題だけでなく,親の経済差が子供の学力獲得に影響しないような配慮などについてどのような お考えをお持ちなのかお聞かせください。 ○副議長(伊藤寿一君) 教育長。 ○教育長(水井健次君) 社会性と社会力と門脇先生のお話を聞かせていただいて,大変参考になりました。そんな中で,私たちが今これから本市の教育をどうするかということなんですが,当然,就学前教育は大事であるという認識のもとに,今,学校教育といたしましては,昨日,水谷議員の御質問にも御答弁させていただきましたように,五つの目指す子供像の具現化に努めているところでございます。これからも努めていきたいということなんですが,中でもこれは市長の施政方針演説の中でもありましたように,すべての子供たちに確かな学力を保障するために,1人1人に応じたきめ細やかな指導の自立に向けてやってまいりたい。このことは,きょう改めて御質問いただきましたので,いわゆる幼児教育の中から,就学前教育の中からもそういう段階からもきめ細やかにやっていく必要があると。 ただ,義務教育の中で私たち今,取り組んでおりますのは,少人数教育を取り組んでいくこと。そして,その中で子供たちがわかる喜び,学ぶ楽しさを味わうことができるように取り組んでいきたい。 あわせて今,私どもが抱えておる喫緊の課題でございます外国人児童・生徒の学力あるいは進路を保障するために鈴鹿市独自の日本語教育支援システムを構築して進めてまいりたいと考えております。 なお,そういった子供の心の問題ですけども,そういった心の教育につきましては,道徳の時間を要として学校教育活動全体を通して取り組んでおります。特に今,私どもが力を入れておりますのは,朝の読書とか,あるいは国語の時間の読書活動を通して,いわゆる子供たちに本の中から読書をすることによって子供たちが世界を広げ,世界を知り,心を深めていくと,こういった取り組みを大事にしております。あわせて夢工房事業というのをやっておりますが,こういった夢工房事業を活用しながら子供たちに希望と夢を持たせて,目標に向かってあきらめずに取り組んでいく,努力していく,そういったことが大事であることを学ばせてきたいと考えております。 ただ,こういった子育ちにしても義務教育における子供たちの心の教育にしても,学校教育のあり方を考えますと,やはり今回,中西議員から御指摘いただきましたように,そういったこれは学校だけではできるものではございません。学校教育活動の,あるいは子供たちの学校生活の基盤になるのは,やはり家庭であり,そして,それを取り巻く地域社会であります。そういったことから,今後,家庭,地域の皆様方,そしてまた,この市の中でも関係部局の方々と十分連携を図りながら,子供の心の育ちを大切にしながら,そしてまた,学力保障を大事にしながら今後の学校教育の充実に努めてまいりたいと考えておりますので,よろしくお願いいたします。 続きまして,経済格差が教育に与える影響ということでも御質問いただきました。 大変経済が悪化してきていると。今までのかつて経験したことのない状況にあるということが教育の中でも私ども感じております。そして,そのことが少なからず子供たちの学習環境に影響を及ぼしているということも事実でございまして,そういった就学が困難と認められる児童・生徒の保護者に対しましては,就学援助制度というのがございますので,これを適用して援助してまいりたいと考えております。 なお,この制度の運用に当たりましては,法の趣旨を踏まえまして,今後も児童・生徒,そしてまた,家庭の生活実態をよく把握できる学校や,あるいは地域の民生児童委員の方々の御協力も賜りながら情報交換等を密にして子供たちのそういった学習の保障に努めてまいりたいと思っておりますので,どうぞ御理解賜りますようにお願いいたしまして御答弁とさせていただきます。 ○副議長(伊藤寿一君) 中西大輔議員。 〔29番 中西大輔君登壇〕 ○29番(中西大輔君) ありがとうございます。 そのような形で,今後,教育の場面での子供たちに対するセーフティネットを広げていくことが非常に重要になると思いますので,その点,十分留意してお願いしたいと思います。 そういう意味で言えば,幼稚園再編についてもセーフティネットという視点をぜひまた議論の中にも取り入れていただけたらなと思いますので,よろしくお願いします。 それでは,ちょっと時間的にもあれですので最後のところはお願いという形でまとめますが,市長の発言の締めくくりの中で,「地方行政の持つ課題は,その時々の社会の状況が経済情勢,市民の価値観の変化,国政の変化などにより波のように次々と絶えることなく生じてまいります」とありましたが,このような社会情勢の中,それに対する心構えを全庁一致でぜひ進めていただいて,これまでの鈴鹿の風土を変えていくことをお願いして一つ目の質問を終わらせていただきます。 |