2009年6月定例会一般質問 「危機管理体制について」 (危機管理室設置) ○24番(中西大輔君) 議席番号24番,すずか倶楽部,中西大輔です。 なぜか緊張しておりますが,かまないように,ちょっといきたいと思います。 冒頭にですが,まず,去る5月31日に,愛宕小学校で開催されました,ライブイン愛宕には,鈴鹿市,鈴鹿市教育委員会ともに御協力いただき,ありがとうございました。おかげさまをもちまして,本年も盛況に開催することができました。 それでは,通告書に従い,危機管理体制についてとユビキタス社会への対応についての二つを質問させていただきます。 それでは1点目,危機管理体制についての質問ですが,危機管理については,自治体と市民の関係において,危機をどうとらえて行動していくかが,今後,より重要になってくるところではないかと考えます。午前中の質問でも二つありましたが,新型インフルエンザなども,それに入ってくるところですが。 今後,地方分権が進む中,地域の課題の解決は,その地域が責任を持って行うという自己決定,自己責任の原則と住民参加の拡大として,地域の課題解決に自治体職員と住民の協働の場面がふえてくるのは,御存じのところかと思います。 その中で,どのように危機に取り組むかを考えるとき,危機についての考え方を内閣法第15条の2で規定されている考え方を参考にすれば,危機管理とは,市民の生命,身体,または財産に重大な被害が生じ,または生じるおそれがある緊急の事態の対処及び当該事態の発生の防止をいう,となります。 このように考えると,危機には,地震や風水害などの自然災害だけでなく,今回の新型インフルエンザ対策に見られる感染症,BSEや農薬汚染の野菜のような問題,食の問題,少し大きくなりますが,CO2の課題などに関係する環境問題や,北朝鮮からのミサイル発射なども,そのうちに含まれてくることになりま す。 そこで,危機について,日本大学大学院総合社会情報研究家の吉野 毅氏の論文,「自治体における危機管理概念に関する一考察」での表現をおかりすれば,危機とは,社会システムの安定性や継続性を脅かす事態と,それらへの対応となります。そのように考えたとき,大規模な企業倒産の発生なども自治体が行うべ き危機管理の範疇だと考えられます。 そこでまず,鈴鹿市における危機管理の状況をお聞かせいただきたいと思います。 第5次総合計画中の五つの柱のうち,安全で安心できるまちづくりが,それに当たると思いますが,現状,どのような危機を想定して,どのような体制をとっているのかを簡潔にお聞かせください。 また,それらについて,どのような連携体制を庁内でとっているのかもお聞かせください。 ○議長(大谷 徹君) 市長。 〔市長 川岸光男君登壇〕 ○市長(川岸光男君) それでは,中西議員の御質問に,御答弁申し上げます。 危機管理体制についてでございますが,災害と一言で申しましても,地震,風水害等の自然災害だけではなく,新型インフルエンザ,また大規模な事故等の人的災害も考えられまして,これらの災害は,いつ,どのようなときに発生するのか,予測ができません。 本市といたしましては,自然災害と武力攻撃による国民保護につきましては,防災安全課が担当課となっておりますが,新型インフルエンザ等の新たな発生する災害につきましては,その災害の担当課を事務局に,内容に応じまして,市長または副市長を本部長とする対策本部を設置をして,全庁的な取り組みをするこ ととしております。 なお,自然災害と国民保護に関する詳細につきましては,生活安全部長より答弁をいたさせますので,よろしくお願いをいたします。 ○議長(大谷 徹君) 生活安全部長。 〔生活安全部長 島村 悟君登壇〕 ○生活安全部長(島村 悟君) では,中西議員御質問の鈴鹿市の危機管理体制の現状について,御答弁を申し上げたいと思います。 大規模な地震や台風,洪水等の風水害といった,従来から想定されます自然災害への対応は,生活安全部の防災安全課が担当をいたしております。 鈴鹿市の地域に災害が発生し,または,災害の発生のおそれがある場合は,鈴鹿市地域防災計画,鈴鹿市水防計画に基づきまして鈴鹿市災害対策本部を設置し,その運営は,鈴鹿市災害対策本部運営マニュアルによりまして,時系列的に具体的な活動体制と業務内容等を定めておるところでございます。 また,災害は,自然災害のほかにも,ミサイル等の武力攻撃による国民保護や,水道管の破損や油の流出等の大規模な事故等の人的災害についても,この鈴鹿市災害対策本部運営マニュアルを準用して行っておるところでございます。 今回の新型インフルエンザのように,鈴鹿市災害対策本部運営マニュアル以外の危機管理につきましては,先ほど市長が御答弁申し上げましたように,担当するそれぞれの部局で,それぞれ本部を立ち上げておりますので,御理解いただきますようお願い申し上げます。 以上でございます。 ○議長(大谷 徹君) 中西大輔議員。 〔24番 中西大輔君登壇〕 ○24番(中西大輔君) そうすると,今の答弁からすると,現時点で,鈴鹿市では危機管理に対して特別の部門がないということ,また,危機管理については,発生した危機状況に対して,その危機に関する担当課がまず動いて,状況を把握して対応するということで,起きたことに対して対応する状態になっている ということですね。 また,政策幹部会や,また鈴鹿市災害対策本部に切りかえて対応するという考えであったりするということもありますが,そのあたり部の関係,部をまたぐ横の連携については,そのあたり,政策幹部会で十分に機能しているかどうか,お聞かせください。 ○議長(大谷 徹君) 生活安全部長。 ○生活安全部長(島村 悟君) 先ほど議員の御質問にございましたように,各災害に担当する課が所管します部が行っておりまして,今までのところ,順調に機能しているというふうに考えております。 以上でございます。 ○議長(大谷 徹君) 中西大輔議員。 〔24番 中西大輔君登壇〕 ○24番(中西大輔君) 今までに,今までのところ順調に機能しているというのは,大きな本当に危機的な状況というのが直前に来てないから,何とか対応できてるというふうなことではないかと思いますが,今回のインフルエンザに関しても,開催予定だった大規模な全市的な環境イベントの方が延期等の決定がされまして,その時点で初期段階でしたが,鈴鹿市の指針が出ていなかったため,先ほどのライブイン愛宕においても,開催に際して,どのような状況で開催するのか,また,中止するのかなどの判断をゆだねられた,これは自己決定,自己責任ということからすれば,そういうことになるのかもしれませんが,そのような判断の負担というふうなことを市民の方にかなり担わしてしまうことになるということは,決してよいことではないのではないかなと思います。 そう考えたときに,さき,午前中の森議員への答弁にも,マニュアルの作成について,インフルエンザについてですが,10月か11月というふうなことで答弁ありましたが,もっと早く対応を考えていくべきだと思います。 とにかく,やはり起きてから対策考えるのではなくて,十分に検討を事前に行って,市民にも情報を提供していくということが非常に重要なことではないかと思います。 そこで,もう話の方,進めさせていただきますが,やはり危機管理に関して,危機をリスクの中に組み入れた上でリスクの悪影響の方,最小限のコストで小さくするというリスクマネジメントの側面から考えていくことが必要であると思いますし,同時に,国や県からの情報などに頼りきらないよう,法律の範囲内でできる自治体独自の危機対応を考えていくべきではないかと思います。それが地方分権での自己決定,自己責任ではないかと思います。 済みません。資料の方,映写,お願いします。 〔資料をスクリーンに示す〕 ここで,リスクについて整理した上で話を進めていきますが,リスクという言葉を簡単に使いますが,リスクについては,望ましくないことの重大さかけるそのことが起きる確率であらわされてきます。起きる確率が高く被害などが甚大となれば,それはリスクの中でも危機となり,今で言うところの東海・東南海地震や,強毒性の鳥インフルエンザなどが,これに当たってくると言えます。 しかし,リスクについては点でなくて,面のように考えられます。 図の方でグラフというか図にしてあるのが,横軸に起きる確率,縦軸に重大さというふうな形で表現してありますが,これで四つの部門に分けてありますが,一番起きる確率も高く,被害も甚大であるものについては1番のところ,非常に高くて,これはもう危機的な状況,いわゆる先ほど言いました大地震などは,これに当たってくると。 しかし,リスクという考えであるとすれば,起きる確率は高くて,被害は軽微である。2番の部分,また,起きる確率は低いものの,起きた場合に被害が甚大になるものが3番のところ,このような領域についても,しっかり考えていく必要があるのではないかと思います。 そのときに,今回の新型インフルエンザについて,少し考えてみますと,危機管理の視点から考えれば,現時点,健康面での被害,リスクは,いわゆる強毒性のものに比べて,現時点では低くて,その点では健康危機という意味では,レベルは低いところになってきていると考えられます。 しかし,関西での状況ですね。それを見ますと,せんだってちょっと物流関係の方と少し話す機会がありまして,関西での状況をお聞きしましたところ,やはり1週間以上物流がとまったというふうにおっしゃってました。ということは,鈴鹿市においても,この産業形態の中,物流,また工場などのことを考えれば,非常に鈴鹿市にとっては,経済面での被害やリスクはかなり高いものになるであろうと予測されるはずです。 このように,望ましくないことの想定を書いてみると,新インフルエンザ危機への対応については,健康面からだけでなくて,より広い視点で,市民にとっての危機と考えるべきではないでしょうか。 つまり,ある危機状況は,すべての部や課に関係することだと考えるべきだと思います。だからこそ,状況を想定しながら,それぞれに想定されるリスクの提言を検討するべきでしょう。 しかし,多種多様な危機に対して,担当部,担当課で起こり得るリスクをすべて想定して対応することや,事前に部をまたいで,課をまたいで対応していくことは非常に難しいことだということは,行政の方は非常によくおわかりのところだと思います。そのためにも,横をつなぐリスク管理部門としての危機管理室の設置が必要だと考えます。 6月7日の朝日新聞のオピニオン公論「新型インフルエンザどう受けとめるか」での仙台市の副市長,岩崎恵美子氏の記事の中で,仙台市は2年前から新型対策を考えており,独自の対策を検討してきている実績もあるといいます。政令指定都市である仙台市と鈴鹿市では重ならない部分が多々あるとは思いますが,自治体が独自に対策を考えることの重要性を示唆していると思います。その点を踏まえながら,危機管理室設置についての見解をお聞かせください。 ○議長(大谷 徹君) 総務部長。 ○総務部長(舘 哲次君) 私から,危機管理室の設置についての答弁申し上げます。 地震や風水害などの自然災害を初め,今回の新型インフルエンザや,経済不況などの市民に対する危機を一括して管理する危機管理室の設置が必要ではないかという議員の御提案でございますが,危機管理室,あるいは,そこにおられます危機管理監といった組織,職名は,大規模地震やテロなどの災害事象に対し,組織一丸となった対応が必須となることから,部局間を横断する調整役としての役割を担うものとして,設置事例が近年増加しておるというふうに思っております。 しかしながら,いつ起こるかもしれない危機事象のすべてに日常的に専念する部署を全く新たに設置することは,自治体の規模にもよりますが,現実的ではないことも多いことから,従来の防災対策を所管する部署からの改組により設置されることが多いというふうにも感じております。 例えば,近くの四日市市の場合では,本年の4月から自然災害,突発的な事故及び国民保護法に基づく対策のほか,新型ウイルス等のその他の危機に対して総括的に危機管理を行うために,従前の防災監を危機管理監に,防災対策課を危機管理室に再編しております。 今回の新型インフルエンザの対応につきましては,四日市市の場合は保健所を持っておりますので,お互いに連携しながら情報伝達の面でかかわっているとのことでございました。 また,津市の場合では,部の一つとして,防災危機管理室を置きまして,課として防災危機管理課を置きまして,その下に危機管理担当と災害対策担当を設置しております。 いずれにしましても,従来の防災対策に加えて危機管理を行っているのが実情でございます。 また,先ほどからも話が何度も出ておりますが,もう一つの対応といたしましては,危機の発生,または発生の予測に基づきまして,いわゆる対策本部的な位置づけとして危機管理室が設置される場合がございます。 本市の危機管理に対応する組織の考え方でございますが,従来から自然災害の代表でありました風水害,近い将来の発生が高い確率で予想されます大規模地震に加えまして,国民保護法の規定に基づく鈴鹿市国民保護計画に関する事務につきましては,耐震化促進等,恒常的な業務もございますので,生活安全部防災安 全課が日常的に所管をいたしております。 今回の新型インフルエンザ対策につきましては,鈴鹿保健所や医療機関との調整が業務の大きな部分を占めます。専門的な知識も必要でございますので,日常業務として,それらを所管する保健福祉部の健康づくり課を事務局といたしまして,市長を本部長とする部局横断的な対策本部を設置いたしまして,統括的な危機管理を行うことといたしました。 これも,やや毛色は違いますが,このたびの経済危機に対処するための緊急経済対策に関しましては,これも市長を本部長とする鈴鹿市緊急経済対策本部を産業政策課を事務局といたしまして,設置をしまして,企業支援,雇用対策,生活保護,関連するあらゆる部署を連携して,総合的な対策に取り組んでおります。 今後におきましても,このような考え方で事態に応じた機動的な,かつ柔軟な対応に努めてまいりたいと思いますので,よろしく御理解いただきますようにお願い申し上げます。 以上でございます。 ○議長(大谷 徹君) 中西大輔議員。 〔24番 中西大輔君登壇〕 ○24番(中西大輔君) 先ほども言いましたが,何か起こってからの対応ではなくて,自治体が行うべきことは,事前にある程度予測して,それを政策に変換しながら対応していくということが非常に重要ではないかと思います。 経済対策の面でも,おっしゃられましたが,緊急経済対策は,あくまで緊急のことであって,それは本来の起こり得る大きな,もっと大きな危機ですね。市内の大企業が鈴鹿市から撤退するであるとか,市内の中小企業がもっと経営が悪化して,倒産が頻発するであるとか,そのようなことに対して,特に想定が深まっているところではないと思います。 つまりですね,私の提案している危機管理室というのは,防災の延長であったりとかいうことではなくて,もう少し,先ほども言いましたが,食の安全管理からも含めて,もっと広い考え方,つまり,社会システムの安定性や継続性を脅かす事態,それらへの対応を常に行うことが必要だということです。社会システムの安定性ということは,今この鈴鹿市の地域社会担っている,これを安定しているものはないか,経済もある,教育もある,市民生活もある,すべてのことについて,やはり常にリスクを考えて,想定して考えていく部署,セクションが必要じゃないかということです。 つまり,先ほども何回も何回も言うことになりますが,単純に自然災害や感染症などだけじゃなくて,経済に関する危機や環境問題に関する起因する危機などたくさんありますから,リスクを低くしていくことに取り組んでいく部門が必要ではないかということです。 ある危機的な状況の中,担当課で危機やリスクについて,すべて統括するということは難しくて,また,対応して,その場,その場でつくっていくことは,後手後手に回るということですから,先手をとるためにも,リスク対応専門の部門の設置というのが必要が非常にあるのではないかと考えるところですが,その点について,先ほど仙台市については副市長のセクションでしたので副市長,もしくは市長に見解をお聞かせいただければありがたいと思うのですが,よろしくお願いします。 ○議長(大谷 徹君) 松原副市長。 ○副市長(松原俊夫君) 御指名をいただきましたので,少しお答えをさせていただきたいと思います。 確かに議員おっしゃるとおり,危機というのは,大変幅の広いものが想定をされるところでございます。ただいまも総務部長からも答弁をいたしておりますように,鈴鹿市といたしましては,現時点では,このような体制をとっておりますけども,今後,危機と呼ばれる範囲といったものをいろんな想定をしながら,やはり各担当課と行っておりますような危機対応に少なくとも改善していくということになれば,他市の事例のように,また,担当部署をつくるといったことも想定に置いて,検討してまいりたいと考えておりますので,よろしくお願い申し上げたいと思います。 ○議長(大谷 徹君) 中西大輔議員。 〔24番 中西大輔君登壇〕 ○24番(中西大輔君) ありがとうございます。 ぜひとも,専門部署の設置に向けて検討を重ねていただければと思います。 危機管理については予防,つまり減災,準備,応急,復旧の4段階で構成されると言います。ぜひ,予防の部分に目を向けて,そのような対応の方をしっかりしていただければと思いますので,よろしくお願いします。 それでは,1点目の質問のうちの三つ目のところですが,ちょっと移らせていただきまして,リスクコミュニケーションに話を移らせていただきます。 先ほども申しましたが,地方分権で住民参加の拡大として,地域の課題解決に自治体職員と住民の協働の場面がふえるということは,リスク低減のために,行政と市民の間で,一方的な情報の伝達ではなく,相互作用としてのリスクコミュニケーションの視点をもとに,各地域での聞き取りなどの活動を行うことが大切 と思います。 ちょっと資料の方を映していただけますでしょうか。 〔資料をスクリーンに示す〕 これは,クロスロードと言いまして,カードゲームの一種なんですけれども,これは,文部科学省の大都市新大震災軽減化特別プロジェクトの一環として,京都大学防災研究所助教授の矢守氏と慶応義塾大学商学部助教授の吉川氏,ゲームデザイナーの網代氏によって開発された災害対応カードゲームとなります。これを使って,市民とのリスクコミュニケーションを深めるというふうなことはどうかということを提案させていただきます。 こちらについては,京都大学の生協を通じて神戸編,一般編と市民編というのが販売されています。このクロスロードですが,出される設問に対して,自分でイエスかノーの決断をして,それをその場の人と,なぜそのような選択をしたかなどの意見を交換したりするというゲームとなっています。 一つを例に挙げますと,資料にもありますが,状況としては,あなたは救急隊員,多くのけが人が出た現場,瓦れきの下から家族が救出された。父親と母親は重傷だが,手術すれば助かりそうだ。一方,子供は心肺停止状態,助かりそうな両親から運ぶ,イエス−両親を運ぶ,ノー−子供を運ぶ,という設問になってます。こちらのどちらか,これは神戸の大震災の現場のアンケートからつくり出されたものです。このような状況というのは,非常にあり得ることですが,これをカードゲームとして何人かでやっていくわけです。当然,この答えは,はっきりイエスか,はっきりノーかというふうに出てくるものではなく,イエスでもあり,ノーでもある設問になってきます。このことについて,コミュニケーションをすることですね,それが非常に重要になってくる,このようなツールなんですが,皆さんはどうお考えになられますでしょうか。イエスでしょうか,ノーでしょうか。私としては,イエスの方を選択しました。やはり救急隊員としては,生命のある方を優先するということであるから,優先ではないかということで,このことを実践したときに,イエスという選択をしました。 このようなクロスロードのようなツールを活用しながら,地域での聞き取りを行うことで,職員と市民が相互にリスク低減に関する情報の交換と意識向上が可能になるのではないかと思います。そうして,既存の各種計画などについて,また,マニュアルなどについても,つくって終わりではなくて,地域ごとに見直しをかけ,生きたものにするべきと考えますが,どうでしょうか。 少し前ですが,放課後児童クラブの保護者会で大地震が起きた際の避難について,保護者から意見として出ました。その際,避難先に学校があると言われたということでしたが,保護者からすれば,海に近い学校ですので,津波の危険を考えるわけです。また,同様の避難所としても,すぐ近くに市立体育館もありますから,その中,どのような選択をするのかというふうなことですね。このようなことについても,一方的な情報の伝達ではなくて,やはりこのような機会を通じて,市民とのリスクコミュニケーションの中から方策,いい方策をつくっていくべきだと思いますが,話を蒸し返すようですが,このようなもの,計画を生きたものにするべきだと考えますが,いかがでしょうか,お聞かせください。 ○議長(大谷 徹君) 生活安全部長。 ○生活安全部長(島村 悟君) ただいま中西議員は,大震災を例に,このリスクコミュニケーションについて御質問いただきましたので,いろんな各セクションでもってリスクコミュニケーションをやっていると思いますけれども,私どもが代表しまして,市民とのリスクコミュニケーションについて,御答弁申し上げ たいと思います。 その災害時に被害を最小限に食いとめるためには,最も重要で有効な対策は,市民や,あるいは地域コミュニティの連携による防災活動でございます。 こうしたことから,本市といたしましては,自分たちのまちは自分たちで守るという自助,共助の考えのもとに,市民が日ごろから地震などによる災害に備え,災害発生の際は,地域で初期消火や人命救助などの防災活動を行っていただくための支援を積極的に展開をしているところでございます。 具体的に言いますと,自治会単位で自主防災隊の組織化を進めているところでございますが,既に現在,267隊が結成されておりまして,加入世帯数に基づく組織率は約85%となっております。 この自主防災隊の訓練に対しましても,消防職員と連携いたしまして,放水訓練や救急法の指導を地域の皆様と一緒になって実施をいたしております。 今後も,このような訓練を通じて,地域住民とのコミュニケーションを図っていきたいと考えております。 また,市民に対する防災啓発といたしましては,自治会,あるいはまた,老人会などの地域の団体を対象に,いわゆる出前トークでございます,防災研修会を適時開催いたしております。 さらに,公民館や小学校を会場にしました市民啓発事業や防災の専門家を招いた市民防災講演会を開催いたしまして,地域の防災力を高めているところでもございます。 議員御指摘のクロスロード訓練も含めまして,仮定の状況を与えて,この場合はどのような行動をするかといったような,私ども状況付与訓練ということを言っておりますが,それも行っておりまして,今後とも地域の方々と意見を交換し合う中で,その地域に合ったルールづくりを考えてまいりたいと,そのように 思っております。 今後とも,各種災害に関し,地域に適した自助・共助のあり方について,地域住民の皆さんとコミュニケーションを図られますよう,努めてまいりたいと考えておりますので,よろしくお願い申し上げます。 以上でございます。 ○議長(大谷 徹君) 中西大輔議員。 〔24番 中西大輔君登壇〕 ○24番(中西大輔君) ありがとうございます。 クロスロードについては,せんだって,つい最近なんですけれども,地元のちょっと私の所属してます有志の集まりの中で,1回,今のやつと同じことをやったんですけれども,非常にいろいろな意見が出てきます。立場,それぞれの立場によって,いろいろな考え方が出てきますし,救急隊員の立場になって考えるということで,ほかの人の立場になって考える。やはりこのようなことを重ねていくということは必要ではないかと。 また,クロスロードの中身については,この中身,この内容だけ,救急隊員とかということだけじゃなくて,行政の職員として,どのように対応するかなどなど,そういうことも非常にたくさん入っていますから,市民とのコミュニケーションの中で,そのようなことを,利用できるということが思いますので,ぜひ,状況付与訓練なども含めて,生の意見を取り入れていただいて,今,まだ起こってないうちに,例えば大震災についての取り組み,それぞれの地域について,避難について考えるなどもやっていっていただければなと思います。 ともかく,今後,鈴鹿市では,自然災害だけではなくて,さきにも提示させていただきましたが,危機を広くとらえて,危機管理部門を設置して取り組んでいただき,想定されるさまざまなリスクに,軽減に常に取り組んでいただきたいと思います。 このリスクについては,単なる災害だけではなくて,ついせんだっての生活保護費の不正受給の問題についても,市民と行政との中では,非常に危機的な状況ですね。行政の信頼が損なわれた。行政の信頼が損なわれるということは,市民と行政の間の信頼関係が揺らぐという非常に危機的な状況ですから,今後,危機というふうなことを本当に災害だけではなくて,より広くとらえていただいて,そのようなことが起こったときに,どのように対応するのか,縦ではなくて,横のつながりでしっかり考えて,それを吸い上げた上で,また戻すというふうな作業を重ねていただいて,リスクの方の低減の方をしていただければと思います。 また,このクロスロードについては,今,神戸編と一般編,それと市民編ということを言いましたが,これ,実はほかのところで,いろいろな行政とかの対応で,クロスロードというのは分かれ道のことになりますので,いろいろな状況を想定して,いろんな展開のものがあります。販売してるのが,今言った神戸編,一般編と市民編だけで,ほかの対応というのが,例えば行政であったり,市民活動の中であったりから出てきていますから,一度参考にしていただいて,つくっていただいて,取り組んでいただいてもおもしろいかなと思います。 そのような形で,とにかく市民からの意見を政策に反映していただくように,よろしくお願いします。 |