2011年3月定例会一般質問

「小児救急体制について」

 それでは,3点目のほうに移らせていただきます。
 時間が時間ですもので,少し早口になってしまった場合は申しわけないです。
 3点目,小児救急医療体制について,お聞きします。
 これについても,平成20年の3月議会で,「鈴鹿市の救急医療について」というタイトルで一般質問を行いました。もうその際にも,鈴鹿中央病院で,午後10時半以降の夜間小児救急,受け入れができなくなったということなどを取り上げながら質問させていただきました。
 資料4,映写してください。
              〔資料をスクリーンに示す〕

 これ,見たところが,これがちょうど今の現状ですね。夜間救急の現状ということになってきます。ちょっと応急診療所が入っていないので語弊は出てくるかもしれませんが。
 中央病院での小児救急受け入れが午後10時半までということを受けて,応急診療所のほうでは,受付時間は午後10時までとなってます。また,夜間の小児 救急については,津の三重病院,四日市の総合医療センターというふうな体制になっており,鈴鹿市内での小児救急,夜間小児救急医療体制が壊れている状態ですね。
 そのような状況を受け,市内でも心臓病などにリスクを抱えた子供さんを持つ家庭では,鈴鹿市内にかかりつけを持つということは難しく,できにくいということで,市外の病院にかかりつけというふうになっている方もいらっしゃると聞きます。
 また,現在,鈴鹿中央病院での医師の体制ですが,小児科の医師体制は,常勤医師が1名に,非常勤医師が2名という体制になっているということです。
 24時間の救急受け入れ体制をつくるには,常勤医師が3名必要という話もあります。そのようなことから考えると,医師不足と言われる,この今の現状の中,24時間の小児救急の医療体制をつくるということは,非常に難しいということがわかります。
 それだけではなくて,常勤医師が1名ということから考えれば,市として,しっかり小児救急医療に対して取り組んでいかなければ,この鈴鹿中央病院自体の小児科の2次救急体制の維持自体そのものも難しくなることが起こり得るのではないかとさえ考えられるところです。
 このような状況というのは,子育てをする世代,これから子育てをする,しようとする世代が鈴鹿の町に住もうと思ったときに,不安になる要素にしかならないですね。そうなってくると,そのような世代からすると,鈴鹿というのは,住むためには魅力の薄い町になってしまう。そういうことがあるわけですね。やはりこれは避けるべきではないでしょうか。また,そのような町であれば,当然,路線価も下がってくるというふうに考えられます。
 そこで,前回の質問から,これまでの小児救急への取り組みと今後の小児救急に対する取り組みの方向性について,お聞かせください。
                〔資料の提示を終了〕


○副議長(大杉吉包君) 保健福祉部長。
             〔保健福祉部長 松村 亮君登壇〕
○保健福祉部長(松村 亮君)
 それでは,私から,中西議員の御質問の,鈴鹿市の小児救急について,これまでの取り組みについて,御答弁を申し上げます。
 小児の救急受け入れ体制につきましては,議員も御承知のとおり,病院に勤務する小児科への不足により,平成17年8月,鈴鹿中央総合病院に集約化が図られたことによって,唯一の小児救急受け入れ医療機関となっておりましたが,平成20年2月には,さらに体制が縮小されたことに伴い,平日では午後10時 30分から翌朝8時30分,休日の場合では午後5時から翌朝8時30分までの間,小児への救急受け入れ対応ができなくなったために,現在は,津市の国立病 院機構三重病院,もしくは三重県立総合医療センターへの搬送となっております。
 これは,小児科を志す者が減少したこと,また,平成16年度新臨床研修制度の導入によって,研修医は,原則,自由に研修先を選択できることから,都市部の一般病院を選ぶケースが増加し,この結果,地方の大学病院は人手不足に陥り,それを補うために,病院から医師を引き揚げざるを得なくなったことが原因と して挙げられます。
 鈴鹿・亀山医療圏域における小児救急受け入れ機関としましては,津市の国立病院機構三重病院と三重県立総合医療センターになったものでございますが,三重大学では,国の施策に伴い,平成18年度から,医学部の定員枠が拡大され,100名であったものが,現在では125名となっておりまして,このうち30 名は三重県出身者の推薦枠を設けていただいております。
 しかし,卒業生が現場で活躍し,状況が改善に向かうには,相当の年数を要するものでございます。
 本市での対応につきましては,1次救急医療体制の整備が急務でございました。本市の応急診療所を医師会などの御協力をいただき充実させ,利用者の多い ゴールデンウイークや年末年始には2診体制で対応を図り,また,それ以外の時期においても,状況に応じ,適切な対応が図られるよう,医師会との連携を強化してまいりました。
 1次救急告示病院である塩川病院と高木病院には,平成21年の3月より,当番日を決めて応急診療所の開設時間に合わせ,午後7時から午後10時30分までの間,診療体制を確保していただいております。
 これらの取り組みによって,2次救急を圧迫していた軽症患者の軽減を図り,また,1次及び2次救急のすみ分けを明確に区分した体制づくりによって,2次救急医療機関の負担は軽減されてきたと報告をいただいております。
 いずれにいたしましても,今すぐには子育て世代の不安は払拭できない現状にありますが,これ以上の環境悪化を招かないよう,医師会と力を合わせ,今後も努力をしていくとともに,鈴鹿・亀山の医療圏域における小児の24時間救急の受け入れができるよう,三重県や三重大学に対し,引き続き要望をしてまいります。
 また,要望活動に際しましては,鈴鹿市医師会,市内の2次病院とも連携し,さらには亀山市とも共同歩調をとりながら,粘り強く要望してまいりたいと考えておりますので御理解を賜りますよう,お願い申し上げます。
 以上でございます。

○副議長(大杉吉包君) 中西大輔議員。
              〔24番 中西大輔君登壇〕
○24番(中西大輔君)
 済みません。時間が差し迫ってますので,答弁のほう,簡潔にお願いします。
 今,小児救急夜間搬送のことを聞きましたら,電話を受けてから病院に到着するまで,三重病院だと約40分ぐらいかかるというふうにお聞きしました。そういうふうな40分というのは,小児の病状の変化からすると,非常に時間がかかるというふうなことですね。やはり真剣に考えないといけないところです。
 また,午前中に無料化の話がありましたが,2次救急,また,応急診療所の体制から考えると,ここに負担がかかってしまえば,この体制自体が崩壊しかねない。ここのところを無料化の話とあわせて広めていくことも重要ではないかというふうに考えます。
 そうしますと,小児救急だけではなくて,地域医療,地域の医療資源を守っていくためには,市民,行政,医療機関,議会というのが,それぞれの役割に応じてしっかり取り組み,また,連携していくことが大切というふうに考えます。このことは,地域医療を守る条例を制定した宮崎県の延岡市など,他市の事例からも見えることです。
 延岡市では,市民や行政を初めとした多様な参加者が地域医療について話し合う場を持って,地域医療の課題に取り組んだと聞きました。鈴鹿市でも多様な主体が参加して,地域医療について話し合い,情報を共有し,行動につなげていく検討の場の設置に行政は取り組むべきと考えますが,その点について,取り組む ことが可能かどうか,お聞かせください。


○副議長(大杉吉包君) 保健福祉部長。
○保健福祉部長(松村 亮君)
 再度の御質問に,お答えいたします。
 いわゆるコンビニ受診とか,あるいは救急車をタクシーがわりに使うという,そういった問題が起きて,もう大分,年がたつわけですけれども,私ども,中西議員も一緒に活動をしていただいております,地域医療を考える市民講座というのを,これまで本年度は8回,8カ所開催させていただきました。そこで350 名の市民の方々に参加をいただいて,熱心な御意見をいただいたわけでございますけれども,ここで,この会でわかってまいりましたということは,確かに市民の方々の,いわゆる1次,2次,3次という救急医療に対する認識,そういったものが不十分の場合があったとかということもありますけれども,それより増し て,参加していただいた方に,子育ての世代の方々が余りいなかったという,こういう反省というのは,課題というのは残ってまいる,出てまいりました。
 今後は,こういった子育て世代の方々をできるだけ参加していただけるような,それと地域医療に関心を持っていただいて,あるいはそうやって持っていただ いておる団体を通じて,この議論を深めていきたいというふうに考えておりまして,今,議論の場を持てるかどうかという御質問でございますが,できるだけ, そういった場をつくってまいりたいなというふうにも考えておるところでございます。

○副議長(大杉吉包君) 中西大輔議員。
              〔24番 中西大輔君登壇〕
○24番(中西大輔君)
 ともかく時間短いので,一言で終わりますが,地域医療に取り組む部局の設置は,ずっと言っているんですけども,やはりそういうふうなセクションを設置する必要があると考えます。
 また,この鈴鹿市として,救急全体も含めてなんですけれども,小児医療体制に独自に取り組むという姿勢を打ち出していくことも大事ではないか,また,先ほど申しました場の設置を通じて,この鈴鹿市,市民も含めて,この地域医療に対して取り組んでいくんだというふうなメッセージを発信することは,全国,お 医者さんというのは連携もありますし,学生の連携もあるそうですから,そういうところに対しても,やはり鈴鹿というふうな町で医療をやってみようじゃない か,そういうふうなことの意識を向上させることにもつながると思いますので,ぜひ,この取り組みについては続けていただきたいと思いますので,どうぞよろ しくお願いします。
 以上で,私の一般質問のほうを終わらせていただきます。


○副議長(大杉吉包君)
 これにて,中西大輔議員の質問を終了いたします。
 この際,暫時休憩いたします。
 再開は14時10分といたします。
            午 後  2 時 00 分 休 憩