2012年12月定例会一般質問 「地域医療について」 それでは,2点目の質問内容のほうに移ります。 2点目は,地域医療についてということですが,今回のこの質問について,論点ですが,一つは,以前にも私,一般質問で申したことはありますが,地域医療の課題に,やはり専門的に取り組む職員の配置,もしくは部署が必要ではないかということを一度言ったことがあります。もう一つは,オール鈴鹿市という意識で地域医療に取り組んではいかがでしょうかということ,これが今回の質問の論点になります。 地域医療につきましては,皆さん御存じとは思いますが,市健康づくり課,市消防,また地域医療を応援する会が協働で地域医療を守る啓発活動に取り組んできていることは,皆さん,改めていいますが,御存じだと思います。また,せんだって,この地域医療を応援する会を通じて,鈴鹿市での24時間,夜間小児救急体制の構築,そのような趣旨の署名活動がありまして,8,000人以上の方が署名いただいて,それを末松市長のほうに届けさせていただいたところです。 そのような活動があって,また現場の健康づくり課,鈴鹿市消防の方々の活動,また医師会や,意識のある市民の方々の協力もあって,鈴鹿の地域医療の医療資源,地域医療の現状というのは持ちこたえているというふうに言えると思います。 しかしながら,救急搬送についても,依然高い水準でありますし,応急診療所の利用についても,減ることはなくて,非常に高い水準で増加傾向,またあるというふうに認識しております。 ことし7月には,夜間帯の小児救急受け入れ体制が変更になったりしているなど,鈴鹿市における地域医療の状況というのは,依然非常に厳しい状況だということは変わりがない。これはもう原課,保健福祉部長も認識していただき,市長も認識していただいているところだと思います。 このような厳しい状況の中,鈴鹿市の地域医療を守る取り組みを進めていくためには,やはり鈴鹿市の現在の体制では非常に厳しいと言わざるを得ないと私も考えます。 地域医療の課題を考えるとき,単純に救急医療だけではなくて,三重県や近隣市などとの広域的な医療連携はどうするんだという課題があったり,今ですと在宅医療など,福祉分野との連携,このような連携というのは,当然,保健分野との連携もあります。三重大を初めとした大学との,やはり情報共有,鈴鹿市医師会との連携,鈴鹿中央病院や回生病院などとの連携,一次救急病院との連携,医師確保,看護師確保などの課題,消防との連携,応急診療所の運営,また産業面でいえば,ライフイノベーションといえば,当然医療関係と関連してくる領域ですから,そのような,いろいろな鈴鹿市の地域医療を取り巻く課題というのは,複雑で広くなっています。当然,横の連携をしていかなければ解決できない,取り組んでいくことが難しくなっていることは明らかです。 そこに加えて,応急診療所などでも,まだまだ自分勝手な行動をされる方が多いというふうに聞きます。コンビニ受診だけじゃなくて,かかりつけ医のように使ったり,また言葉が悪い,そのような,非常に問題があるということもお聞きしておりますので,当然,やはり市民の方々に対する啓発も継続していかなけれ ばいけないところです。 このような課題に取り組んでいく,鈴鹿市の医療資源を守っていくということを考えたとき,やはり,より戦略的かつ継続的に取り組む,地域医療に取り組んでいく部門を設置もしくは,それが難しければ,そのような領域の仕事に対して,専門的に取り組んでいただける職員の方を配置もしくは増員していただくことが必要ではないかと考えますが,その点についての見解をお聞かせください。 ○議長(矢野仁志君) 保健福祉部長。 〔保健福祉部長 森 光男君登壇〕 ○保健福祉部長(森 光男君) それでは,中西議員御質問に地域医療に係る専門職員の配置につきまして答弁申し上げます。 本市の地域医療につきましては,特に,休日・夜間の救急医療体制が数年来,厳しい状況になっておりますことは十分に承知をいたしております。 これまでの取り組みといたしましては,二次救急を担う鈴鹿中央総合病院と鈴鹿回生病院の時間外における軽症患者の増加が救急医療体制を圧迫していますことから,一次救急医療体制の整備強化と,救急医療機関の適正利用の啓発を行ってまいりました。 まず,一次救急医療体制につきましては,鈴鹿市応急診療所におきまして,年末年始,大型連休,土曜,日曜,祝日,夜間の内科,小児科の2診体制を整備をいたしました。 また,市内の一次病院であります村瀬病院,塩川病院,高木病院で,夜間における当番制を実施し,一次救急患者の分散化及び二次病院への軽症患者の受診抑制に取り組んでまいりました。 この結果,二次病院において軽症患者の削減が図られたとの報告を受けております。 次に,救急医療機関の適正利用についての啓発でございますが,軽症患者が安易に救急医療機関を受診する,いわゆるコンビニ受診を控えていただくことと,本市の医療体制の現状を知っていただくことを目的に,議員や開業医の有志の方々の協力を得ながら,本市の消防職員とともに行っておりまして,平成21年4月の第1回から本年11月末まで,市内23会場で開催し,887人の参加がございました。 さらに,平成23年度から乳幼児の親を対象に,家庭看護力を養っていただくと同時に,正しい救急医療機関のかかり方について,公民館などで出前講座を開いておりまして,24カ所で525人の方に参加をいただいております。 夜間の受け入れ体制が縮小されております小児救急につきましては,本年3月29日に鈴鹿,亀山市の市長及び市議会議長が鈴鹿中央総合病院院長とともに三重大学医学部へ出向き,小児科医の派遣についての要望を行っております。 また,11月17日に三重県知事と津,亀山,鈴鹿の市長が出席して開催されました県と市町の地域づくり連携・協働協議会の場において,市外搬送地である津市や保健医療計画を策定している三重県に対し,問題を提起し,医療計画の見直しを含め,広域での解決をお願いをしております。 以上,申し述べましたことが本市の救急医療体制に関する取り組みでございまして,厳しい状況は変わらないものの,体制崩壊は食いとめている状況でございます。 一方,本市の一次救急を担う応急診療所の受診者数でございますが,現在と同じ診療体制となった平成16年度は5,963人でしたが,平成23年度は,1 万67人で,飛躍的に増加をいたしております。このことは,応急診療所が市民の方に周知されてきたあらわれではありますが,緊急時に利用する病院としてではなく,いつでも開いている便利な病院として認識をされているのではないかと思われます。市民一人一人の意識改革を含め,医療崩壊を招かないような対策を 講ずることは重要であると考えているところでございます。 お医者さんに感謝の気持ちを伝えよう,自分たちで地域医療を守ろうといった運動は,全国で実際に行われているところもございます。行政だけではなく,市民の皆さんも一緒になって地域医療を守っていこうという環境づくりが必要になってきております。 また,その環境づくりを行う上で,本市の他部署や医師会を初めとした外部機関との連携や情報収集が欠かせないものであり,市民の皆様には,救急医療体制の現状を認識していただくといった,これまで行ってきたような情報発信を今後も継続して行っていくことが重要であると考えております。 次に,地域医療を担当する職員の配置についてでございますが,一次救急医療機関の一つであります応急診療所業務を含めて対応してまいりたいと考えておりますし,救急医療体制を取り巻く厳しい状況が続いていることからも,極めて重要な課題であると認識をしているところでございます。 このようなことから,地域医療を主たる業務として捉え,どのような活動が効果的であるか,調査研究を行い,体制の整備を図ってまいりたいと考えておりますので,御理解賜りますよう,よろしくお願いを申し上げます。 ○議長(矢野仁志君) 中西大輔議員。 〔25番 中西大輔君登壇〕 ○25番(中西大輔君) 答弁ありがとうございます。今,答弁の中で,行政だけじゃなく,市民も一緒になって地域医療を守っていこうという環境づくりが必要になってきているというところですね,ここの一文,一言というのが非常に重要で,行政だけでなくの行政というのは,決して保健福祉部だけではなくて,やはり鈴鹿市行政全体であるべきではないかなと考えます。 そこで,お聞きしたいというか,提案をちょっとさせていただきたいのですが,実際のところ,勉強する会に参加していただいている方が累計で900人,出前講座で525人で,1,400人ぐらいの方になるんですけれども,実際,総人口20万人ということから考えると,まだまだ,本当にまだ少ない方にしか広げられていないということになります。これから,やはり地域医療に関心を持って,鈴鹿市の地域医療資源を守る動きに一人でも多くの方が理解を持っていただき,行動していただくことが,やはり鈴鹿の地域医療を守っていくという動きには必要だと思います。 つまり,このように難しい鈴鹿市の地域医療の課題に取り組んでいくために,ぜひ行政のサイドでも,オール鈴鹿市として地域医療の課題に取り組んでいただくことが必要じゃないかというふうに考えます。 そこで,例えば地域医療を守り育てるまち・鈴鹿というふうなスローガン等を打ち出して,積極的に庁内研修をしていただいて,鈴鹿市の職員であれば,鈴鹿の地域医療の現状について,詳しくはなくても,大体全般的に語れるというふうにしていただく,このようなことが必要ではないかなというふうに考えます。そのような動きをしているということを,市内はもちろんなんですけれども,市外に対しても発信していくということは,非常に意義のあることで,それというのは,やはり今,医療に従事している方,大学生にとっても非常におもしろい取り組みではないかと考えるところですが,鈴鹿市として,取り組んでいただけるか,検討していただけるかどうか,大森副市長,見解をお聞かせください。 ○議長(矢野仁志君) 大森副市長。 ○副市長(大森秀俊君) 御質問にお答えをいたします。鈴鹿市の医療の現状につきましては,議員御指摘のとおり,大変厳しい状況にございまして,地域医療を守っていくには,まず市職員がこの状況を正しく理解し,そして共有していくことが大事であるというふうに考えておりますので,職員への研修,それから啓発等につきましては,職員から家族,それから知人といった広がりを期待しつつ,実施をしていきたいなというふうに考えておりますので,御理解をいただくように,よろしくお願いいたします。 以上でございます。 ○議長(矢野仁志君) 中西大輔議員。 〔25番 中西大輔君登壇〕 ○25番(中西大輔君) ありがとうございます。ぜひ,進めていただきたいと思います。 オール鈴鹿市といえば,もう片方といえば,やっぱり教育分野のほうになってくるわけですけれども,同じように,やはり教育分野,学校教育でいえば,当然教職員の方がいらっしゃる,PTAの方がいらっしゃる,何よりこれから先の鈴鹿市を担っていく子どもたちがいるということですので,教育分野でも,やはり検討していただくということが非常に大切ではないかなというふうに考えます。 例えば,小学校から中学校にかけての教育の中に,先ほども少しありましたが,丹波市で行われている県立柏原病院の小児科を守る会のスローガン,三つありまして,コンビニ受診を控えよう,かかりつけ医を持とう,お医者さんに感謝の気持ちを持とうという,三つがあるのですが,この三つぐらいでも,かみ砕きながら子どもたちに伝えていく,小学校であれば,もう本当に,例えば保健の先生のところへ行って,ありがとうと言っているというふうなことでもいいですし,自分でお医者さんにかかったとき,お医者さんにありがとうと言っている,言おうねというふうにやるだけでも変わっていくのではないかなと考えます。 そのような子どもの動きというのが,ひいては大人の行動も変えていくということで,やはり教育分野でも,非常に大切ではないかと思いますが,鈴鹿市の教育の中に,そのような取り組みのほうを,取り入れていただけるように検討していただけるかどうか,長谷川教育長の見解をお聞かせください。 ○議長(矢野仁志君) 教育長。 ○教育長(長谷川正人君) 感謝の気持ちと授業の中でということなんですが,感謝をしていくということは,生きていく上では,人一人で生きているわけではありませんので,非常に大事なことだと思います。 現状をまず申し上げますと,小学校や中学校の道徳教育で主としてほかの人とのかかわりに関すること,こういった分野で,多くの人々の善意や支えにより,日々の生活や現在の自分があることに感謝し,それに応えるといった内容が掲げられておりまして,これに基づいて,学校において教育活動全体を通して,感謝の気持ちを育んでいくような,そんな取り組みがなされております。 それから,一方は,地域医療,これに限定して言いますと,小学校におきまして保健領域で地域にはさまざまな保健活動として病院,保健所,保健センター,こういった活動があるよというようなところを学んでおって,そして中学校では,体育科の保健分野で,健康な生活と疾病の予防と,こういった中で地域の医療機関の役割について理解するとともに,かかりつけ医,こういったものを持つとよいというようなことも,その中で学んでおります。こういった感謝の気持ちの部分と,それからこういう地域医療のそれぞれの果たしている役割,こういったことを学ぶことによりまして,それが相まって地域医療に携わる方への感謝,こういったものも育まれていくものだと考えております。したがいまして,こういったことを今後も続けていきたいと考えております。 ○議長(矢野仁志君) 中西大輔議員。 〔25番 中西大輔君登壇〕 ○25番(中西大輔君) ありがとうございます。ぜひ,子どもたちへの活動ももちろんですけれども,先ほど大森副市長にもお答えいただきましたが,教職員の方々も,ぜひこの鈴鹿市の現状を知っていただく,また保護者の方にもそのようなことがあるということを教育委員会を通じていろいろ啓発していただければなと思います。 子どもたちにつきましては,単に医療の問題だけではなくて,中3までのことを考えれば,医療のことから始まって,当然,どれだけのお金,税金,使っているのかということも伝えていくことがこれから必要じゃないかなというふうに考えますので,今お答えいただいたように,学校教育の中で,関係課と連携して,いろいろ検討していただきたいというふうに思います。 これで二つ目の質問を終わりまして,三つ目の質問のほうに移らせていただきます。 |