2013年6月定例会一般質問

「行政情報のオープンデータ化について」

 それでは,次の質問事項,オープンデータ化についてに移ります。
 今回,行政情報のオープンデータ化ということになるんですけれども,やはり鈴鹿市も積極的に取り組むべきではないかという趣旨で質問させていただきます。
 考えていただきたいのは,今,このコンピューターを使って──コンピューターだけではなくて,いろんな形の機器を使ったコミュニケーションであるとか, いろんな考え方というのは,この10年ぐらいでもう大きく変わってます。今,当たり前やと思ってるようなラインとか,フェイスブックとか,こんなんが10 年前にあるかといったら,日本の中では,そんなにあったというふうな状況ではないわけですね。もう,それをあかんやないかとか言ったりしているような時代は終わって,やっぱりどうやって活用していくか,活用していく中で,リスクになるようなことがあったら,それは抑えていこうやないかというふうにやっていくのが今の時代じゃないかなと思います。
 まして,活用できるのに活用せんとか,活用しようとしているのに,使ったらあかんやないかというふうにとめることは,こういう大きな変化の中では,立ちすくんでる状況になっちゃうかなと。活用しながら,柔軟に変化していくのが求められていると思います。
 それでは,るる言いました,オープンデータ化というのはどういうことかということですが,資料のほう,映してください。
            〔資料をスクリーンに示す〕


 オープンデータ化──これは福井県鯖江市のほうで,視察に行ったときにいただいたことなんですけれども,そもそも,一番オープンデータ化というのは,基本的には今PDFとか,エクセルとか,そのあたりのデータで提供されていることが多いわけです。コンピューターわからない人は何言っとるんやということに なっちゃうんですけども,このあたりというのは,人の目が見ることが前提になっていて,コンピューターとかで自由に使えるというのが前提になってません。
 それを,これから機械で,どの機械でも読み取れるようにしていこうじゃないかというのがオープンデータ化です。そのときのデータ形式というのが,XML とか,RDFというのがあったりするわけですけれども,この目的というのは,誰もが自由にデータを使えて,再利用もできて,再配布もできるようにするということが目的というふうにされています。
 そうして,提供されてるデータを民間が活用して,参加と協働で新しい価値を見出していこうやないかというのが,行政情報のオープンデータ化の意義というふうに言われています。
              〔資料の提示を終了〕

 次の資料,映してください。データに見づらくて申しわけないです。
            〔資料をスクリーンに示す〕


 次の資料映ってこないんですけれども,実は国のほうで,このオープンデータという考え方について,平成24年に電子行政オープンデータ戦略というのが出されてまして,公共データは国民共有の財産であるという認識のもと,公共データの活用を促進するため,取り組みに速やかに着手し,それを広く展開することにより,国民生活の向上,企業活動の活性化等を図り,我が国の社会経済全体発展に寄与することが重要であるため,公共データの活用促進をしていくためとして,先ほど言いましたオープンデータ戦略というのが策定されております。この動き,今後,より加速していくと思います。
 この戦略では,四つの基本的な方向性が提示されています。一つは,政府みずから積極的に公共データを公開すること。二つ目に,機械判読可能で二次利用が 容易な形式で公開すること。三つ目,営利目的,非営利目的を問わず,活用を促進すること。四つ目,取り組み可能な公共データから速やかに公開等の具体的な取り組みに着手し,成果を確実に蓄積していくこと。
 この方向性の結果,もたらされる意義・目的として,行政の透明性の向上,行政への国民からの信頼性の向上。国民参加・官民協働推進。三つ目に経済活性 化・行政効率化。我が国全体の経済活性化,また国や地方公共団体においても,政策決定等において公共データを用いて分析等を行うことで,業務の効率化,高 度化が図られるとなってます。
 国の話というふうに思われるかもしれませんが,これは自治体とか,国というところを,鈴鹿市ということに置きかえれば,そのまま当てはまってくることになってます。この動きは逆らえません。
 そこで,最初に,自治体の先進事例として取り上げさせていただくのが,初めのほうで言いました福井県鯖江市,ここです。
 現在,データシティ鯖江として,行政情報のオープンデータ化に先進的に取り組まれているのですが,この鯖江市の予算の取り組みというのが鈴鹿市にとっても非常に参考になると,視察に行って,お話をお聞きして感じました。
 それは,一つ目,鈴鹿市,まちづくり基本条例というのがありますが,同じように,鯖江市さんにも,鯖江市民主役条例というのがあり,これに基づいて進め られていること。また,鈴鹿には鈴鹿高専ありますが,鯖江市さんには福井高専がありまして,こちらと連携しているということなどから,ああ,これはちょっ と使えるなというふうに思ったわけです。
 そこで,データシティ鯖江の狙いというのは何かといえば,今言ったことが入ってくるわけですが,市民と協働のまちづくり,市民福祉の向上,ITのまち鯖江,福井高専生徒の取り組み支援,市民の協力でアプリ開発,自治体間の連携ということになってます。
              〔資料の提示を終了〕
 資料を映してください。
            〔資料をスクリーンに示す〕

 どういうデータが公開されてるかというと,今,24種類公開されているわけですが,統計情報であったり,施設情報であったり,観光情報,その他,公共交 通でツツジバス情報なんていうのがあるわけですが,こういういろいろなものが,24種類公開され……。〔資料の提示を終了〕
 資料のほうを変えてください。
            〔資料をスクリーンに示す〕
 それを活用して,今,38種類,民間のほうからアプリケーションというのが開発されて,出ると。つくってる方は,民間の会社で,jig.jpというとこ ろの代表の方がほとんどつくっているわけですが,このようにたくさんつくられております。この一つの例として,例えば,公共の持ってるトイレ情報をオープ ンデータ化して,それを利用した形でつくられたものがあります。
              〔資料の提示を終了〕
 資料映してください。
            〔資料をスクリーンに示す〕

 これなんですけれども,ちょっと白黒で申しわけないです。これ,自分のいる位置から,最寄りのトイレまで,道筋が表示されるというアプリです。これと同様に,避難所などのデータを活用して,自分の位置から避難所までの道筋を表示するアプリというのもあったりします。
 少し前までは,御当地アプリを行政で開発したらどうですかなんていう話もあったんですけれども,これからは,このように行政からデータを提供する,提供されたデータを民間が活用して,自発的に開発していくという時代に入ったと言えます。
 鯖江市さんなんかでは,コンテストも行いながら,やっているということです。
 ちょっと,言葉では,わけわからないんですけれども,これ,本当はインターネットで見てもらうと一番早いんですけれども,データシティ鯖江という言葉で検索していただければ,実際にアプリのほうも見ていただくことができます。
 また,オープンデータの活用の,また別の形としては,自治体予算や決算をオープンデータ化して活用する例として,Where Does My Money Go?というのがありまして,税金はどこへ行った?というサイトがあるんですね。事例があります。
              〔資料の提示を終了〕
 資料のほうを映写してください。
            〔資料をスクリーンに示す〕


 これは,北名古屋市版になってるのかな,これは,どんなものかというと,自分の年収のうち,幾らが市税になり,それが何の目的で使われているのか,1日当たりの金額で可視化するウエブサービスということになってます。この動きというのは,公共データのオープン化によって,地域社会を変え,貢献していこうという思いを持った方々で運営され,2012年の横浜から始まって,現在,近隣の北名古屋市も含めて10都市ぐらいのところでこのようなものがつくられています。
 いろいろ整理して,これつくっていくわけですけれども,このサービス立ち上げの目的というのは,納税者が公共サービスにおける受益と負担の関係を数字で 理解した上で,税金の使い道について責任のある意見を述べることができるようになることで,財政の健全化や新たな成長への近道になると考えているということが,このサイトのほうにも書かれております。ありがとうございます。

              
〔資料の提示を終了〕
 ちなみに,これはオープンデータ化された予算や決算情報をもとに作成されるんですけれども,現在,鈴鹿市のほうで,じゃあ,そのあたりのデータがどういうふうに提供されているかというと,予算書,決算書がPDFのデータで提供されていて,すぐにこういう形には使いにくいということなんですね。だから,このようなデータをいかに使いやすく提供するかというのがオープンデータ化の目的ということになるわけなんですけども,この動きというのは,これからよりたくさんの住民の方々や市民の方々が政治に参加していく,オープンガバメントとか,ガバメント2.0という動きになってくるわけですね。これについては,また別の機会でお聞きしたいとは思うんですけれども,ここまでのところ,るる,ちょっと説明が多くて申しわけありませんが,現時点で鈴鹿市においてオープンデータ化について,どのように取り組まれているのか,またどのような考えを持ってるのかお聞かせください。


○議長(今井俊郎君) 総務部長。
            〔総務部長 酒井秀郎君登壇〕
○総務部長(酒井秀郎君)
 それでは,中西議員の行政情報のオープンデータ化についての御質問に答弁を申し上げます。
 まず,本市を初め,多くの自治体では,市民の皆様への情報提供ツールとして,ホームページを活用し,エクセルやPDFなどの一般的によく使われておりますデータ形式で,さまざまな行政情報を公開しております。
 また,本年3月には,本市ではホームページをリニューアルし,情報提供の充実にも努めているところでございます。
 行政情報をデータとして公開し,市民の皆様に情報提供していくという点におきましては,本市においても既に取り組んでおりますが,議員から御質問のござ いましたデータの加工や,あるいはソフトウエア開発など,二次的利用がしやすいと言われておりますXMLなどの新たなデータ形式を用いた情報提供としてのオープンデータ化につきましては,具体的な取り組みには至っていない状況でございます。
 昨今のスマートフォンに代表されますタブレット型の端末機器の爆発的な普及など,情報技術の急速な発展に伴いまして,データの形式につきましても,多様化してきております。
 この情報技術の発展に伴う社会情勢の変化に対応するため,国においては公共データの活用促進に集中的に取り組むための戦略として,電子行政オープンデータ戦略を策定し,積極的な推進の方向性を示しております。
 また,議員から御紹介のございました福井県鯖江市を初め,既に取り組みを開始している自治体もございます。
 このような取り組みにつきましては,本市が昨年制定いたしました鈴鹿市まちづくり基本条例に規定されております行政情報の積極的な公開という目的にも合致するものでございます。
 したがいまして,行政情報のオープンデータ化につきましては,今後,本市の市民参加の推進を図る上での情報提供の手段の充実という点において,検討課題の一つであるというふうに認識をいたしております。
 ただ,オープンデータ化に当たりましては,情報提供の手段の充実という利便性向上の観点だけではなく,プライバシー保護,私的財産の保護,そして防犯など,安全面の観点からも,十分な検証が必要と考えております。そのようなことから,まずは,国の取り組みなど,オープンデータ化についての情報収集を行うとともに,あわせて先進自治体の事例なども参考にしながら,また,データの提供や活用に係る人材育成の面も含めまして,調査研究を行ってまいりたいと存じ ますので御理解をくださいますよう,よろしくお願いをいたします。

○議長(今井俊郎君) 中西大輔議員。
            〔24番 中西大輔君登壇〕
○24番(中西大輔君) ありがとうございます。
 ちょっと後のほうで進めますが,なぜこれを,オープンデータ化というところで取り上げたかというと,やはり自治のところの話と関連させてなんですね。このオープンデータ化の取り組みのほうは,やはり先進の自治体等と連携しながら,やはり早急に取り組んでいく課題ではないかと,私は考えるわけです。
 また,このようなデータを市民のほうが見やすくして,市民の皆さんも見やすくしながら取り組んでいく,市民参画,自治の考え方を考え直す作業というのも不断に行わなければいけない作業ですね。ということは,このようなオープンデータ化,また市民参画の取り組みという考え方については,前段の質問でありました6次総合計画,言い方はどうか,ちょっとありますが,長期計画の中でも,しっかり方針として取り入れた上で市民参画を含めた新しい形の住民自治,行政のあり方ということを方向づけていかないといけないというふうに私などは考えるんですが,その点については,検討のほう,しっかりできるかどうか,まずお聞かせください。


○議長(今井俊郎君) 総務部長。
○総務部長(酒井秀郎君)
 この鯖江市のオープンデータ化のような事例につきましては,国の国民本位の電子行政を実現するための政策であるオープンガバメントの推進を受けての,その一つの手段としての取り組みであるというふうに認識をしております。
 本市におきましても,インターネットの双方向性等を活用することで,より一層の行政の透明性,市民参画,協働が図られるかといった点につきまして,今後の国の方向性や先進自治体の取り組み事例を調査研究するというふうに先ほど申し上げましたけれども,そのような中で総合計画に関する位置づけも含めまして検討してまいりたいというふうに考えております。

○議長(今井俊郎君) 中西大輔議員。
            〔24番 中西大輔君登壇〕
○24番(中西大輔君)
 ありがとうございます。
 ちょっとこの話をしていても,今議場に,タブレットを使って調べられると,非常にわかりやすいんですけれども,何せ言葉ベースでやっているので,わかりにくくて申しわけないです。
 アプリケーションについては,ツツジバスというのが出てきて──途中で言いましたが,あれでどういうことがあるかというと,鯖江市の中のどこをバスが 走っているかというのが表示されているわけですね。自分のいる位置と,どこを走っているかというのがわかるようになっていると,そういうアプリがつくられていたり,歴史とかの,そういういろいろ,教育委員会が持っているような情報でどういうことをやっているかというと,これもないとわかりにくいんですけれども,指でぐるぐると,時計みたいなものを回して指を当てると,何年といって,どういうことが鯖江市でありましたというような,こういうアプリもあったりします。ですので,そのようなアプリケーションというのは,同じような行政情報があれば,活用できるものですから,やはり連携をとっていただくのがいいのかなというふうに思うところです。
 また,鯖江市さんの取り組みの中で,消火栓の位置についての行政情報を公開したことで,アプリケーションによって表示されると。そうすると,あるはずのところにないとか,そういうところが,ミスが発見できたりとかで,改善につながったということもありますので,その点も含めてしっかり取り組んでいただければなというふうに思いますが,そこを取り組んでいただけるのか。
 もう一つは,先ほど税金どこ行った?という話のところで言いましたが,今,予算・決算の情報がPDFで提供されているわけですが,そのあたりのところを CSVとか,少なくともエクセルとか,そのように扱いやすい情報で提供していただけることは考えられるのかどうか,お聞かせください。


○議長(今井俊郎君) 総務部長。
○総務部長(酒井秀郎君)
 先進市との連携等につきましても,今後,さまざまな国の動向,あるいは先進市の状況を調査研究する中で,その上で進めてまいりたいというふうに考えておりますので,まだ本市としましては,まず事例等の調査研究から入らせていただきたいというふうに考えております。

○議長(今井俊郎君) 中西大輔議員。
            〔24番 中西大輔君登壇〕
○24番(中西大輔君)
 わかりました。きちっと取り組んでいただけると期待しておりますし,取り組んでいただけると思っていますので,また時々チェックさせていただきます。