2013年9月定例会一般質問

「鈴鹿市におけるSRの推進について」

○24番(中西大輔君)
 議席24番,すずか倶楽部の中西大輔です。
 外が竜巻注意警報が出ているらしくて,真っ暗で非常に不安なんですけれども,9月2日,せんだってBIKE LOVE FORUMが鈴鹿サーキットのほうで開催されまして,経済産業省の課長さんも見えて,この鈴鹿市議会からも,私が確認したところ8人の議員も参加されて,非常に意義のある会議になったのではないかなと思います。特に,課長さんのほうが,ここで聞いたことは政策化していくというふうにあれだけはっきり言ったというのは余りないかなと思いますので,ということは,自治体の行動とか意志も問われてくるのではないかなと思って聞いてました。

 それでは,通告に従いまして,一般質問のほうを行わせていただきます。
 今回は大きく二つ,鈴鹿市におけるSRの推進と,私の過去の一般質問から2点,中学校部活動の改善と公共施設の維持更新についての進捗状況の確認をさせていただきます。

 それでは,まず鈴鹿市におけるSRの推進について。SRって何のこっちゃいなというふうな方もいらっしゃると思いますが,それはまた後で説明します。
 これについては,もう結論はSRを推進していくべきだということなんですけれど,このSRというのは耳なれないなと思って聞かれている方が多いと思うんですけど,これの前にCをつけると,CSRという言葉になりまして,それだと何かどこかで聞いたことあるなという方も多いと思います。現在,企業活動などでCSRという言葉で取り組まれているわけですが,これはコーポレートソーシャルレスポンシビリティということで,企業の社会的責任と訳されて,いろいろな企業で取り組みが広がってきていることは,行政の皆さんも御存じのことではないかなと思います。ですので,CをとってSRだけということになると何かといえば,これは社会的責任という訳になってきます。

 このCSRなんですけれども,これは新しい考えかなというふうに捉えられますが,昔から違う言葉で表現されているということ,物の資料等で見て出てきます。例えば,近江商人の家訓としての売り手・買い手・世間の三方よしというのがこのCSRの考え方ではないかというふうに言われております。このSR,社会的責任については,近年いろいろな社会問題というのが深刻化して,環境問題もそうですが,また物流だけじゃなくて,いろいろな情報も含めて,ネットワークが発達することで個々の組織の活動が社会に与える影響が大きく,また広がっていくものになって,社会を構成している全ての組織について社会的に責任に伴う行動が求められているという考えになります。社会的責任というのは,組織活動が社会及び環境に及ぼす影響に対して組織が担う責任という考えで,この考え方については,自治体も例外ではありません。もちろん,これまでも,コンプライアンスも含めてそうなんですけれども,行政の行っている業務というのは,そもそも地域社会のあり方と切り離せないもので,その点では言葉としてはあらわれてはいませんが,自治体,鈴鹿市としても社会的責任に基づいていろいろな施策等を運営されていると言えます。
 そこで,まず鈴鹿市における社会的責任について,最も重要な課題はどのようなものと考えているのか,また鈴鹿市もSRを推進して自治体運営を行うべきと考えるのですが,それぞれの見解についてお聞かせください。


○議長(今井俊郎君) 市長。
             〔市長 末松則子君登壇〕
○市長(末松則子君)
 それでは,中西議員からの本市におけるSR,社会的責任の推進についての御質問に答弁を申し上げます。
 本市におけるSRの最も重要な課題をどう捉えているかについてでございますが,行政におけるSRの目的を端的に申しますと,地域の持続可能性を高め,安定した市民生活を維持していくことではないかと考えております。このことから,本市におきましても,将来的に持続可能なまちづくりを推進してくために必要とされるさまざまな分野の政策,施策等を総合計画や個別計画に位置づけ,市民の皆様や団体,企業等を初め,地域内外における多様な主体と連携を図りながら,地域社会や市民生活が持続的に発展可能となるようなまちづくりを目指して取り組みを進めているところでございます。特に,第5次鈴鹿市総合計画,みんなで築く鈴鹿夢プランでは,計画期間中に目指すべき将来都市像として,市民一人ひとりが夢や生きがいをもって安心して暮らせるまち すずかを掲げており,この将来都市像のもと,政策の柱等に掲げた具体的なまちづくりを推進していくことで,持続可能な地域社会と豊かで安定した市民生活を実現するために,鈴鹿市としてのSRを果たしていくものと考えております。
 なお,詳細につきましては,企画財務部長が答弁をいたしますのでよろしくお願いをいたします。

○議長(今井俊郎君) 企画財務部長。
           〔企画財務部長 杉野浩二君登壇〕
○企画財務部長(杉野浩二君)
 それでは,中西議員からの御質問の本市におけるSR,社会的責任の推進についての御質問の詳細につきまして答弁をいたします。
 社会的責任という概念は,元来,産業界において企業が利益,経済性を追求するだけでなく,組織活動が社会や環境へ与える影響に責任を持ち,あらゆる利害関係者からの要求に対して,適切な意思決定をすることを指し,CSRという言葉とともに,今世紀に入ってさまざまな局面で取り上げられてまいるようになりました。
 そして近年では,本概念が企業のみならず,行政やNPOなど全ての組織に求められるようになり,あらゆる組織の社会的責任,SRという言葉で表現されるようになってまいりました。
 このようなことから,本市といたしましても,まちづくりを担う行政組織として,SRは重要な取り組みであると認識し,本市の組織運営においてSRの考え方を組み入れ,地域へのSRに対する取り組みを推進していくとともに,行政のさまざまな利害関係者との協働を推進し,持続的なまちづくりや市民生活の安定を第一に諸施策の推進に当たっております。特に,行政におきましては,幅広い分野で活動を展開しており,地域社会や市民生活に与える影響が非常に大きいことから,法令等の遵守はもとより,行政活動が地域社会に与える貢献への期待度等に配慮して常に活動を展開する必要があり,このことから,組織そのものの活動に対しては透明性の確保等が強く求められ,同時に市民等の皆様に対して説明責任や受託責任を果たす使命もより強いものと認識いたしております。
 行政自身のSRにつきましては,これまで計画等に位置づけて取り組みを推進してきたわけではございませんが,具体的な個々の施策等の展開の中では,行政が果たすべき責任と使命を意識してそれぞれ取り組んできているところでございます。
 以上でございます。

○議長(今井俊郎君) 中西大輔議員。
            〔24番 中西大輔君登壇〕
○24番(中西大輔君)
 ありがとうございます。その点ぐらいまでは想定の中の回答なんですけれども,私がこの質問をするに当たって,少し補足をさせていただきますと,このSRの推進について,私,何も行政だけしなさいというふうに言うつもりはなくて,自治体としての鈴鹿市として考えた場合は,当然行政であります。行政も市民も,また議会も入ってくるということで,このSRの考え方に基づいて,やはり議会というものもないといけないのではないかというふうに考えています。それだけ少し補足させていただいて,ここからあと質問のほうを進めさせていただきますが,今,先ほどからずっと出ているSR,社会的責任ということについてですけれども,この社会的責任に関するISO国際規格の一つとして,ISO26000というのが2010年11月に発行されています。制定に関しては,NGO等々を含め,日本が大きく関与しているということがあるのですが,この規格を鈴鹿市も採用するべきではないかということを質問させていただきたいということです。
 資料のほう,映写してください。
            〔資料をスクリーンに示す〕


 この図なんですけれども,これは今はちょっとホームページのほうの更新がとまってますが,ISO/SR国内推進委員会,財団法人日本規格協会のホームページのところにこの図が出てくるんですけれども,引用させていただいているんですけれども,ISO26000について,やさしい社会的責任の概要編ということになっております。この図を見ていただくと,鍵となる中核主題として,右側七つ,丸があると思うんですけれども,丸の七つはそれぞれ組織統治,コミュニティへの参画及びコミュニティの発展,人権,労働慣行,環境,公正な事業慣行,消費者課題の七つが上げられています。
 この図の左側の四角のところをアップにしてください。
 この横のところで,もう少し下のほうに送っていただきたいのですが,この社会的責任を果たすためには,七つの原則というのがあります。七つの原則を言っていきますと,説明責任,透明性,倫理的な行動,ステークホルダーの利害の尊重,法の支配の尊重,国際行動規範の尊重,人権の尊重というふうになっております。ちなみに,このステークホルダーというのは余り耳なれない言葉ですので,若干補足させていただきますと,これはよく利害関係者というふうに訳されているんですけれども,この利害関係者というと,どうも誤解を受ける可能性もあるかもしれませんので,今回の質問では,以降ステークホルダーという使い方で話を進めさせていただきます。
 ISO26000というのは,ISO9001やISO14001のように認証を目的とした規格ではなく,ここの説明にもありますが,あくまで組織が効果的に社会的責任を組織全体に統合するための手引の位置づけになっているということです。つまり,自分たちの行動を自分たちで律するための規格ということです。
 資料ありがとうございます。
              〔資料の提示を終了〕
 そこで,鈴鹿市としてどのようにISO26000を現時点で把握しているのか,またこれまでこの考えと沿うような形でどのような取り組みを実践されているのかをお聞かせください。

○議長(今井俊郎君) 企画財務部次長。
○企画財務部次長(澤井正弘君)
 それでは,本市におけるSR,社会的責任の推進においてどのようにISO26000を把握しているのか,またISO26000の趣旨に沿った本市の取り組みについてどのようなものがあるかという御質問に答弁いたします。
 全ての組織の社会的責任に関する国際規格でありますISO26000が2010年11月に発行がされました。このISO26000に関する規格は,組織の持続可能な発展への貢献を助けることを意図するとされており,法令遵守はもとより,組織が法令遵守以上の活動に着手することを奨励することを意図しているとされております。

 先ほど議員も申されましたように,ISO26000は,マネジメントシステム規格ではなく,認証目的または規制・契約のために使用することを意図したものではなく,要求事項を含むものではないため,認証により適合をあらわすものではございません。しかし,規定の中には,先ほど議員が上げられました七つの原則,中核主題ごとに課題も掲げられているとともに,組織全体において社会責任がふだんから習慣として行われるように手引が示されております。本市におきましては,ISO26000の手引に基づく形で取り組みは進めておりませんが,この考えに沿った形で,自治体としての社会的責任を意識してさまざまな取り組みを進めております。具体的に言えば,平成22年度に推進しておりますコンプライアンスへの取り組みがSRの推進に近い形での取り組みでございます。特に,本市のコンプライアンスの推進大綱における基本方針では,市民に信頼される市政運営を推進するために,取り巻く環境の変化を敏感に察知し,法令や社会的規範の遵守のみならず,その背後にあります社会的要請を探知し,それらを常に見据えながら創造的かつ自律的に職務を遂行し,組織が一体となって,生き生きと活動することと定義づけをしております。このことは,行政組織として持続可能なまちづくりを行っていくために,あらゆる局面において公平かつ公正で透明な市政運営を常に心がけていくという趣旨のものでございます。

 また,鈴鹿市人材育成基本方針では,あるべき職員像を定義し,地域における協働や使命感のある人材育成の方針を定めています。
 このほかにも,組織の社会的責任として,積極的な情報公開や行政手続の透明化,SUZUKA−EMSの推進による環境負荷の低減,あるいは働く人への多様性の配慮として障害者雇用への取り組み,女性職員の管理職への登用なども推進しており,自治体組織に求められる使命,責任を果たすことに努めております。
 今後も,行政活動を展開する場面において,地域社会や市民の皆様を初めとするさまざまなステークホルダーから求められている役割を認識し,SR,社会的責任を意識した取り組みが実践されるよう取り組んでいきたいと考えております。
 以上でございます。

○議長(今井俊郎君) 中西大輔議員。
            〔24番 中西大輔君登壇〕
○24番(中西大輔君)
 ありがとうございます。
 鈴鹿市がSRを推進する中でのステークホルダーとして考えられるものとしては,市民,行政,企業,NPO等々,また地域自治組織であったり,そのような方々いろいろ考えられると思うんですけれども,私,この社会的責任ということで,鈴鹿市にとって,過去からいろいろちょっと課題になっている点があると思うんです。その点について整理をして,たとえを少しさせていただきますと,鈴鹿市が実施しようとするある政策について,ステークホルダーの一つに必ず市民の方というのは入ると思うんですね。ステークホルダーとなる市民の方々というのは,当然子供から高齢者という年齢の幅もあれば性別の違いもある,出身地の違い,また収入の違い,婚姻の有無とか等々,いろいろな要素があると思います。それぞれの組み合わせによって,ステークホルダーとなる市民の方々を想定すると,非常に多様であるということは言うまでもないことだと思うんですね。そこに,それぞれの人たちがもろ手を挙げて賛成だという人もいれば,私は絶対反対だという人もいるし,そうじゃなくて条件つけて賛成,やっぱり条件をつけたら反対かなという人もいる,それでも全くわからないという人,本当に選択も含めていうと,非常に多様な方がいるわけですね。ということは,ここで述べられている自治体が行うべき説明責任というのは,ある政策を選択したことや実行することだけを公開するということではなく,やはりその政策について懐疑的に考える人,その決定をしたそれ以外の方々に対しても,それを踏まえた上の内容の選択,このような選択をしましたという説明をしていかなければいけないということがこのISO26000の考え方から導かれてくるというふうに考えます。その部分というのが,今まで鈴鹿市,いろいろ取り組みの中,私もいろいろ参加させていただく中で,非常に弱いところではないかなというふうに実感させていただいています。

 また,ISO26000を読み解いていくと,ステークホルダーエンゲージメントということが出てきまして,組織,行政とステークホルダーとの間で対話の機会をつくる活動というのが重要になってくるということがまた書かれております。これは,つい先日,鈴亀道路の件で100人委員会のようなものが設置されておりますが,そのような動きというのは,このような考え方に沿ったものではないかというふうに考えるわけですね。そのように考えを進めていったときに,私は,今まで鈴鹿市としても社会的責任ということを意識して取り組まれてるということはよくわかるんですけれども,やはり改めて社会的責任についてのISO26000を6月議会の一般質問のほうで,これから策定に取り組まれることになる鈴鹿市の長期計画,質問させていただいたんですけれども,そこに明確に取り上げていくべきだというふうに思います。その点についてお聞きしたいんですね。

 先ほどの第5次総合計画の構成から考えると,SRという言葉をいきなり載せるのではなくて,基本構想の部分に社会的責任についての表現を書き入れて,第6章の構想の推進の部分でISO26000に沿っての施策等の推進を記述するというイメージになるんですけれども,鈴鹿市において次期の長期計画を策定する際に,このISO26000について,社会的責任についてということを取り上げることが可能かどうか,考えているかどうか,お聞かせください。


○議長(今井俊郎君) 企画財務部長。
○企画財務部長(杉野浩二君)
 それでは,社会的責任について,次期の総合計画のような長期計画を策定するときに,その中に取り上げることができるのかということに対してでございますけども,まず行政が行う意思決定や取り組みにつきましては,先ほども答弁いたしましたように,持続的なまちづくり,あるいは市民生活の維持に向けて大きな影響を及ぼすものがありますため,当然,慣行的にふだんから意識して取り組むべきものでございます。これまでもまちづくりの構成員である市民の皆様や団体,企業の皆様と連携を図りながら,地域社会及び市民生活の向上にとって望ましい施策等を選択して,将来都市像の実現に向けて取り組んできたところでございます。しかしながら,その反面,自治体における事業展開に当たりましては,SRが組織の中で意識されにくい,あるいは浸透されにくいとの指摘もございます。また,持続的な地域社会の実現に向けましては,少子高齢化に伴う人口減少社会の中,これまでと異なる社会経済状況のもとで必要な施策等の推進に取り組む必要がございます。
 SRの積極的な推進並びにISO26000に沿った取り組みが自治体に求められることに関しましては,これらの地域社会の持続性を脅かすさまざまな要因も背景にあると考えております。このため,本市が組織として地域社会及び市民等から求められる社会的責任を全うするためには,常に的確に状況を把握するとともに,着実に実施する能力及び人材が必要となってまいります。また,市民の皆様を初め,地域内外のより多くの関係者の方々と協働で地域社会の課題解決に向けて取り組んでいく必要もございます。現在のところ,ISO26000の取り組みプロセスを実践して取り組んでいるという自治体は,全国でも非常に少ないというような状況であると考えておりますが,SRを意識しながら,行政と市民の皆様を初めとする多様な主体との協働により,地域の抱える課題を共有し,協働によるまちづくりを実践していくことは,今後,持続的なまちづくりのためには非常に重要な取り組みとなってまいります。

 そこで,本市におきましては,第5次の総合計画におきましても,第6章の構想の推進のためにの中で,市民みんなで取り組むまちづくりの推進や時代の変化に対応した行政経営のための施策等,持続的なまちづくりのための政策等を支えるために必要な取り組みを掲げて,社会的に要請される施策の実現に向けて取り組んでいるところでございます。
 議員から御質問の,今後SR及びISO26000の自治体組織及び職員へのさらなる浸透と,より計画的な実践に関して長期計画に取り上げてはどうかという御質問でございますけれども,これにつきましては,まだ今現在,総合計画の次期長期的な計画につきましては策定の手法等について検討しているところでございますので,他市の状況等も調査しながら情報収集を行い,研究をしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

○議長(今井俊郎君) 中西大輔議員。
            〔24番 中西大輔君登壇〕
○24番(中西大輔君)
 ありがとうございます。
 他市町の取り組みがさほど進んでいないというのは,こちら,企画課のほうにもちょっと情報提供させていただきましたが,こちらの資料の中身を見ても出てくるんですけれども,とは言いながらも,やはり周りの,横を見て何かを決定するということではなくて,やはり一歩前を進んだ取り組みをしていくというのがこれからの行政,非常に大事ではないかと思いますので,その点はしっかり考えていただきたいなと思います。
 それで,このSRを推進するということに関連して,三つ目の論点を次に質問させていただきますが,何かというと,SRの考え方を公共調達の部分に取り入れるということについて問わせていただきたいと思います。

 現在,市の入札制度においては,総合評価方式が取り入れられており,ある部分で,この中にはSRの観点が入っているとは思います。その考えをより広げる観点で,公調達や公契約の領域にSRの考え方を取り入れることが重要になってくると思うわけです。特に,物品については仕入れ先の企業のスケールによって,スケールメリットによる差が大きく出てくるものであって,単に価格だけを比較すれば,当然これはもう大規模事業者の方が有利であることは否めない事実だというふうには思います。そうなると,なかなか小規模事業者の方にとっては,いろいろな物品の入札があったとしても,大きなところにはどうせ勝てんわみたいな形で,入札に参加する意義というのがどんどんなくなってしまう,小さくなってしまう可能性があるということも,これは考えていただけるところだと思います。

 しかしながら,一方で行政の皆さんも御存じだとは思いますけれども,小規模な事業者の方々が地域のいろいろな活動の中で,ボランティアであるとか,車を出したりとかいろいろな形で地域貢献をされているということは,実際に活動されている行政の方々が目にされているところだと思います。ということは,今のような社会的な貢献に取り組んでいることをきちんと評価するシステムというのが,今みたいなシステムを公調達の場面にも広げていくということは,鈴鹿市にとって金額だけではなくて,いろいろな社会的活動が充実するという面で,非常にプラスがあるのではないかなというふうに考えるところなんですね。だからといって,こういう取り組みが大規模事業者の方々にとってマイナスかといったら,そういうわけでもなくて,別に社会的貢献について意識して取り組んでいただければいいわけで,そうなれば当然,社会的活動が活発になって,それもまた鈴鹿市にとって決してマイナスになってくるわけではないというふうに考えます。
 それで,このような考え方が取り入れられた先進事例として,横浜市における横浜型地域貢献企業認定制度があります。
 資料を映写してください。
            〔資料をスクリーンに示す〕


 横浜型地域貢献企業認定制度なんですけれども,どのようなものかというと,地域貢献企業は,地域や社会を意識し,地域貢献の視点を持って社会的事業に取り組み,地域とともに成長・発展を目指す企業というふうになります。

 地域性の評価としては,いずれかの基準を満たすことが必要ということで,地域志向性であったり,地域限定性であったり,地域性比率ということを入れていると。

 そして,地域性の評価の評価項目の中で,この重要と書かれている項目があるんですけれども,その一番上のところに,地域社会貢献から地域活用・志向ということがありまして,やはり地域社会貢献というのも,今,この総合評価方式の中でいうと,災害時の対応ということがあるんですけども,それ以外のところに広げていくということが考えられると思うわけですね。
 資料のほう,ありがとうございます。
              〔資料の提示を終了〕
 この横浜市の取り組みというのは,CSRに取り組み,地域を意識して,地域に根差して事業活動に取り組む地域企業にスポットライトを当て,そのような企業を応援しようとする制度なんですけれども,この制度と同様の制度というのは,宇都宮市やさいたま市などでも取り組まれていて,これからちょっとずつ広がっていくのではないかというふうに考えます。

 また,せんだって就労マルシェのほうで案内されていたんですけれども,こちら,平成25年4月から障害者優先調達推進法がスタートしますというこの案内というのがされていたんですけれども,これは公共のほうがいろいろなものを調達するときに,障害者就労施設等からの調達を推進していきなさいという法律なんですけれども,これも考え方によってはSRの考え方であるということですね。ということは,自治体の中でこのような考え方が法によって推進されるというのであれば,当然,自治体がSRを推進するのであれば,公調達であったり,公契約であったりする先が,例えばこのような障害者就労施設の物品であったりサービスを積極的に調達しているということ,そのような実績を評価に組み込むという考えが取り入れられるのではないかというふうに考えられるわけです。そのような考え方を踏まえながら,鈴鹿市においてSRに基づいた公調達のあり方,検討してはどうかと考えるんですけれども,見解のほうをお聞かせください。


○議長(今井俊郎君) 総務部長。
○総務部長(酒井秀郎君)
 それでは,私から公調達との関連についての御質問に答弁を申し上げます。
 まず,SR活動の公共調達への応用の先進事例としましては,議員御紹介いただきました横浜市及び栃木県宇都宮市などの地域貢献企業の認定制度がございます。具体的に,横浜市では,議員のお話もありましたけれども,市民を積極的に雇用していることや市内企業との取引を重視していることなどの地域を意識した経営を行うとともに,本業その他の活動を通じて,環境保全,地域ボランティア活動などの社会的事業に取り組んでいる企業を一定の基準のもとに,横浜型地域貢献企業として認定をし,当該企業の成長・発展を支援する制度となっております。これを調達への適用例としましては,公共工事の入札の際に,地域貢献企業として認定された企業であることを参加条件とする入札を一部で導入をしています。

 また,宇都宮市では,企業,市民,行政の協働のまちづくりを進めることを目的として,宇都宮市まちづくり貢献企業認定制度を展開しており,横浜市と同様に,この企業の認証を行っております。調達への適用例としましては,宇都宮市まちづくり貢献企業認証企業であることを総合評価落札方式の評価項目の一つとして評価の対象としております。これに類するような取り組みとして,本市では現在,公共工事の入札の一部で試行しております総合評価落札方式の入札において,工事成績評価型の評価項目の一部にSR活動の項目に類するものを取り入れております。具体的には,緊急時における災害応急工事等の実績,それから防災協定締結の有無,そしてISO認証取得の有無,そして労働安全衛生マネジメント認証取得の有無,最後に障害者雇用の有無,この5項目について評価項目の対象とし,評価をしております。

 一方では,公共調達においては,公平性,公正性,競争性等の確保及び品質の確保が原則でありますので,SR活動の評価項目と,それから工事施工等に係る品質の確保を求める項目との採点のバランスを図っていくことも重要と認識しているところでございます。
 このようなことから,本市としましては,総合評価落札方式での試行の効果等を調査するとともに,評価項目の選択等も含めまして,先進自治体や近隣の自治体の状況等についても調査をしながら,取り組みの効果や課題の整理を行い,優良企業の育成・支援施策について十分に検討してまいりたいと考えておりますので,御理解いただきますようにお願いを申し上げます。

○議長(今井俊郎君) 中西大輔議員。
            〔24番 中西大輔君登壇〕
○24番(中西大輔君)
 ありがとうございます。
 一つの提案であって,これが絶対というわけではなくて,参考にしながら,鈴鹿市としてのよりよいシステムを構築していただければと思いますので,その点,考えていただければなと思います。
 今の流れの話の中からすると,やはり今のような形で,例えば契約のほうとか見直していこうと考えたときにでも,やはり自治体としてSRの推進ということが明確になっていかなければ,なかなか企業のほうにもおろせないと思うんですけれども,再度ここでお聞きしたいんですけれども,長期計画の中に明確に記述すべきという考え,また推進するということを明確にしていただいてはどうかなというふうに考えるんですけれども,この点について,再度,見解のほうをお聞かせください。


○議長(今井俊郎君) 企画財務部長。
○企画財務部長(杉野浩二君)
 それでは,再度の御質問について答弁を申し上げます。
 SRを長期計画等に明記して,施策等の推進に当たるべきではないかということでございますけれども,現在のところ,先ほどもちょっと申し上げましたけれども,総合計画にSRというそういう表現は使用しておりませんけれども,持続的な地域社会の実現に向けてさまざまな分野の取り組みを行うに当たりましては,その取り組みを行う背景やニーズといったことを十分に認識し,市の果たすべき社会的責任を意識しながら取り組んでいるところでございます。
 SRの重要性につきましては認識いたしておりまして,SRを推進するために必要な施策等については,現在の総合計画等の中でも個々に位置づけられて,実施をされているところでございます。

 総合計画のような中長期的な計画にSRの表現をというようなことでございますけれども,現時点では,先ほども申し上げましたけれども,計画策定そのもののプロセス等を検討している段階でございまして,今後,市民等を交えて総合計画を作成していくというふうなことを考えておりますので,そういった中で当然議論がされていくものではないのかなというふうには考えております。
 以上でございます。

○議長(今井俊郎君) 中西大輔議員。
            〔24番 中西大輔君登壇〕
○24番(中西大輔君)
 ありがとうございます。動きのほうは注視させていただきますので,前向きに取り組んでいただきたいと思います。