2014年3月定例会一般質問
「新給食センターについて」


 それでは,次の質問に移ります。
 新給食センターについてですが,個人的には,新給食センターについては公共施設やインフラの維持更新という課題,また財政上の課題から考えて,やはりどうしても疑問が残っているというのは事実です。
 また,するのであれば,私個人としては,市内の民間事業者の可能性を尊重した給食サービスの検討が望ましかったと考えていたのですが,とは言いながらも,現実には,新給食センターの計画が進められているのですから,であれば,現時点で進んでいることに対して,より鈴鹿市にとってプラスになるような提案をしたいと考えて,今回の質問を行わせていただきます。
 趣旨としては,地産地消条例にのっとった形で,新給食センターでの食材使用と1次産品生産との連携構築をすべきだということです。
 資料のほうを映写してください。
            〔資料をスクリーンに示す〕


 この資料ですが,せんだって有志議員で行った地産地消の勉強会で提供されたものです。行政側から出てきているデータをもとに,参加議員が整理したものから作成させていただきました。
 この資料を見ていると,鈴鹿市内で生産量があるのに,給食の食材として余り使われていなかったり,使用量に対して鈴鹿産が少ないといった,農業生産と給食食材としての利用にミスマッチがあることが見えてきます。
 少しアップにしてください。


 かなり字が細かくて申しわけないんですけれども。わかりやすいところで,カボチャと大根を取り上げてみます。
 このカボチャと大根について,グラフとして資料を作成しましたので,資料の提示のほうをお願いします。
            〔資料をスクリーンに示す〕


 まず,カボチャのほうですね。こちらのほうを見ると,紫色の線が生産量なんですけれども,ピーク時,約5トンを超える生産量があるにもかかわらず,その使用量を見ると,圧倒的に少ない。給食自体に使われていないということがあるんですけれども。鈴鹿市産も少ないということがはっきり見えます。
 次,大根のほうを映してください。
            〔資料をスクリーンに示す〕


 大根のほうも同じで,これは若干,給食の食材としての相関関係は見えるんですけれども,よくよく見ると,鈴鹿市産の使用量というのは非常に少ないということです。生産量について言えば,10月から3月にかけて,平均約4トンあるんですけども,実際の使用量は,その10分の1程度にとどまっているということが見えてきています。このミスマッチというのが,今,鈴鹿市の課題ということではないでしょうか。
 資料ありがとうございます。
              〔資料の提示を終了〕
 そこで,新給食センターというのは,これから新しくできる施設であるのと同時に,そこで使われる野菜というのは新しく創出される需要なのですから,このミスマッチは,鈴鹿市として真剣に改善に取り組むべき課題だというふうに私は感じます。
 せんだって,鈴鹿市業務改善改革発表会で,この地産地消に関して,担当職員の方が報告されていましたが,そういう動きに関しては,私は可能性を非常に感じる報告をされていました。
 ともかく,このデータに見える市内産野菜の生産量と給食現場での使用量のミスマッチについて,教育委員会では,このギャップを埋めることにどのような考えを持っているのか。また,市内農林水産業生産とのマッチングの推進を検討しているか,中学校給食センターでの地産地消推進との関連も踏まえて答弁を求めます。


○議長(今井俊郎君) 教育長。
            〔教育長 長谷川正人君登壇〕
○教育長(長谷川正人君) それでは,新給食センターについての御質問に答弁申し上げます。
 鈴鹿の地産地消推進条例は,議員発議で制定された経緯もありまして,条例の重みを感じております。前向きに取り組むべきものと考えております。
 そこで,本市の学校給食における地産地消の取り組みとして,学校給食用食品として使われる食材を選定するに当たり,献立を立案する段階から,地元で生産された食材を取り入れるようにしておりますが,現状としては,使用率が伸び悩んでいる状況にあります。
 このような状況の改善を図るため,これまでは学校給食で使用した野菜の品目ベースでの使用率により統計をとっておりましたが,本年度から独自に,実際に使用した重量ベースの実績値に変更することで,どのような野菜がどのような時期に使われたのかをよりわかりやすくしようということで,月ごとにまとめた資料の作成を始めており,ホームページで公表もしております。
 また,同じく本年度から,約3カ月先の献立に基づいて,使用する野菜の品目名及び使用予定量についてもホームページ上での公開を始めており,生産の一助となるよう情報の提供に努めております。
 議員御指摘の生産量と使用量の差につきましては,給食用食材の選定作業を考慮して献立を立案する必要から,給食実施日から逆算して,半年前に立案しているため生ずるものと考えられます。この差につきましては,農林水産課からの市内産野菜の生産量等の情報や,給食用野菜を納入している業者の地産地消に係る納入実態などを参考にして,使用量の向上が図られるよう献立作成に努め,今後も時期的に取り入れられる食材を活用できる献立を考えるとともに,本年度は,給食用野菜に関する調査を昨年末から1月に行っておりまして,その課題から見えてくる課題の解消をするための検討をすることで,その開きを少なくしていくよう努めてまいりたいと考えております。
 また,中学校給食につきましては,現在の市内小学校及び園で実施しております統一献立とは別の献立にすることとしております。そうすることにより,給食用食材の調達時において,一度に用意しなければならない食材の総量を分散でき,給食用食材の調達時における量的な制約の緩和を図ることができますので,小・中それぞれの献立の自由度も高まることにつながります。こうした対応により,地元の旬の食材の利用を推進できればと考えております。
 これからの鈴鹿市第二学校給食センターの改修に当たり,地元産品の活用推進を図るために,生産現場との連携については必要と考えておりまして,今後も各所との協力体制を構築し,情報交換を行いながら,食材を購入する消費者としてどのような取り組みができるのかなどについて考えてまいります。
 以上でございます。

○議長(今井俊郎君) 中西大輔議員。
            〔24番 中西大輔君登壇〕
○24番(中西大輔君) ありがとうございます。今の方向性はわかりましたので。
 そこで,なぜわざわざこういうことを改めて聞いているかといえば,先ほども言いました,新給食センターというのは新しくできるわけですから,鈴鹿市独自の取り組みを行う大きなチャンスというふうに考えられます。鈴鹿市独自の施策展開を行うべきだし,新しい発想を生かしていくべきでしょう。
 例えば,給食センターで全ての加工を行うのでなくて,福祉作業所等で一次的な加工,カボチャなんかであれば,ペーストにするとかということがあると考えられますが,そういう加工をして冷凍すれば,給食の現場でコロッケとかパンプキンスープとかという展開もできるのではないかというふうに考えられます。また,産業面から考えれば,農生産品の買い取り制度を整備したら,転作や新規就農の道も開けてくるのではないかというふうに考えられるのではないでしょうか。そういう発想をどんどん検討していくことが必要だと考えます。
 ともかく,新給食センター建設にも,その後の運営にも大きな税金が投入されることになるわけですから,今現状,そのための財源をどこから持ってくるかということがはっきりしていない。であれば,何かを節約して事業をやっていくのか,それとも税収増で行っていくのかということになってくるはずですよね。であれば,税収増に少しでもつながる形というのを検討していくことが当然,そちらで考えていくべきだというふうに考えるわけです。鈴鹿の経済活性化を意識しながら取り組んでいくことが必要だと思います。
 そこで,生産や食材調達などのあり方も含めて,産業振興という側面から打ち出しを考えてはどうかと思いますが,見解をお聞かせください。


○議長(今井俊郎君) 産業振興部長。
○産業振興部長(梅山幹雄君) それでは,私からは中学校給食の開始に当たり,産業の振興につなげてはどうかとの御質問に答弁を申し上げます。
 新たに中学校給食が始まり,1日当たり最大7,000食分の食材が必要になりますことは,産業を振興していく立場といたしましては,米や野菜,魚などの鈴鹿市産農林水産物の消費がさらに拡大していくことになり,大変期待しているところでございます。このため,学校給食で使用する鈴鹿市産農林水産物の種類をふやし,そして品質のよい農林水産物の生産量を増加させるために,生産者団体であります鈴鹿農業協同組合や関係機関と連携をし,生産者への働きかけを行っておりまして,今後,学校給食で使用できる農林水産物の生産が,拡大していく見込みであると考えております。
 本市としましては,中学校給食の開始を契機と捉え,地産地消の拡大に向けた産業の振興が図られますよう各種施策の推進に一層努めてまいりたいと考えております。御理解くださいますよう,よろしくお願い申し上げます。
 以上です。

○議長(今井俊郎君) 中西大輔議員。
            〔24番 中西大輔君登壇〕
○24番(中西大輔君) ありがとうございます。今,答弁の中で見えなかったことを若干確認させていただきたいのですが,産業振興部としては,農生産の一次の部分だけではなくて,当然,加工の部分の二次と販売の部分の三次ということも入ってくるわけですが,その点はあるのかどうかということと,産業振興部からも積極的に教育委員会と連携をとる考えがあるのかどうか,その点をお聞かせください。

○議長(今井俊郎君) 産業振興部長。
○産業振興部長(梅山幹雄君) それでは,再度の御質問に御答弁を申し上げます。
 議員御指摘のとおりに,産業といたしまして,教育委員会とはしっかりと連携を図りながら,各施策の推進に取り組んでまいります。御理解くださいますよう,よろしくお願いいたします。
 以上です。

○議長(今井俊郎君) 中西大輔議員。
            〔24番 中西大輔君登壇〕
○24番(中西大輔君) 二次と三次の部分についての答弁が入ってなかったので,これはまた後で機会があれば,聞かせてください。
 それで,新給食センターで調理するものの食材調達と,市内での農林水産業品生産とのマッチングについては,当然,政策化していく──実際に実行するには時間がかかることだと思います。なぜなら,やっぱり農地をどうするかであるとか,生産に当たって,当然,作物を栽培するノウハウをどうするのであるかということがあるので,時間がかかることだと思います。ですが,この機会に,鈴鹿型のモデルとして確立していく考えと意志が必要だと思います。これについては,教育長がということではなくて,産業振興部長でどうかということではないというふうに考えます。ただ,このような考え方を実現していくためには,当然,長期的な計画のほうにも中身を盛り込みながら,数値目標を設定して,達成していくことの検討ということは必要になってくると思いますが,その点はどうかということをお聞きしたい。
 もう一つは,今予算における新給食センター関連のものの中には,来年早々には給食施策に入ることになっています。調理と配送業者の選定ということも年度内に行うということになるということでしょうが,秋から冬にかけてその動きになるということでしょうから,今回,質問させていただいているような市内産品と給食での活用について,そのような事業者公募の時期までに大きな流れとして検討,またそれについて何らかの回答ができるかどうか。そういう考えがあるかということだけで結構ですので,お聞かせください。


○議長(今井俊郎君) 市長。
○市長(末松則子君) 中学校給食の開始を一つのチャンスとして捉え,さらなる産業振興を図っていくかどうかという御提案と,先ほどの御質問に答弁をさせていただきたいと思います。
 まず,生産量の拡大に向けた各種の農業施策の推進のほか,市内産農水産物の生産と,中学校給食での使用品目や数量のミスマッチを解消するために,これまで同様に,旬の時期に旬の野菜を提供することに加え,先ほども産業振興部長からも答弁させていただきましたとおり,鈴鹿農業協同組合様を初め,市内の農家の方など,関係機関からもいろいろな御提案をいただいておりますので,例えば献立の一部におけるカット野菜や冷凍野菜といった食材の可能性についても,拡大を検討をしていきながらやってまいりたいというふうに思っておりますし,それにつきましても産地の拡大ということもありますので,そういった部分もしっかりと研究をしながら取り組んでまいりたいというふうに思っております。
 今後も,農商工の連携も視野に入れた地産地消のさらなる推進に努めてまいりたいと考えておりますし,スケジュールも合わせまして,しっかりと検討してまいりますので,今後もよろしく御理解をいただきますようにお願いを申し上げます。
 以上でございます。

○議長(今井俊郎君) 中西大輔議員。
            〔24番 中西大輔君登壇〕
○24番(中西大輔君) 今の市長の答弁のほうで出ましたので,大きな流れということは,やはり出していただきたいと思いますので,その検討はしていただけると判断しましたので,この質問についても,ここで終わりとさせていただきます。