2014年9月定例会一般質問 「放課後児童クラブについて」 ○24番(中西大輔君) おはようございます。議席24番,すずか倶楽部の中西大輔です。 昨日,鈴木議員の一般質問を聞いていたんですけれども,伊勢若松駅の周辺の安全対策のことで,平成23年6月に伊勢若松駅のバリアフリーと駅の多機能化の話をしていて,そのときにしっかり取り組んでいったらなと思うところなんですけれども,そのことから考えるに,鈴鹿市にとって欠けているのが恐らく将来に対しての想像力であるとか想定力,その点が欠けているというのが大きな課題じゃないかなというふうに考えるところです。 それでは,通告に従いまして,本日は2点お聞きします。 放課後児童クラブについてと,地方公会計の整備の二つをお聞きします。 まず,放課後児童クラブの内容から入っていきますが,今回の質問の趣旨というのは,鈴鹿市は学童保育のあり方を見直すべきということが一番の話の論点になっております。 放課後児童クラブにつきましては,質疑のほうから,市内には36のクラブがあり,社会福祉法人の運営が8カ所,NPO法人の運営が2カ所,民間企業の運営が1カ所,残りの25カ所は保護者が運営主体となっていることがわかりました。 そこで,今回は保護者主体で運営されているもののうち公設民営の施設21カ所,そこからことし開設の1カ所と休所の1カ所を除いた19カ所に焦点を当ててお聞きしたいと思います。 資料7,映写してください。 この資料は,19カ所について決算資料などから作成した表になっております。ただし,クラブ名などについては,いろいろ差し支えがあると思いますので,アルファベット表記にしてあります。 整理します。決算額を見ていただきますと,663万1,226円から1,897万3,646円の幅があり,平均すると約1,249万円,そのうち人件費は354万8,103円から984万2,708円の幅があり,平均は約640万円,収入のほうになるんですけど,市補助金というのは290万7,000円から680万9,000円の幅があり,平均は約445万円になっています。大きな金額が動いていることがわかっていただけると思います。これを保護者の会計が扱ったりしているわけですね。 次に,職員のことについて。ピンク色で表示されておりますが,こちら決算は平成25年で,人員のほうは平成26年になるんですけれども,19カ所あるうちの実は9カ所しか常勤雇用がいないということがわかります。残りは非常勤の職員が運営しているという形になっております。 ちなみに,さっきの金額ベースというか,決算ベースでいうと,決算総額の平均に対して人件費は約51.2%,それに対する市補助金は35.6%となっていることがここでわかります。 また,表には出していないんですけれども,19カ所のうち1カ所は市借用の民有地内に,4カ所は公立幼稚園,残り15カ所が公有地内専用施設となっています。質疑における内容とこの表から考えると,学童保育について,運営の課題,指導員雇用の課題,施設維持更新の課題などが見えてくると考えますが,市の見解をお聞かせください。 答弁につきましては,質疑の答弁と余り過剰に重ならないようによろしくお願いします。 ○議長(原田勝二君) 保健福祉部長。 〔保健福祉部長 松井一人君登壇〕 ○保健福祉部長(松井一人君) 皆様,おはようございます。それでは,中西議員の1番目,放課後児童クラブについての御質問に答弁を申し上げます。 まず,放課後児童クラブについての課題の認識でございます。 放課後児童クラブは,昼間,保護者が働いているなどにより,子供たちを見ることができない放課後に,安全で充実した生活を送ることができるようにとの願いからつくられてきたものでございます。 保護者主体の運営委員会の放課後児童クラブは,それぞれの地域の状況に合った柔軟な運営が可能となるとともに,地域の子供は地域社会で育てるという市民協働による理念のもと,児童の健全育成に重要な役割を果たしていただいておりますが,運営委員会の経理や事務などの負担が大きいこと,運営委員会の役員の選定が難航すること,指導員の確保,民家や集会所を借用している民設民営のクラブにあっては,その移設場所の確保が困難であることなどの課題があるということを認識いたしているところでございます。 以上でございます。 ○議長(原田勝二君) 中西大輔議員。 〔24番 中西大輔君登壇〕 ○24番(中西大輔君) きちんと認識していただいているようで,それはありがたいことだと思います。それは現場の職員の方々が,日常的にクラブの指導員の方や保護者の運営委員会の方々とやりとりしていらっしゃることがあることなので,職員の方にとっては本当に大変なことだと思います。 少し整理していきますが,運営の課題についてお聞きしたいと思いますが,課題として認識されているということですが,放課後児童健全育成事業者の責任というものが,今回提出されている条例案の中で明文化されていますが,こちらも質疑のほうでお聞きしましたが,部長答弁の中では,責任は相応に重いというふうに受け取っていらっしゃる部分があるというふうにお聞きしました。そう考えると,私なんかでも,逆に責任の中で運営委員会を引き受けられるかというと,なかなかしり込みするという気持ちがどうしても生まれてしまうのが現実だと思います。そうすると,学童保育を今後も保護者主体の運営委員会で運営するというのは,今言いました運営委員長への就任や,相当に大きな金額を会計担当者として扱わなければいけなくなることなど,保護者の責任や精神的な負担というのがこれまでよりも増大して,役員のなり手が不足するなどということも考えられますが,市の見解をお聞かせください。 ○議長(原田勝二君) 保健福祉部長。 ○保健福祉部長(松井一人君) 再度の御質問に答弁申し上げます。 本市の放課後児童クラブは,現在,市内30小学校区のうち,28の小学校区で合計36カ所に設置しております。そのうち25カ所が保護者主体の運営委員会で運営されております放課後児童クラブでございます。 放課後児童クラブは,それぞれの地域によって成り立ちや運営体制がさまざまでございますが,保護者主体の運営委員会の放課後児童クラブには,自治会や民生委員,児童委員,小学校の教諭等が顧問としてかかわり,運営等に助言,協力をいただいております。 また,子供の安全は,各放課後児童クラブの努力だけで守れるものではなく,地域の方々とつながりをつくることで,子供たちが安心して放課後児童クラブに通うことができる大きな支えにもなっております。 このように,保護者主体の運営委員会の放課後児童クラブでは,日ごろから地域や学校との連携に取り組んでいただいているところでございます。行政といたしましては,このような地域における市民の協働を尊重いたしまして,民営の運営委員会を今後もサポートしてまいりたいと考えております。 運営委員会が今後も安定して運営ができるように,これまで御要望の多かった経理や事務などの実務支援を行ってまいります。具体的には,事務書類等の簡素化を図り,放課後児童クラブの運営マニュアルの改訂や運営に関するQ&Aを発行するなど,代表者や役員が交代してもスムーズに運営ができるよう支援してまいります。 また,毎年実施しております放課後児童クラブの定期監査におきましては,補助金や保育料等が適正に執行されているか,帳簿などの確認を行い,さらに運営に当たっての悩みや現状の課題など,放課後児童クラブの関係者から相談を受け,本市の担当者からの助言や指導も行っておりますので,御理解いただきますよう,よろしくお願いいたします。 ○議長(原田勝二君) 中西大輔議員。 〔24番 中西大輔君登壇〕 ○24番(中西大輔君) 条文の中では,クレーム対応をきちんとしなさいというふうなことが書かれているなど,やはり心理的な負担もかなり大きなものだと思います。まして保護者主体で運営しているということは,基本的にはその方々が経営をして利益を得ているわけではないわけですよね。にもかかわらず,この条例で出されている放課後児童健全育成事業者というは,読んでいると,これはやはり経営を前提としている部分がかなりあるのではないかというふうに読み取れると私は感じます。仕事を持つからこそ,子供を預けている保護者の立場と矛盾してくるのではないかと考えるところなんですけれども,ですから助言,指導ということでよいとするのではなくて,考え直すべきことだというふうに思います。 それでは,次の課題について,指導員雇用の課題についてですが,放課後児童健全育成事業者の責任を考えるとき,やはり放課後児童支援員など,職員の方々の存在というのは非常に重要になってくるということは間違いないと思います。しかしながら,常勤雇用が半数以下という課題に対してどのように取り組むかということが非常になってきます。そのとき,やはり常勤化を推進することは,指導員確保の課題に対しても関係してくるものと考えるところですが,雇用のあり方を今後どのように考えていくのかお聞かせください。 ○議長(原田勝二君) 保健福祉部長。 ○保健福祉部長(松井一人君) 続きまして,雇用のあり方についてでございます。 今定例会に提出させていただきました条例案では,放課後児童支援員の資格や人数などは定められておるところでございますが,常勤化についての規定はございません。 本市の放課後児童クラブは,それぞれの運営委員会によって指導員の雇用形態はさまざまでございます。雇用される方の扶養控除等の事情などもございまして,結果的に常勤職員は少ない状況であるというふうに認識いたしております。 なお,職員の雇用に関しましては,それぞれの放課後児童クラブを運営されております運営委員会のほうで判断されるものというふうに考えております。御理解いただきますよう,お願いいたします。 ○議長(原田勝二君) 中西大輔議員。 〔24番 中西大輔君登壇〕 ○24番(中西大輔君) 常勤雇用が当然ふえると,人件費というのは増加してくる方向になりますけれども,人件費に対する市補助の割合等を考えれば,十分検討していける課題ではないかなというふうに考えるんですね。まして,安定して事業所を運営していくということを考えれば,働いている人の中に,やはり常勤雇用になっている人の存在というのが非常に重要になってくるんですけれども,現在のところだと,放課後児童支援員という方は,提案されている条例の中では資格をいろいろ求められているにもかかわらず,身分が不安定な状態もあり得るというふうになっていることについて,その対応をやっぱり事業者としての保護者の運営委員会に求めるのではなくて,鈴鹿市がきちんと方針を出していくべきだと考えるところです。 次の課題についていきます。 学童施設の維持更新についてなんですけれども,学童保育の維持更新について,現在,鈴鹿市の中である施設のほうがどれだけの耐用年数が来ているのかという課題,それについて状況を説明していただきたいのと,進められている公共施設等のマネジメントということですね,そのあたりにどのように取り組んでいかれるのかということをお聞きしたいと思います。 先日の竹口議員の質問に対して,市長の答弁の中では,主体的に取り組んでいきたいという発言がありましたので,どのような考えを持っているのかお聞かせください。 ○議長(原田勝二君) 保健福祉部長。 ○保健福祉部長(松井一人君) 本市の放課後児童クラブのうち,現在,公設民営の施設は21カ所ございまして,その全てが昭和56年6月以降に建築されておりますことから,耐震基準は満たしております。しかしながら,一部の放課後児童クラブについて,老朽化が顕著な施設もございます。また,利用児童数の増加により施設が狭隘となっているなど,改修等が必要であるというふうに考えておるところでございます。 以上でございます。 ○議長(原田勝二君) 中西大輔議員。 〔24番 中西大輔君登壇〕 ○24番(中西大輔君) 施設更新について,今お聞きしていて,ちょっと具体的にまだ方向性とか考え方の整理はついていないということなのかどうか,ちょっと確認でお聞かせください。 ○議長(原田勝二君) 保健福祉部長。 ○保健福祉部長(松井一人君) 現在のところ,具体的な考えはございませんが,本市では,民家や集会所を借用する民設民営の放課後児童クラブが,老朽化等により施設の建てかえ時に財産取得等の課題もございまして,公設民営へ移行するという方針を打ち出したところでございます。 今後も,施設の老朽化等によりまして,移転しなければならない放課後児童クラブにつきましては,小学校の余裕教室等を活用できないか,また小学校の建てかえ時等,放課後児童クラブとして利用できる公共施設はないかなど,教育委員会事務局等と関係部局と調整を進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(原田勝二君) 中西大輔議員。 〔24番 中西大輔君登壇〕 ○24番(中西大輔君) 今定例会の補正予算のほうで,河曲地区の学童保育所かわたろうの施設整備費,また補正で計上されているんですけれども,今の発言の中になくてちょっと残念だったのは,今,鈴鹿市として取り組まれている公共施設の管理の全体との流れというのがちょっと見えなかったのが残念かなと思います。しかし,今回のかわたろうもそうなんですけれども,ほかのところですね,施設が古いところがたくさんあるということですので,公共施設のマネジメント等を意識して考えていっていただきたいなと。やはり近くに学校があるのであれば,複合施設として改築したほうが,かかるコストも抑えられるでしょうし,その後の維持管理も提言できる,また施設としての価値も向上するということが考えられると思いますので,その点について,部長の答弁で教育委員会ともやりとりしていくということがありましたので,しっかり取り組んでいただきたいというふうに考えます。 それで,次の論点のほうに移るんですけれども,これまで,このようにお話しさせていただきましたいろいろな課題,それといろいろ提言というか,意見も言わさせていただきましたが,それらを踏まえながら,学童保育の今後について,提案を交えてお聞きしたいと思います。 保護者主体の運営委員会を条例で定義する放課後児童健全育成事業者として捉えて,考えてよいのかという課題がある。放課後児童支援員の雇用形態と運営についての課題ということがある。それに施設の維持更新の課題などをあわせて総合すると,やはり今定例会に提出の条例案を機会に,鈴鹿市は放課後児童クラブの運営のあり方,大きくは子供たちの放課後の居場所のあり方の考え方を抜本的に改革すべきじゃないかというふうに考えるところです。 資料8を映してください。 〔資料をスクリーンに示す〕 これ,平成19年に出されている放課後子どもプランの概要なんですけど,この中でも既に,縦割り行政の悪いところが出ております。 この内容なんですけど,実は放課後子どもプランのことは,私,平成19年6月の一般質問で,放課後子ども教室について質問した際に取り上げさせていただいて,そのときにも桑名市を参考に,学童保育と放課後子ども教室のあり方を考えたほうがいいんじゃないかということも内容として取り上げさせていただいております。 そのようなことも含めながら,今から少しお聞きしたいことがあるのですが,これらの課題について,短期的な取り組みとして考えれば,保護者主体の運営委員会での放課後児童クラブの運営というものを,現在も少数ながらあるNPOによる運営に移行してはどうか。その際に,あわせて放課後児童支援員の常勤雇用を前提として転換していくように,鈴鹿市として支援をしていってはどうかということが考えられます。もちろん,その際,先ほど言いましたが,常勤雇用がふえれば,その分の財源的な支援も必要になってくるでしょうが,そのような財源というのは,いま少しふれさせていただきましたが,放課後子ども教室事業などをもう一度洗い直して,そういうところを整理することで,捻出することが可能じゃないかというふうに考えます。その点,まず一つ,お聞きしたいということです。 もう一つ,長期的な部分で考えれば,保健福祉部長の答弁にもありましたが,学校の維持更新,小・中学校の施設維持更新の課題とあわせて,学校施設に学童保育の運営も可能な設備,施設を設置した複合施設として再編するなどして,市民の満足度を向上しながら,全てのコストを抑制していくという考え方もあると思いますが,それらについてどう考えるか。どちらの課題にしても,あと何年後ということではなくて,今できることですので,今から検討,今すぐにでも検討に入るべきだと考えますが,見解のほうをお聞かせください。 ○議長(原田勝二君) 保健福祉部長。 ○保健福祉部長(松井一人君) それでは,運営等に関する課題についてでございますが,放課後児童クラブの運営の安定化の一つの方法といたしましては,NPO法人に移行することなどで社会的な信頼性が増し,責任の所在も明確になることから,一つの方法として効果的かつ現実的であると考えられます 平成26年8月には,国府小学校区の放課後児童クラブゆいまぁるが保護者主体の運営委員会からNPO法人に移行いたしました。その一方で,法人化するには,運営委員会あるいは指導員の事務的な労力が必要でございます。いずれにいたしましても,保護者や指導員の理解が必要であり,運営委員会,指導員,行政等との協議の場を設け,検討してまいりたいというふうに考えております。 また,子供たちが心身ともに健やかに成長し,放課後を良好な生活環境で過ごせる居場所としての役割を果たすため,先ほども申し上げましたような方法も踏まえまして,施設の確保に努めてまいりたいと考えております。御理解いただきますよう,よろしくお願い申し上げます。 ○議長(原田勝二君) 中西大輔議員。 〔24番 中西大輔君登壇〕 ○24番(中西大輔君) 今,保健福祉部長の答弁の最後で,子供たちの健やかな成長,健康であったりということもありましたが,そのためには当然,そこの環境自体がかかわる大人にとってもやっぱり健康であるし,そこにかかわる人が幸せとかそういうことを感じられる環境でなければ,子供たちがそういうことを感じられる環境にならないというふうに考えます。 そこで,市長のほうにもお聞きしたいと思いますが,市長は,今までの内容についてどのような考えをお持ちになられたのかお聞かせください。 ○議長(原田勝二君) 市長。 ○市長(末松則子君) それでは,中西議員御指摘の放課後児童クラブの課題について答弁申し上げます。 各放課後児童クラブでは,運営委員会の方々に大変お世話になっておりますことを,この場をおかりいたしまして,心より感謝を申し上げたいと思います。 また,議員御指摘のとおり,運営委員会では,保育や指導員の雇用,また使用する施設の整備など,それぞれの課題については認識をしているところでございますし,現状も,現場のほうからいろいろな御意見を伺っております。 新制度の施行によりまして,放課後児童クラブを取り巻く環境は大変大きな転換期を迎えることになってまいりますが,放課後児童クラブが抱えるさまざまな問題を解消できるように,しっかりと取り組んでまいりたいと思います。 また,質の向上と充実に向けましては,各放課後児童クラブの運営主体の方々の御意見もしっかりと伺いながら,子供たちの放課後の居場所づくり,また環境整備につきまして取り組んでまいりたいと考えておりますので,よろしくお願いを申し上げたいと思います。 ○議長(原田勝二君) 中西大輔議員。 〔24番 中西大輔君登壇〕 ○24番(中西大輔君) 答弁のほう,ありがとうございます。きのうの御発言もありますので,しっかり取り組んでいっていただけるということを期待します。 ただ,やはりこれから重要なことは,財政的な課題も含めて,その場その場の課題とか要望に対応することにばかり目を奪われてしまうと,長期な部分というのが,やはり大きな課題というのが解決できなくなってしまうことも考えられますので,よく言われますが,長期にわたる鈴鹿市の課題等を展望して,その上で優先順位を考えて取り組むようにしていただくように意見して,この質問のほうは終わります。 それでは,次の質問のほうに移ります。 |