2017年 12月
「スポーツ施設の指定管理者選定について」

 (1)市の姿勢を問う

 それでは,時間も押し迫っていますので,ちょっとテンションを変えます。
 質疑に引き続く形で,スポーツ施設指定管理者選定についてお聞きしたいと思います。

 まず,自分の考えとして,市立体育館が初めて指定管理された以降,これまで多くの指定管理施設を視察させていただいたり,事例などを学ばせていただきました。そういうことから考えると,今の社会状況というのは,指定管理者という手法にとらわれない施設運営やサービス提供を行政がしっかりと考えないといけない時代だというふうに認識しています。

 当然,そのための指針をつくり込むというのは当たり前だと思うんですね。千代田区の図書館を視察させていただきましたが,しっかりと指針をつくられていました。その上で,どのように経営を行っていくかということが自治体に問われていることです。指定管理者制度そのものを私,否定するつもりはありませんが,ただ,そのような状況だということです。私は,そのような考えでいるということです。

 そのことを差し引いても,今回の選定に至る過程というのは疑問が多過ぎるんですね。本来,議案に上げることというのは相当な重みがあるはずですよね。当然,過去の議会の議論やさまざまな情報というものが精査された上で,意思形成と決定がされるべきだというふうに私は考えます。その意味では,非公募から公募になった時点の自治体の意思の決定に疑問を持っているわけです。最終的な意思決定をされた方には,相応の説明責任があるものだというふうに私は考えます。

 1つ挙げると,対象に入っている市立体育館の大規模改修,完了までに2年を要する事業で,完了後には,当然,施設運用のあり方,使用料など,受益と負担の見直しということが入ってくるでしょう。そんな軽い話ではないですよね。このような時期に,施設の運用の方針であるとかサービス方針というのを自分たちでしっかり考えないまま公募の判断をしたというのは,私はあり得ないんじゃないかなというふうに考えております。

 また,来年にインターハイがあって,国体もその後に控えていることを考えれば,この時期に,混乱を招く,ばたばたするような事案が出てくることは,まちにとってリスクじゃないでしょうか。これらが終わってから,改めて施設のあり方を決める考えはなかったのかなというふうに考えております。

 また,このような事業を進めていくに当たって,平成25年以降,これまで当然,インターハイであるとか国体に向けて,担当課を初めとして,関係者の方々,たくさんの方が動いてきているわけですよね。その間の積み重ねやここまでの仕事ということを市長,副市長はどのように評価しているのかということが私には疑問を感じるところです。

 私は,鈴鹿市にとって,スポーツは市の重要なコンテンツとして,今後,ビジネスや産業として重要な領域だと考えるんですね。であれば,そのビジネスや産業の種になる施設運営ということを市内の事業者で行うことを考えるというのは第一じゃないかなというふうに思います。公共事業についてとはいえ,市議会のほうから,市内からの調達の推進について提言書を市のほうに出しているわけですね。その考えのことからすれば,今回の公募の判断というのは,そのような提言とも矛盾したことにつながってしまったのではないかなというふうに思います。

 つまり,これは何かというと,人口減少下ですから,いかに自分たちのまちの中で経済を活性化するとか税収を上げるかという考えが重要だということのはずなのに,市内での経済循環について考えが浅過ぎじゃないかなと疑問を持っております。目先の金額が高い安いとかではなくて,投入する金額に対して,経済効果がどれだけ上がるかということがより重要じゃないですかね。自分であれば,市民で施設運営をする事業を育成して,その事業者が近隣の指定管理選定に参入するぐらいまで育てるという考えがあってもよかったんじゃないかなというふうに思います。

 そして,議案質疑もそうですけど,11月1日の文教環境委員会で,市ホームページで公開している事業者が作成した事業計画書等の要旨について,委員からの質問に対して,全てをチェックしたわけではないと答弁があったんですね。5年で10億円近いお金が投入されることが想定される事業であるのに,そのような答弁があるのかなというふうに,傍聴していて思いました。

 それと,そもそもホームページ上にそのような資料を公開するのであれば,そこに書かれていることについてチェックをきちんとした上で掲載することというのは,業務として当然のことじゃないですか。


○議長(野間芳実君) 中西議員,残時間をお願いします。

○11番(中西大輔君) このようなことから考えると,行政が,きちんと提出された資料など,そういうことを精査,チェックした上で,公の施設選定委員会の審議にかけたとは考えにくいわけです。
 そのような状況でまとめられた答申結果も含めて,それをもとに出された議案というのは,審議するには不十分ではないかなというふうに思っていますので,お聞きしたいわけです。
 議案質疑のほうで,その点を確認したところ,答弁の1度目,チェックしたと答弁されました。しかし,事実と違うと感じたため,その点を再確認させていただいたわけですね。その点を誠実に答弁するべきです。コンプライアンスの推進がありますので,その辺,しっかりできていないものを出してきたということについて,きちんと答えていただきたい。議会軽視にならないようにお願いします。


○議長(野間芳実君) 文化スポーツ部長。
          〔文化スポーツ部長 石坂 健君登壇〕
○文化スポーツ部長(石坂 健君) それでは,私からはスポーツ施設の指定管理者選定についての市の姿勢を問うの御質問につきまして答弁を申し上げます。

 今回の指定管理者の候補者選定につきましては,公募により選定すると判断させていただきました。これは,議員の議案質疑でもお答えいたしましたが,選定委員会の意見を踏まえ,十分な検討を行い,選定方法を公募によるものと決定をさせていただいたところでございます。

 公募に当たりましては,既に周知をさせていただいておりますAGF鈴鹿体育館の大規模改修に係る休館を見越した形での募集要項を作成し,応募団体には休館を見据えた事業計画を提出していただいております。

 また,指定管理者協定書において,利用料金の変更等特別な事情がある場合は指定管理料を変更することができること,利用料金を改正する際には事前に指定管理者に通知することを定めておりますので,検討していく際には,その時期に指定管理を担っている団体と協議を重ねながら,利用料金の変更の是非を判断し,見直しとなれば指定管理者には変更に係る対応をしていただくこととなります。なお,指定管理者は,条例に規定する利用料金の範囲内で,本市と協議し,承認を得て金額を定めることができることにもなっております。

 また,インターハイ,国体関連につきましても,選定委員会の意見も踏まえ,募集要項にあらかじめ明記するとともに,事業計画書の一項目として提案をさせていただいております。このインターハイ,国体の協力体制の提案は評価基準の対象ともしており,選定の判断材料の1つとしておりますので,次期指定管理者には,しっかりと対応をお願いしてまいりたいと思っております。

 最後に,経済循環の考えにつきましては,議員御指摘のとおり,市内での循環という考えもございますが,指定管理者制度の趣旨を鑑み,市内業者に限定せず,全国からさまざまな指定管理者を募集することで競争原理が働き,市民サービスの向上と経費の削減を図ることができるという考え方もございますし,選定委員会での意見においても,スポーツ施設は全国的にはさまざまな担い手が指定管理を行っており,一般的に公募で行うことが指定管理者制度のメリットが期待できるということから,今回の公募による選定となっておりますことを御理解賜りますようお願い申し上げます。
 以上でございます。
○議長(野間芳実君) これにて,中西大輔議員の質問を終了いたします。