2017年3月 代表質問B 「市民力と行政力の向上について問う」 (1) 地域づくり、市民参画について市長としてどのように考えているのか、また、昨年度の教育行政をはじめとして行政の緩みが見られたが、内部統制の考えから行政の改革に対する市長の思いと意志を問う。 ○11番(中西大輔君) それでは3つ目の論点,市民力と行政力の向上についてお聞きしたいと思います。 平成28年度は,総合計画2023に沿っていろいろな事業が進められておりますが,地域づくりに関して,議会報告会などでもそうですが,市民の方々から制度のきしみと言える御意見が聞こえてきたりしております。また,行政力については,先ほど板倉議員の代表質問にもありましたが,やはり,教育を初めとして緩みが見られていたのではないかと思います。職員意識に疑問を持つ事例というものを耳にしております。 地域のあり方について,地域包括ケアシステムに関する内容と,地域づくり組織について触れられております。この点についてなんですけども,2月の地域福祉委員会のほうでも論点になりました。何より,この2つについて,前年度の委員会の提言というのが生かされていないことが明らかになったという問題が出ました。午前中の答弁からもそれらのことについては聞き取れなかったのは残念なところです。また,子育て関連政策についても,地域という言葉がひもづけられております。本当に大丈夫なのかというふうに思うところです。 高齢者,子供,防災,これらの観点,それぞれ言葉を置きかえると,地域包括ケアシステム,コミュニティ・スクール,地区別防災計画という言葉に置きかえられるでしょう,鈴鹿市の政策として。これらを重ねていけば,最大公約数としての地域の単位というものは,小学校区もしくは公民館区と考えられるのではないでしょうか。それを基本に,これまで鈴鹿市の皆さんが培ってきた地域の考え,行政区やいろいろな考え方,それらの関係を緩やかに重ねて考えるべきではないでしょうか。そこに市民参画の多様化と充実を図るべきだというふうに考えます。 地域の考えについて,鈴鹿市が曖昧なままでは,市民の皆さんも,それにかかわる職員も大きな負担になることは間違いありません。そのことは認識していただいているはずだというふうに思います。この考えが曖昧なままでは,さきに挙げた政策もうまく回らないでしょう。本当にその危機感があるんでしょうか。 市長は,地域の単位をどう考えているのか,また,行政内で地域の概念,考え方を横断的にまとめているのかお聞きしたいと思います。あわせて,鈴鹿市における自治のあり方について,市民,行政,議会の関係についてどう考えているのかお聞きしたいと思います。 行政力の向上における内部統制ということを取り上げさせていただきました。この言葉,別に新しい言葉ではなくて,実際のところ,鈴鹿市,行政の行っている取り組みの中で,既に行われている制度もあると思います。しかし,ここで今,市長に考えていただきたいことは,それらが本当に機能しているか,場合によっては,外部の有識者を招いて再検討していただくことです。 コンプライアンスに対する取り組みのことも代表質問でありました。この点について,やはり市長は厳しさを持って取り組まれるべき,またメッセージを発信していただくべきと考えますが,考えをお聞きしたいと思います。 次の時代を担う若い職員の職務に対するモチベーションを上げ,まさに住民と協働で政策を考え,合意形成につなげていく取り組みを不断に行い,一人一人の人間力も含めた職員力を上げることが急務です。このことも,これまでの代表質問の中でも取り上げられておりました。 実際に,改革・改善取り組み活動の発表においては,若い職員の方々,意識の高さというのを非常に感じます。つくった時間で市民のためになる政策を考えるんだということをきちんと発表されている方もいます。ですから,施政方針において,もっと若い世代の参画と活躍について言及されてよかったのではないかというふうに感じるところです。そうして,鈴鹿市,行政が先頭に立って,若い世代がもっと活躍できる空気を醸成し取り組めば,鈴鹿市に若い世代が活躍しやすい風土が形成されると考えます。市長の考え方をお聞きしたいと思います。 最後に,市長も含め私たちのような立場,選挙によって選ばれる政治に携わる者の立場というのは,悪く言えば,選挙に落ちればただの人とよく言われます。ならば,普通の市民がもっと市政に参画できる仕組みを私たちはつくるべきではないでしょうか。例えば,ICTを活用したオープンガバメントの動きというのをもっと広げていくべきでしょう。 また,都市マスタープラン改定の際に行われた地区別検討会議や,総合計画2023で行われたワークショップによる検討など,このようなワークショップという手法をもっと活用し,市民と職員がフラットに政策の議論ができる場をつくり,市民力と行政力の向上につなげることが重要だと考えます。その点について,市長の考えをお聞きしたいと思います。 ○議長(後藤光雄君) 市長。 〔市長 末松則子君登壇〕 ○市長(末松則子君) それでは,市民力と行政力の向上について答弁を申し上げます。 今後,人口が減少をしていく中においても持続可能な社会の実現を目指し,効率的で効果的な地域運営が継続できるよう,これまでも地域の方々の声を聞き,地域の実情も考慮しながら,おおむね地区市民センターが所管する区域,または,小学校区程度の範囲の中で地域課題に包括的かつ主体的に取り組む組織を地域づくり協議会として組織をいただくことを市内全地区で進めております。 地域づくりの活動分野は多岐にわたりますが,特に,福祉,防災,子供の教育や育成においては,地域づくり協議会が中核的な役割を担って活動を活性化していくことが,本市の市民力の向上に不可欠と考えております。 このことから,地域づくり協議会の設立を通して,これからの地域の概念についても,横断的に整理していくべき課題の1つとして捉え,私を本部長とする地域づくり推進本部において,地域づくりに係る本市としての方針を協議し,施策等に反映をしてまいりたいと考えております。 また,今後の本市における自治のあり方についてでございますが,本市では,協働のまちづくりを基本理念として,平成24年に鈴鹿市まちづくり基本条例を制定しております。 本条例では,まちづくりの主体である市民,議事に関する市の意思決定機関である市議会,及び執行機関である市が,それぞれの役割や責任を分担し,立場を尊重しながら,協力してまちづくりに当たることとしております。 私は,これを本市における自治の基本とし,まちづくりの基本原則である市民参加をより一層推し進め,それぞれの信頼関係のもとに,協働によるまちづくりを進めてまいりたいと考えております。 また,市民の皆様が市政に参加できる仕組みづくりについてでございますが,本市では,平成27年4月に,鈴鹿市協働推進指針を公表し,市民の皆様と,協働の基本原則や考え方を共有しておりますとともに,行政内部においても職員研修等を通じて協働に対する認識を深める取り組みを行っております。 協働のまちづくりに必要な市民参画の手法は,総合計画策定時の市民委員会や,議員御提案のオープンガバメントなどさまざまでございますが,若い世代の方々も含め,市民誰もが市政に参画できる仕組みの整備が必要と考えております。そのためには,何よりも職員が市民の皆様を協働のパートナーとして捉えることが重要であると考えております。今後においても,協働の考え方を職員一人一人がしっかりと認識し,各部署が市民の皆様とともに施策等に取り組み,市民力と行政力の向上につなげてまいります。 次に,本市のコンプライアンス推進への取り組みにつきましては,鈴鹿市コンプライアンス推進大綱に掲げる行動規範に基づき,コンプライアンスの定着及び職員意識への浸透を図ってまいります。 そして,総合的かつ計画的な推進を図るため,コンプライアンス推進計画を策定し,取り組みを進めてまいりましたが,本計画につきましても,内容の妥当性や実効性,効果等を絶えず検証し改善を図ることが職員意識の徹底につながるものであり,粘り強く,継続的に取り組む必要があるものと考えております。 これまで,議員の皆様からもコンプライアンスに関しまして,多くの御質問をいただいております。また,昨年の給食問題など,組織の連携不足による課題なども発生いたしておりますことから,皆様からの御指摘も真摯に受けとめ,改めて仕事の進め方の基本に立ち返り,市民の皆様や社会等からの要請にどう応えるかを職員みずからが考え,行動できる職場づくりに組織が一体となり取り組みを強化をしてまいりたいと考えております。 また,現在,首長が地方公共団体の事務処理の適正さを確保する上でのリスクを評価し,みずからコントロールする取り組みとして,総務省において検討がなされている内部統制制度につきましても,関係法令の整備等,今後の国の動向を注視してまいりたいと考えております。 最後に,政策形成過程での若手職員の参画に対する取り組みについてでございますが,本市におきましては,職員の採用後おおむね10年を経過するまでに,自治体職員としての基礎知識と能力の向上のため,窓口部門,事業部門,管理部門などへの計画的なジョブローテーションを行っており,その後には,それまでに培った知識や経験を生かして,将来のリーダーとなるべく,より専門的な能力の向上に努めているところでございます。 議員から御紹介のありました,改革・改善活動取組発表会も回を重ね,本年度は第4回目を迎えております。私も毎年参加をしており,若手職員の発想力,企画力,プレゼン能力の高さを感じており,将来性に期待しているところでございます。 若手職員の政策形成過程への参画につきましては,組織の活性化や創造的な施策の展開を図るためにも,必要であると考えております。本市におきましては,これまで若手職員の育成という観点から,環境省を初め経済産業省,中部経済産業局,三重県などへ若手職員を派遣してまいりました。今後もできる限りの機会を捉えながら,若い世代が活躍できる場を提供してまいりたいと考えておりますので,よろしくお願い申し上げ答弁とさせていただきます。 ○議長(後藤光雄君) これにて,中西大輔議員の質問を終了いたします。 この際,暫時休憩いたします。再開は14時35分といたします。 午 後 2 時 25 分 休 憩 |