2018年 3月(代表質問@) @「市政運営の基本方針を問う」 (1)今年度は、総合計画2023の前期、これまでの末松市政について、その結果をまとめ、整理を行う意識も重要と考えるが、その点を問う。 地域づくり政策と他の政策との連携について市長としてどのように考えているのか、また、昨年度も行政の業務に緩みが見られたが、行政改革に対する市長の思いと意志を問う ○11番(中西大輔君) 議席11番,中西大輔です。会派,鈴鹿の風を代表して市長に質問いたします。 私たちは,市長与党,野党というような考え方ではなく,市政に対して,是は是,非は非として,二元代表の一翼を担う議会として,議員として,中立的な立場で臨んでいます。 それでは,大項目の1,市政運営の基本方針についてお聞きしたいと思います。 鈴鹿市総合計画2023の冊子があるのですが,それの35ページに総合計画の体系図と,その下部に総合計画と首長任期との関係図があります。それを見ると,2019年からは新しい市長により総合計画が推進されていくということがわかります。ということは,ことしは現市長の最終年であると,総合計画上の関係性がわかります。 ということは,末松市長2期目の最終年に当たることしというのは,非常に重要な一年だというふうに考えるところです。 午前中の答弁からは,しかしながら,同じような答弁を繰り返されているような感があり,末松市長の思いを強く感じられませんでした。 そこで,お聞きしたいことは,2期目の総括に対する意識と,地域について,行政改革の3点をお聞きしたいと思います。 これまでに中学校給食の実施,子ども医療費の対象拡大,小中学校への空調設備設置を初めとして,末松市長のもとで多くの政策が実施されてきました。その成果として,これまでの10年間の人口動態はどうだったのか,子供の学力向上の成果はどうだったのか,市債と基金の状況,政策実施の結果増大した経常的経費に対する行財政改革による支出削減の成果などについて,現時点でどのように評価され,それぞれにどのような課題があるのか,これまで以上に長期的な展望を持って市政運営に臨まなければならないとおっしゃっていますので,その観点からお聞かせください。 次に,市政運営の基本方針においては,地域という言葉が多用されています。 地域に関係する政策については,以前から注目しているところですが,今回も市長がどのように地域を考えているのか,午前中の答弁からもよくわかりませんでした。「夢と希望を持って子育てができるまちに」においては,地域ぐるみで子育てを応援とありますが,ここでの地域はどこでしょうか。「未来を切り拓く子どもたちを育むまちに」に,コミュニティ・スクールなどの地域ぐるみでとありますが,どこでしょうか。「誰もが生涯にわたり活躍できるまちに」に,地域共生社会の実現が望まれていますとありますが,どこでしょうか。「安全・安心を実感できるまちに」では,地域という言葉は用いられていませんが,市民の皆様による自助・共助の取り組み拡充とあります。共助はどのような地域を想定しているのでしょうか。「市民力・行政力の高いまちに」に,市民の皆様による主体的な地域づくりへの支援とありますが,ここでの地域はどうなっているのでしょうか。そして何よりも,これらが本当に政策としてつながっているのか,連携が図られているのか,その点についてお答えいただきたいと思います。 3つ目,昨年は情報漏えいの課題,委員会審議における答弁の課題,市ホームページに掲載している情報のチェック不足など,職員による適正な業務執行という部分で,鈴鹿市のコンプライアンスへの取り組みに課題があった,業務に対する緩みがあったのではないかと考えます。もちろん,業務改善については,改革・改善の取り組みや日々の業務,職員の方々の取り組みを見ていると,そのようなことばかりでないことはよくわかります。しかし,施政方針の「市民力・行政力の高いまちに」の部分で,適正な業務執行,コンプライアンスに対して,これらの改善と改革に対する末松市長の意志を感じられませんでした。 また,職員と組織の強化に関する表現は見られるものの,市長をトップとした行政経営会議や,部長などいわゆる管理職のマネジメント力の強化などにどのように取り組むのかが見られません。この点も,今の鈴鹿市の課題ではないかと考えるところです。これらを含めた行政改革に対する市長のお考えをお聞きします。よろしくお願いします。 ○議長(野間芳実君) 市長。 〔市長 末松則子君登壇〕 ○市長(末松則子君) それでは,鈴鹿の風を代表されました中西大輔議員の市政運営の基本方針についての御質問に答弁申し上げます。 人口減少社会を見据え,総合計画2023においては,人口の動向を詳細に分析し,各分野の施策等に反映をさせているところでございます。 10年間の人口動向でございますが,本市では,リーマン・ショックまでは自然動態及び社会動態ともに増加傾向にあり,総人口も継続的に増加してまいりました。しかし,リーマン・ショックの影響により,平成21年度以降は,社会動態が減少傾向に転じたほか,現在は,自然動態においても,死亡数が出生数を上回る自然減に転じようとしており,その結果,ピーク時と比較して,総人口は4,000人程度減少し,現在,約20万1,000人となっております。 本市は,経済や景気の動向により企業の活動が左右されるため,社会動態を中心に人口が増減する面がございます。それに合わせて,全国的な傾向と同様に,少子高齢化の影響により,今後は自然動態の減少にも注視していかなければなりません。しかしながら,本年度においては,社会動態の増減がほぼ均衡した状態にまで回復し,企業誘致や雇用促進などの施策の成果もあらわれてきていると感じております。 現在,転出入の状況などを,地域別や年齢別にさらに詳細に分析していますが,後期基本計画を策定する過程では,今後も,変化を常に捉えながら,施策などを検討してまいります。 次に,子供の学力向上の成果についてでございますが,全国学力・学習状況調査における10年間の推移を見ると,本市と全国平均との差は徐々に縮まっており,学力向上支援員の配置や学力調査を活用し,課題を克服するための授業改善の取り組みを進めてまいりましたところ,緩やかではありますが上昇傾向にあります。子供たちがこれからの社会をたくましく生きていくためには,確かな学力を初め,豊かな心や健やかな体など,知・徳・体にわたる生きる力をバランスよく育んでいくことが求められております。 本市といたしましては,夢を持つことのすばらしさを伝えるJFAこころのプロジェクト夢の教室事業や,ものづくりのおもしろさを学ぶ体験学習によるキャリア教育の推進を初め,道徳教育の充実,体力向上の取り組みなど,今後も,これからの時代に求められる資質,能力を総合的に育んでまいります。 次に,市債と基金の状況でございますが,市債残高においては,市債発行の抑制によって,平成19年度から約63億円減少し,平成28年度末における残高は約443億円となっております。 一方で,財政調整基金,地方債減債基金に社会福祉事業振興基金などの特定目的基金を加えた基金の残高は,リーマン・ショック後への対応の影響等により,約45億円減少し,平成28年度末で約114億円となっております。 次に,地域を対象とした施策の推進に当たって,政策間での連携を図ることについてでございますが,例えば,本市のコミュニティ・スクールにおきましては,地域住民や保護者の方々などから構成される学校運営協議会が運営しており,ここでいう地域とは小学校区や中学校区での地域となります。 一方で,地域共生社会における地域とは,本市では,地域づくり協議会を軸とした支援の取り組みを想定しており,地域づくり協議会のエリアとの整合性から,小学校区の単位が基本になると考えております。 このように,地域の概念や範囲は施策によって異なりますが,現在本市が進めております住民主体の地域づくりは,市民力,行政力の相互の連携と向上を目指す中で,地域を協働のパートナーとし,人口減少社会においても自助,共助による住みよい地域づくりができるよう,地域づくり協議会の設立を進めているものです。つきましては,地域と行政が協働して住みよいまち「すずか」が実現できるよう,全庁体制で取り組む地域づくり推進本部において政策間の連携を図り,可能な限り地域の概念や範囲が整合できるよう取り組んでまいります。 続きまして,職員力と組織力の強化に関連して,行政改革に対する私の思いについての御質問でございますが,昨年も行政運営や議会対応の中で議員の皆様から御指摘をいただく事案がありましたことは,私といたしましても,しっかりと認識をいたしているところでございます。それゆえに,施政方針におきましても,職員の人材育成の柱となります鈴鹿市人材育成基本方針を示し,そこに掲げる「めざす職員像」や「職員に必要とされる意識と能力」を,引き続き組織に浸透させていく旨を述べさせていただいたところでございます。 基本方針には,めざす職員像の1つに,行政のプロフェッショナルとしての人材を掲げております。この具体を申し上げますと,行政職員としてプロ意識や高い専門性を持ち,最少の経費で最大の成果を出すための最良の方法を常に考え,チームワークのもとに実行していける人材というものでございます。まさに今,御指摘をいただいている点は,行政職員としてのプロ意識であると考えております。職員一人一人が,その果たすべき役割を全うし,そして,しっかりと説明責任を果たしていくことが求められているものと考えております。市民の皆様や市議会議員の皆様に対しましても,それらを一つ一つ積み重ねることで職員としての信頼を得ることとなり,それが,ひいては鈴鹿市全体の信頼にもつながっていくものでございます。 信頼される行政マンとして,職員は,そのための努力を惜しむことなく,気を引き締め,日々の業務に当たるべきであると考えております。その上で,職員がそれぞれの責任と役割をしっかりと果たし,常に改革・改善に向けた意識を持ち続けること,また,私が先頭に立ってリーダーシップを発揮し,各所属長によるマネジメントをより充実させることが職員力,組織力の強化には不可欠であると考えますことから,今後も人材育成基本方針に基づく人材の育成と組織マネジメントの強化に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 |