2018年 3月(代表質問B) B「子供関連施策について問う」 (1) 教育、福祉など子どもに関係する政策の重要性が高まっている。子ども関連政策の深まり、今年度の展開について問う。 ○11番(中西大輔君) それでは,大項目の3つ目,子供関連政策についてお聞きしたいと思います。 子ども政策部の設置から約2年が経過しまして,実際に今回の施政方針をお聞きしていましても,各所に子育てと子育ちに関する内容が出てきます。ですが,お聞きしているとそれぞれが,どうもばらばらに提示されているように感じるところでした。 施政方針で出された子供関係の政策で想定されているのは,就学前から小学校中学年程度の年代の子供さんということを想定されているように感じます。また,保護者の支援という観点が主ではないかというふうに感じるところです。実際,今回の施政方針の中でも,中高生以上の年代の子供への施策は聞き取れませんでしたし,実際の施策においても手薄でないかと考えているところです。 保護者への支援についてですが,言われるように,転入などの理由で新たに市民になったものの,周囲の支援を受けづらい方に対する支援策というものに留意することは大切です。そのために,一時預かり保育や学童保育などの施策を充実することも大切だと思います。 しかし一方で,自分の親に子供を見てもらっている方々や自宅で保育をしている方々に,行政からの支援策というものはどのようなものがあるでしょうか。そのようなことにも,やはり目を向けるべきではないでしょうか。しかし,そのような観点が,今回,施政方針からは見られませんでした。 また,施政方針では,子ども医療費の現物支給の対象年齢の拡大が述べられていますが,実際はごく少数とはいえ,所得制限で対象外となっている子供さんたちもいるはずです。ですが,その子供さんたちへの支援について,考え方の整理は行われているのでしょうか。 これらから言えるのは,子育て・子育ち支援は全ての子供にひとしくあるべきではないかということを議論することが,鈴鹿市に必要ではないかということです。市長はどのようにお考えでしょうか。 中高生世代への支援について,この時期というものは思春期であったり,反抗期といった難しい変化のあるときです。そのことは市長もよく御存じではないかと思うところです。 それでは,この時期の子供を持つ方々への支援というものは,どのようなものがあるでしょうか。子供たちへの支援はあるでしょうか。自立していく時期でもある中で,学校でもない家庭でもない,同じ世代が集う活動場所のような施策が鈴鹿市にあるでしょうか。いわゆる青少年施策が,鈴鹿市は貧弱ではないかという議論があってしかるべきと考えます。市長はどのようにお考えでしょうか。 なぜこれらのようなことが見えてくるのか,それは子供政策となる軸が定まっていないからではないかというふうに考えます。 鈴鹿市まちづくり基本条例第6条には,子どもの権利が記載されています。逐条解説において,この条例における子どもは,児童の権利に関する条約に準じて18歳未満の市民とされているものの,実際の施策に余り反映されていないとすれば,やはり鈴鹿市として子ども条例の制定を視野に入れながら,子供政策の整理を行うべきと考えます。市長のお考えはどうでしょうか。 せんだって取り組みを学ばせていただいた尼崎市では,理念ではなく実際に活用するために,尼崎市子どもの育ち支援条例を制定され,昨年はそれに沿って,尼崎市における子どもの育ち支援・青少年施策の今後の方向性についてが策定されています。このように進んでいけるようにすることが,自治体に必要ではないかと考えます。市長はどのような考えで子供の課題に取り組んでいくのか,お聞きしたいと思います。 教育に関して,「未来を切り拓く子どもたちを育むまちに」の部分で,グローバル化に対応できる人材,地域の特色や特性を考慮して行動できる人材が期待され,本市で育つ子供たちが時代の変化に柔軟に対応し,みずからの未来を切り開くためのさまざまな能力や資質を備えることができるように学力向上の取り組みの充実や,地域ぐるみで子供たちを育む環境を整備とあり,新たな学習指導要領であるとか教育実践力の向上,良質な学習環境の整備を述べられています。 一方で,午前中のやりとりの中でもありましたが,「産業のさらなる発展と交流が拡大するまちに」の部分で,市内高等学校への工業に関する学科の設置に引き続き取り組むということを述べられていらっしゃいました。 しかし,この内容というのが,さきに述べられている教育の姿,子供たちに対する教育の取り組みとどうつながっているのかということがよくわかりません。 鈴鹿市内には鈴鹿高専があります。四日市市には四日市工業,四日市中央工業,津市には津工業があります。3校の工業高校があり,市内には鈴鹿高専がある中で,またさらに今後,高校生人口というのも減少していく中で,どのような考えで取り上げられているのでしょうか。 現在でも,鈴鹿市の学力が上位にある子供たちは,逆に鈴鹿市内から出て,近隣,四日市であったり,津であったり,そちらのほうの高校のほうに出ていっていることは,御存じのところだと思います。 では,そのような状況がある中で,工業科を設置するということについて,どのような将来都市像があるのでしょうか。産業面だけではなく,やはり鈴鹿の子供の教育,子供たちにとってどのような夢があるのかという観点から,この政策ということが,どのように位置づけられているのかということをお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。 ○議長(野間芳実君) 市長。 残時間を考慮して答弁願います。 〔市長 末松則子君登壇〕 ○市長(末松則子君) それでは,子供関連政策について答弁を申し上げます。 なお,答弁に当たりましては,さきの代表質問で答弁申し上げました内容と一部重複する部分がございますので,御了承いただきますようお願い申し上げます。 社会経済環境の変化により,子供や子育てを取り巻く状況は刻々と変化しており,子供たち一人一人が健やかに成長し,保護者が子育てしやすいまちづくりを推進していくためには,さまざまな方向からニーズに応じた施策を展開していくことが必要になってきております。 特に,ひとり親家庭の増加,地域のつながりの希薄化,ワークライフバランスの不均衡など,子育てに対する不安や孤立感を抱える保護者は増加しており,子育て中の保護者が安心して子育てができ,子供たちが健やかに育つための施策の展開が求められております。 本市におきましても,全ての子育て家庭を支える支援の充実や,子供の健やかな成長に向けた支援の充実,親と子の健康づくりの推進,安心して子育てができる地域環境づくりの推進に向け,保健,福祉,教育,地域振興等の各分野と連携した取り組みにより,子供を支援するための施策を総合的に展開してまいりました。 先ほども申し上げましたが,本年は総合計画2023に掲げる将来都市像を実現するための重要な年度であり,めざすべき都市の状態の指標について検証いたしました結果,子育てについて相談ができる場所や機会を知っている市民の割合については,緩やかではありますが2年続けて上昇しておりますことからも,市民の皆様から評価されていると感じているところでございまして,政策,取り組みの方向性は間違っていないものと認識いたしております。これからも目標値の達成に向けて,平成30年度におきましても夢と希望を持って子育てができるまちを目指し,子育て・保育環境の一層の整備をしてまいります。 具体的には,病後児保育や一時預かり保育といった特別保育機能を持つ西条保育所の本格工事に着手いたしますほか,児童の健全育成を図るために児童の遊びや生活の場を提供する放課後児童クラブの整備を進めてまいります。 また,子育て支援センターや地域の子育て支援団体との連携協力による相談支援や子育てに関する情報発信に積極的に取り組むことにより,子育て中の保護者の孤立化を防ぎ,不安の解消を図ります。 子育て家庭への支援といたしましては,子ども医療費の現物給付の対象年齢を2019年度から6歳までに拡大する準備を進め,安心して医療が受けられる体制を構築し,支援が必要な子供に適正な支援が行われるよう施策を展開してまいります。 さらに,集団適応健診を対象年齢児童全てに実施し,発達支援が必要な子供への支援体制を充実させるとともに,少子化対策として不妊治療助成や不育症に対する助成,出産を望む夫婦への支援など,必要な支援を行ってまいります。 また,心豊かでたくましい青少年の育成を理念として,健やかな青少年の育成を目指し,家庭,学校,地域,関係機関・団体による,健全育成ネットワークを生かして地域ぐるみで青少年の育成を図っております。このほかにも,さまざまな子供のセーフティーネットとしての支援策を展開し,児童の子育てや子育ち,青少年の健全育成を図ってまいります。 市内高等学校への工業に関する学科の設置に向けての取り組みにつきましては,本市はこれまで自動車産業を基幹産業として,電機,化学,食品など幅広い業種の企業集積により発展し,市民の暮らし,地域の産業基盤の支えとなっております。 このような背景も踏まえ,本取り組みは,ものづくりのまちを継承させていくため,地域に貢献できる人材の育成,若年世代の流出を抑制していくことなどを目指し,地方創生の観点からも取り組んでいるものでございます。 今後も関係部局を初め,地域の各主体との連携を図り,それぞれの役割を果たすことで,総合計画2023のまちづくりの柱として掲げる「子どもの未来を創り 豊かな文化を育むまち すずか」の実現に向け,施策を展開してまいりますので,よろしくお願い申し上げ,答弁とさせていただきます。 ○議長(野間芳実君) これにて,中西大輔議員の質問を終了いたします。 |