2018年 9月(一般質問)
@「学校等への断熱等の対策について」

 (1) エアコン設置に関係して、断熱、遮光、網戸等の検討を

○13番(中西大輔君) ありがとうございます。同じ世代ですので,市長にも考えていただきたいんですけど,私たちの子供,市長の子供さんもそうですけど,私たちの子供たちが次の孫の世代をつくっていく時期,その時代に向けていろいろ行政の中で考えていただきたいなというふうに思います。

 それでは,2つ目の質問のほうに移ります。
 この質問もある意味,1つ目の質問と関連しているというふうにも言えるんですけれども,気候変動と関連していると言えますが,2つ目,学校等への断熱等についてをお聞きしたいと思います。等等とついているのは,いろいろ幅が広いので,等でいろいろちょっと話を伸ばしているというふうに考えていただきたいと思います。

 昨日来,小中学校普通教室への空調機器,エアコンの設置ということが話題になっておりまして,ことし完了して,運用が始まっているわけです。確かにことしの気温を考えれば,私はちょっといろいろ考えはあったんですけれども,結果的にはよかったのかなというふうには思うところです。

 実際,ことしの夏,7月に,早くも想定を超えた気温状況になって,設定された温度制御などが一時的とはいえ変更を迫られたということは,運用に当たって一層の工夫が必要になってくるということも示唆しているのではないでしょうか。設定した温度で室温が保てない状況というのは,余分の電力が必要ということを示しているわけで,それをこの電力使用量をどれだけ抑制していくかということです。

 この点というのは,地球温暖化の緩和策の中でも当然,エネルギーの使用量を下げていくということで関連してきますし,また,行政コストの部分,その関係からも重要なところだと思います。当然,電気料がたくさんふえれば,その分,税金がふえるわけですから,その税金でやる事業が少なくなっていくということになるわけです。

 ですから今回の質問では,今後,学校を初めとした子供に関係する公共施設について,断熱,遮光,網戸の設置など,多様な手法で気候変動,気候の変化に対して,効率的に,かつ柔軟に適応できるよう取り組めるんですかということをお聞きしたいと思います。

 資料8の映写を。
   〔資料をスクリーンに示す〕
 これは平成22年に国立教育政策研究所文教施設研究センターから発行された「校舎のエコ改修推進のために」から引用させていただいています。
 ここで,エコな校舎のためには,校舎の断熱化や日光遮蔽,エアコンの効率化,適切な運転管理という方向が出されています。
   〔資料の提示を終了〕

 建物の断熱についてなんですけれども,日本建築学会計画系論文集第76巻第664号に,「既存学校施設の長期使用を視野に入れた改修手法に関する研究−既存改修と外断熱改修の運用コスト累積差シミュレーション−」という論文があります。実際に学校を使って実験されたもので,情報提供をしているので読んでいただいてることとは思います。

 その中で,実際に学校施設を使用した研究から,「長期間エアコンを使用する用途への変更を想定する場合は,比較的早期に外断熱改修による増加コストの回収が可能,エアコンをすでに導入している学校施設でも,外断熱改修の積極的な導入を考慮すべきである。」というふうになっています。
長期使用ですから,当然,外壁のほうを外断熱にすれば,それで長寿命化も図れるということが入っているわけですけれども,断熱というのは,当然エネルギー使用量の抑制に効果があることというのははっきりしていますし,建物の長寿命化も含めた公共施設マネジメントの観点からも,積極的に検討してはどうかというふうに考えるところです。

 また,断熱に関してですけれども,窓から熱が侵入するということを抑えることも,やはりエアコンを効率的に運用するためには重要な考えではないでしょうか。その際,グリーンカーテンだけでなく,高層階がありますから,2階,3階とかあったりしますから,すだれやルーバーなどのような機器による遮光の可能性はどうでしょうか。
 また,ガラスをペアガラスにしたり,断熱フィルムを張るなどの検討をしていただくのはどうかと思います。断熱フィルムを張れば,当然,災害時の飛散防止にも効果も期待できるというふうに考えるところです。

 そして,気象条件によって窓をあけることも考えると,やはり現在は,学校施設ほとんど,子供関連施設,網戸がないところが多いのではないでしょうか。しかし,温暖化が進んでくれば,生物相も変化することが予想されます。当然,危険な蜂,刺されればアナフィラキシーショックなどもあったりしますし,感染症を媒介するおそれのある蚊などの侵入を防止するために,網戸の設置ということも検討してはどうかというふうに考えるところですが,以上の点について,検討,対応が可能なのかどうかということをお聞きしたいと思います

○議長(水谷 進君) 教育長。
              〔教育長 中道公子君登壇〕
○教育長(中道公子君) それでは,学校等への断熱等の対策についての御質問に答弁申し上げます。

 本市の公立小中学校は,基本的に東西に長い校舎で,南側に教室を設けております。南向き教室の利点としましては,窓から日差しが多く取り込め,その結果,日中は明るく,冬季においても暖かくなるところでございます。
 一方,夏季は窓の上のひさしで多少の遮光効果はあるものの,一定量の日光が教室内に入り込み,暑くなる現状がございます。また,近年,夏季の気温の上昇が社会問題化してきており,学習環境の改善が大きな課題となっておりました。

 このことを解消すべく,本市では,本年2月までに小中学校40校全てに空調設備を整備し,本年度から本格的な運用を始めたところであります。これら空調設備は集中管理を行っており,常に運転状況や電気の使用状況の監視を行っております。さらに,太陽光発電設備と各学校や公共施設で電力を融通し合うことにより,需給バランスを保ちながら,効率的な運転を行っております。

 また,空調設備の整備とあわせて,鈴鹿市立小中学校空調設備運用指針を策定し,各学校に配付して,環境に優しい適切な運用を行うこととしております。具体的には,稼働期間や時間を定めるとともに,温度設定を夏季は28度,冬季は18度とすること,加えて,教室内の環境保持のために十分な換気に努めることや,状況に応じてカーテンや扇風機を活用して消費するエネルギーを削減すること,体感温度には個人差があることから児童生徒の個々の体調等にも配慮することなどを示し,適切な運用を図ることといたしております。
 このように,機械上の制御や指針による適切な運用を行っているものの,空調設備の効果を最大限に生かすためには,御提案のように断熱等の対策も必要と認識しております。

 まず,外断熱についてでありますが,導入に当たっては,断熱の効果とともに,初期投資が多額になるという課題がございます。このことから,既存施設の断熱改修につきましては,建物の寿命である耐用年数や劣化ぐあいなどからトータルコストを重視することが必要となります。また,新築時には,市においても一部の施設の屋根の外断熱について施工実績があり,今後においても,日夜研究が進められている外断熱については,検討を重ねていく必要があると考えております。

 次に,熱の侵入など窓ガラスに対する対策でございますが,現在,一部学校においてはグリーンカーテンの取り組みは行っているものの,低層階に限られていることから,ペアガラスや断熱フィルムなどによる遮光や遮熱は有効な手段と認識しております。また,空調設備の稼働期間中においても室温が落ちついた際には,二酸化炭素の排出抑制のためにも空調設備を稼働させず,窓の開閉により温度調節を行うことは有効であります。このように,空調設備の運転コストの軽減につながる遮光や,自然の風を感じながら授業を受けることは意義のあることと考えております。

 しかしながら,小中学校合わせて約1万6,000枚の窓ガラスの遮光や遮熱,約1万2,000カ所の防虫対策のための網戸の設置となりますと,相当の投資を伴うこと,また,設置後の維持管理についても課題がありますことから,現時点での計画はなく,今後,検討すべき課題の1つと捉えさせていただきたいと思います。

 教育を取り巻く課題はさまざまございますが,教育委員会事務局としましては,今後も全ての子供が楽しく学べる教育環境の実現に向け,努力してまいりたいと考えておりますので,御理解くださいますようお願い申し上げます。

○議長(水谷 進君) 政策経営部長。
             〔政策経営部長 渥美和生君登壇〕
○政策経営部長(渥美和生君) それでは,私のほうからは,全体的な公共施設マネジメントの観点から答弁申し上げます。

 現在,本市では,国からの指針に基づき,平成27年12月に策定した鈴鹿市公共施設等総合管理計画に定める基本方針に基づき,公共施設マネジメントの推進に取り組んでいるところでございます。

 また,市議会から昨年5月にいただいた公共施設マネジメントに係る政策提言を受けまして,これまでに提言内容にある,全体を統制する専門部署や共通ルールの策定に取り組んできたところでございます。特に共通ルールの策定に関しましては,国の指針が改定されましたので,その対応も見据えて,本年8月に全庁的な考え方に基づき,最適化を図ることができるよう,施設総量の抑制や施設ごとの具体的な対応方針を示した個別施設整備方針作成マニュアルを作成し,庁内への共有を図りました。

 現在,箱物を所管する施設担当課において,長寿命化,統廃合,複合化といった今後の施設のあり方や更新等の優先順位を検討する作業を進めております。これらの作業内容は,国が2020年度までに策定を求める個別施設計画の内容と合致するものでございます。

 議員御質問の学校等の断熱等の対策についてでございますが,費用対効果についての検討も必要となってまいります。今後,個別施設計画を検討していく中で,このことも考えてまいりますので,御理解いただきますようよろしくお願いいたします。
 以上でございます。

○議長(水谷 進君) 中西大輔議員。
              〔13番 中西大輔君登壇〕
○13番(中西大輔君) ありがとうございます。課題として認識していただいているということがわかったことと,公共施設マネジメントについては,以前からずっと話しているところですので,これからどうしていくかというところは,非常にいろいろな知恵が必要なところだと思います。

 最後にまとめとしてですが,教育委員会にしても政策経営部にしても,これからは行政だけで物を考えていくのではなくて,やっぱり地域の人であったりとかいろいろな方,民間の知恵を使っていく,知恵をおかりしていく,そこで解決していくということをぜひとも検討の中に取り入れていただきたいなというふうに答弁のほうから感じさせていただきました。
 以上で私の一般質問のほうを終わらせていただきます。