2019年 2月(一般質問)
@「小学校を子ども政策の基礎に」

 (1) 過去の質問の検証について
 (2) 現在の考えはどうなっているか
 (3) 財源の検討について
 (4) 総合計画後期計画への記載

○13番(中西大輔君) 議席13,すずか倶楽部,中西大輔です。
 本日,3月1日ということで,県立高校の卒業式なんですけれども,私のほうも下の子供が卒業式なんですけれども,参加せず,こちらのほうで質問させていただいております。
 また,昨日,森 雅之議員の教育のICT化の質問の中で話がありましたが,本来であれば当初予算のところでしっかりのせるべきものはのせないと,全体像がわからなくなってしまう。その点というのを考えていただきたいなというところですし,それがなければ,これから後の質問を進めていくに当たっても,実現していくことを考えるときに,予算全体,財政全体がわからないと議論ができませんので,そのようなことも考えていただきたいなと思います。
 それでは,通告に沿って,小学校を子供政策の基礎にするということについて,過去の私の一般質問を踏まえながら,話のほうを進めさせていただきます。
 論点というのは,過去の質問で何度も訴えていますが,放課後の小学校を,どの子でもいられる居場所にして,子供政策の起点,基礎にするように鈴鹿市で実現してはどうでしょうかということです。
 そのようにすれば,子供たちにとって愛着形成の場になることが期待できますし,また,子供の貧困や虐待を初めとして,そのようなことに対して福祉的な支援が必要な子供を早期に発見することができ,対応ができるということも期待できます。児童相談所があれば,当然ながら連携ということも期待できます。ほかには,そういうふうな時間を使って宿題をするということで,家庭での時間をもっとゆとりのあるものにできるのではないかということも考えられるでしょう。
 このように手厚いセーフティーネットを学校に形成するということは,子供たちにとって何よりもプラスになることではないでしょうか。また,学童保育を初めとした保護者負担も軽減されることが期待できますし,そのことは,結果として鈴鹿市の将来にとってプラスになるというふうに考えるところです。
 しかし,それを教員の方々の負担をふやして実現するということではなく,コミュニティ・スクール,学校運営協議会や地域づくり協議会というものがありますから,多様な人がかかわることで実施してはどうかというふうに考えるところです。
 もし,実現できれば,子育ち,子育てのまち鈴鹿という形で,魅力的なまちということになっていくのではないでしょうか。そして,このように税金を使うということは,税の使い道として公平なことであり,意義のあることだと考えるところです。
 これまで,2007年に放課後子ども教室の質問を行ってから,これは最初の質問になるんですけれども,過去何度か子供に関する政策について質問を行ってきましたので,まず,その検証ということをさせていただきたいと思います。
 それと,今回の質問では,放課後児童クラブというとなかなかぴんとこないので,学童保育という言葉で統一して表現させていただきますので,よろしくお願いします。
 2014年9月,学童保育について,保護者主体の運営委員会の課題と保護者負担の軽減,子供たちの放課後の居場所として,学校施設に学童保育の運営も可能な設備を設置し,複合施設として再編することを問いました。
 答弁では,保護者負担の大きさ,指導員の確保の難しさ,民家や集会所などを借用している民設民営のクラブについて移設場所の確保は困難なことを認識している。また,公設民営の施設は,その全てが昭和56年6月以降に建設され,老朽化が顕著な施設もあり,利用児童数の増加により,施設が狭隘となっているとありました。
 あわせて,施設の老朽化によって移転を必要とする学童保育については,小学校の余裕教室を活用できないか,小学校の建てかえ時など,学童保育として利用できる施設はないかなど,教育委員会事務局と関係部局と調整を進めたいと答弁がありましたが,その後どうなっているでしょうか。
 2016年6月は,愛着を育む教育を問いました。このときは,小学校で愛着を育む取り組みに力を入れ,学校施設の利用の壁をなくし,子供たちの放課後の居場所にできれば,税の公平性からも真っ当ではないか,また,学童保育に預けている保護者の負担も減るのではないか,子供たちが地域への愛着を育てる場になるのではないかと質問しています。
 答弁では,鈴鹿市教育基本計画の中で,子供たちの成長に効果のある教育環境づくりに,家庭,地域,学校が,力を合わせて取り組むこと,豊かな心,確かな学力を身につけさせる基盤として,学校が子供たちにとって安心でき,楽しく学べる環境となるよう総合的に取り組みを進める。学校の状況に応じた校舎の余裕教室等の活用について,大きな検討課題と認識をしている。現状としては,施設管理面での安全性の確保など,整理を必要とする課題もあり,学校図書館など特別教室を通年で利用することについては,今後も検討したいとありましたが,どうなっているでしょうか。
 2017年9月は,地域共生社会を問い,小学校区をその単位とすべきと意見しました。
 資料1を映写してください。

              〔資料をスクリーンに示す〕
 これは当時作成した資料です。小学校区を見ていただくと,上の小地域と書いてあるもの,自治会も含めてなんですけれども,自治会,PTA,学校運営協議会,地域づくり協議会,民生児童委員の方々など,いろいろな要素ということが重なっています。それを考えると,子供政策の基礎に小学校を置くことは違和感がないでしょう。その点についてどのように整理されているでしょうか。
 2018年3月は子ども食堂,6月は学童保育について,それぞれ小学校で展開できないかという観点で質問しました。子ども食堂は,明石市の取り組みを参考に質問させていただきました。
 答弁では,地域づくりの取り組みの中で,子供たちを支援する活動が展開することは望ましいと考えており,さまざまな団体との連携や協力を図っていきたいとありました。
 学童保育は,児童に対する手厚いセーフティーネットづくりとして,小学校での学童保育運営をお聞きしました。
 答弁では,教育委員会などと調整を行い,将来的な児童の推移を見ながら,学校施設を活用することについて検討したい。余裕教室などの活用については,関係部署との意見交換や,課題を整理しながら,総合計画後期基本計画に向けて検討したいとありましたが,どのような状況になっているでしょうか。
 以上について,論点整理のために答弁をお願いします。
                〔資料の提示を終了〕


○子ども政策部長(坂 佳コ君) それでは,中西議員御質問の小学校を子供政策の基礎にのうち,過去の質問の検証について答弁申し上げます。
 まず,放課後児童クラブの学校施設の活用についてでございます。
 放課後児童クラブの運営につきましては,庄野,若松,天名,井田川,庄内,各小学校での学校施設内にある旧幼稚園施設の利用や,河曲小,栄小での学校敷地及び幼稚園敷地への放課後児童クラブの建設により一体的な利用が図られているところです。
 学校施設の利用といたしましては,合川小学校で,体育館の一部を一時的に利用して放課後児童クラブを実施しています。
 余裕教室の活用につきましては,教育委員会のみならず,それぞれの学校現場との調整も必要になってまいります。そのような調整は,現在も行っているところではございますが,今後も関係部署との連携を図りながら余裕教室の活用に向け,検討してまいりたいと考えております。
 また,子ども食堂につきましては,国が進める子供の居場所づくり施策として,県やNPOなど子育て支援に関する地域団体と連携しながら取り組んでいます。現在,市内に拠点を置くNPO法人が鈴鹿市社会福祉センターや子育て応援館にて,一月に1回,子ども食堂を実施していただいています。
 先般,県が主催する子ども食堂開設講座が開催され,子ども食堂開設ハンドブックが配布されましたので,今後,市民活動団体等の関係団体に広く周知し,学校施設の利用につきましての御要望があった場合には,関係部署と検討してまいりたいと考えておりますので,御理解くださいますようよろしくお願い申し上げます。

○教育長(中道公子君) それでは,中西議員御質問の過去の質問の検証についてのうち,愛着を育む教育について及び放課後の学校図書館等の特別教室の活用について答弁いたします。
 子供たちに愛着を育むことにつきましては,鈴鹿市教育振興基本計画の基本理念のもと,その未来を担う人材として健やかに成長してほしいという願いを込め,道徳教育を中心として,郷土教育や環境教育といった場など,学校教育全体を通して,継続して取り組んでおります。その際に,地域の文化施設や人材を積極的に活用したり,地域社会の題材を授業の資料として生かしたりすることで,郷土への誇りと愛着を深めることにつなげております。
 また,放課後の子供の居場所として,学校図書館などの特別教室を活用することにつきましては検討しているところでございますが,児童のけがや施設の破損等,施設管理面での安全確保だけでなく,施設利用時の責任の所在や下校時における見守り対応,さらに,教職員が業務で使用する際の調整等,まだまだ検討すべき課題があると捉えており,今後も関係各課と連携し,引き続き,検討してまいりたいと考えております。

○13番(中西大輔君) 答弁ありがとうございます。
 先ほど森 喜代造議員の質問が虐待であったりの質問が中心になっておりましたが,今回は愛着,学校が大事だということは,当然そこで愛着が形成できれば,愛着の形成というのが学力の獲得ということにも重要な要素になってきますし,またそのことによって,多様な大人との信頼関係を築くということは,虐待であったり,そのようなものに対しても非常に強い抑止効果,また,そこから立ち直っていく効果もあるということですので,しっかり考えていただきたいなというふうに思うところです。
 そこで,ちょっと話を進めていくときに整理したい点があるんですけれども,今,教育長に答弁いただいておりますが,平成27年に地方教育行政に関する法律が改正されまして,教育長は首長が任命するということになっていますよね。ということは,学校をどのように考えていくか,学校施設をどういうふうにして使っていくかということに関しては,市長をトップとした課題でもあるというふうになりますので,その点を前提に,これから後のほうも話のほうを進めさせていただきます。
 それでは,次の論点で,現在の鈴鹿市の考え方をお聞きしたいと思います。
 資料2を映写してください。

              〔資料をスクリーンに示す〕
 こちらですが,議案質疑のほうでも取り上げさせていただきましたが,昨年9月に厚生労働省と文部科学省のほうから公表された新・放課後子ども総合プランの概要の資料になっております。
 国は,目標年度を2019年から2023年と設定して,学童保育の改善の考え方などを,この中で示しています。その中,全ての小学校区で,放課後子ども教室と学童保育を一体的に,または連携して実施することを目指すという方向性と,両事業を新たに整備などをする場合には,学校施設を徹底的に活用することとし,新たに開設する学童保育の80%を小学校内で実施することを目指すとあります。
 資料3と資料4の映写をお願いします。

              〔資料をスクリーンに示す〕
 こちらは,平成26年放課後子ども総合プランに関する自治体担当者会議の資料3から引用しています。こちらでは,放課後子ども教室と学童保育を一体的に運営する4つのモデルケースが挙げられ,他の自治体の事例も紹介されています。
 資料3に戻してください。

              〔資料をスクリーンに示す〕
 今回の質問というのは,学校の余裕教室などを一部屋以上利用して学童保育の専用室とし,放課後子ども教室を特別教室や屋内運動場や校庭などのスペースを一時的に利用して実施するというモデルケース2「学校の特別教室と余裕教室等を一時的に利用」という形が近いというふうに考えます。
 このように,新・放課後子ども総合プランで,国から学校施設を活用するという方向性が示されていますし,実際の取り組みもありますが,鈴鹿市としてどのような考えをお持ちなのかお聞かせください。
                〔資料の提示を終了〕


○子ども政策部次長兼健康福祉部次長(森川洋行君) それでは,2点目の現在の考えはどうなっているかについて,新・放課後子ども総合プランを踏まえての学校施設の活用について答弁申し上げます。
 子供の施策につきましては,1部局で完結するものではなく,教育,福祉等の多様な分野の庁内関係部局はもちろん,関係外部団体も含め,連携を図りながら行っていく必要があると考えています。
 それぞれの事業における関係団体との連携強化のほかにも,さまざまな事業にまたがって,関連する団体等との横のつながりをさらに強化させながらネットワークづくりを行い,多様な事案へ対応していくことで子供の安全安心につなげてまいりたいと考えています。
 また,学校施設の活用につきましては,議員御指摘のとおり,国の新・放課後子ども総合プランにおいて,放課後児童クラブと放課後子ども教室を一体的または連携して実施する場合,小学校内での実施について全国で1万カ所以上での実施を目指すこと,また,新たに放課後児童クラブを開設する場合は,その約80%を小学校内で目指すことと示されております。
 この放課後子ども総合プランは,子供が小学校入学後,仕事と育児の両立が難しくなる,いわゆる小1の壁の打破と,次代を担う人材を育成するため,文部科学省と厚生労働省が共同で作成したものでございます。全ての子供を対象に,地域の方々の参画を得て,学習やさまざまな体験,交流活動やスポーツ文化活動等の機会を提供する事業が放課後子ども教室であり,保護者が労働等,昼間,家庭にいない児童を対象に,適切な遊び及び生活の場を提供する事業が放課後児童クラブでございます。
 この2つの事業が,それぞれの役割を果たしながら一体的または連携して放課後子ども総合プランを小学校の余裕教室を活用して実施していくことにより,放課後児童クラブや放課後子ども教室を利用する児童が場所を移動することによるリスクもなく,安心して放課後を過ごせることや,居場所づくりといった意味からも,学校の余裕教室の活用は検討していくべき課題であることは認識しております。
 しかしながら,さまざまな放課後児童クラブの運営形態の中で,各クラブがそれぞれの方針で運営を行っていただいていることもございます。
 また,市内でも地域や各学校により,それぞれ余裕教室の状況や児童の人数等の状況が違うこともあり,それに伴うさまざまな検討課題がありますことや,安全面,管理面においても,それぞれのケースで解消していくべき課題も多くありますことから,今後,学校,子育て世帯を含む地域,放課後児童クラブ等と連携を図りながら,学校施設の利用について検討してまいりたいと考えておりますので,御理解賜りますようお願い申し上げます。

○教育委員会事務局参事(山田純生君) 私からは,放課後の余裕教室の活用に関しまして,現在の考えについて答弁申し上げます。
 国におきましては,開かれた学校づくりを目指し,中央教育審議会答申で,放課後子ども教室など学校内の施設で活動を行うほうが適当と考えられるものにつきましては,これまでも余裕教室の活用などの工夫を行うことが示されていること,また,新・放課後子ども総合プランにおきましても,同様の考え方のもと,学校施設の活用が示されております。
 このようなことから教育委員会事務局としましては,放課後の子供の居場所として余裕教室等を活用することにつきましては,社会的な要請であるとの認識のもと,取り組む必要があると考えております。
 一方で,先ほどの答弁にもございましたように,一つ一つの課題について,今後も関係各課と連携し,引き続き検討してまいりたいと考えておりますので,御理解くださいますようお願いいたします。
 以上でございます。

○地域振興部長(吉崎美穂君) 私からは,子供の政策を展開する際の基礎について,地域づくりの観点から現在の考えを答弁申し上げます。
 協働の地域づくりは,次世代の子供たちが地域を担う20年後,30年後も持続可能なまちを目指し,人口減少の中にあっても人と人,団体と団体が連携し,地域の課題解決や活性化に取り組むことができる自助・共助の仕組みづくりでございます。
 現在,市内全域におきまして,地域づくりに関する協議や取り組みが行われておりますが,それらは,これからの地域共生社会の実現を初め,地域学校協働活動などの体制づくりの基礎になるものでございまして,自助・共助で取り組む事業におきましても,鈴鹿市まちづくり基本条例における子供の権利及びまちづくりの視点を踏まえ,子供の健全育成や教育を位置づけております。
 地域づくりの活動の範囲につきましても,原則小学校区を目指すところに変わりはなく,子供や福祉の取り組みにつきましても,地域づくり協議会の区域を基準とした活動を目指し,関係部署との調整を進めているところでございます。
 地域の宝であり,次世代の地域づくりの担い手である子供たちを地域ぐるみで育てていくという地域づくりを進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

○13番(中西大輔君) 答弁のほうありがとうございます。子供関係団体やNPOも含めた連携がどのようになるのか,また,まちづくり条例の中,子供の権利がありますので,その点についても触れていただきましたので,わかりました。
 ただ,今の答弁をお聞きしていて,検討する,検討するといろいろ言われていますが,昨日の森田議員が強調されていましたが,大人の時間で考えるから検討,検討ということになってしまうんですね。私,冒頭に子供が卒業式ですということを言わせていただきましたが,初めて質問したときには小学校1年生でした。それからもう12年たって,卒業となっていると。子供の成長で考えていかないと政策はいけないんじゃないか。特に子供に関係する政策というのは,そのように考えていくべきではないか。その意識を持っていただきたいと思います。
 また,学校施設についてですけど,これから効率的な運用であったり改修という考えについては,公共施設マネジメントの観点というのは外せられないものになってきますから,その視点からも真摯に関係課と取り組んでいただきたいと思います。
 それでは,とは言っても実現するのにはお金が必要です。そのお金のことを考えずに話を進めても意味がないのかなと思いますので,ここから財源についての考え方をお聞きしたいと思います。
 過去の質問でも同じように,小学校を子供の居場所とするには,支援する方々の雇用なども含め,相応の財源が必要になることも論点として挙げさせていただいております。
 資料5を映写してください。

              〔資料をスクリーンに示す〕
 これは2014年9月,一般質問で使用した資料になります。ちょっと細かくて見にくいのですが,内容を端的に言いますと,当時の市内学童保育のうち,公設民営で,かつ保護者が運営委員会を組織しているところについて,決算総額と人件費と補助金の関係をあらわしたものになっております。
 決算総額に対する人件費の割合は平均で約51.2%,補助の割合は平均で約35.6%となっています。これらの数値をもとに,大まかな計算ですが,補助金と人件費の関係を考えると,人件費は補助金の約1.4倍と考えられます。
 平成31年の鈴鹿市一般会計予算の中で,放課後児童対策費として学童保育に関係する予算ですが,予算に上げられている補助金額は,国・県・市合わせて3億1,838万4,000円です。その金額から,さらにまた単純な計算とはなりますが,現在の学童保育に行っている指導員の方々の雇用を維持していくというふうに考えますと,約1.4倍の約4億5,000万円が必要になるのではないかと考えられます。これに対する財源を考えるときに,先ほどありましたように国補助,県補助があるところです。これが気になるところなんですけれども。
 そこで,国の補助に対する考え方,こちらを厚生労働省と内閣府のほうに問い合わせをさせていただきました。そうすると,現在の補助と同じ考えであれば,補助対象とすることは可能とお聞きしました。これは条件のほうなんですけれども。
 では次に,県の補助金はどうですかということなんですけれども,県補助金については,現在の県財政の状況を考えると,現状以上を求めることは難しいだろうというふうに考えられます。とすれば,現状の国と県の補助以上の分,その部分は市の一般財源,鈴鹿市の一般財源からの持ち出しとなり,その金額は約1億5,000万円増加するのではないかというふうに考えられます。
 それは,経常経費として毎年ふえていく金額になるということになりますが,この金額が可能なのか不可能なのかということよりも,するという前提で考えていくべきだというふうに言わせていただきます。そうすると,子供たちへの支出というものは,将来の投資と考えて,財源を捻出するために,人件費の見直し,事業の見直しに取り組んだ明石市は参考になると思います,いろいろありましたが。
 子供のための政策を充実する,つまりビルドするから,そのための財源を考えるために別の施策を整理する,つまりスクラップするという考えが必要です。とすれば,鈴鹿市は近年,人件費をふやしてきていますが,地域手当など人件費全体を見直し,こちらに充てることが考えられますし,また,我々,議会のほうも定数や報酬ということを念頭に入れながら議論していくということも考えられるのではないかというふうに考えます。もちろんほかには,事業仕分けのような手法を用いて事業を抜本的に見直しを図り,整理していくということも考えられます。
 これらの取り組みを行っていくことで,先ほど挙げました約1億5,000万円の財源ということは十分に捻出が可能と考えるところです。そのような財源について,市としてどのような検討方法があるのかお聞かせください。

                
〔資料の提示を終了〕

○政策経営部長(渥美和生君) それでは,財源の検討についての御質問に答弁申し上げます。
 現在,地方自治体を取り巻く環境は,少子高齢化の進展や社会・経済情勢が変動する中で,市民の皆様の意識やライフスタイルの変化等もあって,多様化する市民ニーズへの対応など増大する財政需要が懸念されております。
 本市においてもリーマン・ショック以降,企業業況の影響を受けるなど,市税収入は横ばいの状況にあり,先行きについても不透明な状況でございます。
 一方,生産年齢人口の減少や老年人口の増加の影響などにより,扶助費等社会保障関係経費の継続的な増加や,道路・橋梁などのインフラ,箱物と呼ばれる公共施設の老朽化への対応など多額の財政需要もあり,今後の財政見通しは,大変厳しくなることを想定しております。
 このような状況においても,市民サービスの停滞を招かないよう,また,本市独自の特色あるサービスを提供できるよう,引き続き限られた財源の中で,市民ニーズや社会情勢に対応し,鈴鹿市総合計画2023の目標実現に向けて取り組みを進めていく必要があります。
 その際,財源の検討についての考え方ですが,まず,歳入面において根幹となる市税の確保は言うまでもなく,使用料等の受益者負担を見直すこと,保有財産の活用として利用予定のない土地の貸し付けや売却を行うこと,広告掲示やネーミングライツなどを活用した広告収入を拡大することなどの取り組みのほか,関連する施策や機会を活用した企業の立地や設備投資の拡大も将来の財源につながる取り組みであると考えております。
 一方,歳出面では,財源の捻出として,単に一律に削減するのではなく,各種事務事業について,鈴鹿市総合計画2023の基本構想の成果指標の達成を見据えて,効率的で効果的な取り組みとなっているかの見直しにより,結果として経費を削減できるよう取り組んでおります。
 その取り組みといたしましては,事務事業の手法や数量を見直す,やり方の改善や,必要な政策を実現するためのスクラップ・アンド・ビルド手法により,事業そのものを見直す,やることの改善のほか,実施に当たっては,公債費における普通交付税の算入率の高い地方債を活用することにより,有利な財源を確保することなどによりまして,最少の経費で最大の効果を上げられるよう努めていくことが重要であると考えております。
 また,今後におきましては,(仮称)公共施設整備基本計画,いわゆる個別施設計画の策定に当たり,公共施設の利用状況等を考慮した施設の統廃合や,複合化に伴う人件費を含めた運営管理に要する経費の縮減も検討いたしまして,健全な財政運営とともに,多様化する市民サービスへの対応ができるよう努めてまいりますので,御理解いただきますようお願い申し上げます。
 以上でございます。

○13番(中西大輔君) ありがとうございます。
 財源についての考え方というのは,単にお金がどこにあるかという話だけではなくて,どのように整理していくのかということが必要になってくることは,部長のほうもよく御存じのところだと思います。
 せんだって,小平市の公共施設のカードゲームのほうを実施されましたが,同じようなカードゲーム,有名なところでSIM2030というのがありますけれども,自治体の財政運営とか政策選択,それを体感するカードゲームというのがありますが,やはりそのようなものを市の職員の方々だけではなくて,市民の方々にも体験していただいて,どのように政策を選択していくのか,財源との関係の中から一緒に考えていただくことが非常に大事な時期に入っているのではないかなというふうに考えます。
 また,きょう高校の卒業式ということを言いましたが,そのようなことをやはり高校生,中学生も含めてですが,参画をして考えていくことが,この自治体としての鈴鹿市の持続可能性に非常に大事なところだと考えますので,その点しっかり取り組んでいただければなと思います。
 それでは,最後の論点になりますが,このような政策,考え方を進めていくに当たっては,何が必要かということになりますが,鈴鹿市は,その政策の設計図というものをつくっています。それが総合計画でありますよね。総合計画2023のほうに,今回質問させていただいている内容が記載できないかということを問わせていただきたいと思います。
 資料6の映写を。

              〔資料をスクリーンに示す〕
 こちらも新・放課後子ども総合プランのものになります。先ほど映写したものにもついているものになりますが,繰り返しになるのですが,鈴鹿市総合計画2023の目標年度,2023年に向けて,この新・放課後子ども総合プランも取り組むということになっています。
 今回の趣旨である,小学校を子供政策の基礎にして,全ての子供さんの居場所となるようにする施策というのは,新・放課後子ども総合プランの考えとも合致するものです。私はそう考えます。
 そこで,総合計画2023後期計画ですが,ことしから後期計画の策定に入っていくというふうになると思いますが,そこに位置づけて,ぜひとも取り組みを進めていっていただくようにすべきではないかと考えるところですが,いかがでしょうか。このまま学童保育,待機児童が出てくる,その対策をどうするんだと,追いかけていくのではなくて,政策を大きく転換して対応していくということも必要ではないかと考えるところですが,子ども政策部と教育委員会の考え方をお聞きしたいと思います。
 あわせて,板倉議員も12月議会で質問されていましたが,このような子供政策を推進していくためには,やはりきちっとした方針というものが必要になってきます。それが何かといえば,条例になるわけですけれども,鈴鹿市として子ども条例策定について,どのような考えを持っているかということもお聞きしたいと思います。お願いします。
                〔資料の提示を終了〕


○子ども政策部長(坂 佳コ君) それでは,総合計画後期基本計画への記載について答弁いたします。
 学校施設を利用しての放課後児童クラブの実施は,本市といたしましても方向性として検討しているところでございます。教育委員会や学校現場とも調整を行っているところではございますが,各クラブの方針や学校施設の利用に係る安全面・管理面での諸問題が一度に解消できるものではございません。
 また,余裕教室についても学校現場におけるさまざまな事情等から,余裕教室の活用に向けての課題があることも事実でございます。
 今後も,関係部局と調整を行いながら,余裕教室の活用について問題点の整理を行い,総合計画後期基本計画への記載に向け,検討してまいりたいと考えております。
 また,子ども条例につきましては,平成30年12月定例議会において答弁申し上げたところではございますが,引き続き,庁内関係部署や関係機関と協議や意見聴取を行いながら検討してまいりたいと考えておりますので,御理解賜りますようお願い申し上げます。

○教育長(中道公子君) それでは,学校施設利用につきまして,私からも御答弁させていただきます。
 このことにつきましては,先ほどから取り上げられております新・放課後子ども総合プランの考え方に基づいて取り組んでいく必要がありますので,学校施設の活用につきまして,教育委員会といたしましても関係各課と歩調を合わせながら検討していきたいと考えておりますので,御理解賜りますようお願い申し上げます。

○13番(中西大輔君) いろんな社会問題がありますよね,児童の虐待であったりとか,放課後の子供の居場所もそうですけれども,教育の課題もそうですけれども,それぞれをそれぞれだけに対応していては,社会問題は解決しない場合が多いです。
 端的にいうと,頭が痛いとなったときに,なぜ頭が痛いのか,熱によるものなのか,風邪を引いてるのか,はたまた,ストレスで頭が痛いのか,でも頭が痛いということだけを対処しようとして,頭痛薬を飲んだらいいじゃないか,これでは本来の解決にならないわけですよね。ストレスで来ているのではあれば,なぜそのストレスが来ているのか,ストレスの要因を取り除かないと同じことを繰り返す。
 政策も同じですよね。今,いろいろな対策,子供に対して何かをしていかないといけない,児童虐待に対応しないといけない,子育てを何とかしないといけない,それに対して,それぞれのことだけを見て対応する,それだけでは解決しないことというのは,たくさんあるのではないでしょうか。
 俯瞰して全体を見て,どのようにつながっていくのか,そのことを考えていくのが政策を考えていく中で必要というふうに考えるところですが,今のところ連携して協議をしていただくということは答弁には出ていますが,まだ横のつながり,こうやって全体で俯瞰していくというところが見えないように思います。
 最後,ちょっと市長に感想をお聞かせいただきたいのですが,市長は,このように子供たちが放課後,どの子でもいられるようにするということについて,市長としてはどのような考えをお持ちなのか,最後に感想をお聞かせください。


○市長(末松則子君) 全ての子供たちが,やはり,しっかりとした環境の中で育っていっていただくということが大事だというふうに思っております。
 これから鈴鹿市を担っていただく,次代を担っていただく子供たちでありますので,その中で,きょう御質問をいただきましたことを参考にさせていただきながら,総合的にしっかりと子供たちの居場所づくりに努めてまいりたいというふうに思っておりますので,今後もよろしくお願い申し上げたいというふうに思います。

○13番(中西大輔君) ありがとうございます。ぜひとも市長,トップとして鈴鹿市全体の課題として,今回提案させていただいた内容について考えていただき,ぜひとも子供にとって,よりよい鈴鹿市になるように動いていただきたいと思います。
 以上で,私の質問を終わります。