2019年 6月(一般質問)
@「市財政の今後について」

 (1) 現状について
 (2) 想定される課題について
 (3) 財政健全化の取り組み
 (4) 厳しい財政に取り組むには

○26番(中西大輔君) 
 議席26番,中西大輔です。
 通告に沿って,市財政の今後と投票率の向上についてお聞きします。
 話に入る前にですが,今回の補正予算のほうでは,市の貯金である財政調整基金が取り崩され,それに依存して編成されていると思います。午前中の議案質疑の答弁の中で,財政調整基金のほうが平成28年以降減ってきているということが見られました。これがいつまでも続けられるかといえば,大きな災害の可能性や,いろいろな経済状況の変動,そのようなことを考えると,持続的にやっていくことは難しいだろうと考えるところです。また総務省のほうでは,約10%が財政調整基金を積み立てる目安とされておりますが,そのようなことを考えても厳しいのではないかと考えます。
 昨年ですが,豪雪被害で財政調整基金が底をついて,非常に大変になったまちがあります──福井市ですが,福井市のほうでは財政再建計画というのを策定して,事業の縮減や中止,職員の適正配置などによる人件費圧縮,団体への補助金一律10%カットなどのような対応をしなければいけなくなっています。このことはよそごとではなく,自分たちにもあり得るリスクとして,考えるべきではないでしょうか。
 それでは,市財政の今後をお聞きします。
 さきの統一地方選後,議会も新しい構成となって,今年度はその中で総合計画2023後期計画や公共施設個別施設計画の策定,そのあたりについてに取り組まなければいけない政策課題がある中ですが,その中で一番重要な財政の課題にどう取り組むのかということをお聞きしていきたいと思います。
 現状について,厳しい財政とよく言われますが,どのような状況を指しているのか,またその状況は現実問題として,どのような影響を市の行政の事業のほうにもたらしていくのでしょうか,お聞きしたいと思います。
 そこで,財政分析の指標の中から,経常収支比率と,それと関連して,経常一般財源と経常経費充当一般財源,後者のほうは経常経費にどれだけ一般財源が充てられているのかという数字ですが,それに着目して,鈴鹿の財政状況をお聞きしたいと思います。

 資料1の映写を。
〔資料をスクリーンに示す〕
 経常収支比率とは,毎年収入として入る中で独自に使えるお金,経常一般財源というふうに言いますが,それに対して固定費として毎年使うお金,経常経費がどれだけの割合なのかをあらわしています。経常収支比率については80%を超えると自由に使える余裕がなくなり,財政が硬直化しているというふうに言われます。



 資料2の映写を。
〔資料をスクリーンに示す〕
 ここから2つ資料を出しますが,それは総務省の決算カードのほうから作成させていただきました。
 まずこの資料2のほうの図ですが,青のグラフについては,経常収支比率について平成13年から平成29年のものになっております。こちらのほうは,平成13年,77.7%でしたが,平成29年には93.9%になっています。
 赤のほうは,その財源の中のほうから,赤字の地方債と言われる臨時財政対策債分を抜くとどうなるかということですが,これは99.5%とほぼ100%に近い状況です。ちなみに三重県のほうは平成29年の段階で,臨時財政対策債を含んだもので99.8%。0.2%しか独自で使える枠はないと。臨時財政対策債を抜くと110%という形で,もう非常に危ない状況だということになっておりまして,財政の見直しということに取り組まれているところだと思います。

 資料3の映写を。
〔資料をスクリーンに示す〕
 こちら,平成13年から平成29年にかけての経常一般財源と経常経費充当一般財源について,金額をグラフ化したものです。
 青と赤のグラフは収入に当たり,青は経常一般財源,赤は経常一般財源に臨時財政対策債も含めたものです。臨時財政対策債というのは,地方交付税算定額全額が出てきているわけではありませんので,差額の分については,まちとして独自に借りていいよというものでありますが,赤字の地方債と言われます。
 緑のグラフについては,こちらが支出のほうになりますが,経常経費充当一般財源で固定費となる経常経費に,どれだけ一般財源が使われているかをあらわしています。ここから,収入は微増傾向ですが,支出は右肩上がりにふえていることが見られます。この現状について,厳しい財政ということはどういう状況で,どのような背景があり,どのような影響を与えてくるのか説明のほうをお願いします。

                〔資料の提示を終了〕
○議長(森 喜代造君) 政策経営部長。
             〔政策経営部長 樋口幸人君登壇〕

○政策経営部長(樋口幸人君) 
 それでは,中西議員御質問の今後の市財政についての1点目,現状について答弁申し上げます。
 本市の財政の推移について,平成13年度と平成29年度のデータを比較いたしますと,まず,市税などの経常的に収入される一般財源,これを経常一般財源と言いますが,臨時財政対策債を含む経常一般財源の総額は,平成13年度の約367億円に対しまして,平成29年度は約383億円で,約16億円が増加しております。一方,歳出側の経常経費に充てられました経常一般財源の総額は,平成13年度の約288億円に対しまして,平成29年度は約359億円で,約71億円が増加しており,歳入側に比べまして,歳出側の増加が55億円上回っている状況でございます。
 このことは,経常収支比率の変化にもあらわれておりまして,平成13年度の77.7%に対して,平成29年度は93.9%まで上昇しており,自由に使うことができる財源が少なくなっている状況でございます。

 経常経費が増加している要因でございますが,支払いが義務づけられており,任意に節減ができない義務的経費と,その他の経常経費に分けて説明申し上げます。
 まず,義務的経費でございますが,性質別の経費に充てられた経常一般財源としましては,社会保障に係る経費である扶助費は,平成13年度の約20億円から,平成29年度では約28億円が増加し,約48億円となっております。
 次に,職員の給与を初めとした人件費は,平成13年度の約102億円から,平成29年度では約8億円が増加し,約110億円となっております。
 また,本市が発行した地方債に対する元金や利子の返済費用である公債費は,平成13年度は約70億円でございましたが,平成29年度は約44億円となっておりまして,約26億円が減少しているところでございます。これは将来を見据えて,地方債の発行を抑制してきた財政運営の結果でもございます。
 次に,その他の経常経費のうち,充当経常一般財源が増加した主なものとしましては,物件費がございます。これは公共施設の維持管理に要する経費のほか,業務の効率化及び職員の負担軽減を図る上で必要な各種電算システムの導入などに係る経費や,非常勤職員の賃金などでございます。平成13年度の約53億円から,平成29年度では約20億円が増加して,約73億円となっております。

 本市では,従来から無駄を省き,効率的で効果的な財政運営に努めておりますが,社会情勢の変化等により,扶助費を初めとしたこれらの経費の増加が,経常経費の増加要因となっているところでございます。
 これに対して,歳入側につきましては,リーマン・ショックなどの影響により,平成21年度以降,法人市民税が大きく減少いたしまして,いまだ回復していないことなどから,歳出側の増加に比べまして,低い水準での増加額にとどまっておりまして,これらの結果,経常収支比率が上昇して,財政の硬直化が進んでおり,厳しい状況にあるものと捉えているところでございます。
 以上でございます。

○議長(森 喜代造君) 中西大輔議員。
              〔26番 中西大輔君登壇〕
○26番(中西大輔君) 
ありがとうございます。
 財政力指数というのが,今,0.88ぐらいだったかで,1になったとしても今度は地方交付税が削られるということで,非常に大変になってくるかなというところです。そのような財政運営のことというのは,非常に丁寧にしていかないといけないところですので,今回質問させていただいているわけですが,ここからもう一歩進めていきたいと思います。

 資料4の映写を。
〔資料をスクリーンに示す〕
 財政について非常に大きな影響を与えるのは,間違いなく人口減少です。その人口減少について,国立社会保障・人口問題研究所のデータから,鈴鹿市の人口について,2015年から2045年についてグラフ化しました。
 2015年以降,鈴鹿市の総人口は右肩下がりで下がっていきます。赤の部分です。約20万人から約15万人になっていくと予想されています。その中では年少人口と生産年齢人口の減少が大きい,特に,生産年齢人口の減少が多くなっています。こちらのほう,約12万人から約7万8,000人に減るというふうに予想されています。一方で,65歳以上人口は,約4万7,000人から約6万1,000人に増加というふうに予想されています。
 このことですが,生産年齢人口が減少するということは,1人当たりの給与であったり所得がふえない限りは,間違いなく人が減る分,税収が減るということにつながりますし,高齢者の方々の人口がふえるということは,福祉的な対応などで,その分,扶助費であったりとかが増加していく可能性が高いということを示しています。
 また,少子化対策,いろいろ言われますが,これで仮に人口がふえたとしても,そこで生まれた子たちが成長して,生産年齢人口に至るまでには最短で15年以上はかかってしまうということは,15年から20年先ぐらいまでは,非常に厳しい状況が続くということが予想できるわけです。
 このことは,特に鈴鹿市に限った話ではなくて,全国的な傾向であることは皆さん御存じのところだと思います。
                〔資料の提示を終了〕
 その中で,この5月,内閣府のほうから景気の基調判断のほうが,後退の可能性が高いことを示す悪化に下方修正され発表されました。これ,いろいろニュースに出ておりますが,このような状況は,これからの地方交付税などの交付額などにもいろいろと影響を与えてくるところではないでしょうか。
 また,社会状況の変化でいえば,ICTに始まり,IoT,きのうも言葉が出ていましたので詳細は省きますが,これらによる第四次産業革命によって,生産であったり,産業構造自体が大きく変わるということが予想されています。経済・社会状況が大きく変化していくだろうということは予想されているわけです。
 またその中で,SDGs,こちらのほうもそうですが,やはり地球環境や国際政治などの影響も受けることが考えられます。
 そして,鈴鹿市のほう,ローカルな話ですけれども,鈴鹿市としては,学校を初めとした公共施設,また道路,水道などのインフラ,これらのマネジメントの課題というもの,これまでつくってきたものをどのように維持または更新していくのかも課題です。
 これらの要因を踏まえながら,今後の財政の見通しについて,歳入面及び歳出面にどのような影響があると考えるのかお聞かせください。


○議長(森 喜代造君) 政策経営部長。

○政策経営部長(樋口幸人君)
 それでは,2点目の歳入,歳出面にどのような影響が出るのか,想定される課題について答弁申し上げます。
 まず,歳入におきまして,経常一般財源につきましては,その構成割合は市税と地方交付税との間で変化があるものの,基本的には約380億円前後で推移しておりまして,今後も同程度の規模で推移していくものと想定しております。
 しかしながら,法人市民税につきましては,本市に立地している企業にはグローバルに活動されている企業もございますことから,国際的な経済情勢が本市への収入額に影響を及ぼすことも考慮すべきところでございます。また,国からの財源保障機能である地方交付税につきましても,昨今の国の財政事情に鑑みますと,より注視していく必要があると認識しております。
 一方,歳出につきましては,先ほど申し上げましたとおり,経常経費が増加傾向にありまして,中でも義務的経費のうち扶助費につきましては,特に増加が著しい状況でございます。今後も同様の傾向にあるものと考えております。また公債費につきましても,老朽化した公共施設の維持修繕や長寿命化,またはその更新に,多大な経費が必要となるため,今後は増加に転じるものと見込んでおります。
 こういった状況ではございますが,限られた財源の中,創意工夫を重ねることなどによりまして,いかにして総合計画2023の目標を達成するかが,本市の財政運営にとっての課題であると認識しているところでございます。
 以上でございます。

○議長(森 喜代造君) 中西大輔議員。
              〔26番 中西大輔君登壇〕

○26番(中西大輔君) 
 ありがとうございます。
 経常的経費については,第2療育センターが建設されることになりますが,運営の指定管理料であったり,教育情報化推進費のほう,こちらのほうもふえてくるということが将来の増加要因として入ってきます。
 財政健全化についてお聞きしたいと思いますが,その前に資料3の映写をお願いします。
〔資料をスクリーンに示す〕
 この答弁のほうからは,経常一般財源について,大きく伸びる可能性は見込みにくく,同規模で推移するだろうということ。一方で,支出の経常的経費の増加傾向は続くだろうと予想され,その中で学校などの改修の課題についても,増加の可能性が高くなるということだったと理解します。
 では,このような状況の中,収入である経常一般財源に対して,支出である経常経費充当一般財源分が上回る状況になった場合,資料で言うと,緑のグラフが青や赤のグラフを超えて上回ってしまう,入れかわってしまう状況ですが,そのようになったとき,どのような対応が必要になると想定されるのか,お聞かせください。

                〔資料の提示を終了〕

○議長(森 喜代造君) 政策経営部長。

○政策経営部長(樋口幸人君) それでは,再度の御質問に答弁申し上げます。
 平成29年度では,経常経費に充当される経常一般財源が約359億4,000万円であるのに対しまして,経常一般財源の総額が約382億5,000万円でございますので,約23億円が臨時的,政策的な経費に充当されております。今後も経常経費が増加し続ける場合は,臨時的,政策的な経費にも充当可能な額が減少していくことになりまして,政策的事業の進め方などについて,見直しが必要になるものと考えております。
 そのため,今まで以上に,より一層の財源確保に努めるとともに,さらなる歳出の削減に取り組む必要があると認識しているところでございますので,御理解いただきますようお願いを申し上げます。

○議長(森 喜代造君) 中西大輔議員。
              〔26番 中西大輔君登壇〕

○26番(中西大輔君)
 ありがとうございます。
 一般財源というのは学校の改修などにも使われますから,本当にこの金額というのは非常に大事なところだということです。このことをやはり,しっかり押さえていかないといけないと思います。
 そこで,そのために,財政健全化ということはどうなっているのかということをお聞きしたいと思うのですが,施政方針演説の中では,自主財源の確保も含め,新たな財源の確保と,めり張りのある予算編成を行うなどして財政の健全化にも引き続き取り組むとありました。しかし,ここまでの議論から考えて,鈴鹿市は経常経費の抜本的な見直しに取り組む必要があるのではないでしょうか。
 行財政改革がうまく進んでいないと見受けられる事案があるというふうに思います。鈴鹿市は財政健全化,行財政改革について,これからどのように取り組んでいくのか,重点的に取り組むことは何か,経常経費の縮減,削減に向けて,どのような取り組みを考えているのかお聞かせ下さい。


○議長(森 喜代造君) 政策経営部長。

○政策経営部長(樋口幸人君)
 それでは,財政健全化の取り組みにつきまして,答弁申し上げます。
 経常経費が増加する中,今後は,現にある政策課題を解決するために必要な新しいことに取り組む財源予算が必要になります。
 本市におきましては,現在,総合計画2023において,総合的な行政経営システムの構築を目指した行政経営の効率化と,計画体系の総合化に取り組んでいるところでございます。

 まず,行政経営の効率化でございますが,総合計画2023では,上位から基本構想,基本計画,実行計画の3層構造を構成し,第2層の基本計画と,第3層の実行計画のいわゆる事務事業につきましては,それぞれ成果指標と活動指標を設け,毎年度,事業終了後に行う行政評価の中で,全ての事業の検証作業を実施するとともに,政策協議となるシーズンレビューにおきましては,基本計画と事務事業の密接なつながりを認識させることで,気づきから,考えるといった,検証から改善へのPDCAプロセスの意識づけを行い,成果を求める行政経営に取り組んでいるところでございます。
 次に,個別計画を総合計画2023に整合させる,計画体系の総合化でございますが,行財政改革大綱もその1つでございます。現在の行財政改革大綱につきましては,総合計画とは別に定め,持続可能な行政経営の実現という目的のもと,行政サービスの見直しなど,個別の課題に対応しているところではございますが,先ほど申し上げました総合計画2023の行政評価の中でも,行財政改革の視点で検証を行っております。

 昨今,他の自治体におきましても,行財政改革大綱を総合計画に統一化する動きが進められておりまして,本市におきましても,総合計画2023の後期基本計画の策定の中で,同様に大綱と総合計画を統一化した上で,さらなる財政の健全化と,業務の効率化を通した,市民サービスの維持・向上を図ってまいりたいと考えております。
 また,これまでの800を超える事務事業等の検証作業におきましては,何かを廃止してから新しいことを始めるスクラップ・アンド・ビルドの観点で,全庁的にアプローチをしてまいりました。しかし今後は,さらに一歩進めた新しいこと,やるべきことに取り組む上での財源捻出のため,現行の事務事業の廃止を前提としたビルド・アンド・スクラップの考え方を,全庁的に意識づけしてまいります。
 今後の限られた財源の中での行政経営においては,新たな財源の確保や,歳出の削減に厳しい姿勢で取り組むこと,場合によっては,事業の廃止に取り組むことによって,すべきことをできるようにすることが必要でございます。
 しかし,財政健全化自体が目的にならないよう,行政評価,行財政改革,人事評価,予算編成等の個々の取り組みを連携させたトータルマネジメントシステムの中で進めてまいりますので,御理解いただきますようお願いを申し上げます。

○議長(森 喜代造君) 中西大輔議員。
              〔26番 中西大輔君登壇〕

○26番(中西大輔君)
 取り組みの方向は大体わかりました。今後,ビルド・アンド・スクラップのスクラップの部分に取り組むに当たって,やはり内部の評価や活動だけではなくて,例えば,構想日本の事業仕分けなどがそうなのですが,外部の評価や視点を取り入れていただくことを意見,提案しておきます。
 このような厳しい財政状況に向き合うには,一人でも多くの市民の方が市の財政課題の情報を得て,全ての事業に対する行財政改革の取り組みについて,ビルド・アンド・スクラップの意識を共有し,考えていただくことが必要だと思います。積み上げるばかりではなくて,積み上げるためには何かを減らしていく,このことも必要だという意識を持っていただくということです。
 そのために以前から訴えていますが,やはり何といっても若い世代です。中高生を初めとした若年層にもわかりやすい情報提供,これは色をつけない情報提供ではありません。淡々と書くわけじゃありません。危機というのであれば,短期ではなく,中長期的な視点も含めて,その部分をしっかり伝える内容で行うべきと考えますがいかがでしょうか。
 あわせて,埼玉県和光市では,和光市健全な財政運営に関する条例が制定され,運用されていますし,滋賀県湖南市で,2017年に否決とはなりましたが,湖南市社会保障の充実と財源確保を一体的に図るための改革の推進に関する条例案が提出される動きがありました。これら2つとも,それぞれの市長さんがしっかりと動かれてということになりますが,このように市の行政側から,財政に対する規律の考えを市民の皆さんと共有することがあってよいのではないでしょうか。厳しい財政にどう取り組んでいくのか,考えをお聞きしたいと思います。


○議長(森 喜代造君) 政策経営部長。

○政策経営部長(樋口幸人君)
 それでは,厳しい財政にどう取り組んでいくかにつきまして,答弁申し上げます。
 今後の財政健全化に向けての取り組みの中では,行政経営の意識を持ち,ビルド・アンド・スクラップの考え方を取り入れてまいりたいと考えておりますが,行政経営に参画する全ての方に,その意識を持っていただくためには,本市の財政状況について正しく理解していただく必要があると考えております。
 また,今後,後期基本計画を策定していく上でも,中長期的な財政見通しをお示しすることが必要になるものと考えておりまして,将来を担う若い世代を初めとした,幅広い世代の市民の皆様に,財政見通しをごらんいただくことにより,共通の認識として捉えていただくことが重要と考えております。
 その結果,将来世代の方々のために今後も継続して行っていくべきもの,今やめるべきもの,また地域の方々と市が協働して取り組むもの,今後は地域の方々が主体となって取り組んでいただくもの,こういった視点をもちましてPDCAプロセスを繰り返すことが,将来の市民サービスを低下させないことにつながるものと考えております。
 健全な財政運営に対する規律を条例等で定めることも,行政の経営理念を明確にする上で有効な手段の1つと考えますが,まずは現状の財政状況に対しまして,職員は当然のことながら,市民の皆様にも正しく認識していただき,どのようなまちづくりを行うべきかをともに考えることが重要でございます。
 その上で,厳しい財政状況に対しましては,さきに申し上げましたトータルマネジメントシステムの推進によりまして,健全な財政運営に努めてまいりますので,御理解いただきますようお願いを申し上げます。

○議長(森 喜代造君) 中西大輔議員。
              〔26番 中西大輔君登壇〕
○26番(中西大輔君)
 ありがとうございます。
 ぜひ,取り組みのときに気をつけていただきたいのが,百分率,パーセントでされるときがあるんですけれども,やはり実際の金額の数字でやっていただくことが大事かなと。百分率は,どうしても,もとの数が大きくなると中の割合が下がってしまったりする場合があるので,それではなくて金額ベースでやっていただくようにお願いしたいと思います。
 それと15日に,実は,子ども支援学研究会というところに行きまして,そこで地域・市民社会における子ども支援というテーマで勉強会があったんですけれども,そこの中で,子供の声を聞くということについて,弱い存在としてではなく,市民としての担い手なんだということを,本当に私たちが思っているかどうかという意見がありました。全ての政策に言えることとは思いますが,将来の担い手ということを考えて,真剣に取り組んでいただきたいと思います。