2019年 6月(一般質問)
@「投票率の向上について」

 (1) 現状について
 (2) 投票率低下の要因は
 (3) 投票率の向上に向けて

○26番(中西大輔君) 
 それでは,続いて2つ目の質問のほうに移ります。
 2つ目の質問は投票率の向上ということになります。
 こちら,6月5日の中日新聞朝刊に掲載された記事のほうになります。さきの統一地方選挙の投票率についてのものになっています。見出しのほうは,高齢者の方々が市議選に積極的ということになっておりますが,皆さんはこの記事をどのように読まれたでしようか。

 資料6を映写してください。
〔資料をスクリーンに示す〕
 こちらは鈴鹿市選挙管理委員会からいただいた資料から作成したものです。
 鈴鹿市議会議員選挙の投票率についてですが,平成3年に75.12%だったものが,それ以降は右肩下がりで減少し,ことしの統一地方選挙では,市議会議員選挙の全世代投票率というものは,47.19%になっています。このように,投票者数が有権者の5割を切っているという状態というのは,税全体の使い道を考えても課題があるのではないでしょうか。

 資料7を映写してください。
〔資料をスクリーンに示す〕
 こちらも,選挙管理委員会からの資料からですが,今回の市議会議員選挙における年代別の投票者数と投票率について,男性と女性,そして合計をまとめたものになっています。この資料から見えること,一番大きなことは何かといえば,40代以下の世代全てで,世代全体の投票率の47.19%を下回ってしまっているということです。その部分は非常に大きな課題ではないかと考えるところです。
 また,80代と90代の方々の投票率が低くなっているのですが,その理由については,投票所までの移動の課題があるのではないかということが推測されます。
                〔資料の提示を終了〕
 このような投票率の現状について,どのような分析をされているのか,また投票率の低下の要因をどのように分析されているのか,選挙に関して有権者1人当たりの投入税額もあわせてお聞きしたいと思います。


○議長(森 喜代造君) 選挙管理委員会事務局長。
          〔選挙管理委員会事務局長 鈴木昌彦君登壇〕
○選挙管理委員会事務局長(鈴木昌彦君)
 それでは,投票率の向上についての1点目,現状についての御質問に答弁申し上げます。
 まずは,本年4月に執行されました統一地方選挙における投票率についてでございますが,4月7日に執行されました三重県知事選挙が49.22%,三重県議会議員選挙が48.99%という結果でございました。4年前に行われました三重県知事選挙が52.36%,三重県議会議員選挙が52.19%でございましたので,三重県知事選挙で3.14ポイント,三重県議会議員選挙で3.2ポイント,いずれも低下しているという結果でございました。
 また,4月21日に執行されました鈴鹿市議会議員選挙につきましては,47.19%でございまして,こちらも4年前の54.57%と比べまして,7.38ポイント低下しているという結果でございました。
 次に,年齢別,性別での投票率についてでございますが,三重県知事選挙,三重県議会議員選挙,鈴鹿市議会議員選挙の3つの選挙によって,数値はそれぞれ異なりますが,共通して言えることといたしましては,20歳代が最も低い投票率となっており,70歳代までは,年齢が高くなるにつれて,投票率が高くなるという結果でございます。
 また,男女別の共通事項といたしましては,いずれの選挙も女性のほうが投票率が高く,年代別に見ましても18歳から60歳代までは,女性のほうが高いという結果でございました。

 また,選挙に関する有権者1人当たりの投入税額でございますが,今回の統一地方選挙につきましては現在精査中でございますので,直近の平成29年に執行されました衆議院議員選挙を例に申し上げますと,国政選挙でございますので,国費で賄われておりますが,執行経費として5,305万8,962円が支出されており,当時の本市の有権者数16万158人で割りますと,有権者1人当たりの選挙費用は約331円となります。

 このような現状を踏まえまして,投票率低下の要因をどのように考えているのかということでございますが,総務省が発表しました統一地方選後半戦の平均投票率を見てみますと,全国59市で行われました市長選挙の投票率が47.5%で過去最低となり,全国283市で行われました市議選挙の投票率も45.57%ということで,最低を更新したと発表されております。
 本市の市議会議員選挙の状況につきましては,先ほど答弁いたしましたように,47.19%という結果でございまして,全国平均以上ではございますが,全国的な傾向として,地方選挙への関心の低下ぶりが示されているのかと考えております。

 いずれにいたしましても,本市の統一地方選挙におきまして,初めて50%を割ったということで,結果を重く受けとめております。また,これも全国的なことではございますが,本市の場合も20歳代の投票率が一番低いことから,若年層に対する取り組みを引き続き,継続的に行う必要があるのではないかと考えております。
 また,現在,小中学校や高等学校におきまして行っております主権者教育を継続的に行ってまいることに加えまして,20歳代の有権者の方に興味を持ってもらえるような取り組みにつきましても,積極的に実施していく必要があると考えておりますのでよろしくお願いいたします。

○議長(森 喜代造君) 中西大輔議員。
              〔26番 中西大輔君登壇〕
○26番(中西大輔君)
 ありがとうございます。
 投票率についてなんですけれども,いろいろな課題が見えると思います。女性の投票率が高いのに,なぜ女性議員の方々の割合が少ないのだろうであるとか,いろいろなことが見えてくると思いますが,そのような点というのをしっかりと分析していく必要もあるのではないでしょうか。
 また,高齢者の方々と私たちの違いということで考えると,今,1945年以前にお生まれの方ですと,ちょうど1950年に普通選挙法が制定されて,そこから選挙権というのが二十以上の全ての人になったと。それがつい最近,18歳以上に改正されたということで,それらもまた影響としてあるのではないかというふうに考えられるところです。
 そのような,いろいろなことを考え合わせて分析する必要があると思います。そして,考えなければいけないのがもう1つあって,この平成という時代に入って,実は投票率の低下が全国的に進んでいるのと同じ歩調を合わせるように,一方で,国の長期債務というのが伸び続けて,今,総額1,000兆円を超えたという状況になっています。
 そういうことからすると,お任せ民主主義というのが進んだ結果,投票率が下がっているのではないかということも考えられますので,この投票率の低下と社会の変化ということに関して,選挙管理委員会だけではなくて,地域づくりに関係する地域振興部や財政政策に関係する政策経営部などでも検討していただいてよいのではないかというふうに考えるところです。

 それでは,低下した投票率を上げるための考えについて,2つの視点からお聞きしたいと思います。
 1つ目,総合計画2023後期計画に,投票率の向上を数値目標も含めて記述していただいてはどうかということです。現状で50%を切っていますから,次回の統一地方選挙というのは,総合計画2023後期計画の後半に来ますが,そのときに最低でも60%に戻すということを目標としてはどうでしょうか。後期計画への記載についての考えをお聞きしたいと思います。

 2つ目,若い世代の社会参画の推進です。私,過去,一般質問や委員会のほうでもシチズンシップ教育であるとか,若年世代の政治参加と,いろいろなことを訴えてさせていただきました。今回,新聞記事のほうでも,さきの答弁でも,20代を中心とした若い世代に,いかに政治に参加してもらうかが課題とありますので,具体的にどのようなことを考えているのかお聞きしたいと思います。

 働きかけについて,模擬投票だけではなく,実際に市政に参画する経験をどうふやすのかが問われています。鈴鹿市議会でも昨年,高校生報告会,ティーンズミーティングを実施したところで,この取り組みの意義というのは,多くの議員の昨年経験された方々が感じられているところではないかというふうに考えます。市政を身近にする取り組みというのは幾つか考えられます。例えば,学校教育の現場,中学校の社会や総合的な学習の時間に,私たち市議会議員と一緒に,身近な市政に関する教育を進めてはどうかということがあります。
 総合計画2023後期計画策定と,公共施設マネジメントにおいても,若い世代の参画を提案してきておりますが,このような機会をふやしていくということが鈴鹿市には必要ではないでしょうか。そして身近な政治,市政を自分事として考えること,考えられるようにすることは,地域づくりも含めた鈴鹿市の課題と考えるところです。
 若い世代への働きかけについて,どのような考えをお持ちなのかお聞きしたいと思います。あわせて,以前にもお聞きしましたが,全ての世帯に配布されているわけではない選挙公報の改善についても考えをお聞きしたいと思います。


○議長(森 喜代造君) 選挙管理委員会事務局長。

○選挙管理委員会事務局長(鈴木昌彦君)
 それでは,投票率の向上に向けての御質問に答弁申し上げます。
 まずは,総合計画2023の後期計画に,投票率の向上を数値目標も含めて記述してはとの御提案についてでございますが,本市におきましては,本年度は後期基本計画の策定年度となっております。後期基本計画の策定に当たりましては,選挙管理委員会事務局といたしましても,前期の実行計画の検証をしながら,後期実行計画の改善につなげていきたいと考えております。
 具体的には,それぞれの選挙執行事務を実施するに当たり,それぞれの選挙の投票率を数値目標として捉えることにつきましても検討してまいりたいと考えておりますので,御理解いただきますようよろしくお願いいたします。

 続きまして,投票率向上に向けてのシチズンシップ教育の推進についての御提案についてでございますが,平成23年12月に総務省が発表しました,常時啓発事業のあり方等研究会の最終報告書の中でも,若者の選挙離れによる投票率の低下や,学校教育における政治教育が課題として捉えられており,若い世代の有権者が実際に社会の諸活動に参加し,体験することで,社会の一員としての自覚が生まれ,みずから考え,みずから判断する主権者を育成することにつながると結論づけられており,いわゆる主権者教育の重要性が述べられております。
 今後の選挙における投票率を向上させるためには,選挙管理委員会が中心となって行う常時啓発や選挙時啓発はもちろん大事なことではございますが,他の行政機関や学校現場,地域,家庭などが一体となって,政治や選挙に十分な関心を持ち,みずから考え,みずから判断する主権者の育成に努める必要があると考えておりますので,御理解,御協力いただきますようよろしくお願いいたします。

 次に,選挙公報の改善についてでございますが,本市の選挙公報の配布方法につきましては,新聞折り込みによる方法を採用しております。この新聞折り込みによる配布方法は,従前の個別郵送から改善を行い,変更した経緯がございますので,ある程度定着してきたと感じているところでございます。
 しかしながら,新聞を購読されていない方への補完策につきましては,引き続き充実を図る必要があると考えておりまして,これまでにも希望者への個別郵送や地区市民センター,公民館等の公共施設などへの備えつけなどで対応してきたところでございます。
 また,今回の市議会議員選挙につきましても,ホームページへの掲載を新聞折り込み日よりも一足早くすることにより,いち早く有権者の皆様に情報発信してきたところでございます。
 また,本年度成立しました公職選挙法の改正の中には,事務の合理化と配布の早期化を図るため,選挙公報の掲載文の電子データによる提出が可能になるなどの改善が図られております。
 今後も,できる限り早く有権者の皆様に,候補者の情報が発信できるように取り組んでまいりたいと考えておりますので,よろしくお願い申し上げます。

○議長(森 喜代造君) 中西大輔議員。
              〔26番 中西大輔君登壇〕
○26番(中西大輔君)
 ありがとうございます。
 この課題というのは選挙管理委員会だけでもないですし,1つ目のことは政策経営部になっていますけど,それだけじゃない,鈴鹿市全体の課題だとして考えていただきたいと思います。
 そして,投票率の向上については,ぜひ市長も含めて,ローカルメディア,今,記者クラブがありますが,こちらのほうにも情報発信のほうをしっかりしていただくように,いろんな財政であったりとかその辺もしっかりと取り上げていただきたいと,そのようなことを訴えていただきたいと思います。
 そのようにして情報をオープンにしていく,いろいろな課題について,それだけではなくて,賛成もあれば反対もある,慎重派もある,このような話がきちっと出ていかない限りは,市民の方々にはわからないということになりますので,そのような情報発信,ぜひともお願いしたいと思いますし,何よりも次の世代,若い世代,そこが上がってこない限りは,恐らく子育て世代,30歳以上,20代後半から40代までのここの投票率が低いことに対しても,その方々の子供の世代に働きかける動きがなければ,恐らく上がらないのではないかと考えますので,ぜひとも取り組んでいただきたいと思います。
 できれば,末松市長に最後,感想を聞かせていただければなと思いますが,いかがでしょうか,よろしくお願いいたします。


○議長(森 喜代造君) 市長。
               〔市長 末松則子君登壇〕
○市長(末松則子君)
 今回の統一地方選挙におきましての投票率は,本市でも初めて50%を切ったというような状況でありまして,この問題に対しましては,大変危惧しているところでございます。今,中西議員がおっしゃいましたとおり,しっかりと私どものほうからも情報発信をさせていただき,それぞれの若年層に向けた課題,そしてまた高齢者の皆様方も,もう少し投票のしやすい環境というものも整えていく必要があろうかと思いますので,しっかりと働きかけてまいりたいと思っております。

○議長(森 喜代造君) 中西大輔議員。
              〔26番 中西大輔君登壇〕
○26番(中西大輔君)
 ありがとうございます。
 頑張っていただくということを期待しまして,私の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。