2019年 9月(一般質問) @「探究・地域課題解決型学習の支援について」 (1) 教育委員会における探求・地域課題解決型学習の現状 (2) 市内高校との事例について (3) 高校魅力化支援について @ コンソーシアムの設置 A コーディネーターの配置 (4) 中学校区でのコンソーシアムについて ○26番(中西大輔君) 議席26番,無所属,中西大輔です。 きのう,きょうの天気なんですけれども,気候変動というふうな言葉がやっぱり現実的になってきたのかなと。こういうことをしっかり考えていかないといけないのかなということを実感したところです。また,おととい,きのうと一般質問のほう,いろいろ聞かせていただいているんですけれども,一般質問のやりとりであったりとか答弁であったりとかがこの議場の中だけになってしまっていないか,全ての質問がそうとは言いませんけれども,そのようになってしまっていないのかなということをぼんやりと考えながら聞かせていただきました。 今から私たちが向かう社会のことを考えると,人口減少であったり高齢化ということで,これからこの未来の社会に向けていろいろな選択肢があると思います。どのように選択して行動しているのかということが問われていますし,またお金の面でいえば,政策を進める上で,赤字国債が発行されていること,臨時財政対策債が発行されながら進められていること,こういうことをどう考えるのかということも課題になってくるのではないでしょうか。 それらというのは,私たちだけの課題ではなくて,これから続く世代にとっても自分事だと思います。しなやかで,したたかに,持続的な社会として鈴鹿市をつないでいくためには,多様な考えを世代を超えて議論し合えるようにするべきだというふうに考えるところです。 それでは,通告に従って,探究・地域課題解決型学習の支援についてお聞きしたいと思います。 質問の趣旨は,学校における探究型学習,地域課題解決型学習を支援する仕組みの構築と,支援する人材の配置に鈴鹿市はいち早く取り組むべきではないかということです。小学校は2020年,中学校は2021年,高校は2022年からスタートする新しい学習指導要領では,昨日,宮木議員も触れられていましたが,社会に開かれた教育課程の実現が目指されています。 資料1の映写を。 〔資料をスクリーンに示す〕 こちら,その部分を文部科学省ホームページから引用したものです。この内容については,よりよい学校教育を通じてよりよい社会をつくるという目標を学校と社会が共有し,それぞれの学校において,必要な教育内容をどのように学び,どのような資質・能力を身につけられるようにするのかを明確にしながら,社会との連携・協働によりその実現を図っていくものです。 そのときに,主体的,対話的で深い学びのアクティブラーニングの観点からの授業改善があり,その手法として探究型学習や地域課題解決型学習があります。つまり重要な要素ということです。 〔資料の提示を終了〕 探究型学習とは,与えられた課題に対して,生徒が情報収集,情報の整理・分析,結論のまとめとプレゼンテーションをみずから主体的に行うことで,課題解決に必要な思考力,判断力,表現力などを養う学習方法です。情報収集の場面では,教材や文献などの資料を用いるだけではなく,フィールドワークや観察,実験なども行われます。 地域課題解決型学習について,課題解決型学習は,問題解決型学習(プロジェクト・ベースド・ラーニング),いわゆるPBLと同じ意味で,生徒の受動的な学習ではなく,みずから問題を発見し,解決する能力を養うことを目的とした教育方法のことを指しています。 このような学習を実践する中で,地域での学びや探究する学びを通じて多様な大人とコミュニケーションをとることは,多様な価値観や考えに触れることにもつながり,生徒のキャリア形成にもプラスになるでしょうし,かかわる大人,地域も変容していくことが期待できます。 また,平成28年からことしまでを計画期間とした鈴鹿市教育振興基本計画の中で掲げられている,めざす子どもの姿「自己実現と人との協働により,豊かな未来を創る力を備えた鈴鹿の子ども」と,基本理念「鈴鹿を愛し,子どもの学びと安全・安心を支え,絆で育む鈴鹿の教育」,それらの実現にも大きな意義があります。 過去の私の質問をちょっと振り返りたいと思います。 2009年3月の質問で,よかれと思う社会を構想し,それをつくり,運営し,その社会をさらにいいものに変えていく力としての社会力という言葉を取り上げました。社会にかかわっていこうとする意欲,社会を担っていくという意識,いろいろな人たちとそれに取り組んでいこうとする意欲,つまり鈴鹿市のこと,社会のことを自分事として考え,参画し行動する意識,これらにつなげるための学力を向上することは,鈴鹿市にとって重要なことと訴えました。 2015年9月のシチズンシップ教育では,岐阜県可児高校の事例を取り上げました。このときは,高校生と地域の大人が参画し,ワークショップで地域課題解決について考えていく,それを教員主導ではなく,地域の大人も参加して進めることを念頭に,身近な地域に愛着を持ち,大学進学など高等教育を経ても,自分のまちのために活動する気持ちを育成するには,小学校,中学校,高校の連携が重要になると考え,高校との連携,地域社会との連携のコーディネートについて,教育委員会の考えをお聞きしました。 このとき,豊富な知識・経験を持つ社会人等の外部人材の協力を得て学習を進めることは,児童生徒にとって,人との出会いにより社会的な視野が広がり,社会参加や自分の将来の展望を持つきっかけになると考えている。学校運営協議会の活動が,地域の活性化につながるのではないかと答弁にありました。 2017年12月の子供・若者の参加の推進についてでは,大正大学の浦崎太郎先生と,鯖江市JK課の生徒さんの話を取り上げました。浦崎先生の話から,地域が新たな知識の生産,課題解決力や価値創造力を持っていなければ,地域がどんどん寂れていくということ,JK課の生徒さんの話からは,地域で活動した経験から,また地域に戻りたいと言える子をふやすことが大切ということを質問で訴えました。 このように過去の質問で,学校と地域の連携と,地域課題解決型学習の有用性を取り上げてきたところです。また,ことし6月24日,岐阜協立大学で開催された「高校と地域の連携で拓く岐阜県の未来〜今,何故「地域で探究」なのか」に参加し,浦崎先生のお話を改めてお聞きして,探究・地域課題解決型学習は,鈴鹿市にとってさらに充実するべき課題と思いを新たにしたところです。 そこで,鈴鹿市教育委員会では,探究型や地域課題解決型学習をどのように考えているのか,また調べ学習なども含めてどのような取り組みが進められてきているのかをお聞かせください。 ○議長(森 喜代造君) 教育長。 〔教育長 中道公子君登壇〕 ○教育長(中道公子君) それでは,中西議員御質問の探究・地域課題解決型学習の現状についてのうち,1番目の教育委員会における探究・地域課題解決型学習の現状について答弁申し上げます。 鈴鹿市教育振興基本計画におきましては,「鈴鹿を愛し,子どもの学びと安全・安心を支え,絆で育む鈴鹿の教育」を基本理念として掲げており,子供たちが郷土の豊かな自然や文化・歴史・産業等について学習を深めることで,改めて鈴鹿の魅力に気づき,地域のために貢献しようとする態度の育成を目指し,これまで取り組みを進めてまいりました。 子供たちが地域社会への理解を深め,その一員として生活していることへの自覚を促すことは,今後のみずからの生き方や社会とのかかわり方を見詰める貴重な機会となりますことから,地域に関する探究的な学習や,地域課題を扱った解決型の学習は,子供たちの発達段階に応じたキャリア形成を進める上で重要なものと考えております。 そこで,教育委員会事務局といたしましては,これまで,子供たちが学校という枠を超えて,社会や地域とかかわりを持った学習を進めるに当たり,地域の皆様の御支援をいただいてまいりました。 例えば,ロータリークラブの御協力を得て取り組んでおります,中学生を対象としたおしごと先生の実施や,鈴鹿に在住するその道の達人を講師としたすずか夢工房事業,地域ボランティアの御協力により実施している小学校における地域探検学習等がございます。 また,子ども議会・子ども会議におきましては,子供議員として参加した児童生徒が日常生活や身近な社会に目を向け,そこにある具体的な問題に気づくとともに,課題解決を提言したりする過程を通して情報の収集,整理,分析,発信という探究的な学びが実現され,主体的にまちづくりに参加する態度を育むことにつながっていると考えております。 さらに近年では,鈴鹿商工会議所の御提案により中学生企業見学会を実施しておりますが,子供たちにとって,地域産業を支える企業への訪問を通して,ものづくりの視点から鈴鹿市の魅力や価値について改めて気づき,発信する機会となっております。なお,企業見学会は3年目を迎えており,これまでに本田技研工業鈴鹿製作所,AGF鈴鹿株式会社,旭化成製造統括本部鈴鹿製造所を訪問させていただきました。また,学習教材といたしましては,鈴鹿の自然や伝統,産業等を扱った小学校社会科副読本のびゆく鈴鹿市を3・4年生に配付しております。 一方,各学校におきましては,地域にある教育資源を効果的に活用して,地域の実情,現状に触れる探究的な学習や課題解決学習につなげております。その一例でございますが,地域にあるごみ集積所の実態を調査し,地元の自治会長とともにごみの減量に向けて話し合いを進めるという取り組みがございました。 議員御指摘のとおり,来年度より小学校,中学校で順次全面実施となります新学習指導要領におきましては,よりよい学校教育を通じてよりよい社会をつくるという目標を共有し,社会と連携・協働しながら未来のつくり手となるために必要な資質・能力を育む「社会に開かれた教育課程」の実現が求められております。また,その理念を踏まえ,教育活動の実施に当たりましては,家庭や地域の人々の積極的な協力を得て,子供たちにとって大切な学習の場となる地域の教育資源を一層活用していく旨も新学習指導要領に示されております。 このことからも,教育委員会事務局といたしましては,今後も地域や関係団体の皆様と連携し,御支援をいただきながら,子供たちが社会とのかかわり方を見詰め,みずからのキャリアを発達段階に応じて形成できるよう教育活動を進めてまいりますので,御理解くださいますようよろしくお願いいたします。 以上でございます。 ○議長(森 喜代造君) 中西大輔議員。 〔26番 中西大輔君登壇〕 ○26番(中西大輔君) 今までの取り組みの説明,ありがとうございます。キャリアパスポートの導入なんていう話も聞こえてきています。今までの取り組みをさらに力を入れていただければなというふうに感じたところです。 それでは,次の項目なんですけれども,こちらは県政だよりみえ8月号です。特集1で「若者を地域で育てる」というテーマになっていまして,県立高校の取り組みとして,地域課題解決型キャリア教育モデル構築事業というのが紹介されています。 地域課題解決型キャリア教育モデル構築事業というのは,高校生がこれからの社会や地域をつくっていく力を身につけるため,学校の中だけでなく地域を学び場として地域の魅力や課題などについて実体験を通じて学び,地域のためにどんな解決策があるのか,自分たちに何ができるのかを考える教育モデルをつくる事業となっていて,ことし6月ですが,キックオフ集会として,地域みらいPBL会議というのが開催されています。 パイロット事業が行われているのは学級数が少ない高校で,なおかつ人口減少の進む地域の県立高校9校10校舎で行われています。白山,飯南,鳥羽,志摩,紀南,昴学園,あけぼの学園,南伊勢高校南勢校舎・度会校舎,それと水産高校というところで取り組まれています。ちなみにさきに御紹介させていただいた浦崎太郎先生は,県の地域課題解決型キャリア教育推進委員会の委員に就任されています。 同様の事業というのは全国的にも行われていて,島根県では県がやっているということではなくて,こういう教育を推進しようということで市町が取り組んでいるという事例があります。海士町が有名な事例かなと思います。長野県飯田市では,地域人教育として飯田OIDE長姫高校で取り組まれている事例などがあります。 また,今回,市内の話ですから市内の高校,神戸高校,飯野高校,白子高校でお話を伺う機会があったのですが,それぞれの高校でも探究型もしくは地域課題解決型学習の取り組みの考えがあるということをお聞きしました。 このような動きがある中で,鈴鹿市として市内高校との連携で具体的な事例があればお聞きしたいと思います。お願いします。 ○議長(森 喜代造君) 政策経営部長。 ○政策経営部長(樋口幸人君) それでは,探究・地域課題解決型学習の支援についての御質問のうち,市内高等学校との連携について答弁申し上げます。 現在,本市では,三重県立神戸高等学校が,総合的な学習の時間における探究活動として実施されております,鈴鹿学の授業について協力,連携を始めたところでございます。神戸高等学校におきましては,本年度から普通科第2学年の約240名の生徒を対象に,3つの目標を掲げて探究・地域課題解決型学習に取り組んでいます。 1つ目は,鈴鹿市について理解し,鈴鹿市をよりよくするための課題を生徒みずからが発見すること,2つ目は,課題解決に向けてグループで議論し,整理・分析していく中で課題解決能力を育てること,3つ目は,グループでの探究活動をまとめ,工夫して発表することでプレゼンテーション能力を育てることを目標に,鈴鈴鹿学の取り組みを進めるとのことでございます。 今回の同校の探究活動の流れとしては,まず,鈴鹿市という身近な地域を題材にみずからが課題を見つけ,その後,解決につながる方策を考えるプロセスにおきまして,課題解決能力や主体性,対話能力といったものを養うことを目指していくとのことでございます。 このように,市内の高校生が,みずから住んでいる,あるいは生活に深くかかわる地域について主体的に学び,高校生という若い年代から地域の振興のために学習する意欲を持ち,そのための能力を養っていくことは,本市の活性化を図っていく上においても意義があることと考えております。 このようなことを踏まえ,昨年,同校からの本学習活動に対する協力要請に対しまして必要な支援を行うこととし,本市の概要や情勢をオリエンテーションの場において説明したほか,探究学習活動の過程において生じる情報収集活動への協力も行っております。今後は,生徒たちがさらに情報収集活動を進め,課題解決に向けた整理・分析を行い,一定の解決策を見出していくことと伺っております。 今後も,高校生世代の若い市民が,市に愛着と関心を持ち,市を支える人材に育つような取り組みにつながればと考えておりますので,可能な範囲で連携してまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(森 喜代造君) 中西大輔議員。 〔26番 中西大輔君登壇〕 ○26番(中西大輔君) 状況はわかりました。神戸高校さんと今始めたところで,これからどうしていくのかというのは課題になるところだと思います。 ということで,少し遠回りになりましたが本題のところに入っていきたいと思います。高校魅力化の支援ということを取り上げさせていただいておりますが,この言葉は別に変わったことではなくて,最近よく言われている言葉になっています。そこでは,コンソーシアムの設置とコーディネーターの配置ということが書かれておりまして,これをぜひとも鈴鹿市で実現していただきたい,しようじゃありませんかということが,この質問の本題となります。 新高等学校学習指導要領のポイントで,主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善というのがありまして,そこでは,選挙権年齢が18歳以上に引き下げられ,社会で求められる資質・能力を全ての生徒に育み,生涯にわたって探究を深める未来のつくり手として送り出していくことがこれまで以上に求められる。そのため,主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善が必要。特に,生徒が各教科・科目等の特質に応じた見方・考え方を働かせながら,知識を相互に関連づけてより深く理解したり,情報を精査して考えを形成したり,問題を見出して解決策を考えたり,思いや考えをもとに創造したりすることに向かう過程を重視した学習の充実が必要とあります。 資料2を映写してください。 〔資料をスクリーンに示す〕 こちらですが,内閣官房ホームページから引用させていただきました,まち・ひと・しごと創生基本方針2019の中の一部です。少し字が小さくて申しわけありませんが,ここでは,地域の将来を支える人材育成のための高校改革が提示されています。 この中では,探究型または地域課題解決型学習に関する部分として,地元を知るというところで,ふるさと教育など地域課題の解決を通じた探究的な学びを実現というのがありまして,その次のところ,地域と協働すると挙げられ,地域の協働体制を構築して,広く関係者が一体となってかかわるコンソーシアムの設置と,高校と地域をつなぐコーディネーターの検討が挙げられています。この部分,まだ動き始めと言えるところなのですが,市内高校魅力化のために,ぜひとも鈴鹿市で取り組んでいただきたいというところなんです。 この資料の一番下,地方を知る,地域留学の推進というのがあるんですけれども,こちらのほうは,首都圏のほうからとか,そういうふうなものを,もっと地方の高校のほうに進学してもらっていいんじゃないか,そういうふうな考え方が示されているわけです。 資料3の映写を。 〔資料をスクリーンに示す〕 こちら文部科学省ホームページから引用の,地域との協働による高等学校教育改革の取り組みイメージです。 それでは,コンソーシアムとは何かということなんですけれども,これもちょっと字が小さいので言葉のほうで説明させていただきますと,コンソーシアムとは,高校生が地域で学ぶ受け皿としての存在です。中央の図にそのイメージがあるのですが,ここに書かれていることは,高校生と地域課題のマッチングを効果的に行う仕組みとしてあるということです。コンソーシアムでは,身につけるべき資質・能力の共有や教育プログラムの開発,学校と地域をつなぐコーディネーターを指定するなどが期待されています。 この図では,コンソーシアムを構成するメンバーとして首長・教育委員会・議会も含めた市町村,地域NPO,産業界,大学など高等教育機関,公民館などの社会教育機関,小中学校などが挙げられ,このように多様な関係者が集まり,高校における探究型学習や地域課題解決型学習を支援することが考えられています。 コーディネーターの部分,資料の右下の部分になるのですが,いろいろ書かれておりますが,求められていることは,高校と市町村などとの協働体制の構築や,学校や地域とのマッチングの実施ということを期待されているというものがコーディネーターです。 〔資料の提示を終了〕 まち・ひと・しごと創生本部の人材・組織の育成及び関係人口に関する検討会の中間報告の中に,高等学校は多くの場合が都道府県により設置・運営がなされているが,地域に必要な人材を育成する観点からは,高等学校の所在する市町村が学校運営の重要な意思決定にかかわることが重要であると記述されています。 三重県の取り組みと考えについても,県教育委員会教育政策課で話をお伺いしました。コンソーシアムについては,高校側が使いやすい状態にして活用してもらうような形になるのではないか。来年策定の県教育ビジョンの中でも,新しい探究的な学びは小中高問わず進めることが書き込まれるだろう。一方で,そのために大々的に予算をつけることは難しい。今の事業の間に費用対効果などを出してモデルをつくり,それを横展開できるようにして,あとは市町と地元の県立高校とのつながりをよくして,お互いで使ってもらえるように促すことになるだろうかと考えているとおっしゃっていました。県がどう動くかはこれからの部分でありますが,自治体としての鈴鹿市の考え,判断が問われているのは間違いないでしょう。 このように動き始めている高校魅力化支援,高校と地域連携のためのコンソーシアムの設置,コーディネーターの配置について,鈴鹿市としてどのように検討できるのか,現在の考え方をお聞きしたいと思います。 ○議長(森 喜代造君) 政策経営部参事。 ○政策経営部参事(中村昭宏君) それでは,高校魅力化支援に関する御質問について答弁申し上げます。 議員の御質問にもございましたが,地方創生を推進していく観点から,高校改革として地域課題の解決を通じた探究的な学びを実現し,地域を支える人材を育成していくことが,国のまち・ひと・しごと創生総合戦略策定に関する基本方針2019の中におきましても示されております。 このように,国は,2020年度から始まる第2期のまち・ひと・しごと創生総合戦略における各分野の主な取り組みの1つとして高等学校,大学等における人材育成を位置づけております。御紹介いただきました地域の将来を支える人材育成のための高校改革につきましては,その取り組みの方向性を具体的に示したものでございます。 本市におきましても,本年度,第2期鈴鹿市まち・ひと・しごと創生総合戦略を策定いたしますことから,高等学校における探究活動に対しての支援を初め,若い世代の参画に係る取り組みの重要性につきましては,認識しているところでございます。特に,若い世代が,早い段階から地域に関心を持って,考え,行動することは,定住促進につながることや,仮に地域から離れたとしても何らかの形で育った地域とのかかわりを持ち続ける,いわゆる関係人口の増加にもつながることも考えられます。 御紹介いただきました国の資料では,高等学校を取り巻く地域のイメージとして,市町村を初め,大学と小中学校,産業界,地域NPO,社会教育機関といった非常に多様な主体が例示されておりました。高等学校をこのように将来の地域を担う人材育成の中心の場と捉えて,高校生が主体的に学び,新しい価値を創造する取り組みを地域と協働で推進していくためには,地域で実践される探究的な学びの活動に対して,ともに考え,支えていく仕組みとして,さまざまな関係者が主体的にかかわることが不可欠であります。 御質問のコンソーシアムの形成につきましては,さまざまな関係機関が積極的に交流し,高校生と地域課題との効果的なマッチングを図ることで,柔軟な発想による新たな課題解決に向けた具体的な取り組みが展開され,その結果,地域の活力向上を目指していくものでございます。コンソーシアムとして関係者が有機的に結びつく一体的な仕組みを構築し,それらの取り組みを有効に機能させていくためには,かかわる主体が当事者意識を持って参画する関係性が重要でございます。 このため,十分な意思疎通や相互理解を深めていくための意識の醸成や,それぞれの能力向上などが課題になってくると考えます。現在,このような枠組みがなく,新たに設置していく場合は,それぞれの主体間の連携を促進するための高い力量を備えた人材の確保も課題になります。 これらの課題への対応も踏まえつつ,まずは地域の関係者間で目指す方向性をしっかりと共有することが必要になると考えられますし,このほかにも,若い世代の市政への参画についてはさまざまな手法があることから,関係団体との調整も図りながら,本市に合った地域活性化の方策を考えてまいりたいと存じます。その中で,将来を支える人材の育成と地方創生の両面から考え,仕組み構築の可能性について調査研究してまいりたいと存じますので,御理解賜りますようお願い申し上げます。 ○議長(森 喜代造君) 中西大輔議員。 〔26番 中西大輔君登壇〕 ○26番(中西大輔君) ありがとうございます。いきなりというのは難しいというのはわかっているところです。市内には6つの高校がありますから,今この取り組みは,基本的には高校にコーディネーター1人というような形でやっているんですけれども,それも難しいのはわかっています。ただ,今答弁の中にもありましたように,こういうふうな難しい課題ですけれども,いろいろな主体の人と話し合っていくこと,こういうことを表に出しながらやっていくというのは非常に重要なことかなと思います。 先ほど岐阜のことを紹介させていただきましたが,岐阜県の職員さんが,こういうことが必要だということで,自分で勉強会を主催されている事例もあります。そういうことも考えながら,検討であったり調査,前に進めていくようにやっていただければなと思います。 それで,このような高校魅力化支援のコンソーシアムの設置ということから身近な教育の部分を考えると,市内の各中学校区でも,このようなコンソーシアムのような仕組みを設置してはどうかと思うところなんです。現在,コミュニティ・スクール,学校運営協議会という形で,いろんな地域の方とのつながりであったり,それを通じた学びの機会をつくっているということは,理解させていただいているところです。 今回お伺いしたいのは,そこに加えて,地域課題解決型キャリア教育支援のためのコンソーシアムを設置して,学校運営協議会と連携する形を検討してもらってはどうかということです。このようなコンソーシアムのようなものが各中学校にあれば,市内各地の中学校で探究型や地域課題解決型学習を進める際に,地域をまたいだ連携もとりやすいのではないかというふうに考えます。 このように,中学校でコンソーシアムのようなものが設置されれば,また先ほど言いました高校を支援するためのコンソーシアムと連携する複層的な形で,地域課題解決型学習の支援体制も構築できるのではないかと考えるところです。教育委員会の考え方をお聞きしたいと思います。 ○議長(森 喜代造君) 教育委員会事務局参事。 ○教育委員会事務局参事(木村元彦君) それでは,中西議員御質問の4番目,中学校区でのコンソーシアムについて答弁申し上げます。 現在,各中学校におきまして,中学校区の枠を超えて地域の外部人材と連携したキャリア教育を推進するための取り組みの1つとしまして,先ほど説明いたしました,すずか夢工房事業を実施しております。この事業では,教育委員会事務局が窓口となり,学校と講師をつなぎ,各校へ希望する講師を派遣できるようコーディネーター的機能を担っております。 中学校へのコンソーシアム設置の趣旨につきましては,議員御提案のとおり,地域を超えた連携を進めることで,各中学校区にある教育資源や,各教職員がつながりのある外部人材の情報等を,市内中学校で共有することにもつながりますことから,意義あることと捉えております。 例えば,職場体験学習におきましては,現在は中学校区にある企業や商店など身近な事業所の御協力を得て,体験学習を進めているところではございますが,これらの事業所を選定するに当たり,各中学校では,担当者が,これまで受け入れていただいた協力事業所や,担当者自身のネットワーク,またはPTAを通して,受け入れについての依頼を行っているところでございます。 また,地域の事業所による出前授業につきましても,職場体験学習と同様に,実施校が事業所の御協力を得て行っているところでございます。 その上で,学校間の連携を密にすることにより,各校がそれぞれに持っております企業・事業所の情報や,出前事業・事業所PRポスターの作成等,各校の特色ある取り組みを市内全体で共有することができますことから,各校における職場体験学習の教育的効果が,さらに深まるものと考えられます。 そこで,教育委員会事務局といたしましては,各中学校に既に位置づけられておりますキャリア教育の推進担当者が,学校の枠を超えて互いに情報交換できるよう,事務局側からの情報発信や担当者会議開催等の工夫について検討してまいります。キャリア教育の中に,学校間のネットワーク促進という視点も含めながら,取り組みの質的充実を図ることで,これまで以上に,子供たちが自分の生き方や社会とのかかわり方を見詰めるための学びの機会を提供してまいりたいとを考えておりますので,御理解いただきますようお願い申し上げます。 以上でございます。 ○議長(森 喜代造君) 中西大輔議員。 〔26番 中西大輔君登壇〕 ○26番(中西大輔君) ありがとうございます。今の取り組みをぜひ充実して,鈴鹿市の小中学校でこのような教育が充実していると,子供たちの学習効果が高いというふうになってくると,このまちに住もうかなと思う人もふえるかもしれません。ですから,ぜひとも充実させていただきたいなというところですので,より深めていっていただければなと思います。 ただ,先ほど少しだけ言いましたけれども,この探究型・地域課題解決型学習を進めるときに,それをコーディネートする人材の存在というのは非常に重要になってきます。また,アドバイスをしてもらえるアドバイザーの方の存在も重要になってきます。ただ,これから進んでいく中では,よりよい人材,その方々に声をかけるためには,当然ながら早い段階で協力を求めていくということがいいと思うところです。 本来であれば来年の早い段階で,高校魅力化に関するコンソーシアムの設立とコーディネーターの任用と動いていただければと思うところですが,ただ,コーディネーターの方を雇用するとなると,その方の給与に関する財源措置等も必要になってくることを考えると,今回の質問で,コンソーシアムを即設置ということやコーディネーターを即配置という結論というのは難しいと考えるところです。 ですが,前向きに進めていくために,コンソーシアムを構成するときに関係すると考えられる方々,先ほども答弁にもありましたが,そのような方々,関係団体の方々と話し合いを進めていくことは可能でしょうから,そのことには着手していただきたいと思いますが,いかがでしょうか。考えをお聞きしたいと思います。もしよろしければ,市長の感想も聞かせていただければなと思います。よろしくお願いします。 ○議長(森 喜代造君) 政策経営部長。 ○政策経営部長(樋口幸人君) それでは,高校魅力化支援に関する再度の御質問につきまして答弁申し上げます。 国からも地方創生の方針の中で,重要性のある取り組みの1つとして示されておりまして,調査研究といった段階ではなく,関係者との調整を早期に進めるべきではといったことと存じておりますが,先ほども答弁申し上げましたように,今年度は,神戸高等学校への連携,協力を模索しながら進めているところでございます。その中でも,さまざまな課題が生じてまいりますので,それらも検証しながら,今後,高等学校との連携の可能性について探っていきたいと考えております。 また,高校生,中学生を初め,市内高等教育機関の学生やその他の若い年代層の市民の皆様など,将来を支える世代の参画を総合的に捉え,地域の活性化を考えていく必要があるため,国が例示しております方向性だけでなく,さまざまな可能性を研究していくために,高等学校等の御意見も聞きながら,考えてまいりたいと存じます。このようなことに取り組みながら,今後,高校生も含めました若い世代の市政への参画につきまして,今後の方向性を検討してまいりますので,御理解賜りますようお願い申し上げます。 以上でございます。 ○議長(森 喜代造君) 市長。 ○市長(末松則子君) 地方創生に関する中での高等学校の改革ということは,非常に今後,重要視されることだというふうに思っております。私ども地方自治体といたしましても,若い世代の学生の皆さん方が,地域の魅力に触れていただく,あるいは地域でどのようなことが起こっているかということを探求していただき,また,いずれそこの場面に参画していただくということは,これから必要不可欠なことになってこようかと思っております。次の担い手を育成していくためにも,必要な事業だというふうに考えております。 今後,県教委を含めまして,いろいろな枠組みの中で,私ども基礎自治体が参画できる,そういったところを探しながら,ぜひまた皆様方と一緒に,このコンソーシアムの一つの参画者として頑張ってやっていければというふうに思っております。 まずは,神戸高等学校でこの事業が始まりましたので,その神戸高等学校の成功事例というような形の中で,一緒になって連携させていただければと思っておりますので,今後ともよろしくお願い申し上げます。 ○議長(森 喜代造君) 中西大輔議員。 〔26番 中西大輔君登壇〕 ○26番(中西大輔君) ありがとうございます。神戸高校との事例がどのように進むかというふうなところだと思うんですけれども,11月に発表があるそうです。それも踏まえて,よりよいものにしていっていただければなと思います。 そして,途中で触れましたが,鈴鹿市教育振興基本計画のほうですけれども,ことしが今の計画の最終年度ということで,今新しい計画のほうの策定に取り組まれているということをお聞きしました。この探究型・地域課題解決型学習とそれを支援する考えということについて,しっかり計画の中に書き込んでいただければと思いますし,そのような検討をぜひとも進めていっていただいて,そこから子供たちの次の学びを支えていく,そして,魅力的な地域をつくっていくということに頑張っていただきたいなということを期待いたしまして,私の質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(森 喜代造君) これにて,中西大輔議員の質問を終了いたします。 |