2020年 12月(一般質問)
市西部地域の位置づけについて

 (1) 県マスタープランとの関係から
 (2) 市マスタープラン改定の考えについて

○26番(中西大輔君) 
 それでは,3点目,市西部の位置づけについてに移りたいと思います。
 資料6の映写をお願いします。
 こちらの資料ですが,11月11日に開催された第46回鈴鹿市都市計画審議会で配付されていたものです。その場所で傍聴していて気になったことを今回,聞かせていただくということになりますが,議題の中,この資料なんですけれども,三重県都市マスタープラン改定に伴う,鈴鹿市都市計画区域の整備,開発及び保全の方針の変更(三重県決定)というものがあって,そのときに提示されていた三重県の改定素案図になっています。

 この図を見ていただくと,鈴鹿川よりも東側の地域においては,広域拠点や地域拠点というような位置づけが多く見られます。ただ,西部地域のほうはそのようなものがあまり見られない。
 もう1つは,質問でもありましたが,鈴鹿市都市マスタープランに設定されているスポーツ・レクリエーションエリアが,この図では見られないということがあります。今後,10年間の間には東海環状自動車道の全線開通も見込まれ,交通アクセスというのは関西方面だけではなくて,岐阜方面,福井も含めた日本海側のほうにも移動しやすくなるなど,ビジネスや観光面で大きな効果というのが鈴鹿市に期待されるものではないかというふうに思います。実際,新名神沿線のいろいろな自治体,北勢地域の自治体では,その効果を狙った取り組みというのを多くされているのではないかと思いますが,鈴鹿市のビジョンというのは,どのようになっているのかということをお聞きしたいと思うところです。

 また,この県の図のほうでは,海岸線部では大地震による津波想定や,気候変動の影響による高潮被害の想定などが公開されているわけですけれども,それにあわせて気候変動の影響によっては,河川氾濫,内水氾濫のリスクも高まっていると考えられるわけです。そのことがどのように反映されているのか,考え方として入っているのかというのが見えません。

 私としては,より長期の視点から考えれば,鈴鹿市の西部地域にある程度,都市拠点を置くことが必要ではないかというふうに考えるところですが,その点はどのように考えられているのかなと。2018年に3月と12月に農村環境改善センターに関係して,西部地域のことを私自身も取り上げさせていただいております。
 そこで,今回,三重県都市マスタープランの改定に当たって,鈴鹿市としてどのように西部地域を考え整理されていたのか,現在の鈴鹿市都市マスタープランの考え方も含めて,簡潔にお聞きしたいと思います。
                [資料の提示を終了]

○議長(大杉吉包君) 都市整備部長。
             〔都市整備部長 棚P研一君登壇〕
○都市整備部長(棚P研一君) それでは,中西議員御質問の本市西部地域の位置づけについてのうち,三重県マスタープランとの関係から,現在の鈴鹿市都市マスタープランではどのように整理しているのかについて答弁申し上げます。なお,答弁に当たりましては,先日の市川 昇議員の答弁と一部重複しますことを御了承いただきますようよろしくお願いいたします。

 本市では,市の都市計画の基本的な方針として,鈴鹿市都市マスタープランを定めており,2016年4月から運用しております。この鈴鹿市都市マスタープランでは,基本理念から将来都市構造を設定し具現化するため,土地利用方針を定めております。
 将来都市構造では,骨格軸,拠点,ゾーン・エリアの3要素で構成するものとしており,骨格軸は道路や鉄道等のネットワーク,拠点は都市機能の充実・強化を図るまちの核として,ゾーン・エリアはおおむねの機能で面的に区分して土地利用の方向性を示すものとしております。
 次に,土地利用方針では,都市づくりの方向性として整理された5つのテーマを重ね合わせ,骨格軸,拠点,ゾーン・エリア等を具体的に土地利用の方針として定めております。

 議員御質問の西部地域における土地利用の方針につきましては,先ほど説明させていただきました土地利用方針において,まず,国土軸である東名阪自動車道の鈴鹿インターチェンジ周辺を鈴鹿インターチェンジ周辺ゾーンとして位置づけ,次のとおり定めております。
 本ゾーンでは,恵まれた自然環境と広域交通利便性による開発ポテンシャルを生かし,農地等の周辺自然環境と調和を図りつつ,工業を中心に地場産業である農業や流通業務等の民間活力の導入を推進しますとしております。

 また,将来的な交通ポテンシャルの高まりが予想される広域幹線軸である国道306号等の沿道を新土地需要エリアと位置づけ,次のとおり定めております。
 本エリアにおいては,基本的な土地利用の考え方は農業ゾーンであるものの,大規模な工業地や物流業務地の開発需要に対応するため,道路整備等条件の整った箇所について,地区計画制度等による計画的な土地利用を図ります。なお,今後の新たな産業系の開発に当たっては,コンパクトな市街地形成の観点から新工業ゾーンと鈴鹿インターチェンジ周辺ゾーンを最優先とし,次いでそこに隣接する新土地需要エリアへ誘導するものとしますとしております。

 また,国土軸である新名神高速道路に設置されました鈴鹿パーキングエリアスマートインターチェンジ周辺の土地利用を検討する地域をスマートインターチェンジ利活用エリアとして位置づけ,次のとおり定めております。
 本エリアにおいては,基本的な土地利用の考え方は農業ゾーンであるものの,大規模な工業地や物流業務地,鈴鹿パーキングエリアスマートインターチェンジやその周辺の歴史観光拠点等を生かした新たな産業や,観光施設等の開発需要に対応するため,道路整備等条件の整った箇所について,地区計画制度等による計画的な土地利用を図りますとしております。
 さらに椿大神社周辺を歴史観光拠点として位置づけ,次のとおり定めております。本拠点においては,歴史・文化・景観を保全,活用し,魅力ある都市づくりを展開しますとしております。

 また,農村環境改善センター周辺をスポーツ・レクリエーションエリアとして位置づけ,次のとおり定めております。本エリアにおいては,広域交流の促進や農業,スポーツ,文化の融合を図るため,既存施設を生かしたスポーツ施設等の整備を推進しますとしております。
 議員御質問の西部地域の土地利用について,鈴鹿市都市マスタープランに示している土地利用方針につきましては,以上のように整理をしております。御理解くださいますようよろしくお願いいたします。
 以上でございます。

○26番(中西大輔君) 
 ありがとうございます。現状の考え方はわかりました。ただ,やっぱり今後の産業面や長期的な災害リスクへの対応を考えると,やっぱり市の考え方を更新していくという必要性は高いのかなと思います。
 その中で,県の都市マスタープランというのは,市の上位計画にあって,前回,2018年に質問させていただいた際も,そこのところで位置づけがないとなかなか計画が,国の支援策等もやりにくいという場合があったりするわけです。
 それはそれとしながらも,次に鈴鹿市の都市マスタープランの改定というのが非常に重要になるところと考えるのですが,改定時期がいつになるのか。また,そこまでの取り組みの流れはどうなるのかということを,想定で結構ですのでお聞かせいただきたいと思いますし,また,今回,現在,現行の都市マスタープランを策定した際には,地域での意見交換会などを開催するなど,市民参画を大切に取り組んでいただいたというふうに思うところですが,次の改定に当たってどのような手法というのも,現時点で考えに入っているのかという点についてもお聞きしたいと思います。お願いします。

○都市整備部長(棚P研一君)
 それでは,御質問の鈴鹿市都市マスタープランの改定時期とそれまでの流れ,そして改定に当たってどのような手法を考えているのかについて答弁申し上げます。

 鈴鹿市都市マスタープランは,三重県都市計画区域マスタープランや鈴鹿市総合計画2023を上位計画として,計画期間を2016年4月から2024年3月までと定めて策定されております。現在,三重県では,上位計画である三重県都市計画区域マスタープランの改定作業を進めており,今年度末に公表する予定であるとお聞きしております。
 本市としましても,この計画が改定されることや鈴鹿市都市マスタープランの計画期間が終了することなどから,2021年度から改定作業に着手したいと考えております。

 次に,改定に当たり,その手法についてでございますが,先ほど説明させていただきました三重県都市計画区域マスタープランでは,本市は人口が減少傾向であり,世帯数も目標年次である2030年度までには減少に転じる見込みであると示されております。また,大規模自然災害の低減に向けた方針も示されており,地震・津波・洪水・高潮等の災害リスクの高い区域における土地利用について,検討する必要もございます。

 今後,本市としましては,2021年度に社会情勢や土地利用の変化及び三重県都市計画区域マスタープランの改定内容を踏まえて,現行の鈴鹿市都市マスタープランの総括検証を行い,改定のポイントや改定方法等を整理する予定でございます。また,この結果に応じて,2022年度から2023年度にかけて改定作業を行い,次期総合計画の策定と合わせて新しい鈴鹿市都市マスタープランの公表に向け,順次作業を進めていきたいと考えております。御理解くださいますようよろしくお願いいたします。
 以上です。

○26番(中西大輔君)
 ありがとうございます。今回の質問に当たっては,西部地域を考えるに当たって位置づけや考えというのを新名神や東海環状道とつなげて,どちらかというと中期的な視点で考えた部分と,もう1つは,今,先ほど答弁の中にもありましたが,長期的な気候変動の影響も含めた,大地震も含めた災害リスクへの対応と長期的な視点と,2つのところから考えて聞かせていただきました。
 とはいっても実際のところは,今も答弁の中にもありましたが,人口減少による影響,こちらのほうは既存の住宅地や市街地,スポンジ化という言葉で国土交通省などは表現していますが,そのような影響がありますし,また,国のほうでは2050年度までにガソリン車の新車販売をなくすと,CO2排出をゼロにすると大きな目標を立てていますが,そうなってくると移動手段の変化というのも当然,中に入ってくるのかなというふうに考えます。

 何よりもSDGsの視点から,持続可能でかつ暮らしの質を上げる方向でまちを考える必要というのが,非常に高まっているのではないかなというふうに考えるところで,多くの論点というのがまだまだたくさんあると思います。

 そこで,1つ提案ですが,ぜひ次の改定に当たって,若い世代の参画機会というのをこれまで以上に広げていただきたいなと。今このコロナの状況ですから,実際に会って話をするというのはなかなか難しいかもしれないけれども,ICT機器を活用した意見聴取,ズームなどのオンライン会議システムを使うこともできますし,またアンケート形式もできるでしょう。彼らのそのような手法に合った,多様な手法で意見聴取をしていただきたいと思います。
 このようなことを充実していただきたいと思いますが,検討していただけるのかどうか。それだけお答えいただけますでしょうか。お願いします。

○都市整備部長(棚P研一君)
 再度の御質問に答弁申し上げます。
 改定に当たって,若者の参画機会をこれまで以上に広げるとか,同時にICT機器を活用した意見聴取など多様な視点から考えることということの御提案をいただきましたので,その折には,そういったことも検討して進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

○26番(中西大輔君)
 ありがとうございます。ぜひ考えていただきたいと思います。そのような視点というのは,鈴鹿市の市政全般にわたることと考えますので,今回の質問,全体的に言えますが,しっかり取り組んでいっていただきたいなというふうに期待して私の一般質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。