2021年 2月(一般質問)
2. 市民参画充実について
 (1) スマホなどの活用について
 (2) 若者・子どもの参画について

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○26番(中西大輔君)
 それでは,次に大項目2点目のほう,市民参画充実についてお聞きしたいと思います。
 論点は2つなんですけれども,ICT機器を活用した参画機会と若者や子供の参画機会を拡大すべきではないかということをお聞きしたいということです。

 これらも施政方針のほうで,市民参画であるとか,若者・子供の参画ということがどのように取り上げられるのかということを注目していたんですけれども,ほとんど触れられておらず,残念なところだったんです。
 先ほど冒頭でも言いましたけれども,鈴鹿市が新型コロナ後の社会で,次世代も希望や期待を持てるまちであるには,子供から高齢者まで全ての市民の方々が等しく,同じ権利を持つ主体として話し合えることや,意思形成や決定に関わることができることだというふうに考えます。これは,決して権利の濫用を前提にしているということではなくて,あくまで全体として考えるということです。

 人口増加に伴う右肩上がりの社会というのはもう実は終わっていて,これから定常的な社会になるのか,それとも人口減少と併せて右肩下がりになってしまうのか,この辺りというのは非常に注目されているところで,自治体にとっても大事なところだと考えます。
 人口についてですが,少なくとも,最低でも15年程度は自然増による恩恵というのは望みにくいです。なぜなら,今生まれても,仮に働くとしても15歳,16歳までは教育を受けていたりするわけですから,最低でも15年以上はかかってくると。社会増のほうを考えても,いろいろな社会のひずみというのを伴ってきます。鈴鹿市だけが増えるといっても,ほかのまちがそれで衰退して消滅してしまったり,外国人の方々が入ってくるということは,そこの文化のあつれきというふうなこともあり得るということがあるわけです。そうなると,相当な覚悟が必要と考えたほうがいいと思うところです。

 そのような中では,やはり公平に情報が入ってきて,その上でいろんな現実を知って,いろいろな考え方や視点を踏まえながら議論を行って,多数が納得できる取組の順位づけがされて,決定されていくことがとても大事だというふうに考えるわけです。それには,誰もが等しく社会に参画できるようにしていく,市民参画機会を充実していくことが必須だというふうに考えます。

 そこで,ICT機器を活用した参画機会ということを以前の質問でも問わせていただいたわけですが,誰もが等しく社会に参画できるようにというふうに考えると,また,自治体のデジタルトランスフォーメーションというふうな動きも考えると,スマホなどをはじめとしたデジタル機器というのは市民参画の手法を広げることについて非常に有用なことだと思いますし,また避けられないことだと考えます。

 昨年9月の一般質問では,ちばレポ,マイシティレポートを例に挙げて,市への要望や意見などをアプリなどを通じて出せる仕組みをつくってはどうかというふうに問わせていただいたわけですが,答弁で,スマホなどの普及が進む中で,より多くの市民の皆様から多様な御意見などをお寄せいただく方法として,将来的には,アプリを活用したシステムの必要性についても想定しなければならないものと考えておりますとありました。
 それ以降,ズームなどのウエブ会議システムの利用なども一般化してきていますし,国のほうではデジタル庁が設立される動きになるなど,ICT活用の動きは加速していると考えますので,改めてICT機器を活用した市民参画について,ここまでどのように検討がされてきているのかなどをお聞かせください。


○副議長(南条雄士君) 地域振興部長。
             〔地域振興部長 古市素朗君登壇〕
○地域振興部長(古市素朗君)
 それでは,中西議員御質問の市民参画充実についての御質問のうち,1点目のスマホなどの活用について答弁を申し上げます。

 令和2年9月定例議会の一般質問で,中西議員から市政への市民参画を推進するため,市への要望や意見を受け付ける方法として,スマートフォンのアプリであるマイシティレポートなどのシステムを利用してはどうかとの御提案をいただきました。
 本市では,市民の声により市民の皆様から市政全般に対する幅広い意見や御要望などをホームページやメール,電話,来庁,手紙などの多様な伝達方法を用いて頂戴しております。そして,市ホームページでは,スマートフォンによる閲覧にも対応しておりますことから,ホームページ内の市民の声入力フォームを使い,幅広い年代の方から気軽に御意見等をいただいております。
 したがいまして,マイシティレポートなどのICT機器の活用に関する具体的な検討は行っておりませんが,現状としましては,引き続き市民の声の仕組みにより市民の皆様から御意見や御要望などを頂戴し,市政への反映に努めてまいりたいと考えておりますので,御理解をいただきますようお願いをいたします。

○26番(中西大輔君)
 ありがとうございます。いろいろな形で自治体のDXを進められていくと思いますが,いろいろなマイシティレポートのような仕組みをいきなり市民の方々に広げるということは課題があるとは思いますが,現在,職員の方々の働き方改革ということがあります。それと併せていけば,職員の方々の業務改善の中にICT機器を展開するということは十分に可能ではないかと考えるのですが,その点の考えがどのようになっているのか,ここまでのICT機器の利用等の動向等も踏まえて,お聞かせいただければなと思います。よろしくお願いします。


○副議長(南条雄士君) 政策経営部長。
○政策経営部長(樋口幸人君)
 それでは,私からは再度の御質問,職員の働き方改革に併せ,業務の中にICT機器を展開してはどうかについて答弁を申し上げます。

 本市におきましては,令和2年12月定例議会での議員からの質疑の中でも説明を申し上げましたように,自治体におけるテレワークの推進を目的に,地方公共団体情報システム機構が実施する自治体テレワーク推進実証実験事業に応募し,採択されております。現在,自治体テレワークシステムの活用に向けた機能の検証や,テレワーク実施に当たっての規程類の整備を行うとともに,職員が在宅で勤務を行うに当たり必要となるパソコン等の機器材の調達を行っているところでございます。
 この取組につきましては,総務省が昨年12月に公表しております自治体DX推進計画において示されている重点取組事項の1つであるテレワークの推進に則しており,議員御提案の内容にも合致していると考えるところでございます。

 この自治体DX推進計画につきましては,自治体が重点的に取り組む事項や内容が具体化されており,先ほど申し上げましたテレワークの推進のほか,自治体の情報システムの標準化・共通化,マイナンバーカードの普及促進,自治体の行政手続のオンライン化などが重点取組事項として示されており,本市におきましても,この計画にのっとり,取組を進めているところでございます。

 また,自治体DX推進計画におきましては,これら重点取組事項のほかにも,自治体DXの取組と併せて取り組むべき事項として,地域社会のデジタル化等が示されておりまして,先ほどの御質問にありました市民参画の充実につきましては,この事項に関係する内容であると考えております。

 なお,スマホなどを活用した広聴業務をはじめ,他の業務でのICTを活用した取組につきましては,現在のところ具体的な予定はございませんが,今後,デジタル庁の創設や自治体DX推進計画に関連する施策の実施に当たりまして,これまで以上に積極的にデジタル化を推進していく必要があると認識をしているところでございます。

 これらデジタル化に関連する施策の進展に伴い,新たな情報システムの導入や,パソコンやタブレット等をはじめとするICT機器の展開を進めていくことになりますが,これらの導入に当たりましては,費用対効果やセキュリティーを念頭に置き,また業務担当課の意向なども踏まえながら,実施可能な業務から順次,導入に向けた検討を行っていくことになると考えております。
 以上でございます。

○26番(中西大輔君)
 ありがとうございます。機械を入れることが目的ではなくて,あくまで市民参加であったりとか,やりやすくするということが目的ですので,その点をしっかり押さえていただきたいことと,代表質問で山中議員が若い職員さんの研修というか,業務改善のことを取り上げられていましたが,若い職員さんにこそやっぱり問いかけていただきたいなと思うところです。

 それでは,この内容について,次の論点のところですが,若者や子供の参画ということをお聞きしたいと思います。
 同様の内容というのは,2017年9月の質問でも取り上げていますし,一般質問だけではなくて,折に触れていろいろと意見をさせていただいているところです。
 2017年の質問では,ロジャー・ハートという方の参加のはしごというものを取り上げさせていただきました。第1段から第8段まであって,第1段というのは操り参画というような状態です。一番最高の8段目というのは,子供が主体的に取りかかり,大人と一緒に決定するというところまであるわけです。現時点,どうかというふうに考えたときに,私は,参画の入り口に当たる4段目の子供は仕事を割り当てられるが,情報は割り当てられているという,ちょっと訳が分かりにくいことなんですけど,ここかなというふうに感じます。

 その後,鈴鹿市の動きとしては,2019年に総合計画2023の基本構想と後期基本計画の検討に当たって,鈴鹿高専や鈴鹿医療科学大学,鈴鹿大学でまちづくり意見交換会という形で行っていただいていました。また,神戸高校と鈴鹿学の連携を行っていることなどもありますし,そのことを考えると,市として若い世代の声を聴くことは意識していただいたのかなと考えます。
 また,教育委員会のほうでは,子どもの権利を市教育基本方針で位置づけていただくなど,参画を意識した取組を進めていただいていることは評価できるところと考えています。

 GIGAスクール構想の推進が進んでいくと,1人1台の機器が配置されることになりますが,学習指導要領の改訂,小学校,中学校だけではなくて,高校も含めると,地域についての課題解決型学習や探究型学習というものは非常に重要性が高まっているというふうに考えるところです。そのときに,機器が1人1台ということは,学校での調べ学習なども含めて,非常に重要になってくるところだと考えます。

 そのように教育を進めていくと,鈴鹿市のことで解決したい課題をみんなで話し合って,意見をまとめて提案することということが出てくるでしょうし,機器の整備で1人1台になるということは,一人一人が発信することもできるということにつながるというふうに考えます。つまり,ICT機器を活用する教育が広がると,参画手法についても多様化が進んでくると考えます。若い世代で確実に進んでくるところだと考えますので,そこをやっぱり踏まえていかないといけないというふうに思います。

 このように考えると,やはり,代表質問で藤浪議員が子ども条例の件を取り上げられていましたが,子ども条例を制定して,その中に子供の参画機会の確保ということを位置づけることが重要と考えるところです。残念ながら現時点では,委員会でのやりとりも含めて,条例制定の考えがないということですので,残念に思うところです。

 そこで,お聞きしたい論点,2点です。
 1つは,現在の鈴鹿市における若者・子供の参画はどのような考え方,状況になっているのか,政策面と教育面,それぞれからお聞きしたいと思います。

 もう1つは,提案内容になりますが,市内の各高校や各中学校に向けて,毎年,鈴鹿市として課題を聴く機会,解決に取り組んでほしいことを聴くなど,生徒の皆さんと交流機会を持たれてはどうかということです。それも生徒会だけでなくて,全ての生徒さんが関わる形で意見を集約してもらってはどうでしょうか。

 小中学校について言えば,GIGAスクールで1人1台配布されることで,アンケート等も行いやすくなると思いますので,検討していただければ,より広く若者・子供の声を聴くことにつながって,参画は充実,厚いものにものになっていくと考えます。そして,そういうことが進んでいけば,現在,選ばれた子供さんだけで行っている子ども議会や子ども会議というものも在り方が変わっていく。もしかすれば,若者の声を聴くということがもっと鈴鹿市で根づいていくことになるのではないかというふうに考えます。若者,子供の参画について,一層の推進を求めていきたいと考えますので,考え方をお聞きしたいと思います。


○副議長(南条雄士君) 教育長。
○教育長(中道公子君)
 それでは,私からは小中学校での取組について答弁申し上げます。

 子供たちに,社会の一員として主体的に地域の課題解決に関わっていく力を育成するため,令和2年3月に策定しました鈴鹿市教育振興基本計画におきましても,主権者教育の推進を位置づけ,社会参画の力を育む取組を進めております。

 具体的に申しますと,社会科や総合的な学習の時間に,ごみ問題について,ごみの量やごみを減らす工夫に関する聞き取り調査等を実際に行ったり,家庭科の時間に,食品ロスの問題について,自分ができることを家族とともに考えたりするといった社会問題についての学習を深めております。

 特別の教科道徳では,社会参画の意識に関する内容が位置づけられております。例えば,ある建築家が被災地等でのボランティア活動に取り組んだ姿から,自分には社会のために何ができるのかといったことを考えたり,公園へのごみ箱設置の是非について話し合ったりすることで,よりよい社会の実現のために貢献しようとする態度を育んでおります。

 また,中学校の生徒会では,毎年1回,全ての公立中学校の生徒会役員等が一堂に会し,いじめの問題などテーマに沿った議論や意見交換を行っております。
 本年度の生徒会研修会では,校則の見直しをテーマに取り上げる中で,参加生徒から制服の在り方に関して,制服に男女の区別は必要ないといった性の多様性や合理的配慮に目を向けた意見が出されるなど,生徒会としての取組状況も報告されております。

 このような生徒にとって身近な話題を生徒自身が社会情勢と照らし合わせながら考え,実現させていくことは,社会の一員としての力を培うことにもなり,教育的意義が大きいと考えており,今後も,社会に関わる力をつけられるよう教育を推進してまいりますので,御理解くださいますようよろしくお願い申し上げます。

○副議長(南条雄士君) 政策経営部長。
○政策経営部長(樋口幸人君)
 次に,私からは政策面からの若者・子供の市政への参画について答弁を申し上げます。
 本市では,総合計画策定時において,鈴鹿大学,鈴鹿短期大学や鈴鹿医療科学大学,鈴鹿工業高等専門学校の市内高等教育機関の学生を対象に意見交換会を実施してまいりました。将来を担う若者の意見を聴くことは,大人になって社会に出たときに,本市の将来を担っていただく上では,人口減少社会における地域づくりを考えていただくという観点から重要と考えておりますので,今後においても,様々な手法を検討する必要があると認識しております。

 その1つとして注目している取組としまして,現在,神戸高等学校で行われている鈴鹿学という,鈴鹿をよりよいまちにするために高校生の視点で課題を設定し,課題解決のための取組を通じた探究活動がございます。
 本市としては,活動を通して若い世代が市政への高い関心と市への愛着を持ち,市を支える人材に育つことを目指していただくために,探究活動に対し協力,支援をしているところでございます。

 鈴鹿学の取組につきましては,神戸高等学校では,ホームページ上で取組内容などについて発信していただいておりまして,このような高等学校自らの情報発信に加えて,今後は,市内中学生などに向けましても鈴鹿のことを知っていただき,将来の市政への反映につながることを期待して,その周知について支援できることを検討してまいります。
 神戸高等学校のような先進事例が若者の市政への関心の高まりとなり,結果として,効果的な政策形成につながることを期待しております。御理解賜りますようお願いを申し上げます。

○26番(中西大輔君) ありがとうございました。
 市長,副市長には,若者・子供の参画を推進していただくことを期待して,私の質問を終わります。ありがとうございました。