2021年 6月(一般質問)
1. 公共施設政策について
 (1) 令和3年度組織改編について
  @ 分割した意図について
  A 人事異動の考えについて

 (2) 関連計画について
  @ 公共施設等総合管理計画について
  A 公共建築物個別施設計画について
  B 計画の進行管理について

 (3) 白子、千代崎、白鳥中学校の改修について
  @ 改修方針について
  A 合意形成の考えについて

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○4番(中西大輔君)
 議席4番,市民の声,中西大輔です。今回の6月定例議会のほうから,田中淳一議員と市川 昇議員に合流させていただきましたので,よろしくお願いいたします。

 通告に沿って,鈴鹿市における公共施設政策の方向性をお聞きしたいと思います。
 2012年3月の一般質問以降,公共施設とインフラマネジメントについては,所管委員会や一般質問はもちろんですが,担当課のほうで意見交換と情報共有させていただくなどして,私にとって大きなテーマです。2012年3月のときは,杉野副市長が企画財務部長ということで,それから長いお付き合いをさせていただいているわけですけども,よろしくお願いいたします。

 今回の質問の趣旨は,次の3点をお聞きしたいと思います。
 1つ目は,この4月に行われた組織改編と人事異動,次に,公共施設等総合管理計画と公共建築物個別施設計画について──以降,総合管理計画と個別施設計画というふうに表現させていただきます──,そして,白子,千代崎,白鳥の3中学校の事例を取り上げて,合意形成に関する考え方をお聞きしたいと思います。

 それでは,中項目としての1つ目,組織改編についてお聞きしたいと思います。

 資料の映写をお願いします。
  
 こちらは,現行の総合管理計画で示されているもので,公共施設マネジメント推進部署が記載されていて,3月までは行政経営課のほうが,そちらのほうを担っていました。


 次,資料2の映写をお願いします。
  
 今回の組織改編では,政策経営部行政経営課を廃止して,業務を分割して,政策経営部総合政策課で総合管理計画と公民連携を,都市整備部公共施設政策課で個別施設計画に関することを所管することになりましたが,どのような考えで組織の在り方を判断されたのでしょうか。
   
 2017年5月に市議会から提言の戦略的なマネジメント体制の確立には,全体を統制するための職員や専門の部署を構築する必要があるとあり,同じ年の総務委員会の提言では,公共施設マネジメントを総括する課の組織体制を強化するために事務職員だけではなく,技術職員も配置することとあります。が,今回の決定は,それらとずれがあるように考えるところです。

 また,現行の総合管理計画には,公共施設に関する情報については,一元的な管理を継続し,全庁的な情報共有を図ることとしますと,重要な方針を決定する場合については,行政経営会議で審議決定するものとし,策定過程で,パブコメを通じて市民等から意見または提案を求めることとしますとあります。

 今回の組織改編は,重要な方針の変更と考えるところなのですが,現行計画との整合性を含め,市議会はもちろん,市民の皆さんとの関係をどう検討し,意思決定されたのでしょうか。
 他市町では,複数の部署で取り組む事例もあることは存じていますが,鈴鹿市では,資産活用の視点も含めながら,1つの部署として取り組むほうがよいと,私は考えます。
 そこで,2つの課に分割した組織改編について,そのメリットとデメリットも含めた考えを,また,議会提言との関係,議会と市民との協議などについて,現行計画との整合性も合わせながらの説明をお願いします。


○議長(森 雅之君) 総務部長。
              〔総務部長 ア英城君登壇〕
○総務部長(ア英城君)
 それでは,中西議員御質問の令和3年度組織改編についての分割した意図について,答弁申し上げます。

 これまで本市では,公共施設マネジメントについて,平成25年9月に公共施設マネジメント推進方針を策定し,本市が保有する公共施設をデータベース化し,一元的な管理,財政面での負担軽減,合理的な維持更新を行ってまいりました。その後,平成27年12月にインフラ施設も加えた公共施設等総合管理計画を策定し,総合的かつ計画的に管理を行ってきたところでございます。

 この公共施設等総合管理計画を実践的に行い,各施設の改修等の基本的な方針や施設ごとの方向性,対策方法とその時期等について取りまとめたものとして,昨年7月に公共建築物個別施設計画を公共施設マネジメントの着実な推進を目的に策定したところでございます。公共建築物個別施設計画の策定が完了したことにより,今後,公共施設マネジメントのより具体的な進捗を図ることができる段階になりましたことから,本年4月に機構改革を行い体制の整備を図ったものでございます。

 議員御承知のとおり,この組織改編では,総合政策課と行政経営課を統合しておりますが,これは,公共施設マネジメントの推進だけでなく,これまで行政経営課で行ってまいりました総合計画の進行管理,行財政改革,行政評価に関する業務を計画策定業務を担う総合政策課に移管し,計画策定,進行管理,検証を一元化することで,施策推進のさらなる向上と総合計画2023後期基本計画の着実な進行を図るものでございます。
 また,公共施設等総合管理計画につきましては,総合計画の進行管理や次期総合計画の策定に向けて,総合計画と公共施設等総合管理計画を一体的に管理することが効果的かつ効率的であること,また,行財政状況など総合的な見地から判断する必要があることなどの理由から,総合政策課で所管することが適切であると判断したものでございます。

 一方,行政経営課所管の一部事務を移管した公共施設政策課につきましては,専門的知識を有する技術職員で構成する課となっており,その役割は技術的見地による個別施設の状況把握と,これに基づく対策の優先順位,実施時期などを部局横断的に統一した改修方法を検討することであり,基本構想段階から工事竣工に至るまでの工程を一貫して施設担当課と協議を行うなど,重要な役割を担うこととなります。
 以上のように公共施設マネジメントにつきましては,行政サービス改革の面を総合政策課で,技術的な面を公共施設政策課で役割分担し,相互に連携して進めることが,効果的かつ効率的であると判断いたしております。

 次に,公共施設等総合管理計画には,公共施設等の重要な方針を決定する場合については,行政経営会議にて審議決定するものとし,策定過程においては,鈴鹿市意見公募手続要綱に基づき,市民等から意見または提案を求めることとしておりますが,組織改編につきましては,このことに該当しないものと考えておりますので御理解賜りますようお願いします。
 以上でございます。

○4番(中西大輔君)
 組織改編というのは,今回のことは非常に大きなことだと私は考えるわけなんです。その関係で,今の答弁の中で議会の提言というのがどう参酌されたのか,また,議会との協議はどういうふうな考えだったのかということが分かりませんでしたので,その点の説明のほうをもう一度お願いします。


○議長(森 雅之君) 総務部長。
○総務部長(ア英城君)
 それでは,分割した意図についての再質問について,答弁申し上げます。
 本市では,これまで平成29年度の市議会総務委員会からの提言を受けまして,公共施設マネジメントの組織体制を強化するため,行政経営課に技術職員を配置するなどの体制整備を行ってまいりました。
 昨年7月には,個別施設計画が策定され,今年度からは計画を効果的に運用していく必要がございます。本市が保有する施設を技術的な面から状況把握を行い,手法の検討を行うためには,専門的知識を有する技術職員で構成する公共施設政策課で進捗管理していくことが,さらなる組織体制の強化につながるものと考えておりますので,御理解賜りますようお願いします。

○4番(中西大輔君)
 財政面も含めて,非常に重要なところですので,その意識は強く持っていただきたいと思います。
 そして,答弁では,分割して役割分担することで,効果的で効率的ということでしたが,私個人としては,やはり1つの部署で取り組んでいったほうがよいと考えるところなんです。
 理由の1つとしては,令和3年度地方財政白書第三部の6,公共施設等の適正管理の推進の部分で,公共施設等適正管理推進事業債について,グラウンド等の非建築物についても維持管理経費等が減少すると認められる場合に,新たに集約化・複合化事業の対象とすることとしていると記載されていて,公共施設だけではなくて,広い観点で取り組んでいくことが必要だということがあるからです。

 それでは,ちょっと話進めまして,もう一度資料2の映写をお願いします。
  
 次に,お聞きしたいことですが,これは組織改編のところですが,この組織改編に伴って人事異動が行われたわけです。今回,総合政策課,公共施設政策課だけでなく,また公共施設として大きな割合を占める学校施設に関しては,教育総務課から教育政策課のほうに移管された,再編されたということなんです。その中で,管理職についてを見ていくと,総合政策課以外の課長は,皆さん新任という形になっていますし,グループリーダーレベルでも代わっている方がたくさんいらっしゃいます。

 公共施設等の政策課題について,個別施設計画に沿った取組の始まりということを考えると,当然のことながら属人的な仕事になってはいけないと考えるところですけれども,職員の方々に蓄積されている知識や経験の引継ぎ,また,刷新とも言える人事異動に伴う事業継続,関連して,午前中,宮本議員の質問のほうにもありましたが,やはり職員負担の増大ということも想定されるわけで,今回の異動というのは,リスクをはらんでいると危惧しているところなんです。

 そこで,組織再編に当たって,せめて1年程度は人事異動を抑えて,業務をなじませる期間が必要だったと考えるのですが,今回の人事異動の考え方ということをお聞かせいただきたいと思います。
                〔資料の提示を終了〕


○議長(森 雅之君) 総務部長。
○総務部長(ア英城君)
 それでは,議員御質問の人事異動の考え方について,答弁申し上げます。

 議員御指摘の担当者が異動したことによる職員の負担の増大と,これまでのノウハウ等が継承されるかについてでございますが,人事異動によります人の動きといたしまして,行政経営課で公共施設マネジメントを担当していました3名のうち,事務職員2名を総合政策課へ,技術職員1名を公共施設政策課へ配置しており,ノウハウについては継承されるものと考えております。
 あわせて,これまでの計画段階から実践的な組織形態へ再編したこと,また,組織のスリムアップによって意思疎通が円滑に伝わり,効率化が図られることも期待できます。
 人事異動は,人材の育成でもございます。組織を円滑に運営していくためには,職員の能力開発やキャリア形成にも重点を置かなければなりません。

 また,先ほど議員が触れられましたとおり業務が属人的になることも避けなければなりません。様々な部署での経験が人材育成につながることから,一定の経験,知識を得た職員は,定期的に人事異動を行うものでございます。人事異動により,職員のモチベーションの向上となりますよう適正な配置に努めてまいりますので,御理解いただきますようお願い申し上げます。

○4番(中西大輔君)
 ありがとうございます。ただ,人事異動に伴うリスクというのが,どこまで評価されていたのかなと,今,答弁のほうから感じました。何より現在の政策課題というのは,非常に専門性が高くなっていて,特に公共施設に関することというのは,非常に難しい部分が多いと考えるところなんです。取り組むためには,広い知見が必要ですし,当然,他市町の実際,職員の方々との職員を通じた人的交流網ということも必要な部分になってくるというふうに考えます。今,答弁で,人材の育成と職員モチベーションということも,答弁していただきました。その面があることは,否定するものではありませんが,どこか人を尊重するという観点が欠けてるのかなというふうに感じるところです。公共施設に関する施策というのは非常に重要ですので,その面からも若干不安を感じます。

 それでは,次に,中項目の2つ目のほうに移らせていただきます。
 公共施設等総合管理計画と公共建築物個別施設計画についてお聞きするわけですが,2つの計画からは,総論賛成しながら,施設の建設や除却など個別施設の各論について,特例の議論はできないものと考えています。

 資料3の映写をお願いします。
 
 総合管理計画は,公共施設と公共インフラを合わせた計画で,方針を,新しくつくるから賢く使う,その下で保有量の適正化,運営管理の適正化,長寿命化の推進を行うという考え方になっていて,今年度,個別施設計画の策定を受けて改定予定と聞いているところです。

 資料5の映写をお願いします。
 
 こちらのほう,公共施設の課題では,財政面の考えというのは外せませんので,自治体の決算カードのほうから経常収支比率を金額で考えたものとして作成しました。

 2000年に約80億円あった独自で使える財源というのは,約20年たった2019年には,約37億円になっています。これが,いわゆる厳しい財政と行政が言っていることだと思いますが,特にリーマン・ショック,一番へこんでいる2009年ですか,これ以降を見ていただくと,独自で使える金額というのは,実際は臨時財政対策債の発行でかなりの部分を賄っていたのであろうというふうに考えられます。

 また,公共施設に関しては,2月の質疑のほうを行わせていただいたときに,公共施設のための特定目的基金は約8億円ぐらいになっていたということも聞きますから,将来の積立額としては不安があります。
 また,起債して,借金をして平準化を図るという考えもありますが,現在は発行額に余裕があるとしても,将来を考えたときに臨時財政対策債の残高との関係や将来の見通しはどうなるのであるか,次世代の関わり方など,これまで以上に慎重な議論というのが必要になってくるのではないでしょうか。

 そこで,総合管理計画について,策定後の社会動向にどのような変化があったのか,財政面の将来課題の考え方,改定に当たって,そのポイント,スケジュール,手法などの説明をお願いします。
                〔資料の提示を終了〕


○議長(森 雅之君) 政策経営部長。
○政策経営部長(森 健成君)
 それでは,2点目の関連計画についてのうち,公共施設等総合管理計画について,答弁申し上げます。

 総合管理計画は,公共建築物及び道路等インフラを総合的かつ計画的に管理することを目的として,平成27年12月に策定いたしました。
 また,令和2年7月には,この総合管理計画の下位計画として,個別施設計画を策定いたしました。
 個別施設計画の策定後,1年以内を目途に,上位計画である総合管理計画を改定するよう国から全国の自治体に要請があり,本市におきましても,現在,改定の作業中でございます。

 改定に向けたスケジュールとしましては,令和3年4月20日の行政経営会議におきまして,庁内合意を得ましたことから,今月の市議会全員協議会にて素案を説明させていただきたいと考えております。その後,7月から8月にパブリックコメントを実施し,市民の皆様からの御意見を頂戴したいと考えております。

 また,パブリックコメントの実施に当たりましては,市民の皆様への計画改定に関しての周知をさせていただく必要性がありますことから,広報すずか6月5日号に改定の必要性についての記事を掲載いたしました。
 また,広報すずか7月5日号では,計画の改定内容についての記事を掲載する予定をしております。その後,パブリックコメントなどで頂戴いたしました皆様の御意見を参考にしながら,8月中には計画の公表をいたしたいと考えております。

 次に,個別施設計画の策定に伴う総合管理計画の主な改定内容としましては,公共施設等の維持・更新にかかる経費見込みの前提条件の変更,計画期間の延長,公共建築物の保有量の縮減目標の変更でございます。

 続きまして,財政面の将来課題についてでございますが,まず,歳入につきましては,新型コロナウイルス感染症による影響や人口減少社会において,生産年齢人口の減少が見込まれることなどから,さらに厳しい状況が予測されます。
 歳出につきましても,義務的経費のうち,扶助費が引き続き高い水準で推移することが見込まれます。このような状況で,公共施設等の維持,更新に係る経費には,膨大な費用が必要とされていることから,維持管理費を削減する施設の統廃合など,さらなる効率的な財政運営が必要と考えております。
 以上でございます。

○4番(中西大輔君)
 ありがとうございます。今の答弁のほうで,ポイント3つは分かりました。
 ただ,ポイントの中で,床面積の削減ということがあるんですけれども,目的の中の手法の中の運営管理の適正化から考えると,金額面の縮減目標も設定してはどうかなというふうに考えるんですけどいかがでしょうか。でないと,公民連携を使った運営管理費の縮減というところがなかなか見えにくくなるというふうに考えます。

 もう1つ,実際は,この計画のほうは,公共施設だけではなくてインフラも関係することを考えると,パブリックコメントの期間というのが,1か月というのは市民の方々にとっては非常に短いのではないかなというふうに考えるので,期間を延長できるのか,できないのかということをお聞かせいただきたいですし,今,広報すずかのほうで広報していただくということがありましたが,当然,市のホームページのほうにも公開されています。それだけではなくて,ソーシャルメディアのほうの活用であったり,新聞などのローカルメディアとの連携をして,周知と市民の皆さんからの広聴に取り組んでいただいてはどうかというふうに考えますが,見解のほうをお聞かせください。


○議長(森 雅之君) 政策経営部長。
○政策経営部長(森 健成君)
 それでは,再度の質問に答弁申し上げます。
 総合管理計画のこのたびの改定に当たりましては,金額的な試算も実施いたしましたが,計画期間が長期にわたることで社会情勢等の影響を考慮することが難しく,金額面での縮減目標設定は,困難であると考えております。

 次に,パブリックコメントの期間につきましては,鈴鹿市意見公募手続要綱に,30日以上の期間を設けてとなっておりまして,平成27年に実施しました総合計画2023基本構想(素案)から,これまでに実施されたほとんどのパブリックコメントは,30日ほどの期間で実施しておりますこと,そして,今回は計画の改定ということでございますので,これまでと同様の期間で実施する予定をしております。

 また,市民の皆様への周知につきましては,広報にとどまらず,可能なPRは実施していきたいと考えております。
 以上でございます。

○4番(中西大輔君)
 ありがとうございます。今,答弁していただいたことは,この質問の後半にも関わってきますので,またいろいろ検討していただきたいと思います。

 それでは,資料4の映写,お願いします。
 
 こちら個別施設計画のほうから持ってきた図なんですけれども,午前中,宮本議員の質問の中でもちょっと触れられていましたので,簡単にいきますと,個別施設計画のほうは,今後32年間を計画期間として,公共施設の大規模改修と長寿命化改修の方針が示されているものです。

 計画では,施設の利用状況と老朽化を二軸に置いて,対策の優先順位の参考としながら市民アンケートによる定性的評価や地域特性,将来の人口動向を加味して方向性が考えられています。宮本議員のおっしゃられたポートフォリオが,それに当たるんですけれども。
 そこで,この個別施設計画について,新しく設置される公共施設政策課の関わり方がどうなるのかという部分と,広報すずかや市ホームページのほうで公開はされているんですけれども,小学校区や施設類型ごとの説明会は行ったのかどうか。現時点で市民の皆さんへの計画の浸透度はどのように考えて,また,把握されているのか。財源確保や公民連携は,どのように議論されるのかということをお聞かせください。

                
〔資料の提示を終了〕

○議長(森 雅之君) 都市整備部長。
○都市整備部長(今村隆之君)
 それでは,公共建築物個別施設計画について,答弁申し上げます。
 公共施設政策課の個別施設計画への関わりについてでございますが,今年度は,この個別施設計画を着実に推進するに当たり,短期的な取組といたしまして,令和4年度当初予算計上の必要な施設の現状把握と将来に向けての改修方法などについて,施設担当課と協議を行いながら改修計画を立案し,当初予算に反映してまいります。

 また,中長期的な取組といたしまして,個別施設計画に基づき,予防保全として計画的に行う必要がある大規模改修や長寿命化改修については,施設ごとの基本構想における概算事業費の把握や様々な手法や工法を比較検討し,設計前段階の概算工事費を想定した上で基本計画に反映し,コストの縮減や機能の向上を図ってまいります。

 また,施設の老朽化状況の把握や将来の人口動向を加味しながら,改修内容の標準化を図ることにより,施設の複合化も視野に入れ,個別施設計画を具体的に進めてまいります。

 次に,市民の皆様への計画の浸透度についてでございますが,個別施設計画策定に先立ち,市民の皆様へのパブリックコメントや公共施設の在り方についての市民アンケート,また,広報や市ホームページにおいて周知を図ってまいりました。さらに,若い子育て世代に向けては,公共施設のこれからを考える機会として,子育て世帯ワークショップを開催し,ゲームなどを通じて,公共施設マネジメントについて分かりやすく紹介を行ってまいりました。

 今後も,より多くの市民の皆様へ,本市の公共施設マネジメントの考え方,取組につきまして理解していただけるよう,個別施設計画において予定されている施設の複合化事例など,進捗状況を広報や市ホームページなどに掲載し,発信することにより,さらなる周知を図ってまいります。

 また,各地区の地域づくり協議会の場を活用し,市民の皆様と行政が連携しながら,持続可能なまちづくりを推進できるよう図ってまいります。

 最後に,財源確保についてでございますが,個別施設計画においては,これまでにも市議会において答弁申し上げておりますように,今後の施設整備では,長寿命化を図っていくことや施設同士の複合化を図り,残った施設,敷地を売却し財源の捻出を図るなど,計画的に進めてまいります。

 このほか,コスト縮減の手段として,公民連携手法の導入など行政サービスを低下させないよう配慮しつつ,施設の更新などにかかる費用を抑制する新たな手法につきましても,総合政策課と情報を共有しながら検討してまいりたいと思います。
 以上でございます。

○4番(中西大輔君)
 ありがとうございます。小学校区ごとの考えが示されていますし,地域づくり協議会,地域政策そのものは,今の鈴鹿市にとって重要な政策となっていますので,やはり市民の皆さんに十分に理解していただくには,早急に地域づくり協議会や関係自治会長の皆さんを対象に,説明会を行ったほうがよいと考えるのですが,改めて考えのほう,いかがでしょうか。


○議長(森 雅之君) 都市整備部参事。
○都市整備部参事(伊藤 実君)
 それでは,再度の質問に答弁申し上げます。
 各地区の地域づくり協議会などの場を活用した市民の皆様への説明につきましては,今後,行う時期や方法などについて検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。

○4番(中西大輔君)
 考えるということですので,早急にしていただいたほうがいいのかなと思います。
 このような公共施設の政策に関しては,総論賛成,各論反対ということがあって,公共施設を減らしたいとか,これやらなあかんなというのを皆さん納得していただけるんですけれども,自分事,身近な施設になってくると,各論のところでいろいろ出てきて,非常に大変だというのは,ほかの自治体でもあることですので,その点,丁寧に取り組んでいただければなというふうに考えます。

 また,財源について,これから非常に厳しいということで,それを市民の皆さんだけではなくて,私,今まで反対してきた議案の中で,人件費に関することがあるんですけれども,このような事態になる前に,やっぱりきちっと財源を確保していくということが必要だと考えますので,より厳しく財源について検討していただきたいと思いますし,また,着実に改修を進めていくためにもファシリティマネジメント基金の設置などをして,午前中の宮本議員の質問であるような保育園の改修であるとか,そのようなものに取り組んでいただきたいなというふうに考えます。

 そして,都市整備部のほうでは,都市マスタープランの改定にも入っていくということで,これから公共施設と地域デザインの関係というのは,非常に大事なところとなってきますので,市民の皆さんとのコミュニケーションというのはもちろんなんですけれども,先ほど言いましたが,他市町の職員の方々との交流や,当然,学,大学のほうとの連携も積極的に行っていただくことを期待します。

 ところで,総合管理計画と個別施設計画というのは,密接した計画になっているわけです。組織改編後の考え方では,2つの違う部と課で所管することになっています。これは議会のほうでも,総務委員会と産業建設委員会に分かれるという形になっていくわけですけれども。

 では,行政内でこれらの計画が,全体として最適に進行されているかどうか,その進行管理はどのように行われていくのでしょうか,また,責任の所在というのはどこになるのでしょうか。今後は,地方公会計の資産台帳も関連するところで,2023年度に財務会計システムの入替え予定ということも聞きますが,その点も含めて,どう政策の一貫性を取っていくのか,今の考え方をお聞きしたいと思います。


○議長(森 雅之君) 政策経営部長。
○政策経営部長(森 健成君)
 それでは,計画の進行管理について,答弁申し上げます。
 総合管理計画は,公共建築物を対象に老朽化をはじめとした公共施設等の状況,総人口,年代別人口についての今後の見通し,公共施設等の維持管理,修繕,更新等に係る中長期的な経費の見込みや公共施設等の総合的かつ計画的な管理に関する基本的な考えを示すため,平成27年12月に策定されたものでございます。
 一方,個別施設計画は,上位計画である総合管理計画の基本的な考え方を踏まえ,実践に移す計画として各公共施設の長寿命化改修等基本的な方針や,施設ごとの方向性,対策方法と,その時期等について取りまとめ,策定した計画でございます。

 先ほども答弁申し上げましたが,国からは,個別施設計画策定から1年以内に個別施設計画の内容などを反映させ,上位計画である総合管理計画を改定することが求められており,この2つの計画は,非常に密接な関係となっております。

 この2つの計画の進行管理につきまして,公共施設を総合的かつ計画的に管理するため,年度末時点の公共施設の状況から,削減目標の進捗状況を把握し,今後,長寿命化改修等の節目を迎える施設について,利用率や耐力度調査の結果,財政状況を踏まえ,継続して施設を利用するための改修等を行うのか,継続して利用することが困難なため改築を行うのか,もしくは施設を廃止して統廃合や複合化を行うのか検討してまいります。
 このような検討を含め,進行管理につきましては,総合政策課と公共施設政策課,それに施設担当課が連携して,総合的に取り組む必要があると考えております。

 なお,議員の御質問にありました地方公会計の固定資産台帳との関連につきましては,固定資産台帳から得られる情報は,施設カルテとして取りまとめ,公共施設の維持管理,更新等に係る中長期的な経費の見込みの算出に活用でき,各事業,施設の効率的・効果的な対策の検討を可能にするものであることから,総合管理計画に基づく具体的な取組等の検討におきましても,公共施設等の適正管理の実現のため,種極的に活用してまいります。
 以上です。

○4番(中西大輔君)
 今の答弁では,最終的に都市整備部長が担当するのか,政策経営部長が担当するのか,はたまた二役なのか,それがはっきりしませんので,全体として,課の連携で取り組むのはいいんです。それをちゃんとチェックするのがどなたになるかということを,もう一度説明のほうお願いします。


○議長(森 雅之君) 政策経営部長。
○政策経営部長(森 健成君)
 それでは,再度の質問に答弁申し上げます。
 先ほども答弁しましたとおり,2つの計画の進行管理につきましては,総合政策課と公共施設政策課,それに施設担当課が連携しまして,それぞれの部局が責任を持って取組を進めてまいりたいと考えております。
 以上です。

○4番(中西大輔君)
 総合管理計画があって,その下に個別施設計画があるわけです。であるのに,今の答弁というのは,やはり違和感があります。この点は,改めてまたお聞きしたいと思いますので,また後日,教えていただきたいと思います。

 それでは,中項目の3つ目のほうをお聞きします。
 具体的事例として,白子,千代崎,白鳥の3中学校の改修についてお聞きします。

 3校では,現在,鉄筋コンクリートの対象校舎からコアを抜いて,耐力度調査が行われていますが,対象の校舎数など現時点で分かっている調査状況,あれば結果はどうなっているかということをお聞きしたいと思います。
 2月定例議会のほうで,教育長のほうから改築ではなく改修という言葉もありましたので,そのことも踏まえていただきたいのですが,白子中学校の対象校舎は,私が白子中学校の生徒だった時期がありますので,どうなのかなというふうなことを考えますし,千代崎中学校では,校舎の3階に柔道部屋があったり,また,特別支援であったり不登校対策の教室が不足しているという話も聞くところですので,そのような地域の事情,学校特有の課題もあれば触れながら,現時点で想定されている改修方針やスケジュールがどうなっているかということをお聞きしたいと思います。


○議長(森 雅之君) 教育長。
○教育長(中道公子君)
 それでは,白子,千代崎,白鳥中学校の改修についての御質問のうち,改修方針について答弁申し上げます。
 鈴鹿市公共建築物個別施設計画におきまして,白子中学校,千代崎中学校,白鳥中学校の校舎のうち,建築後40年を経過した校舎棟につきましては,令和4年度から長寿命化改修を実施することと位置づけられております。
 長寿命化改修の実施に当たりましては,構造躯体が健全でなければ,必要とされる安全性が確保できないため,設計や工事の実施前に耐力度調査を行うこととしております。

 改修方針につきましては,この耐力度調査の結果に加え,経済性や現状に即した機能性を有しているかなどの観点も合わせて総合的な判断を行った上で,棟ごとに長寿命化改修の実施の可否を判断することとしております。そのため,現在,白子中学校の東館,本館,西館,千代崎中学校の本館,白鳥中学校の南館,本館,北館とそれぞれ呼ばれている校舎棟を対象に建物の構造耐力,経年による耐力や機能の低下,立地条件による影響などを基に建物の老朽化を総合的に評価する調査,いわゆる耐力度調査を実施しております。

 調査の進捗状況といたしましては,校舎の壁から採取したコンクリートコアを用いた圧縮強度検査を終え,現在は,委託業者において調査報告書の取りまとめを行っているところでございまして,6月下旬までに調査報告書が提出される予定となっております。この耐力度調査の結果報告書が提出されましたら,速やかにその内容の精査を行い,経済性や機能性の検討を庁内関係部局と共に行い,令和4年度予算の編成時期をめどに,それぞれの校舎の改修方針を決定する必要があると考えております。その際には,それぞれの学校特有の課題を踏まえる必要があり,学校からの要望や日常の点検等において把握した課題につきましては,改修の内容を検討する中で適切に対応してまいります。

 学校施設につきましては,児童生徒の学習の場として,また,教職員の働く場として,安全性を備えた良好な教育環境を確保するとともに,地域と共に鈴鹿の未来を担う子供を育む質の高い教育環境を確保することも重要であると考えております。
 しかし一方で,学校施設の多くは,経年劣化に伴う雨漏りや壁のひび割れ,設備の不具合等,様々な緊急に改善すべき課題がございます。このため施設の安全性の確保や環境の改善を最優先とし,できる限り早急に対策を取っていく必要があると考えておりますので,御理解いただきますようお願いいたします。
 以上でございます。

○4番(中西大輔君)
 自分の時間はあるんですけど,答弁込みの時間がないので,簡潔に答弁お願いします。
 先ほどの答弁から令和4年度予算編成を目途にするということは,予算編成から考えると,この10月から12月には方針が考えられるということです。ということは,少なくとも教育委員会として,7月中には3校で,個別施設計画,総合管理計画,そして,3月に公表した鈴鹿市学校施設長寿命化計画の考えを説明すべきです。それをよろしくお願いします。解決すべき課題には,校舎の断熱も入れておいてください。
 それで,お聞きしたいのですが,今回の学校の取組というのは,非常に重要な政策課題です。特に若い世代も含めて説明をしていく,市民の皆さんとやっていく,合意形成の部分というのが非常に大事になってくるわけです。

 以前に鈴鹿市議会で行った高校生報告会ティーンズミーティングでも,私たちも意見を出せる場が欲しいという声があったということについては,教育長,市長,共に考えていただければなと思います。
 では,3中学校の改修についてなんですけれども,どのような方を対象に,どのような手法で,説明と合意形成を取るように考えているのか,考え方をお聞かせください。
 また,取組の中心を担うのは,総合政策課なのか,公共施設整備課なのか,教育政策課なのか,それとも二役なのか,考え方をお聞かせください。


○議長(森 雅之君) 教育委員会事務局教育次長。
○教育委員会事務局教育次長(亀井正俊君)
 それでは,合意形成について答弁申し上げます。
 個別施設計画では,建築物の目標耐用年数を80年とし,その間,大規模改修と長寿命化改修を計画的に行うこととしております。
 長寿命化改修の内容としましては,施設の耐久性を確保・維持するために必要な工事が基本となってまいります。
 また,限られた財源の中で,より多くの施設の改修を行うため,長寿命化改修の標準的な工事の仕様を定めていく必要があると考えております。今後は,学校施設において,他の市有公共建築物と同様に,原則として,長寿命化改修を実施していくこととなります。

 このことにつきましては,総合管理計画や個別施設計画の策定過程などにおいて,様々な形で周知を図ってきたところでございますが,それぞれの学校において,長寿命化等の改修工事を実施する際には,保護者や地域の皆様への説明を行いたいと考えております。そのため,学校運営について,学校と地域の方々で協議しております学校運営協議会などの場を活用し,長寿命化改修について適切に情報を提供するとともに,丁寧に説明してまいります。
 以上でございます。

○4番(中西大輔君)
 丁寧に説明されるということですので,早急に取り組んでいただくことをお願いします。
 決して,今回の質問でも悲観論を言いたいわけではないんです。現状を知って,楽観論や無責任論に流されず,覚悟を持って取り組まないと,自治体として残っていけない。逆に言うと,そこに未来があると考えていますので,意見交換も含めて,しっかり取り組んでいただくことを期待して,私の質問を終わらせていただきます。
 以上です。