2021年 12月(一般質問)
2. 三中学校改修の現状について
 (1) 耐力度調査結果と方針検討はどうなっているか
 (2) 地域とのコミュニケーションの現状について


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○17番(中西大輔君) 
 それでは,次に2点目ですが,白子,千代崎,白鳥の3中学校の改修の現状をお聞きしたいと思います。
 内容については,今年6月の一般質問以降,耐力度調査の結果がどのようになっているのか,それを受けた検討内容はどのようなものなのか。現在の判断と考え方,地域や関係市民の方々とのコミュニケーションの状況などをお聞きして,市の姿勢を問うということを目的にしています。
 そこで,お聞きしたいのですが,中項目の1つ目として,耐力度調査の結果とその後の検討状況をお聞きしたいと思います。

 改修対象となっているのは,白子中学校の東館,本館,西館,千代崎中学校の本館,白鳥中学校の南館,本館,北館と呼ばれている校舎棟になっていて,建物の構造耐力であったり,経年による耐力や機能の低下,立地条件による影響などを基にして,建物の老朽化を総合的に評価する耐力度調査を行われたわけですが,6月の質問の答弁では,6月下旬までに調査報告書が提出される予定。耐力度調査の結果報告書の提出後,速やかに内容の精査を行い,経済性や機能性の検討を庁内関係部局とともに行い,令和4年度予算の編成時期──ちょうど今頃ですね──,改修方針を決定する必要があると考えているとありました。そこで,耐力度調査の結果と,7月から11月まで,どのような検討が行われていたのか,時系列で,それぞれ分かりやすく簡潔な説明と改修の方向性,どのようなものかということをお聞かせいただきたいと思います。

○議長(森 雅之君) 教育長。
              〔教育長 廣田隆延君登壇〕
○教育長(廣田隆延君) 
 それでは,3中学校改修の現状についての御質問のうち,耐力度調査結果と方針検討はどうなっているかについて答弁を申し上げます。
 鈴鹿市公共建築物個別施設計画では,建築後40年を経過した市有建築物について,長寿命化改修を行うこととしており,どの程度の長寿命化改修が必要かなどを把握するために,建築物の老朽化を総合的に評価する調査,いわゆる耐力度調査を実施することとしております。

 耐力度調査は,壁から採取したコンクリートコアを用いた圧縮強度の検査及び壁,梁,柱のコンクリートを部分的に削り,鉄筋の腐食やコンクリートの中性化などを調べる検査等を行い,また,地盤の固さや海岸からの距離など,立地条件による影響を考慮した上で,建築物の耐力度を点数で示したものでございます。
 この耐力度の点数は,どの程度の改修が必要かなどの判断や文部科学省の改築事業の国庫補助の対象となるかどうかの判断材料として活用するものでございます。一般的には,点数が低いほど改修箇所は多くなり,改修費用が高額となるとされておりますが,コンクリートの圧縮強度が非常に低い場合や構造躯体の鉄筋がさびにより腐食・膨張している場合には,改修により改善していくことが技術的・経済的に難しいとされております。

 白子,千代崎,白鳥の3つの中学校につきましては,建築後40年を経過した鉄筋コンクリート造の校舎について,建築年度が異なる棟ごとに耐力度調査を行い,この6月下旬に調査結果が判明しております。

 3つの中学校の校舎の耐力度の点数は,千代崎中学校の4棟のうち2棟が3,722点,残り2棟が4,484点,4,738点となり,続いて,白子中学校の4棟は4,306点,4,399点,4,554点,4,653点となっております。一方,白鳥中学校の4棟は4,982点,5,734点,6,110点,6,204点となっており,千代崎中学校の校舎が最も耐力度が低く,白鳥中学校の校舎は,ほかの2校と比べて耐力度が高い結果となっております。
 また,3つの中学校全ての棟において,改修を行う上で必要なコンクリートの圧縮強度は確保しておりますが,千代崎中学校の校舎2棟におきましては,構造躯体である柱内部の鉄筋がさびにより腐食・膨張していることが確認されております。

 以上のことから,白子中学校,白鳥中学校は,個別施設計画で位置づけられたとおり,長寿命化改修の実施が可能となっておりますが,一方,千代崎中学校は,改修により構造躯体の鉄筋の腐食・膨張を改善していくことが技術的・経済的に難しいと考えられます。

 3つの中学校については,全ての校舎において,耐震診断及び耐震改修工事を行っており,文部科学省が定める学校施設に必要な耐震性能は十分に確保されておりますが,経年変化による施設の老朽化が進んでいるため,順次,整備を図っていきたいと考えております。
 なお,大木中学校の校舎につきましては,令和元年度に耐力度調査を実施した結果,千代崎中学校と同様,鉄筋がさびにより腐食・膨張していることが確認されており,今年度から校舎の改築工事を実施しております。

 続きまして,今後の方針についてでございますが,今年9月に改定された鈴鹿市公共施設等総合管理計画では,平成27年度現在の市有建築物の保有量(延床面積)を令和33年度までに18%縮減する目標を掲げており,施設の老朽化や利用状況,自然災害のリスク,財政状況などを踏まえ,改修や改築,統廃合,複合化などの対策の優先順位づけの方針を定めて取り組むとしております。

 学校施設につきましては,建築後40年以上経過した市有建築物全体の延床面積に対し,約5割を占めており,老朽化の進行などにより,維持修繕費が毎年増加傾向となる一方で,今後の児童生徒数・学級数の減少が予測される学校もございますので,鈴鹿市学校規模適正化・適正配置に関する基本方針に基づき,統廃合や複合化を視野に入れた施設の在り方について十分に検討していく必要があると考えております。
 こうした学校施設全体の課題や短期・中長期的な施設整備等の財源確保の課題を視野に入れ,この6月から,3つの中学校の校舎の対策の方針や事業期間等について,庁内関係部局と協議している状況でございます。
 以上でございます。

○議長(森 雅之君) 中西大輔議員。
             

○17番(中西大輔君)
 ありがとうございます。
 非常に答弁としては長いので,なかなか分かりにくいところがあるかなと思いますので,ちょっと要点をもう一度,再確認でお聞きしたいんですけれども,今の答弁をお聞きしていると,千代崎中学校は大木中学校と同様に改築の方向で検討されていて,白子中学校,白鳥中学校については既存計画のとおり,長寿命化の方向で検討されているというふうに聞こえたんですけれども,それでよろしいでしょうか。お聞かせください。

○議長(森 雅之君) 教育委員会次長。

○教育委員会事務局教育次長(亀井正俊君) それでは,再度の御質問に答弁申し上げます。
 白子,千代崎,白鳥の3つの中学校の改修方針につきましては,公共施設全体の今後の改修計画にも影響するものでございますので,先ほど教育長から答弁いたしましたとおり,庁内関係部局と慎重に協議しているところでございます。
 以上でございます。

○議長(森 雅之君) 中西大輔議員。 
          

○17番(中西大輔君)
 慎重に検討されているということですけれども,本来であれば,公共施設等総合管理計画と個別施設計画が両方あるわけですから,その時点で,相当に協議された上で,それぞれの計画も策定されたものというふうに私は考えておりますが,慎重な検討をされるということは分からないわけでもありませんが,先ほど言いましたように,2つの計画の改定の機会であったり,検討に時間がかかるということは,いろいろな面での見通しの甘さがあったからではないかなというふうに考えるわけですけれども,そこでお聞きしたいのですが,改修のための財源面の課題について,特に一般財源面ですね,簡潔に状況がどういうふうになっているのかということを答弁のほうをお願いします。

○議長(森 雅之君) 教育委員会次長。

○教育委員会事務局教育次長(亀井正俊君)
 それでは,再度の御質問に答弁申し上げます。
 学校施設の改修のための財源でございますが,市有建築物全体の延床面積の約5割を占める学校施設は,順次,改修工事が必要となり,維持修繕工事等に係る経費にも膨大な費用が必要となってまいります。
 教育委員会といたしましては,今後も,改修工事費等の事業費についてしっかりと精査し,年度ごとの平準化を図るとともに,財源につきましても,国の補助金を最大限に活用した上で,適宜,地方債を発行するなど,財源確保に努めてまいります。
 以上でございます。

○議長(森 雅之君) 中西大輔議員。

              

○17番(中西大輔君)
 予算要求という部分で,教育委員会が答弁されたのかなと思うんですけれども,私の質問の意図としては,教育委員会の予算要求というよりも,全体的な中での課題をお聞きしたかったわけです。
 今,答弁の中にもありましたが,厳しいということもありましたが,地方債の発行です。地方債の発行は,これ,教育委員会が判断してできるものではないです。当然ですが,発行すると,公債費が増加しますし,公債費が増加すれば,義務的経費や経常的経費も増加するわけですけれども,そのあたりの課題はないということなんでしょうか。あれば,そこの説明をしていただきたいですし,先ほど言いましたが,地方債の発行,教育長だけでできるのかどうか。そうでないなら,しかるべき部長にこの部分,次の内容にも深く関係しますので,簡潔で真摯な答弁をお願いしたいと思います。

○議長(森 雅之君) 政策経営部長。

○政策経営部長(森 健成君)
 それでは,地方債発行の判断と,地方債発行に基づく義務的経費の増加について答弁申し上げます。
 学校施設にかかわらず,投資的事業を実施する場合におきましては,その財源の1つとして地方債の発行がございます。
 その理由の1つとしましては,投資的事業により建設される公共施設等につきましては,現在の市民の皆様だけではなく,将来の市民の皆様にも御利用いただくことを前提としているため,将来の市民の皆様にもその財源を平等に負担していただくという観点から地方債を発行するものでございます。
 また,国庫補助事業に伴う地方債の発行につきましては,後年度の公債費の一部に,普通交付税等により財政措置がなされることも理由の1つでございます。しかしながら,地方債を発行することにより後年度の公債費は増加することになり,義務的経費としての経常経費の増加につながりますので,地方債の発行につきましては,全体の収支状況と後年度の公債費負担を見据えた上で,慎重に判断することとなります。
 以上でございます。

○議長(森 雅之君) 中西大輔議員。

    
○17番(中西大輔君)
 ありがとうございます。
 将来世代も負担するからという部分ですけれども,これから人口減少してくるのはもう容易に予想されていることです。まして新型コロナで出生数が大分下がったという話題もある中で,より慎重に今の世代が判断しないといけないのではないでしょうか。そこのところの問題点をしっかり表に出していかないと,これから市民の皆さんとの議論もできないと考えるところなんです。

 そこで,中項目の2つ目,地域とのコミュニケーションの現状についてお聞きしたいんですけれども,6月の質問の中では,7月中には該当の3つの中学校で個別施設計画であったり総合管理計画,そして3月に公表されています鈴鹿市学校施設長寿命化計画の考えの説明をすることを述べさせていただきましたし,説明に当たっては,若い世代の参画も意識していただきたいということを述べさせていただいたわけですけれども,それに対する答弁では,長寿命化等の改修工事を実施する際,保護者や地域の皆様への説明を行いたい。学校と地域の方々で協議している学校運営協議会などの場を活用し,適切に情報を提供するとともに,丁寧に説明するという趣旨の答弁がありました。早口になっている部分もあろうかと思いますので,議事録で確認して文章を抜き出しております。

 そういう答弁がありましたが,12月定例議会までに学校が関係する地域の方々,PTA,学校生徒,学校運営協議会などを含めて,どのような対話や説明が行われたのか,それとも行われていないのか,各学校での地域の方々からの声はあったのかどうかなど,現状について,どのようなものになっているのかという点と,今後の取組の方向性をお聞きしたいと思います。

○議長(森 雅之君) 教育長。

○教育長(廣田隆延君) それでは,地域とのコミュニケーションの現状についての御質問に答弁を申し上げます。
 学校関係者や地域の方々に対しては,学校と地域の方々で協議している学校運営協議会などの場などにおいて,今年度中には説明を行ってまいります。
 なお,耐力度調査は長寿命化改修の実施の可否を判断する目的で行うものであり,耐力度調査の結果,長寿命化改修の実施の可否及び今後の施設整備方針は一体で説明をしていく必要があると考えております。
 以上でございます。

○議長(森 雅之君) 中西大輔議員。

  
○17番(中西大輔君)
 ありがとうございます。
 耐力度調査の結果と長寿命化の可否も含めた今後の方針は一体で説明されるということでしたが,学校施設の改修を考えるに当たって,先ほど前段でちょっと質問させていただいた公共施設等総合管理計画や公共建築物個別施設計画ということの説明は避けられないわけで,この内容は,読んでいただくと分かりますが,1時間ではとてもじゃないけれども,恐らく腹に落ちるというか,理解できるまでにはいかないのかなと私は考えるところなんです。

 特に総合管理計画のほうについては,道路や橋梁,上下水道,公園なども入ることを考えると,やはりこの部分については説明のほうに入るべきというふうに考えます。調査結果と方針の説明の前に,事前のレクチャーのような形で実施していただいて,日を改めて方針を説明されるほうが市民の皆さんにとっては分かりやすいのではないかと考えますが,いかがでしょうか。お願いします。

○議長(森 雅之君) 教育委員会次長。

○教育委員会事務局教育次長(亀井正俊君)
 それでは,再度の御質問に答弁申し上げます。
 公共施設等総合管理計画や公共建築物個別施設計画の内容につきましては,これまでも市民の皆様に対し周知を図ってまいりましたが,学校運営協議会などの場において,耐力度調査の結果や今後の方針の説明の際には,併せて説明していきたいと考えておりますので,よろしくお願いいたします。
 以上でございます。

○議長(森 雅之君) 中西大輔議員。

 
○17番(中西大輔君)
 質問に当たって,当然,学校にも状況をお聞きしたりする中で,地域の方からどうなっとるのという声があるということを校長先生からお話を聞きました。現場の校長先生であっても,このことだけではなくて,いろいろな教育内容の対応で大変な中ですので,やはりこのような部分は,教育委員会の本体であったり,当然,公共施設整備のほうも担当課がありますから,そちらのほうでしっかり動かなければ,学校負担だけが増えるんじゃないでしょうか。その点については,真摯に取り組んでいただきたいと思います。

 そして,最後なんですけれども,やはりこういうふうな先行き不透明な時代というのは,客観的な数字を基にしたデータを用いて,透明な議論で結論に至ることが大切ではないでしょうか。いろいろなものを,これから入札等もありますが,透明にしていくということが非常に必要だと思いますので,その点は配慮していただきたいですし,主権者として住民の方々が参画するということは,もうこれはなくてはならないもの──当然,されていますから,さらに一層,そこに配慮していただきたいということです。

 そして,先ほど見通しが甘かったのではないですかということをお話しさせていただきました。
 財源のことについて,この単年度の話じゃないですよね。過去からの話があるわけで,鈴鹿市としては,平成16年,平成17年,平成18年,平成19年と職員給与の改定を行ってきたわけですね。給与の改定そのものが全て悪とは言いませんが,そこのところで財源を使っている部分があるということは,これはやはり市政としてはしっかり認識しなければいけないのではないでしょうか。

 また,総合管理計画についても,当初計画は削減目標は5%でした。それが改定で18%になりました。5%の段階で,見通しが甘いのではないかという意見もあったはずですが,そこで進んできているというところの見通しの甘さは,これは指摘されても否定はできないことではないでしょうか。

 この点について,これから関係地域だけじゃないです。3中学校だけではなくて,これから学校施設に関しては続々と続いてくるはずです。それぞれの地域で真摯な説明をしなければ,住民の方々の理解は得られない。それは,ひいては市政の混乱にもつながるのではないかなというふうに考えます。

 ともかく,3中学校においては,早急に分かりやすく説明をしていただく。学校施設を直そうと思えば,道路がいろいろ関係して,その中で,こういう状況になっていますということを分かっていただくように取り組まれなければいけないというふうに考えるところです。

 以上をもって,今回の質問では,主権者教育と3中学校の現状を問わせていただきましたが,どちらも続いている考えとして提示させていただきました。行政側の真摯な取組のほうを期待して,質問のほうを終わらせていただきます。ありがとうございました。

○議長(森 雅之君) これにて,中西大輔議員の質問を終了いたします。