2022年 9月(一般質問) 1. 災害時の情報伝達について (1) 防災無線と防災スピーカーについて (2) 他の情報伝達手法について (3) モバイル端末への移行について ********************** 8月17日に開催された子ども議会のほう,ひととおり傍聴させていただきました。児童生徒の皆さん,非常に頑張っているなという質問があって,興味深い切り口のもの,また親御さんの働いているところから引き出したりと,非常に興味深いものがありました。 一方で,答弁をお聞きしていて,物足りないなと感じるものがいくつかありました。やはりこの場での回答というのは,過去もあって,現在があって,そして未来もあるということを意識して答弁していただきたいなと思います。 それでは,今回は災害時の情報伝達等,DX推進体制について取り上げます。 まず,大項目1,災害時の情報伝達について,論点は,東日本大震災の後に設置されて約10年が経過している防災スピーカーと防災行政無線についてですが,恐らく大規模改修の時期に入っているだろうということでありますので,その対応をお聞きすることと,この改修の検討を機会にして,災害時の情報伝達をモバイル機器に軸足をきっちり置いた施策展開と,既存設備と施設については改修とのバランスをとっていただくことを次期総合計画に記載してはどうかということです。 それでは,中項目1,防災無線と防災スピーカーの状況をお聞きしたいと思います。 資料1の映写をお願いします。 こちらは,鈴鹿市防災情報伝達システム拡声範囲図を調整して,映写しています。 平成24年から市内に設置された71局の同報系の防災無線システムと22局のFM告知放送システムで用いられている防災スピーカーの音声到達範囲が示された図になっています。 こちらを見ると,海岸部のほうはやはり津波浸水被害というのが想定されていましたので,くまなくカバーしているものの,よくよく見ると,全体を決してカバーしているものではないことが分かります。 この屋外スピーカーというのは,この10年の設置の中でもそうですけれども,台風や豪雨などの荒天時など屋外の音が大きいと音声がかき消されるおそれ,風向きによる影響も考えられるものです。また,冬季など,家屋の窓を閉め切った場合も聞こえにくいことも想定されます。これらの検証はどのようになっているのか。 また,実際の災害時を想定して,同じ音量で放送した場合に,隣接する地域での聞こえ方の状況などを把握しているのでしょうか。 設置後,約10年の間には,鈴鹿市でも台風による停電被害や豪雨による冠水被害などがありましたが,防災スピーカーの特徴と有効に活用できていたのかの検証,課題の検討が行われているのかをお聞きしたいと思います。 ○議長(宮木 健君) 危機管理部長。 〔危機管理部長 山本 浩君登壇〕 ○危機管理部長(山本 浩君) それでは,中西議員の災害時の情報伝達についての御質問の1点目,防災無線と防災スピーカーのうち,防災スピーカーにつきまして答弁を申し上げます。 まず,本市の防災情報システムは,移動系の無線機と同報系・FM系の防災スピーカーで構成され,防災スピーカーは津波災害や河川氾濫,土砂災害の発生が予測される区域の,主に屋外にいる人向けに災害に関する情報をいち早く伝達することを目的に整備をいたしました。 本市が出す避難などに関する情報や気象庁が出す緊急地震速報,内閣官房が出す国民保護情報など国から伝達されるJアラートの放送の際は,スピーカーの最大音量で流れ,種別にもよりますが,一般的には約300メートルの範囲まで届き,エリア内にいる人にとっては,その場で情報を取得することができるものでございます。また,年間6回程度あるJアラートの訓練放送の際には,聞こえる範囲を確認するために,毎回場所を変え,職員がスピーカーから約300メートル離れたところで実際に聞き取り調査を行っております。加えて,平時の動作確認として,同報系防災スピーカーについては,年末年始期間を除く平日の17時に音量を絞って定時放送をしております。 このように,災害時に備えて日頃から動作確認などを行っておりますが,暴風,豪雨といった荒れた天候時の聞こえ方や聞こえる範囲の状況調査は実施しておりません。 このことについては,防災スピーカーは緊急地震速報などの伝達の際には速報できる有効なツールでありますが,令和2年3月に消防庁防災情報室が作成した災害情報伝達手段の整備等に関する手引きの中でも,風向きや天候,屋内屋外の別,スピーカーからの距離等により聞こえ方が異なることから,地域住民が漏れなく聞くことは事実上困難であると示されております。 そのため,聞き取れなかった方々への対応として,直近の放送内容については電話による放送内容確認サービスを利用いただくことができ,また,市が発信した情報については,コールセンターに確認いただくことで内容を伝えさせていただいております。併せて,防災スピーカー以外にも市ホームページ,緊急速報メール,ケーブルテレビ,緊急防災ラジオ,防災アプリなどの様々な伝達手段を活用し,情報発信を行っております。 以上でございます。 ○議長(宮木 健君) 中西大輔議員。 〔17番 中西大輔君登壇〕 ○17番(中西大輔君) ありがとうございます。頻発している気候変動の影響に対してはほとんど検証がされていないということが分かりましたし,また,放送内容が聞き取れなかったときは,今度はコールセンターに聞くということで,課題があるということが見えたのかなと思います。 それでは,防災情報伝達システムについて,大規模改修に関する点をお聞きしていきたいと思います。 資料2の映写を。 〔資料をスクリーンに示す〕 こちら,昨年公表の行政評価の中,実行計画マネジメントシート,番号012102から引用しています。 防災無線維持管理事業費というのは,移動系と同報系を合わせて毎年約1,200万円支出されてきている事業です。 下に送ってもらっていいですか。 これ,途中をちょっとはしょっているんですけど,C検証というのがありまして,そこの中で,行財政改革の4つの視点で,人材育成――これ,ちょっと違っていますね。もう一回,ちょっと上に戻してもらっていいですか。 すみません,資料の作成,ちょっとミスしていますので,言葉で表現していきます。 C検証の中,行財政改革の4つの視点で,人材育成・意識改革は育成できた,役割分担の見直しは効率よく成果を出せた,やり方・進め方の見直しは妥当であるという評価が出ているんですけれども,歳入確保・歳出削減の視点のところでは努めた結果,金額に反映できていないとなっていまして,その理由として,緊急修繕により金額に反映できなかったことが挙げられています。 それを受けた検証結果の課題・懸案事項のところでは,移動系防災行政無線の整備から10年が経過し,経年劣化によるシステム障害,修理コストの増加,修理不能が懸念され,防災情報伝達システムの安定的運用が難しくなってきているというふうに記述されています。 そこで,鈴鹿市防災情報伝達システムの安定的な運用を継続するために,必要となる機器や施設の改修内容,移動系防災行政無線の更新と防災スピーカーが関係する71局の同報系の防災無線システムと22局のFM告知放送システムの更新について,それぞれどの程度のコストが想定されているのでしょうか。また,システムにかかる全体の費用と併せて,移動系と防災スピーカー関係の費用が分かるように説明をお願いします。 ○議長(宮木 健君) 危機管理部参事。 ○危機管理部参事(船入公孝君) それでは,鈴鹿市防災情報伝達システムの更新を行う場合のコストの想定についての御質問に答弁を申し上げます。 現在の鈴鹿市防災情報伝達システムは,平成20年度から平成26年度にかけて設計及び施工を行い,これらシステムの総事業費は約5億8,600万円でございます。内訳を申し上げますと,携帯型無線機,半固定型無線機,統制台といった職員や関係機関が使う移動系無線とそのシステムの整備に約1億7,600万円,同報系やFM系といった防災スピーカーの整備に約4億1,000万円の整備費用を投じております。 これら一連のシステムについては,導入から約10年が経過してきており,安定的な運用を継続するために,現在,更新に向けて改修が必要な箇所等の調査を行っております。 具体的には,情報伝達のシステムは,近年の技術の進歩に伴い,導入当時より機器の性能も向上していることから,現在のシステムをそのまま改修して維持するのではなく,市民の方々により早く,より伝えやすくなるよう,現在,各メーカーや近隣自治体などに対し,情報収集を行っているところでございます。 このような情報収集により,例えば防災スピーカーにつきましては,高性能スピーカーを導入すれば,現在設置しているスピーカーより放送の聞こえる範囲が広がることや内容も聞こえやすくなり,93か所ある防災スピーカーの数を減らすことができるといった情報を得ております。加えて,スピーカーの数を減らせることができれば,設置後の点検や修繕などのランニングコストを減らすことが可能となります。このように,システムの更新に当たっては,機器の機能向上を調整しながら,並行してコストの比較も行っております。 一方で,近年のシステムの高度化に伴って全体の導入費用が増大することも多分に想定されることから,改修に当たっては,既存システムの一部を引き続き活用することも含め,今後も検討を重ねてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(宮木 健君) 中西大輔議員。 〔17番 中西大輔君登壇〕 ○17番(中西大輔君) 既存のシステムを全部構築したときに約6億円ということですけども,それから時間もたっていますので,相応の金額が改修に当たってはかかってくることが大体分かりましたので,ありがとうございます。 そのような鈴鹿市防災情報伝達システムの更新や大規模修繕等にかかるコストは,実際は公共施設等総合管理計画にも公共施設の個別施設計画にも組み入れられていないため,今のところ財政的には見えていない課題だと思います。そうであれば,今後の更新や大規模修繕について,ほかの情報伝達手法との比較も含めて,より慎重にコストの妥当性を検討する必要があるのではないでしょうか。 防災に関する施設ですので,財政調整基金からの繰入れも財源の選択肢にもあるとは思いますが,そのほかの公共施設改修などとの関係や今後の政策課題を考慮すると,安易に頼るというのもなかなか難しいのかなと思います。財政の検討は厳しい課題ですし,その意味では,国補助の調査と検討も必要かと思います。 防災情報伝達システムの大規模修繕を想定するとき,このようなコストと手法の妥当性の検討というのはどのように行われるのか,現時点の考えをお聞きします。 ○議長(宮木 健君) 危機管理部長。 ○危機管理部長(山本 浩君) それでは,更新にかかるコストと手法の妥当性についての御質問に答弁を申し上げます。 現行のシステムを導入する際はプロポーザル方式を採用して整備を行っておりますが,次期の更新に当たりましても,有効な情報伝達手段とコストのバランスを見ることができる採用方法を検討する必要があると考えております。また,更新に当たっては,市の財政状況に応じたコストを鑑みることや災害時に有効な情報伝達手段に成りうるかなど,投入するコストの妥当性が測れるよう,様々な面から内容を見極められる体制等も検討していく必要があると考えております。 なお,システムの更新に当たっては,今後,次期総合計画の策定に合わせて,実行計画に位置づけていく必要がございますが,防災スピーカーによる情報伝達には課題も示されていることから,他の情報伝達手法の妥当性につきましても比較を行うなど,多角的に検討を重ねてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(宮木 健君) 中西大輔議員。 〔17番 中西大輔君登壇〕 ○17番(中西大輔君) ありがとうございます。 やはりほかの情報伝達システムとの比較もそうなんですけれども,財政的課題として,このような計画の中に入っていないものをうまく表に出しながら検討していただくことも必要かというふうに思います。 それでは,中項目2,ほかの情報伝達手法についてお聞きします。 資料3の映写をお願いします。 〔資料をスクリーンに示す〕 こちら,実行計画と前後するのですが,こちらも昨年公表の行政評価,単位施策マネジメントシート番号0121から引用しています。 下に送ってもらっていいですか。 この中の5所属の方向性というのが書いてあるんですけれども,こちらのほうで,要約すると,市民に対する情報伝達は,市ホームページ,コミュニティFM,ケーブルテレビL字放送などの媒体でリアルタイムに提供している。避難情報の提供は,緊急速報メール,防災アプリ,防災行政無線などを活用して行っている。日々進化する情報化社会に対応した情報伝達媒体の調査研究,情報収集を進めると書いてあります。 そこで,防災行政無線と防災スピーカー以外の情報伝達について,簡潔に説明をお聞きしたいと思います。特に,モバイル端末を活用した災害時の情報伝達というのは,東日本大震災以降,SNSの活用,有用性も含めて取り上げられているところで,実際,現在も,最近でも活用されているところだと思いますので,その特徴や端末の普及率も含めて説明をお聞きしたいと思います。 あわせて,現在,市が関係しているサイトへのアクセス数などについてお聞かせください。 ○議長(宮木 健君) 危機管理部長。 ○危機管理部長(山本 浩君) それでは,他の情報伝達手法についての御質問に答弁を申し上げます。 携帯電話,PHS,スマートフォンといったモバイル端末の保有状況についてですが,総務省の通信利用動向調査報告書によると,令和2年で96.8%の世帯保有率となっており,平成23年の94.5%と比較すると2.3%の増となっております。 さらに詳細を見てみますと,モバイル端末のうち,携帯電話などに比べ,多機能でパソコンに近いスマートフォンについては,令和2年で86.8%の世帯保有率となっており,平成23年の29.3%と比較すると57.5%も増加しております。このように,保有率が高く,高機能化が進むスマートフォンなどのモバイル端末は,災害時にも有効な情報伝達手段でございます。 理由として,まず1点目は,携帯することができることから,自宅においても,避難先においても,いつでも災害情報を取得できること,2点目として,ソーシャルネットワークサービス,いわゆるSNSなどにより複数の情報媒体を1つの端末で取り扱うことができ,公的機関,インフラ企業,報道機関などの多様な主体から発信された情報を受け取ることができること,そして3点目として,これらの多くの情報を自らが選択して必要に応じて取得することが可能であることが挙げられます。このようにモバイル端末を活用することは,災害発生時の混乱した状況で,家族や友人の安否を早期に確認することができ,救援,救助の声を届けることができるなど,市民の安心を確保するためには非常に有効であります。 このようなことから,本市では総合計画2023に情報提供力の向上を位置づけ,防災スピーカー,緊急防災ラジオなどに加え,ホームページ,メールモニター,フェイスブック,ツイッター,緊急速報メール,防災アプリなどでも情報を提供しており,本年10月からはラインアプリを活用した防災情報の発信も予定しております。 現在のサイトへのアクセス数など,利用状況を申し上げますと,ホームページの防災情報では,令和4年の8月のページビューが1か月で2,541件,令和4年8月26日時点でメールモニターの災害メールの登録者は9,173人,フェイスブックのフォロワー数は2,574人,ツイッターのフォロワー数は8,170人となっております。 以上でございます。 ○議長(宮木 健君) 中西大輔議員。 〔17番 中西大輔君登壇〕 ○17番(中西大輔君) ありがとうございます。緊急速報メールに触れていただいていたんですけれども,気象庁のほうで昨年10月,実は,ちょっとこれの配信終了も見直しにかけようかという話題が出て,国のほうにもいろいろ意見が入ったことで延長されているということがあります。 今,フェイスブックやツイッターであったり,メルモニの登録数を聞いていても,プッシュ型で支援を行うにはやはりちょっと基本の登録数が少ないのかなと。皆さん,自分で取りにいく状態ですので,検討が必要なのかなと思いますし,気象庁のほうでは,自治体における避難情報の発令の支援や防災アプリなどプッシュ型の通信サービスの普及拡大の支援に力を入れるという方向性も出ていますので,このあたりのところの議論を深めていただけたらなと思います。 次に,災害時の通信環境のほうをお聞きしたいと思います。 平成30年度の鈴鹿市議会総務委員会の調査事項で,公衆無線LANについてがあります。私たち市議会からは,1,防災拠点にWi−Fi環境を整備していくこと,2,防災無線やスピーカーなどの機能を備えた多機能防災Wi−Fi機器の設置について検討していくことと行政のほうに提言を行わせていただいております。 そこで,提言を受けた後,市のほうは取組を進めているのか,現状をお聞きしたいと思います。 資料4の映写を。 〔資料をスクリーンに示す〕 こちらのほうがですが,グーグルマイマップで作成させていただきました。 こちらのほうは,ケーブルネット鈴鹿による地域広帯域無線アクセスシステム,いわゆる地域BWAなんですが,基地局として整備されているのは,この地図中の赤丸で示している市役所本庁舎,鈴鹿商工会議所,白子ストーリアホテル,鈴鹿ストーリアホテル,CNS社屋,白子中学校,稲生小学校,玉垣小学校,一ノ宮小学校,牧田小学校,桜島小学校,大池にあるマンションとなっています。 地域BWAでは,それぞれの半径1キロメートルの範囲にある公共施設のほうで,災害時にネット接続が通信可能になってくるというふうにお聞きしております。ただ,この地図を見ていただくとお分かりいただけるように,鈴鹿川より東側の一部地域をカバーしている程度で,西部地域のほうには存在していません。 それでは,資料5の映写のほうをお願いします。 〔資料をスクリーンに示す〕 こちらは,無線LANビジネス推進連絡会が発行しているファイブゼロジャパンの紹介パンフレットから引用しています。 ファイブゼロジャパンは,大規模災害発生時に自治体や民間企業などが提供している公衆無線LANサービスを無料で契約者以外でも使えるようにする仕組みです。 下に送ってください。 キャリアに関係なく,公衆無線LANサービスを使えるようになるというものです。これまでにも熊本地震や九州北部豪雨,大阪北部地震をはじめとした災害時などで発動されています。 そこで,ファイブゼロジャパンを念頭に置きながら,市内で提供されている民間の公衆無線LANの状況というのを鈴鹿市のほうでは把握されているのでしょうか。 資料6のほうを映写してください。 〔資料をスクリーンに示す〕 こちら,ちなみに公衆無線LAN事業のほうで,三重県が進めているもので,FreeWi−Fi MIEというのがあります。そのサイトにありますFreeWi−Fi MIEから引用しています。こちらもグーグルマイマップを使って作成されています。 見ると,市内でも店舗や会社など,多くは登録されていますが,やはり西部地域,特に高速近辺のところは少ないように思います。 言いましたように,資料4と資料6から併せても,やはり鈴鹿市の西部地域においてはWi−Fi環境に脆弱性があるのではないか,災害時を考えると課題なのかなと思います。 ちょっと補足なんですけれども,調査のために,市のホームページ,オープンデータのほうを見たんですね。公衆無線LANアクセスポイント一覧というデータセットがあるんですけれども,2019年の段階でしかありません。しかも,地域BWAの中で3か所しか取り上げられていないということで,デジタル政策のほうにもちょっと懸念があるのかなというふうに感じました。 お聞きします。市内の収容避難所等,防災公園も含めた施設全体と,併せて県立高校やスポーツの杜鈴鹿など県施設も含めた公共施設及び鈴鹿医療科学大学の2キャンパスと鈴鹿大学における災害時対応のWi−Fi環境の整備状況と提供状況はどのようになっているでしょうか。 また,ファイブゼロジャパン対応の民間公衆無線LANサービスの提供状況はどうなのか。市全体で通信環境がカバーされていない地域がないのかも含めて,答弁をお願いしたいと思います。 あわせて,市の収容避難所において,通信機器の充電などの体制が整備されているか,確認したいと思います。お願いします。 ○議長(宮木 健君) 危機管理部参事。 ○危機管理部参事(船入公孝君) それでは,災害時の通信環境についての御質問に答弁を申し上げます。 議員からも説明をいただきましたが,本市では,現在,地域BWAにより94か所の収容避難所のうち,32か所で災害時のWi−Fi環境を整えており,防災公園の機能を有する桜の森公園についてもエリア内となっております。 地域BWAとは,総務省所管の電気通信業務用の無線システムであり,市町村との連携を条件に,免許を取得した事業者によるサービスを通じて,公共の福祉の増進に寄与することを目的としております。 これを受け,本市では,平成29年度に株式会社ケーブルネット鈴鹿と地域広帯域移動無線アクセスシステムのサービスに関する協定書を締結し,避難所でのWi−Fi環境の整備を図っております。 具体的には,協定に基づき,市は学校施設などを利用して基地局とするための設備の設置に協力し,事業者であるケーブルネット鈴鹿が地域BWAのアンテナを設置して契約者に提供する公衆無線LANエリアを広げ,災害時にはエリア内の避難所において誰でも無償で使用できるものであります。 次に,市内にある県の施設のWi−Fi環境につきましては,聞き取りを行ったところ,神戸,白子,石薬師,飯野,稲生の各高等学校と三重交通Gスポーツの杜鈴鹿についてはWi−Fi環境がございますが,災害時の開放は未定とのことでございました。また,鈴鹿医療科学大学の千代崎及び白子キャンパスや鈴鹿大学もWi−Fi環境はございますが,災害時の開放は未定とのことでございました。 一方,全国的な取組として,議員からも説明がございましたが,大規模災害時においては,無線LANビジネス推進連絡会によるファイブゼロジャパンという取組でWi−Fi環境が提供されることとなっております。この取組みは,NTTドコモ,au,ソフトバンクの大手通信キャリア等が提供するWi−Fiについて,通常時は利用者が契約者に限定される公衆無線LANスポットを災害時には認証なしに,利用時間や回数の制限もなく使用できるものでございます。 直近における実績として,先月の8月3日の岩手県一戸町や,8月17日の広島県東広島市での大雨の際に無料開放が行われております。 本市で無料開放される公衆無線LANスポットは,大手3社で400か所以上が確認できておりますが,議員御指摘のとおり,地域BWAとファイブゼロジャパンの取組を合わせても市内にWi−Fiのエリア外の地域はございます。 次に,4Gや5Gといった通信回線については,人口カバー率は99.9%となっており,ほぼ市内全域で利用可能となっております。 この通信回線を維持するために,大手通信キャリアでは,基地局の耐震化や風水害防護対策,停電対策を行うとともに,通信サービスが喪失した場合にも移動基地局車や可搬型衛星エントランス基地局,ドローン中継局などの災害復旧機器の強化・充実を図っております。さらに,EV車両,蓄電池,太陽光発電や同時に複数台充電可能なマルチチャージャーなどの電源確保の取組も進められております。 また,本市におきましても電源の確保として,基幹収容避難所に発電機や電源タップ,コードリールを配備するとともに,本庁舎などにポータブル蓄電池やソーラーパネルの備蓄も行っております。 なお,通信機器の電源確保につきましては,本市の防災備蓄品・非常持ち出し品のチェックリストに,自助の取組としてモバイルバッテリーや乾電池を備えていただくことを市民の皆様にお願いしております。 以上でございます。 ○議長(宮木 健君) 中西大輔議員。 〔17番 中西大輔君登壇〕 ○17番(中西大輔君) ありがとうございます。今の答弁のほうで,鈴鹿市の取組というふうに表現すると,どうしても鈴鹿市の行政がする取組ということのほうに聞こえがちなんですけれども,防災と考えても,やはり広域的に県との連携であったり,民間との連携であったり,それらを整備していただく必要があるのかなと。 その上で,避難する施設において使えるようにしていくということが必要ではないかなというふうに思いますし,また,西部地域のほうには,鈴鹿市としてのWi−Fi環境を整備するための施設がありませんので,そちらのほうも投資が必要なのかなと思います。それに当たっては,高校のほうをお聞きいただきましたが,やはり鈴鹿市教育委員会のほうでも,学校でWi−Fiがありますので,それらについても状況を確認しながら,構築をしていただきたいと思います。 それでは,中項目3として,モバイル端末への移行をお聞きしたいと思います。 既存の防災行政無線は必要ですし,広報車の活用などアナログ的な伝達方法も必要だという認識の上で,防災スピーカーを用いる鈴鹿市防災情報伝達システムについては,防災面はもちろんですが,財政面からも検討を行いというのは前段のほうで申しました。そして,その上でよりよい選択をしていく必要があるというのは,これは次期総合計画の課題だと思います。 通信回線のほうは,3G回線,いわゆるガラケーで使っている通信のほうが2026年で廃止されるということですから,どんどん高速回線のほうに移行していくこともはっきりしていますし,高齢者の方々のモバイル端末の所有率が上がって,全体でもほぼ100%になっていくのではないかと考えます。 全体を通して,災害時の情報伝達手法の変化とモバイル端末の普及と,それに対応した通信環境の整備を考えると,鈴鹿市としては,策定に入っている次期総合計画で災害時の情報伝達はモバイル端末に軸足を置くことを明確にしてはどうかと思います。 そのようにして,スマートフォンなどをはじめとしたモバイル端末についてですが,生活に困難を抱える方にも支援を行って,全市民が持てるようにすることや,災害時にも対応したWi−Fiなどの通信環境整備などに市の資源,財源を投入する判断を行って,防災スピーカーなど拡声機が有効な地域には残しつつ,それ以外の地域は寿命に合わせて廃止するなどして,手法を切り替えつつ,効率的かつ効果的な運用にしてはどうかと考えます。 また,モバイル端末に軸足を置くことで,防災だけではなく,福祉分野での活用や機器を介した市民参画の充実など,デジタルトランスフォーメーションによる市民サービスの向上の推進も併せていけば,時代に応じた取組だと考えます。 ソフト面については,市単独なのか,それとも複数自治体で共有するのか,また国のほうが全体で一貫したものにするのかは検討の部分かとは思いますが,市の情報提供の在り方も再検討しながら取り組んでいただく必要があるというふうに私は思います。 次期総合計画でモバイル端末に軸足を置いた災害時の情報伝達の推進という記載を検討できるかどうか,市の考えをお聞きしたいと思います。 ○議長(宮木 健君) 危機管理部長。 ○危機管理部長(山本 浩君) それでは,モバイル端末への移行についての御質問に答弁を申し上げます。 現在の鈴鹿市総合計画2023,第1章,大切な命と暮らしを守るまちすずかにおきまして,多様な情報伝達手段の運用や普及に向けた取組を進めることで,市民の危機管理意識の醸成を図ることを施策に掲げて取り組んでおります。 また,先に答弁いたしましたように,モバイル端末は高い普及率と有効性があることから,災害時の情報伝達手段としての重要度は今後も高まるものと認識しております。このことから,次期総合計画の策定におきましても,情報伝達の重要性を含め,各施策の作成に当たっては,参画いただく市民の方々の意見なども参考にして,検討を重ねてまいりたいと考えておりますので,御理解くださいますよう,よろしくお願い申し上げます。 ○議長(宮木 健君) 中西大輔議員。 〔17番 中西大輔君登壇〕 ○17番(中西大輔君) ありがとうございます。次期総合計画のほうの市民参画の場は近々あろうかと思いますが,ぜひぜひ力を入れて検討していただきたいと思います。 以上で,1つ目の内容のほうを終わります。 |