2022年 9月(一般質問) 2. DX推進体制について (1) 過去の質問以降の取り組みについて (2) 情報政策課の業務見直しについて ********************** それでは,大項目の2のほうに移ります。DX推進体制についてお聞きします。 関連質問のほうは,2020年9月に私のほうから福島県磐梯町の取組を参考に取り上げていますし,また2021年12月定例議会では,同期の池上議員が伊勢市の取組を参考にデジタル政策課の設置を取り上げています。 中項目1ですが,それぞれの質問以降,取組がどのようなものであったかをお聞きしたいと思います。 私の質問内容は,住民本位の地域社会運営で市民満足度を上げることと,行政職員の働き方改善のための自治体DX,デジタルトランスフォーメーションの検討体制について,専門部署の設置を念頭に,デジタル変革推進のプロジェクトグループ立ち上げを問いました。 当時の政策経営部長答弁として,平成27年度に制定の鈴鹿市情報化推進体制の整備に関する規則に基づいて情報化の推進を行っている。今後は,情報統括監補佐官からの情報提供や助言なども活用し,デジタル技術を活用した住民本位の地域社会運営を目指すための取組につなげるとありました。 池上議員のデジタル化に特化した組織体制が必要という質問に対しては,末松市長からデジタル化の方向性などを示す計画の策定から着手し,取組内容やほかの自治体の状況なども踏まえ,必要な体制,人員についても検討したいと答弁がありました。それから2年経過しているわけですけれども合わせると,その間,総務省からは,2020年12月に自治体DX推進計画の策定が示されて,2021年9月にはデジタル庁が設置され,現在も,国ではデジタル社会の形成に向けた会議が継続して開催されています。 直近では,河野太郎氏がデジタル担当大臣として入閣され,旧知の構想日本の伊藤伸氏がデジタル庁の参与に就任されて,個人的にも,今後のデジタル政策の推進に期待しているところです。 社会全体のほうの中では,最近,話題になっているのは,利用者の方が世界中からアバターで参加して,交流や経済活動を行ったりできるオンライン上に構築される3DCGの仮想空間,メタバースが急速に拡大していますし,加古川市や横浜市議会などではDecidimという仕組みを使って──市民参加の手法なんですけど──取り入れて,いろいろと活動されています。デジタル化の動きというのを激流と言ってもよいのではないでしょうか。 そこで,この2年間,鈴鹿市の動きとしては,所管の政策経営部長の交代があり,新型コロナ禍の中,オンライン会議を行うための庁内Wi−Fiなどの環境が整備されるといった変化がありましたが,DXの推進体制は脆弱なままではないかというふうに感じています。 先日,商工会議所建設部会の方々との懇談の中で,他市との行政手続にかかる時間や手間の比較で,鈴鹿市の非効率さの御意見をお聞きしました。 資料8の映写をお願いします。 〔資料をスクリーンに示す〕 こちらは,今年6月に総務省で開催された第11回地方自治体のDX推進にかかる検討会資料から引用し,作成しているものです。 見ていただくと,少し字は小さいのですが,DX推進専任部署を設置している市町村は39.3%,全庁的・横断的な推進体制を組んでいる市町村は39.8%で,全体方針を策定している市町村は21.1%になっています。 この資料の数字を見ると,推進のための専任部署や推進体制の構築があって,方針や計画はその後と考えることが妥当ではないかと思います。 そして,赤線部の表現ですね,こちらのほう,少し整理しますが,第11回の資料だけでなく,ほかの資料でも散見される表現です。整理しますと,全庁的・横断的な推進体制は,市においては市長や副市長のリーダーシップや庁内マネジメントの下,各部局が連携してDXを推進する体制とあります。推進専任部署の設置も同様ではないかと思いますが,鈴鹿市ではどうでしょうか。 急速にデジタル社会環境が変化している中,2020年の質問以降,約2年,変化が見られないように思うことについて,DX推進体制についてはどのような検討が行われてきたのでしょうか。取組に時間がかかっている要因と併せてお聞きしたいと思います。 ○議長(宮木 健君) 政策経営部長。 〔政策経営部長 森 健成君登壇〕 ○政策経営部長(森 健成君) それでは,DX推進体制についての御質問のうち,過去の質問以降の取組について答弁申し上げます。 令和2年12月に自治体DX推進計画が公表されたことを受け,本市におきましても,同計画に定める重点取組事項を着実に実施することができるよう,鈴鹿市情報化推進体制の整備に関する規則に基づき,情報統括監及び情報統括監補佐官を中心に取組を進めております。 具体的には,情報システムの標準化に対する取組として,国から示される対象システムの仕様について,現在の業務内容との差異を確認しているほか,行政手続のオンライン化としましては,電子入札システムや公共施設予約システムの導入を行いました。 また,マイナンバーカードの普及促進としましては,これまで行ってまいりました窓口での交付申請サポートのほか,出張交付申請等を行っております。 AI・RPAの推進としましては,これまで取り組んでまいりました市民税の賦課業務における入力作業に加えて,新型コロナウイルスワクチン接種に係る予診票の記載内容と住民データの照合作業や,三重県の屋外広告物条例に基づく申請書類のデータベース化等,対象業務を拡大しております。 一方,議員から御紹介のございましたメタバース等をはじめとする革新的な分野の行政利用につきましては,先進自治体のDX事例を学ぶ研究会へ参加するなどし,知識の習得に努めている段階でございます。 また,DX推進体制の整備につきましては,令和3年7月に総務省から示されました自治体DX推進手順書によりますと,DXの推進に当たってのDXの認識共有・機運醸成,全体方針の決定,推進体制の整備等の手順が示されており,これに基づき,自治体DXに関する各種の情報を情報統括監を中心として部局長により構成するICT推進本部や,その下部組織であるICT推進委員会などを通じて全庁で共有するほか,情報政策課から全庁に対して必要な周知を徹底することにより,機運の醸成を図るとともに,重点取組項目に関係する所属に関しましては,取組のスケジュールや内容につきまして,情報統括監補佐官の助言や指導を得ながら,情報政策課の職員を中心に具体的な協議,調整を行っております。 また,DX推進に当たりましては,全体方針の決定及び推進体制の整備の重要性を認識しているところではございますが,令和3年12月定例議会における池上議員の御質問にも答弁申し上げましたとおり,本市のデジタル化の方向性などを定めた計画を策定した上で,計画の推進に必要な体制や人員の整備を図ってまいりたいと考えております。 なお,取組に時間を要しているとの御指摘でございますが,本市全体のDX推進方針を考える場合には,検討対象が本市の業務のみならず,地域社会や民間企業のDX等,市民の生活に及ぶことや,デジタル技術の活用に当たりましては,全ての市民がデジタル化の恩恵を受けることができるよう,情報格差の解消を図る必要があることなど,取組の対象や内容が多岐・多分野にわたることから,慎重に状況を把握しているところでございます。 以上でございます。 ○議長(宮木 健君) 中西大輔議員。 〔17番 中西大輔君登壇〕 ○17番(中西大輔君) 今るる答弁していただきましたが,鈴鹿市の情報統括官は杉野副市長だというふうに確認しております。ただ,答弁の中で,部局長で構成するICT推進本部とその下部組織のICT推進委員会とありましたが,いろいろ聞く中で,この2年間の開催は片手に収まる程度と聞いております。また,鈴鹿市のホームページを見ても,会議録等はございません。 このデジタル化というのは時代の流れであって,今いろいろ鈴鹿市のほうでやっていますというふうな取組がありましたが,令和2年度の総務委員会の提言のほうで,RPAの推進のほうは意見が上がっておりますし,また,そのRPAに関しては,平成31年からいろいろな議員が議場でも取り上げているところです。しかも,2人の議員がDXの推進体制を取り上げているにもかかわらず,今のような答弁の内容ということは,時間感覚についてやっぱり民間とのギャップがあるなと。ある意味で,鈴鹿市の深刻な課題なのかなというふうに感じるところです。 それでは,中項目2,情報政策課の業務見直しについてお聞きします。 池上議員の質問で,情報政策課の業務内容は,情報化推進やマイナンバー制度の総合調整と多岐にわたる一方で,人員が少ないことが指摘されています。実際は,これらに加えて,庁内LAN関係や総合住民情報システムに係る通信回線の運用管理や機器の保守管理なども業務に入っていると聞きます。そこに,さらにこの2年間の間には,オンライン会議システムなどを活用するために,それに伴う庁内の通信環境の整備,また機器の整備なども増えているわけですが,一方で,これらの業務を担当している情報政策グループは4人のままです。池上議員が指摘した後も変わっていないということですね。 果たしてこれだけの業務の中で,本市のデジタル化の推進にどれだけ力を入れることができるのでしょうか。また,過重な労働につながらないかと危惧しています。 そこで,情報政策課でも,情報政策グループの業務の説明と,現課,所管部で考える現時点での課題点についてお聞きしたいと思います。 ○議長(宮木 健君) 政策経営部長。 ○政策経営部長(森 健成君) それでは,情報政策課の業務見直しについての御質問に答弁申し上げます。 情報政策グループの業務は非常に多岐にわたっております。 具体的には,庁内で稼働する庁内LAN用及び個人番号業務用のパソコン約2,200台の管理と,それらを利用する約2,300人のユーザーの権限情報の管理,また本庁舎と市内約150か所の出先施設を結ぶ通信回線の管理と各施設内の配線管理,そのほか全庁の業務インフラとなる各種システムの運用管理,これらに加え,マイナンバー制度に係る調整や各所属のシステム導入支援,情報セキュリティー対策の徹底等の業務が年々増加してきております。 これらの業務を実施するに当たっての課題といたしましては,庁内LANの利用拡大に伴い,情報政策グループの所管業務のうち,パソコン等の端末やネットワークなど,業務インフラの維持管理に要する割合が大部分を占めておりまして,これに昨今のマイナンバー制度に関する施策への対応などが加わることで,多くの業務の中から優先度に応じた取捨選択が必要になっていること,また業務の専門性が高いため,業務知識の習得に長期間を要することなどが挙げられまして,所管する業務の範囲が広いことや管理する対象が多いこと,人材の育成に時間を要することなどが主な課題であると認識しております。 なお,これらの課題に対応するために,事務手順の簡素化や外部委託の選択,不要な業務の統廃合を行うことなどにより,緊急度の高い業務に時間や人などの資源を集中的に振り分けている状況でございます。 以上でございます。 ○議長(宮木 健君) 中西大輔議員。 〔17番 中西大輔君登壇〕 ○17番(中西大輔君) 今の答弁から分かることは,いろいろな運用であったりとか,最前線に情報政策グループの職員が投入されていることで,DXの推進の部分は非常に取り組みにくい状況だということがよく分かりました。 そこで,次のことをお聞きしますが,資料7の映写をお願いします。 〔資料をスクリーンに示す〕 こちらですが,こちら,市長も副市長も目にされていることとは思いますが,2020年12月に総務省から公開されている自治体DX推進計画概要から引用しています。 ここで提示されている庁内体制ですね,専任部署があって,それで,それぞれの課のところにデジタル化に取り組む職員がいるという,こういう体制が構築されていれば,鈴鹿市の動きに遅さを感じることはなかったんですね。 資料9の映写のほうをお願いします。 〔資料をスクリーンに示す〕 こちらも,第11回地方自治体のDX推進に係る検討会資料から引用したものです。 これを見ると,取組の遅さというのに気づきます。ちなみに,これ,少し小さいんですけれど,右側の円グラフはDXを推進するための職員育成を行っているかどうかということなんですけれども,青の部分が行っていないというところで,これが38.6%です。現在の鈴鹿市はこちらのほうに入っております。これをどう考えるかということですね。 この責任を現在の担当課,担当部署に問うのは非常に酷な話だと私は思います。まず,CIOの責任が問われるところではないでしょうか。デジタル化推進のための専任の職員体制を鈴鹿市はすぐにでも構築するべきだと私は考えます。 ですが,今回の質問を通してですが,専任のDX推進体制をとらない,情報政策課にDX推進のための職員加配を行う考えが持てないというのであれば,せめて業務内容を精査して,例えば庁内LANの運用管理など,このような部分については保守管理を別の部署に移管する。例えば,管財課が1つですけれども,そのような見直しを行って,現在の情報政策グループが腰を据えてDX推進に取り組めるようにするべきではないでしょうか。二役の考えをお聞きしたいと思います。 ○議長(宮木 健君) 杉野副市長。 ○副市長(杉野浩二君) それでは,再度の御質問に答弁申し上げます。 先ほど政策経営部長から答弁申し上げましたように,DXの推進は大変重要な施策であるというふうに認識いたしておりまして,現在,策定に取り組んでいる次期総合計画においても,DXを重要なキーワードとして捉え,市民サービスの向上に向けたデジタル化の取組を本計画の中で具体的に示していきたいというふうに考えております。 DXの推進体制については,これまでも他市の事例を参考に,本市の整備についても検討いたしましたが,今後のDXの取り組む方向性を明確にするまでは時期尚早であるとの判断から,DX化を担当する情報政策課においてこれを推進していくこととしており,これまで特に自治体のDXの推進について,この情報政策課を中心に,市民サービスの向上や庁内の業務改善に取り組んできております。 先ほども答弁申し上げましたが,現在,次期総合計画において,本市のDX化の取組をより具体的に検討することとしておりますが,これと併せ,その推進体制についても検討していきたいというふうに考えております。 なお,現在の情報政策課については,DX化を引き続き推進していけるように,業務の精査及び人員体制についても検討していきたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○議長(宮木 健君) 中西大輔議員。 〔17番 中西大輔君登壇〕 ○17番(中西大輔君) 答弁のほう,ひととおり聞かせていただいて,市長もずっと聞いていただいているわけですけれども,よく鈴鹿市のほうでは,スピード感を持った業務の取組ということを職員の方々に言っているわけですよね。今の取組は本当にスピード感のあることですか。スピードが必要な政策領域において,今も総合計画の策定に合わせてやっていくというのは非常に遅いと思います。スピードが全くありません。本当にそれでいいのでしょうか。 総合計画に合わせるということは,1年また先延ばしになるのとほぼ同じです。スピードをもって取り組むのであれば,今すぐにでもDX推進のための取組ができるように,担当部署のほうにも人員を配置する等の工夫は必要ですし,明確に来年に向けて職員体制の整備ということが当然,答弁に出てくるべきだと思いますが,その点についての意識について,再度,答弁のほうをお願いしたいと思います。 ○議長(宮木 健君) 杉野副市長。 ○副市長(杉野浩二君) DXの推進体制につきましては,次期総合計画の取組の方向性を検討するのと併せて,その体制についての検討をしていくというふうに申し上げましたが,その趣旨につきましては,現在,その方向性について,総合計画の策定に取り組んでいるわけでございますので,その推進体制についても,それと並行していくということですので,総合計画ができ上がってから考えていくという,そういうことではございませんので,並行して早期に取り組んでいくということでございます。 以上でございます。 ○議長(宮木 健君) 中西大輔議員。 〔17番 中西大輔君登壇〕 ○17番(中西大輔君) ちょっと語弊があるかもしれないですけど,総合計画を策定していく中で,このDX,自治体のデジタルトランスフォーメーションというのは,そのベースになるところですから,今からしっかり取り組まないといけないわけですね。そこのところにしっかり力を入れていただかなければいけないということを強調して,今回の質問のほうを終わらせていただきます。またチェックしますので,よろしくお願いします。 以上です。 |