2022年12月 一般質問 2 空き家・空き地対策について (1) 利用の円滑化の促進に関して (2) 災害等の発生防止に向けた管理の適正化に関して (3) 所有者不明土地対策の推進体制の強化に関して ********* ○17番(中西大輔君) それでは,大項目の2,空き家・空き地対策についてお聞きしたいと思います。 空き家・空き地への対策,取組というのはセットになってくることだと考えます。 今回の質問に当たってですが,最近,地域の方から空き家とか空き地のあるところの適正管理について,ちょっと課題があるんやわというふうにお聞きしました。何かというと,樹木などの管理がちゃんとされていないもので,衛生環境とか安全とか安心のところに不安があるんやわというお声だったんですけれども,それをお聞きして,いろいろ町内でも話を聞いたり,調査をしました。 その際にあったことは,市から所有者の方に郵送で連絡したものの,転居先不明で返送されてきて,それ以上は対応が難しいといった事例があったこともあります。 そのようなことを背景に調べたものなんですけれども,資料6の映写をお願いします。 〔資料をスクリーンに示す〕 御存じの方もいらっしゃると思うんですけれども,今年4月27日に成立して,5月9日に公布された所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法の一部を改正する法律になります。それの概要についてがこの資料になってくるわけです。 また,この法律は公布後6か月以内に施行とされていて,今現在,効力を発効しているものになります。 この法律の概要版ですが,内容は,1,利用の円滑化の促進,2,災害等の発生防止に向けた管理の適正化,3,所有者不明土地対策の推進体制の強化ということが上がっています。 空き家・空き地対策は人口減少の中で早急に取り組む課題というふうに考えるところですが,鈴鹿市として,法律を受けて,現時点でどのような検討を行っているのかということをお聞きしたいと思います。 法律の概要をいろいろ読んでいると,関係するところとして,防災危機管理,環境政策,都市計画,住宅政策,資産税,地域協働といった課が関連してくるように思うのですが,現在,鈴鹿市ではどの部署が法の内容を担うかはっきりしていないと聞くところです。 私としては,今回の法改正の内容を読みながら,空き家・空き地対策の専任部署を設置するほうがいいのかなというふうに考えたところです。その上で,地域協働課は地域福祉委員会所管となるので,それ以外の視点から質問のほうをさせていただきたいと思います。 資料の利用の円滑化の促進についての部分をアップにしてください。 〔資料をスクリーンに示す〕 内容は,@地域福利増進事業の対象事業の拡充,A地域福利増進事業の事業期間の延長等,B地域福利増進事業等の対象土地の拡大となっていて,地域福利増進事業というのは何かといえば,所有者不明土地を公益性の高い施設として活用するものとされています。これらのうち,Bの中で,損傷,腐食等により利用が困難であり,引き続き利用されないと見込まれる建築物が存する土地という表現があり,この部分は,空き家対策と関係すると考えるのですが,空き地対策との関係はどう整理されるのかなど,現時点の考えをお聞かせください。 〔資料の提示を終了〕 ○議長(宮木 健君) 都市整備部長。 〔都市整備部長 今村隆之君登壇〕 ○都市整備部長(今村隆之君) それでは,中西議員御質問の空き家・空き地対策についてのうち,利用の円滑化の促進に関してにつきまして答弁を申し上げます。 所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法,いわゆる所有者不明土地法は,社会経済情勢の変化に伴い,所有者不明土地が増加していることに鑑み,所有者不明土地の利用の円滑化及び土地の所有者の効果的な探索を図るため,国土交通大臣及び法務大臣による基本方針の策定について定められております。また,地域福利増進事業の実施のための措置,所有者不明土地の収用又は使用に関する土地収用法の特例,土地の所有者等に関する情報の利用及び提供その他の特別の措置を講じ,もって国土の適正かつ合理的な利用に寄与することを目的に,平成30年11月15日に同法は施行されました。 さらに,所有者不明土地の利用について,より一層の円滑化を図るとともに,周辺の地域に深刻な悪影響を及ぼすことが懸念される所有者不明土地の管理の適正化を図り,あわせて,これらの所有者不明土地対策に地域の関係者が一体となって取り組むことができる体制を整備するため,令和4年5月9日に一部改正法が公布され,令和4年11月1日から施行されております。 所有者不明土地法は,所有者不明土地を円滑に利用する仕組み,所有者不明土地を適切に管理する仕組み,所有者の探索を合理化する仕組み,所有者不明土地対策の推進体制の強化の4つの柱から成り立っております。 議員御質問の利用円滑化の促進に関しましては,所有者不明土地を円滑に利用する仕組みに該当しまして,この仕組みは地域福利増進事業の実施と土地収用法の特例の2つから成り立っております。 地域福利増進事業の対象となる土地に関しましては,所有者不明土地法第2条第2項で規定します特定所有者不明土地であり,現に建築物が存せず,かつ,業務の用,その他の特別の用途に供されていない土地となっておりまして,建築物がないということが前提となっております。 また,所有者不明土地法に規定する建築物が存せずにつきましては,これまで平屋で床面積20平方メートル未満の物置,作業小屋又はこれらに類する簡易建築物は建築物として取り扱わないと規定されておりました。新たにこれに加えまして,損傷,腐食その他の劣化により,その本来の用途に供することができない状態となったと認められ,かつ,国土交通大臣が定める耐用年数を超えている建築物が朽廃建築物として追加されました。この朽廃建築物につきましては,空家等対策の推進に関する特別措置法に規定いたします空き家としてこれまでも対処してきております。 今後につきましても,所有者不明土地を含め,空き家につきましては,引き続き住宅政策課のほうで対応してまいりますので,よろしくお願いしたいと思います。 以上でございます。 ○議長(宮木 健君) 中西大輔議員。 〔17番 中西大輔君登壇〕 ○17番(中西大輔君) ありがとうございます。どのような考えで整理されているか分かりましたので,次の論点のほうに移ります。 資料6を映写して,災害等の発生防止に向けた管理の適正化の部分をアップにしてください。 〔資料をスクリーンに示す〕 ここでは,@市町村長による勧告・命令・代執行制度が創設されること,A管理不全土地管理命令に係る民法の特例として,管理不全土地管理命令の請求権が市町村長に付与されること,B土地所有者の探索のために必要な公的情報の利用・提供を可能とする措置が導入されることが挙げられています。 ここで,災害等という表現には,空き地に存在する倒木などの被害も入ってくるのかどうかということをお聞きしたいですし,また空き地などによる雑木伐採などの対応に当たって,民法特例での請求権付与とは何か,所有者探索の迅速化のために必要な公的情報の利用,提供はどのようなものか,公的情報については,税情報とそのほかの情報の違いがあると思いますが,税情報については,これまでとどう違うのかなど,それぞれ分かりやすく説明をお願いします。 〔資料の提示を終了〕 ○議長(宮木 健君) 環境部長。 ○環境部長(鈴木佳明君) それでは,2点目の災害等の発生防止に向けた管理の適正化に関してにつきまして答弁申し上げます。 本市においては,現在,空き地の管理不全を原因とした雑草等の繁茂によって害虫が大量に発生するなどの状況を解消するため,生活環境の保全の観点から,土地所有者の住所,氏名を法務局で調査し,土地の適正な維持管理を書面で促しているところでございます。しかしながら,相続や転居により所有者や居住地が変更しているにもかかわらず,不動産登記簿の記載事項に反映されていないことなどから,所有者情報が把握できず,土地所有者に文書が届かない場合がございます。 そのまま放置されますと,空き地の状況はさらに悪化し,周辺住民の皆様から,何とかならないのかとの声をいただくこともございます。 御質問のように,管理されていない所有者不明土地にある樹木の倒木等により周辺住民等の生命,身体や財産,土地周辺の道路等の公共施設の機能に影響を与えると判断した場合,改正法の勧告などの対象になると考えられます。また,勧告等の準備のため,不動産登記情報などの公的情報に加え,新たに固定資産税の課税のために利用する目的で保有する土地所有者等関連情報を必要な限度において内部利用することがきるようになりました。 令和3年の民事基本法制の見直しによって,所有者不明土地について,利害関係人が地方裁判所に申立てを行い,その土地の管理を行う管理人を選定してもらうことができる手続が令和5年4月1日に施行されますが,今回の法改正により,市町村長が所有者不明土地の管理命令の発令を地方裁判所に請求することも可能となります。 これらの新たな制度の運用によって,所有者探索が迅速化し,災害等の発生防止に向けた管理の適正化が図られるものと考えております。 以上でございます。 ○議長(宮木 健君) 中西大輔議員。 〔17番 中西大輔君登壇〕 ○17番(中西大輔君) ありがとうございます。いろいろなところが重なってくるところで,大変だと思いますが,ぜひとも早期に整理をしていっていただきたいなというふうに思います。 それでは,資料6を再度映写していただいて,所有者不明土地対策の推進体制の強化についての部分をアップにしてください。 〔資料をスクリーンに示す〕 冒頭にも言いましたが,いろいろな複数課が関わってくる。それも部局をまたいでいくものになりますので,空き家・空き地対策を合わせた専任部署の設置が必要になるかと考えるところなんですが,法の概要のこの部分では,@として,計画制度及び協議会制度,A円滑化等推進法人の指定制度,B国土交通省職員の派遣の要請が挙げられているわけです。 人口減少に入っている鈴鹿市を考えると,人口減少でなくてもいろいろあると思うんですけれども,空き家・空き地対策というのは,次期総合計画の中でもポイントになる事業と考えます。 このことを念頭に置くと,やはり年度内に庁内体制の調整を行っていただいて,同時に,民間を交えた対策協議会の設置を議論していただく。あわせて,国交省から職員さんを派遣していただいて取り組んでいくことが次年度に入るまでの動きとしてスムーズと考えますし,早期に対策協議会が動くことができれば望ましいというふうに考えるところです。既に空き家対策の仕組みがあるので,それを活用することも考えられると思うのですが,庁内体制の整理と整備についての考えと,対策協議会設置についての現時点での考えをお聞きしたいと思います。 〔資料の提示を終了〕 ○議長(宮木 健君) 都市整備部長。 ○都市整備部長(今村隆之君) それでは,3点目,所有者不明土地対策の推進体制の強化に関してにつきまして答弁を申し上げます。 所有者不明土地につきましては,平成28年度地籍調査における全国の土地所有者等に関する抽出調査によりますと,調査対象となった土地62万2,608筆の内,最終的に所有者等が所在不明であったのは2,526筆でございます。 また,所在不明となった2,526筆の土地の地帯別の内訳の割合につきましては,林地55%,農地27%,都市部12%,宅地5%となっております。この調査結果から,所有者不明土地の8割以上が林地や農地となっており,森林の路網整備,土地改良事業及び遊休農地の活用などの農林行政,土地区画整理事業などの都市計画行政に支障を来しております。しかしながら,市民の皆様が身近な問題として直面しているのは,残り2割弱の都市部などに存する所有者不明土地,いわゆる空き地の中でも適正な管理が行われていないものでございます。 一方,土地基本法では,土地を適正に管理することは土地所有者等の責務とされており,土地所有者等は災害の発生や環境の著しい悪化を防止する必要がある場合には,管理の適正化を適切に図ることを求められております。 また,所有者不明土地の適正な管理の確保については,土地の種類,性質等によって,農地法,森林法,宅地造成等規制法などをはじめとする法令において,必要な規制や是正措置等が講じられている場合があることから,各分野に精通した関係部局の対応が望ましいと考えております。 さらに,所有者不明土地法は,地方公共団体が,所有者不明土地の利用の円滑化等の的確な実施が図られるよう規定されておりますことから,本市におきましても,関係部局が連携を密にし,所有者不明土地問題に取り組んでいかなければならないと考えております。 また,所有者不明土地対策協議会につきましても,設置の可否も含めまして,今後,庁内で検討してまいりたいと考えておりますので,よろしくお願いしたいと思います。 以上です。 ○議長(宮木 健君) 中西大輔議員。 〔17番 中西大輔君登壇〕 ○17番(中西大輔君) ありがとうございます。検討していただけるということですので,頑張って取り組んでいただきたいと思います。 空き家・空き地に関しては喫緊の課題でもありますし,また都市計画の部分ですね,そのような対策,スポンジ化対策等もありますので,しっかり取り組んでいただいて,住みやすい鈴鹿市の環境づくりに取り組めるよう頑張っていただきたいということを期待して,一般質問を終わります。ありがとうございました。 |