2023年 2月 一般質問

2 市長部局と教育委員会の連携について
 (1) 学びの多様化の中で
 (2) 部活動の地域連携から

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○17番(中西大輔君)
 それでは,大項目の2つ目,市長部局と教育委員会の連携をお聞きしたいと思います。前段,森 喜代造議員の答弁の中にも入っておりましたが,今,課題解決型学習や探求型学習の推進,リカレント教育やリスキリング教育という言葉もありますし,学びと社会の関係というのは多様化していることは間違いないというふうに考えます。
 そこに,答弁の中にもありましたが,学校運営協議会と地域づくり協議会の関係,部活動の地域移行の課題などもあると考えると,これまで以上に地域活動や生涯学習といった視点と学校教育との連携の在り方が問われてくると考えます。それは,つまり市長部局と教育委員会との連携の在り方について,これまでを評価して,それを基に現状を整理して,市民の皆さんにとって価値がある形を検討する時点だということを示していると思います。
 そこで,その中でも多様な論点がありますが,今回はリカレント教育についてお聞きしたいと思います。

 政府広報オンラインからの引用ですが,リカレント教育とは,学校教育からいったん離れて社会に出た後も,それぞれの人の必要なタイミングで再び教育を受け,仕事と教育を繰り返すことですとあります。
 2月20日には,三重大学リカレント教育センターのキックオフシンポジウムが開かれ,国でも令和4年度補正予算で,地域ニーズに応える産学官連携を通じたリカレント教育プラットフォーム構築支援事業が計上されるなどしています。
 リカレント教育など学び直しについて,生涯学習の観点を含めながら,途切れのない学びの支援という視点での教育課題と考えると,現在の鈴鹿市の取組は少し心もとないように感じるところがあります。

 リカレント教育や生涯学習として,相談の場について,学校教育というレールから卒業した後であったり,途中で路線を変えている方の相談場所を考えるときに,福祉の重層的支援体制と同様に,市長部局内での横連携はもちろんですが,教育委員会との連携,高等教育機関などとの連携ということが課題になってこようかと考えます。義務教育終了後の市民の学び直し支援の現状をお聞きすると同時に,リカレント教育の支援についてはどの部署で行われているのか,行われることになるのかをお聞きしたいと思います。


○議長(宮木 健君) 文化スポーツ部長。
            〔文化スポーツ部長 北川 肇君登壇〕

○文化スポーツ部長(北川 肇君)
 それでは,市長部局と教育委員会の連携についての御質問のうち,学びの多様化の中でについて答弁申し上げます。
 初めに,リカレント教育とは,学校教育から一旦離れた後も,それぞれのタイミングで学び直し,仕事で求められる能力を磨き続けていくことが重要になっており,このための社会人の学びをリカレント教育と呼んでおります。
 文化振興課では,リカレント教育に関する相談や問合せ等は特にいただいてはおりません。

 現在,文化振興課が所管しております業務は生涯学習の推進に関することでございます。
 生涯学習とは,一般には人々が生涯に行うあらゆる学習,すなわち学校教育,家庭教育,社会教育,文化活動,スポーツ活動,レクリエーション活動,ボランティア活動,企業内教育,趣味など様々な場や機会において行う学習の意味で用いられております。その中で,文化振興課におきましては,市民学習活性化事業といたしまして,すずか市民アカデミー,まなベルという講座を開催しています。

 この講座は,毎年テーマを決め,市内の4つの高等教育機関と連携し,市民のさらに詳しく知りたいという専門的分野への学習ニーズに応えるとともに,学びの楽しさを実感していただき,生涯学習をさらに深めていくことを目的としているものでございます。今後も,各教育機関の特徴を生かした専門性のある教育内容を分かりやすく楽しい講座として提供してまいりたいと考えております。

 次に,本市における市民の学び直しの支援の現状と,学び直し,リカレント教育の支援の担当部署についてでございますが,市長部局におきましては,中学校卒業後から18歳までの方を対象に,様々な心配事や困り事などの相談をお受けしており,その中で,必要に応じて,通信制の高等学校を紹介するなどの情報提供も行っております。

 そのほか,関係機関における取組といたしましては,三重県教育委員会が令和7年度に県立の夜間中学の設置を目指しているほか,市内の高等教育機関における社会人学生の受入れや,国が開設した社会人の学び直しを応援するポータルサイト,マナパスなどがございます。

 また,一般的には,特に社会人が学校教育で学ぶ知識を勉強し直すことを学び直しと言われておりますが,この学び直しやリカレント教育に関しましては,現在,特定の担当部署はございません。それぞれの部署において情報提供を行い,必要に応じて関係機関と連携を図ってまいりたいと考えておりますので,御理解いただきますよう,よろしくお願いします。

○議長(宮木 健君) 中西大輔議員。
              〔17番 中西大輔君登壇〕

○17番(中西大輔君)
 ありがとうございます。今,答弁の中で,リカレント教育の支援に関する特定の部署はないという御答弁をいただきましたが,私自身も一時期,通信教育を受けていたことがありまして,そうなってくると,支援策であったり,いろいろな相談であったりというのが,なかなか自分で調べては負担になってくる場合が多いということを感じました。
 そこで,先ほど申しましたが,途切れのない学びの支援という視点での鈴鹿市内での政策の検討をしていただきたいということと併せて,図書館であったり,例えば文化会館などに学び直しの総合相談窓口のようなものを設置していただくことはどうかということを提案させていただきたいと思います。

 そして,市長部局と教育委員会の連携に関してですが,部活動に関することからお聞きしたいと思います。
 昨年末,ある中学校で教職員定数が減る予想に伴って,部活動の数の削減を検討しなければいけないという話を耳にしました。それに当たって,新年度部員募集の停止を行う考えが示されたと市民の方からお聞きしたところです。その後,結果としてですが,令和5年度は現状のまま進めるということをお聞きしております。

 このことに関して,いろいろ動かさせていただいたわけですけれども,都合,教育委員会のある11階とスポーツ課のある9階と何回も行き来させていただきました。このようなことを市民の方が経験されたらどのように感じるかということが大事で,やはり市長部局と教育委員会の連携というところのポイントになろうかというふうに考えます。

 その中で,そこからいろいろ考えると,例えば教育委員会は学校教育に特化してしまう。部活支援や探求学習,いろいろな課題については市長部局に移管するということを明確にして整理して,その上で,例えば教育委員会と文化スポーツ部を同じフロアにするというのも1つの考え方かもしれません。

 その中で,部活に関してもっと小さく言えば,公式試合を除いて,部活動は平日のみと教育委員会が明確にすれば,土曜日曜祝日の生徒の居場所はどうするんだという論点が出てくるわけです。そうすると,そこで市長部局のほうの文化スポーツ部であったり,地域振興部も入ってくるのかな,関連してくると私は考えるんですね。生徒にとっての新しい活動の場を考えることは,今,申したように,連携が非常に重要になってきます。

 桑名市でサステナ部というものが動いて,いろいろ取り組まれていますが,鈴鹿市では,例えば伊勢型紙部のようなものを作ってやってはどうかというふうなアイデアも出てきますし,また地域づくり協議会の参加というものを積極的に評価,認めるということも考えられると思います。その際,何よりも生徒を主体にして考えることです。そして,地域での居場所や活動を考えることが大切です。

 生徒,子供が主体であることは,昨年12月,三重県教育委員会のほうで行われたみんなで支える三重の部活,運動部活動の地域移行というシンポジウムというか,勉強会がありまして,そちらのほうを聴講させていただいた際も,その中の参加者の中で,学校教員の方ではないと思うんですけれども,やっぱり子供が主体ではないかということを指摘されていた方がいらっしゃったことを付け加えさせていただきます。

 そのようなことを考えても,市長部局と教育委員会の連携を整理して,担う領域の見直しが必要だというふうに訴えさせていただきます。
 市長部局については広く考えられますが,部活動の視点から,教育委員会との連携について,現状や考え方などをお聞かせいただきたいと思います。


○議長(宮木 健君) 教育長。

○教育長(廣田隆延君)
 それでは,市長部局と教育委員会の連携についてのうち,部活動の地域連携からについて答弁を申し上げます。

 初めに,部活動の現状についてでございます。
 全国的に,公立中学校の部活動は,顧問を務める教員の休日を含めた長時間労働勤務や,中には指導経験のない教員が顧問をするため,生徒にとって望ましい指導を受けられないこと,また,近年の少子化による中学校生徒数の減少によって学校単位の活動体制維持が難しくなっていることから,その持続可能性という面で厳しさを増しており,本市も同様の状況がございます。そのため,国は,令和2年9月,学校の働き方改革を踏まえた部活動改革の考え方を示しました。

 このような現状を踏まえ,本市といたしましては,今年度から専門性を有する地域人材を部活動指導員として配置し,その改善を図っております。
 また,教育委員会,市長部局,学校,スポーツ協会の関係者から成る部活動の在り方意見交換会の開催,教職員を対象とした部活動の在り方に関わる意識調査の実施など,学校部活動の現状や課題について整理及び共有することに努めてまいりました。

 今後につきましては,市長部局と教育委員会の連携をさらに密にするために組織体制を強化し,部活動の在り方意見交換会の参加者に加え,学校部活動に関する有識者,地域スポーツ・文化芸術団体,地域等の関係者から成る協議会の設置の準備を進めてまいります。

 協議会においては,現在の中学校で設置されている部活動を地域と連携することによる活動の継続,生徒の希望等を踏まえ,地域で整備可能な文化スポーツに係る多様な活動の開設,休日及び平日の活動の在り方など,生徒にとって望ましい部活動環境について検討し,本市の学校部活動の在り方や地域の連携に関わる方向性を示してまいりますので,よろしくお願いしたいと思います。

○議長(宮木 健君) 中西大輔議員。
              〔17番 中西大輔君登壇〕

○17番(中西大輔君)
 ありがとうございます。先ほども答弁にありましたが,今年,令和5年というのは教育振興基本計画の策定もありますし,何より次期総合計画の策定があることを考えると,今,御答弁いただいた活動の中に,やはり子どもの権利の上の子供の参画ですよね,ここの部分を十分に取り入れていただくことが大切になってくるのかなというふうに考えます。

 何よりも,これからの子供たちのために,これは鈴鹿市の自治の課題なんですね。国が言うからではなくて,自分たちでどうするかという部分ですので,自治の課題として,また価値を創っていくということとして,部活動はもちろんですが,学びの場としての地域も含めて,より広く教育を捉えて,市長部局と教育委員会の連携を行っていただきたいというふうに期待するところです。

 また,議案質疑のほうでお聞きしましたが,部活動の地域移行に関する運営協議会についても,先ほど申しましたように,主体はやはり生徒ですから,生徒も交えた多様な主体の参画を実現して,この秋には方針が明確になるよう取り組んでいただくことを期待します。