2023年6月 代表質問 2 将来都市像を支えるまちづくりの柱について (1) 「大切な命と暮らしを守るまち すずか」から,流域治水に対する考えはどうなっているのか。 (2) 「子どもの未来を創り 豊かな文化を育むまち すずか」から,子どもの権利と新・放課後子どもプランに関連して。 (3) 「みんなが輝き 健康で笑顔があふれるまち すずか」から,地域医療に対する考えについて。 (4) 「自然と共生し 快適な生活環境をつくるまち すずか」から,空き家・空き地対策について。 (5) 「活力ある産業が育ち にぎわいと交流が生まれるまち すずか」から,女性就労に対する考えについて。 ********************** ○25番(中西大輔君) それでは,次に大項目2,将来都市像を支えるまちづくりの柱からお聞きします。 大切な命と暮らしを守るまち すずかから,気候変動の影響について強く訴えられたことは評価させていただきたいと思います。ですが,津波被害軽減の取組について,流域治水の考えが見られなかったことが気になりました。 国からは,昨年,火災保険水災料率に関する有識者懇談会報告書が出ており,洪水ハザードマップのリスク評価に応じた保険料の細分化が示されています。 せんだって各地で豪雨被害もありましたが,流域治水について,市長の考えをお聞きしたいと思います。 次に,子どもの未来を創り 豊かな文化を育むまち すずかから,子ども条例の策定に言及された点について,午前中の代表質問でもありましたが,議会の動きも尊重していただいたことに評価をさせていただきます。 そこで,政策を進める際の子供の年齢を末松市長がどのようにお考えなのかということと併せて,子供の権利の観点からは,子供が安心して育つことができるという視点,子育ちの視点も大切と考えますが,それらについて市長のお考えをお聞かせください。 また,学校の小規模化に伴う教育上の諸課題の顕在化の懸念と,それに対する教育環境の新たな創造のための政策推進を話されていました。どのような取組を指しているのでしょうか。 公共施設総合管理計画と個別施設計画に基づく形で,学校,学童保育など,子供関連施設の改修などの取組が進められていきます。令和2年に文部科学省と厚生労働省から各都道府県に向けて行われた事務連絡,新・放課後子ども総合プランの一層の推進についてとの関連も含め,市長の考えをお聞かせください。 みんなが輝き 健康で笑顔あふれるまち すずかから,地域医療体制について,県の方針で総合医療センターと三重病院に小児救急医療体制が構築されています。その中,鈴鹿市内での小児救急医療体制の充実に言及されていることには期待させていただくところです。 その地域医療に関して,鈴鹿市は,応急診療所,1次救急を担う3病院,2次救急を担う2病院を補助金などの制度で支えており,施政方針では三重県や鈴鹿市医師会,三重大学との連携にも言及されていらっしゃいました。 一方,北勢医療圏の中の鈴鹿亀山医療圏としても,救急医療の実態からも,亀山市との関係は深く,鈴鹿の医療資源を守るに当たっては,亀山市との関係は外せないと考えるところなのですが,介護保険を担う鈴鹿亀山広域連合の連合長もお務めの末松市長は,亀山市との関係をどう調整されるのでしょうか。あわせて,鈴鹿医療科学大学との関係について考えをお聞きしたいと思います。 自然と共生し 快適な生活環境をつくるまち すずかから,幹線道路ネットワークに関する部分に力を入れられているようにお聞きしましたが,総合計画2023──後期計画も入っていますが,施策172に関係する部分,そこがお聞きできませんでしたので,質問させていただきます。具体的には,空き家・空き地に関する施策ということになります。昨年,空家等対策協議会の話もありましたが,末松市長はどのようにお考えでしょうか。 活力ある産業が育ち にぎわいと交流が生まれるまち すずかから,女性の就労という視点をお聞きできませんでした。女性の市外への流出は,人口について,社会減はもちろんですが,出産年齢の女性の減少による自然減にもつながり,大きな課題と考えます。 私事ですが,知っている女性の学生が大学卒業後,就職して市外や県外に出ていった事例を聞きます。ですから,特に高等教育機関を卒業した女性に,いかに鈴鹿に住み続けてもらうかという視点から,女性の就労を考えることは重要と考えます。この点は,選ばれるまちという面からも重要と考えますが,末松市長のお考えをお聞きしたいと思います。 以上,よろしくお願いいたします。 ○議長(山中智博君) 市長。 〔市長 末松則子君登壇〕 ○市長(末松則子君) それでは,将来都市像を支えるまちづくりの柱に関する御質問について答弁を申し上げます。 初めに,流域治水に対する考え方についてでございます。 流域治水とは,気候変動の影響による水災害の頻発・激甚化を踏まえ,堤防の整備などの対策をより一層加速するとともに,雨水が河川に流入する地域から,河川等の氾濫により浸水が想定される地域に関わるあらゆる関係者が協働して水災害対策を行う考え方でございます。 この流域治水の考え方に基づき,国土交通省が主体となって策定した鈴鹿川水系流域治水プロジェクト,県が主体となって策定した鈴鹿圏域二級水系流治水プロジェクトがございます。 本市といたしましても,流域治水に関わる主たる関係者の一員として,国や県,他の関係者と連携しながら,氾濫をできるだけ防ぐ,減らすための対策,被害対象を減少させるための対策,被害の軽減,早期復旧・復興のための対策について,ハード面・ソフト面を一体として横断的に取り組んでまいります。 続きまして,これから制定に取り組んでまいります子供に関する条例についてでございます。 条例における子供の年齢につきましては,国が批准している児童の権利に関する条約では,子供の年齢を18歳未満と位置づけ,全ての子供たちに自らが権利を持つ主体であることを約束しております。 本市におきましても,子供の年齢の基準をおおむね18歳までとして考え,条例の制定に取り組んでまいります。また,子どもの権利の観点から,従来からの子育て支援のほか,子供の主体的な育ちを促す子育ち支援にもこれまで以上に注力してまいりたいと考えております。 次に,国が策定しております,新・放課後子ども総合プランにつきましては,放課後児童クラブの待機児童の早期解消をはじめ,児童の安全安心な居場所の確保を図ること等を目標とした放課後児童対策の指針として策定されております。その中で,放課後児童クラブを整備する場合については,学校施設を徹底的に活用することとし,新たに開設する放課後児童クラブの約80%を小学校内で実施することを国全体の目標として掲げております。また,既に小学校外で放課後児童クラブを実施している場合につきましても,ニーズに応じ,小学校の余裕教室等を活用することが望ましいとしております。 本市におきましては,鈴鹿市公共施設等総合管理計画において,小学校の余裕教室等の活用を基本とした複合化を施設整備の方向性と定め,今後の活用を検討してまいります。 続きまして,地域医療についてでございます。 本市の地域医療体制の整備につきましては,三重県医療計画,三重県地域医療構想等に基づきながら,総合的に推進してきたところでございます。また,市民病院を有さない本市といたしましては,地域における医療体制の維持を図るため,基幹的な病院に対する支援を積極的に行っております。 三重県地域医療構想において,本市と亀山市とは,鈴亀区域として,同一の地域医療構想区域に設定されています。区域内の基幹的な病院である鈴鹿中央総合病院,鈴鹿回生病院及び亀山市立医療センターの3つの病院につきましては,第7次三重県医療計画に基づき,二次救急医療機関として位置づけられており,一次救急,鈴鹿市応急診療所とともに,それぞれの役割を果たしながら,鈴鹿・亀山における医療提供体制の維持を図っているところでございます。 今後は,地域の限りある医療資源を守っていくという意味におきましても,同一構想区域である亀山市との医療提供体制の維持・充実を図るため,積極的に協議の場を設定し,課題の解決に取り組んでまいりたいと考えております。 また,地域医療の充実に向けましては,三重県や鈴鹿市医師会をはじめとする関係機関の皆様,三重大学のほか,看護師や技師などの医療人材の育成,確保を図るため,鈴鹿医療科学大学との連携もこれまでどおり重視をし,取り組んでまいります。 続きまして,空き家・空き地対策についてでございます。 総合計画2023の都市基盤がバランス良く整い,快適に暮らしていることの将来展望を踏まえた課題として,空き地・空き家など低未利用地の増加による都市の低密度化に対応する必要があると認識しております。 空き家対策につきましては,引き続き,快適な生活環境を目指し,空家等対策の推進に関する特別措置法や鈴鹿市空家等対策計画に基づき推進をしてまいります。また,所有者不明土地の問題につきましては,関係部局で連携を図っているところでございます。 なお,所有者不明土地対策協議会につきましては,引き続き,設置の可否も含め,検討してまいります。 続きまして,女性の就労についてでございます。 現在,高等教育機関への進学率,さらには卒業後の就職率におきましては,男女の隔てはないものと考えております。 文部科学省が令和5年4月に発表しました大学等の卒業予定者についての就職に関する調査結果を見ましても,男子大学生の就職率は94.6%であるのに対し,女子は97.1%であり,女子大学生のほうが高い結果が出ております。このことから,本市で育ち,高等教育機関を卒業した能力ある女性につきましても,そのほとんどが就職していると考えられます。 彼女たちのうち,生まれ育ったふるさとで定住を望んでいるものの,学生時代に学んだことや資格を生かせる企業,就労先とのマッチングの機会が少ないことから,市外・県外での就職を選択している方がいらっしゃることも認識をいたしております。 現在,本市では,企業と高校の採用就職に関する情報交換会や鈴鹿お仕事フェアなど,若者の地元就労につなげるための取組を行っております。女性がスキルを生かし,地元で就職することができれば,その後,結婚・出産を経ていく中で家族や友人,先輩に助言や支援を得ながら働き続けることができるのではないかと,自分自身の経験も踏まえ,考えているところでございます。 優秀な女性人材の確保は,活力ある産業につながり,にぎわいと交流が生まれます。 本市には,住友電装株式会社などのように企業内託児所を設置し,女性が働きやすい環境を整備している企業もございます。今後も,企業誘致特設サイト等におきまして,従業員の雇用や環境の整備に取り組む市内企業を紹介してまいります。 また,雇用機会の拡大,企業誘致等に取り組む中で,官民が一体となり,女性の地元雇用のさらなる推進に向けて,しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。 |