2021年 12月(一般質問)

1 桜の森公園施設整備について
 (1) 市長の考えを問う
 (2) 令和7年度当初予算 第8款土木費 第5項都市計画費 第4目公園費 施設整備費における「学官連携による施設整備費(桜の森公園)」の880万円の現状について
 (3) 情報公開文書(鈴市整第1986号など)から問う
 (4) 法的面について問う
 (5) 公共施設マネジメント関連計画との整合性について
 (6) 総合計画との整合性について
 (7) 施設整備の再考を求める

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○25番(中西大輔君) 議席25番、市民の声、中西大輔です。通告に沿って、桜の森公園施設整備に関して質問します。
 6月定例議会では、ガソリン暫定税率の早期廃止を求める意見書と、米国の関税措置に対応した中小企業支援策の拡充を求める意見書が採択されました。審議では、暫定税率廃止による地方税収への影響なども指摘されて、その後、現在もそうですけれども、国際情勢や関税の動きを見ると、社会は一層、不透明さを増してきているというふうに私は考えます。また、米の価格も含めて、物価上昇は市民生活の負担増です。米の価格も多分倍ぐらいになりそうな気配もあるという感じですね。

 そこで、令和7年度予算とその議決後の行政文書に改めて目を通しました。その中で、第8款土木費、第5項都市計画費、第4目公園費、施設整備費に計上された学官連携による施設整備費(桜の森公園)880万円が気になりました。

 これなんですけれども、4月23日に発出された鈴鹿市と学校法人鈴鹿医療科学大学の「東西医学を融合した新しい薬膳」発信プロジェクト協定にある令和7年度飲食店設計に係る予算ということになると思います。
 関係予算についてですが、令和6年度当初予算では5,000万円が計上されていて、その後、今年の2月定例議会のほうで同額の減額補正が行われ、改めて令和7年度に設計予算として計上されていたわけです。しかし、施政方針を振り返っても、令和6年度にはこの内容には触れられておらず、令和7年度で初めて公園の魅力向上とにぎわいの創出として、桜の森公園に学官連携で薬膳を提供する施設整備を進めるとありました。
 念のため、令和4年度以降の市議会会議録を検索しましたが、学官連携による施設整備費に関する具体的な説明などは確認できませんでした。
 そこで、以上を踏まえて、末松市長に、この事業に対する考えをお聞きしたいと思います。

○議長(野間芳実君) 市長。
         
○市長(末松則子君) それでは、中西議員の御質問に答弁申し上げます。
 現在、本市が進めております学官連携による鈴鹿医療科学大学との東西医学を融合した新しい薬膳発信プロジェクトにおいて、その中の事業の1つに、鈴鹿医療科学大学白子キャンパスに隣接する桜の森公園内に薬膳料理を提供する場を整備し、公園のにぎわい創出に加え、市民の皆様の健康増進や食育の推進などにつなげる事業がございます。

 私は、このプロジェクトを進めるにおいて、施政方針として、令和6年2月定例議会で、「桜の森公園について、隣接する鈴鹿医療科学大学との学官連携により公園の積極的な利活用の促進を図ってまいります。」と表明させていただきました。また、令和7年2月定例議会では、「快適な都市環境に欠かせない公園の魅力の向上を図り、にぎわいを創出する取組を進める中で、特に桜の森公園におきましては、隣接する鈴鹿医療科学大学の強みを生かし、学官連携により薬膳を提供する施設の整備を進めることで、市民の皆様の健康増進や食育の推進につなげてまいりたい。」と表明させていただきました。

 加えて、令和6年2月定例議会における議会運営委員会の場でも、令和6年度予算案を提案させていただく中で、公園費の施設整備費を拡充し、学官連携により鈴鹿医療科学大学と桜の森公園で健康に係る取組を実施すると、折に触れ、市民の皆様はもとより、議員の皆様に対しましても説明をさせていただいているところでございます。

 昨今、薬膳に関しましては、コロナ禍による健康志向の高まりや美容への関心の高い女性を中心に人気を集めており、薬膳を題材にしたNHKドラマ「しあわせは食べて寝て待て」が放映されるなど、国内における関心が高い状態であります。
 また、日本薬膳学会が開催いたします市民公開講座に毎年参加させていただいておりますが、その際にも、会場がいっぱいになるほど多くの方々が参加されており、薬膳への注目度の高さを実感しております。

 本市といたしましては、こうした注目度の高まりを受け、今後も鈴鹿医療科学大学との協働による当該事業の推進に努め、公園のにぎわいの創出や市民の皆様の健康増進などにつなげてまいりたいと考えております。
 なお、このプロジェクトを進めるに至った経緯などにつきましては、都市整備部長から答弁をさせていただきます。

○議長(野間芳実君) 都市整備部長。
             
○都市整備部長(奥西真哉君) それでは、当該プロジェクトを進めるに至った経緯などについて答弁申し上げます。

 まず初めに、本市が普及を進めようとしております薬膳について説明申し上げます。
 薬膳とは、東洋医学の考えに基づき、健康の維持や体質改善、病気の予防のために、体質や体調、季節や環境に合わせて食事を工夫すること、いわゆる食養生のために食する膳でございます。

 鈴鹿医療科学大学内に設置されております一般社団法人日本薬膳学会では、その考えに基づき、栄養学、薬学、鍼灸など薬膳に関わりの深い分野の専門家により、東洋医学に立脚した薬膳に西洋医学における栄養学を加えた、日本の風土に合った科学的根拠に基づいた新しい薬膳を学術的に追及されており、市民等を対象に薬膳クッキング講座を開催するなど、広く普及に努めてみえます。
 また、鈴鹿医療科学大学は、保健衛生学部鍼灸サイエンス学科及び医療栄養学科の学生を対象に、医療薬膳師認定試験の受験資格を与える講座を開催し、学生の人材育成に取り組んでおられます。

 一方、本市では、これまでも地域社会の活性化を目的として、企業、大学・研究機関、行政の産学官三者が連携した様々な取組を進めてきており、市内高等教育機関とは学官の連携と協力を深め、教育・文化の振興を図ってきております。とりわけ、鈴鹿医療科学大学とは、平成15年に協定書を締結し、健康寿命の延伸やものづくりをテーマに、連携して様々な取組を行ってきております。

 薬膳に関しましては、平成29年度に本市から鈴鹿医療科学大学に対し、「日本薬膳学会への協力について」とし、広報すずかで講座開催を案内するなど、様々な手法で日本薬膳学会へ協力したいことを提案しました。また、平成30年度には、鈴鹿医療科学大学から本市に対し、健康寿命の延伸を図る健美和膳の開発拠点形成への協力提案がございました。

 こうした背景の下、本市としましては、学会の取組について広報すずかへ掲載し、市民へ情報発信するなど、両者で協力し、進めてきております。そして、薬膳のさらなる普及を目指す大学と、市民の健康増進と公園のにぎわい創出を目指す本市とが、本年4月28日に、鈴鹿市と学校法人鈴鹿医療科学大学の「東西医学を融合した新しい薬膳」発信プロジェクトに関する協定を締結いたしました。両者は、この協定に基づき、健康寿命の延伸に関すること、公園のにぎわい創出に関することなど、緊密な相互連携と協働により、日本薬膳学会が提唱する東西医学を融合した新しい薬膳を広く発信し、市民の皆様に対するサービス向上につなげていきたいと考えております。
 以上でございます。

○議長(野間芳実君) 中西大輔議員。

              
○25番(中西大輔君) いろいろ説明いただきましてありがとうございました。
 それで、令和7年度当初予算は議決済みなんですけれども、冒頭で言いましたように、昨今、最近の社会情勢の変化は大きくて、今後を考えれば、公費による投資というのは一層慎重に判断して見直すことをちゅうちょしてはいけないと私は考えます。ついては、予算に上がっていました学官連携による施設整備費の設計業務について、進捗状況がどのようなものかということをお聞きします。

○議長(野間芳実君) 都市整備部長。

○都市整備部長(奥西真哉君) それでは、桜の森公園施設整備費についての御質問の令和7年度当初予算、施設整備費における学官連携における施設整備費(桜の森公園)の880万円の現状につきまして答弁申し上げます。
 先ほど答弁させていただきましたとおり、当該事業は、鈴鹿医療科学大学と本市が協働で進める事業でございます。その上で、薬膳料理を提供する飲食施設の整備につきましては、令和7年度に建物の設計委託、令和8年度には建設を完了し、開店を目指すこととしておりました。

 今年度の設計委託につきましては、年度当初、プロポーザル方式で事業者選定に着手し、その時点で全国20社以上からお問合せをいただきました。しかしながら、当該事業を進めていく中で、事業の合理性の質をより高めるとともに、さらに幅広い年代の方々に利用していただける施設として見直す必要があるとの判断から、5月にはプロポーザル方式による事業者選定を一旦中止し、現在は庁内の関係部局を交え、改めて事業の詳細について再考し、精査をしているところでございます。
 以上でございます。

○議長(野間芳実君) 中西大輔議員。

           
○25番(中西大輔君) 一旦中止して精査されているということですので、より慎重に検討していただくためということで質問を進めていきます。
 以降、情報公開で取得した令和7年3月起案「鈴市整第1986号 鈴鹿市桜の森公園内飲食(薬膳)施設建設設計業務委託に係る公募型プロポーザル実施について(伺い)」からお聞きしていきます。

 前提としてですが、私自身も、市として公園利用の許認可にとどめて、飲食施設の整備や運営というものを民間出資であったり、公民連携で行うのであれば、失敗したときも含めて、市の負担も最小で済んで、問題が少なくて、検討の余地はあるとは考えます。しかし、公費を用いた公の事業として行うのであれば、事業目的と妥当性、公で行う意義を明確に説明して、資金調達も住民参加型市場公募地方債などの検討も含めて、市民負担を最小とする方法を検討しなければいけないと思います。もちろん、議会にも市民にも透明性を持った議論と合意形成が必要なものだと私は考えます。

 そして、さきの文書のほうに目を通してなんですけれども、桜の森公園での飲食店設置について、社会状況を踏まえると、私は妥当性や将来性を精査し、根本的に見直すべきじゃないかというふうに考えました。

 末松市長も、行政のほうとしても、精査した上で、どうしても実施したいというのであれば、次の統一地方選の公約としてであったり、市民参加による議論を経て、鈴鹿市総合計画2031後期基本計画に位置づけて再提案することが筋じゃないかと私は考えます。

 資料1の映写をお願いします。
 こちらは公開文書の10位置図などから作成しました。少し見にくいですが、説明しますと、施設建築予定地は、桜の森公園の国道23号沿い東側入口付近で、上水道は公園北側から矢印の公園沿いに導入すると。汚水のほうは、施設西側にある防災施設そばの浄化槽が予定されているというふうに読み取れました。公園の整備が必要になってしまうわけですね。

 資料2の映写をお願いします。

 こちらは、文書01鈴鹿市桜の森公園内飲食(薬膳)施設建設設計業務委託募集要項から抜粋して作成したものです。

 設計というのは、令和8年3月まで行われて、建設は同年6月から11月、11月から翌年3月は厨房機器設置なども含めて営業準備期間とされ、営業開始は令和9年3月から4月頃の予定と、建設から営業まで約1年半という考えになっていました。

 その下、少し見にくくて申し訳ないんですけれども、施設規模というのは平屋で、席数36席から50席を予定、建設費は上水道、汚水・雨水整備も含めて1億5,087万円以下とする考えになっていました。
 右の表になりますが、これはどのように金額的な負担にするかというところですけれども、この施設に関しては、厨房機器や什器などを除き、ほぼ市が負担する考えになっていて、水道関係など公園インフラ整備も市の負担となっています。率直に、ここまで負担する考えはどうなんだろうと疑問に思うところです。

 文書08鈴鹿市桜の森公園内飲食(薬膳)施設建設設計業務委託特記仕様書に目を通すと、(2)事業の趣旨では、先ほど答弁にもありましたが、薬膳学会が提唱する「新しい薬膳」の普及の拠点となる飲食施設を整備し、地域のにぎわい拠点をめざすとあります。
 (3)のコンセプトに、「エ 食育の推進」というのがあるんですけれども、鈴鹿市の学校給食で薬膳の考えを生かす取組というのがあったのかな、なかったように思います。
 「オ 人材の育成」のところでは、学生が飲食施設運営に関わることで社会人の即戦力となる人材を育成するとあるのですが、これは鈴鹿市が施設を建設して行うことなんでしょうか。読む限り、薬膳学会と民間が主体で行うもので、市は側面的支援に留めるべき内容に思えました。

 資料3の映写をお願いします。
 文書09運営概要から引用したものです。
 この運営概要を読むと、将来的に早朝や夜間の営業も想定に入っているようですが、営業日は、基本的に月曜日・木曜日・金曜日・土曜日・日曜日の週5日、時間は11時から14時の3時間、関係するスタッフは3名から5名というふうになっています。

 提供されるメニューの価格は、薬膳懐石4,500円、御膳2,500円、子供用1,000円ということでここでは出てきています。外食ランチの平均価格が今1,250円と言われる中、また物価上昇で子育て家庭の負担が大きい中、家族でそもそも利用しやすいのかなという疑問がわきます。また、昼間のみの営業であって、桜の森公園施設の有効利用から考えても疑問がわきます。加えて、仕様書は初期費用のみで、運営コストも含めた将来負担は不明です。
 そこでお聞きします。飲食店の利用対象と想定している層の考えはどのようなものでしょうか。
 飲食店の経営計画は存在しているでしょうか。市は把握しているでしょうか。
 1年当たりの管理運営費はいくらで、それを負担する主体はどこでしょうか。
 維持・修繕を担うのは鈴鹿市なのか、大学なのか。市が財源を負担するのであれば、その財源の考えはどうなっているのでしょうか。
 近隣に飲食店がありますが、それらとの関係も含めて、飲食店事業の妥当性について調査等の有無、また行ったのであれば、その結果について。
 店舗の赤字が続き、損失が出る場合の責任の所在の考えはどうなっているでしょうか。
 大学が運営から撤退することは想定されているでしょうか。また、撤退した場合、どのような対応をとられるのでしょうか。
 企業版ふるさと納税を活用とあるのですが、現在の状況について。
 以上をお聞きしたいと思います。
             
○議長(野間芳実君) 都市整備部長。

○都市整備部長(奥西真哉君) それでは、情報公開文書(鈴市整第1986号など)から問うについての御質問に答弁申し上げます。
 先ほど答弁させていただきましたとおり、現在、庁内の関係部局を交え、改めて事業の詳細を再考し、精査しているところでございます。その上で、再考する以前の考えも含め、答弁をさせていただきます。

 まず、薬膳料理を提供する飲食施設の整備において、当初からその顧客ターゲットは、日本薬膳学会が開催する各種講座等に参加の多い50歳代以上の方々を考えておりました。その上で、日本薬膳学会は幅広い年代へ薬膳の普及を目指しており、また昨今の薬膳に対する意識の高まりを受け、将来的には、健康によい食生活を送り、病気の予防や健康維持、体質改善を目指す食事法である食養生の考えから、季節に合った子供向け簡単薬膳講座の開催などにより、公園を利用される若い世代の方々にも楽しみながら薬膳について学ぶことができる場を提供することを考えております。

 次に、飲食施設の管理運営につきましては、詳細について再考しているところでございますが、基本的に鈴鹿医療科学大学側が行い、管理運営費につきましては大学側の負担として考えております。また、経営において赤字経営となった場合の損失補填につきましては、大学側において負担することと考えております。

 次に、飲食施設の維持・修繕にかかる経費についてでございますが、大学側に責のない維持・修繕にかかる経費につきましては本市が負担することとしており、その財源につきましては、本市の一般財源で賄いたいと考えております。しかしながら、飲食施設の規模の見直しや経営の中で得られた利益の活用など、現在、進めております当該事業の詳細の再考・精査の中で、改めて経費削減を検討する必要があると考えております。
 次に、近隣施設との関係を含めた事業の妥当性につきましては、令和4年度から令和5年度にかけて市内公園を対象に、鈴鹿市都市公園における民間活力を取り入れた利活用に向けたサウンディング型市場調査を実施いたしました。

 その調査の個別対話におきまして、桜の森公園内への飲食店の設置につきましては、「付近にいくつか飲食店が存在するため、設置する場合には独自性を持たせるなど十分な検討が必要である。」との御意見がございました。

 本市といたしましては、これを踏まえ、薬膳という特徴を生かし、近隣の飲食店や、昨今、桜の森公園内で公園利用者の利便性向上のために出店いただいておりますキッチンカーなどの臨時的な飲食店とは差別化を図りながら運営をしていきたいと考えております。
 こうした、差別化した薬膳料理を提供する飲食施設の整備は、市民への健康増進や公園のにぎわい創出はもとより、当該事業で発信する薬膳を求めて本市を来訪する新たな人々の創出につながるものと考えております。

 なお、企業版ふるさと納税につきましては、鈴鹿医療科学大学の協力を得ながら、当該事業の趣旨に御賛同いただいた企業から、これまで令和6年度に5社から930万円、令和7年度には2社から60万円、合計7社から990万円の御寄附を頂いており、さらに御支援いただけるよう、引き続き御賛同いただける企業を模索しているところでございます。
 以上でございます。

○議長(野間芳実君) 中西大輔議員。

        
○25番(中西大輔君) 当初のターゲットがそもそも50歳代以上というのは、公園利用から考えてどうかなと思うんですよね。
 先ほどの運営概要から考えて、本当に単体で事業が成立するものなのかという疑問はやっぱり残ります。
 決算で赤字になってきた場合に、鈴鹿市も考えないといけないというふうになってくると、それは大ごとですよね。修繕は一般財源を使うというふうに言われていますが、経常収支比率が、先ほどありましたが、95%を超えている状態でどこまで余裕がこの市の財政にあるんでしょうか。

 撤退の場合の考えというのは、今のところ、まだはっきりは分かりませんということですが、やはり相当な説明が必要になってくる事業であることは間違いがないと考えます。
 地方自治法に、「地方公共団体は住民の福祉の増進に努め、最少の経費で最大の効果を上げなければならない。」というふうにあります。国の補助が見込まれるとしても、市が一般財源から多額の予算を投じて飲食店を建設し、運営を大学に任せることはどれだけの効果があるのか、市民の理解を得られるのか、疑問になってくるところです。
 さらに、民間事業への影響、先ほど事業調査の中では、差別化をすればいいということがありましたが、鈴鹿市にとって本当に有益と言えるのか、地方自治法との関係をお聞きしたいと思います。

 地方財政法のほうでは、「地方公共団体は、支出の増加もしくは収入の減少の原因となる行為をしようとする場合は、当該年度のみならず、翌年度以降における財政の状況をも考慮してその健全な運営を損なうことがないようにしなければならない。」と規定されています。人口減少と高齢化の進行、物価上昇、社会の不透明さを踏まえると、当該事業というのは、将来世代から見ても妥当性に疑問が出てくるところですが、地方財政法との関係をお聞きしたいと思います。
 加えて、公園利用者と店舗利用者の駐車場が同一となって、公園利用者に影響があると考えますが、法的に問題はないか、法的観点からの考えをお聞きしたいと思います。

○議長(野間芳実君) 都市整備部長。

○都市整備部長(奥西真哉君) それでは、法的面について答弁申し上げます。
 地方自治法では、「自治事務を処理するに当たっては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない。」、また、地方財政法におきましては、「地方公共団体の経費は、その目的を達成するための必要且つ最少の限度をこえて、これを支出してはならない。」とされております。

 本市といたしましては、これら法の原則といたしまして、地方公共団体の事務処理において経済性、効率性、有効性、そして時代適合性などを追求することを求め、必要最小限のコストで最大限の成果を目指すことを意味するものと考えており、各種事業を進めてきております。

 繰り返しの答弁になりますが、現在、当該事業の詳細につきましては、改めて再考、精査しており、その中で適切に対応してまいりたいと考えております。

 また、公園利用者の駐車場と飲食施設利用者の駐車場が同一であることが法的に問題ないかということにつきまして、今回、整備を進めております飲食施設は、都市公園内に設置することが認められております公園施設の1つとして考えております。

 都市公園内に設置することが認められている公園施設とは、都市公園法第2条第2項に、園路及び広場、ブランコ、滑り台などの遊戯施設に加え、飲食店、売店、駐車場、便所、その他の便益施設など、都市公園の効用を全うするために都市公園に設けられる施設と定義されています。そのため、公園施設である飲食施設を利用される方につきましても、公園利用者として公園駐車場を利用いただくことに法的な問題はございません。
 以上でございます。

○議長(野間芳実君) 中西大輔議員。

         
○25番(中西大輔君) この後の質問の中にもありますが、そうやって言うからこそパークPFIとか公民連携の手法があるわけですよね。
 先ほど言っていただいても、やはり令和6年度決算を読むと、今後の財政の健全な運営に課題になる懸念が大きいかと思います。
 そこで、公共施設関連計画との整合性をお聞きしたいと思います。

 資料4の映写を。
 こちらは、鈴鹿医療科学大学のサイトから画像を引用して作成しました。

 鈴鹿医療科学大学白子キャンパスには、大規模駐車場と学生食堂が既にあります。これらを活用して、公民連携として、鈴鹿市として事業を考えるのであれば、政策的には妥当だと私も考えます。

 文章08特記仕様書4ページには、先ほど公園施設と言われましたが、「建物の目標耐用年数は24年とする」と記され、公共建築物となることは明らかです。ということであれば、施設建設というものは、やはり公共施設等総合管理計画及び公共建築物個別施設計画との整合性を問われるべきで、公園内で維持が必要な施設を増やすなら、その優先度など、計画上の位置づけも明らかにすべきではないでしょうか。

 今後、公共施設の関係でいうと、廃棄物関係の処理施設の更新もあるし、斎苑もある、千代崎中学校の改築もある、天栄中学校区での義務教育学校の整備もある、市内各学校施設の改修など、いっぱいあるわけですよね、優先すべき案件というものは。さらに、子供・若者支援拠点の必要性であったり、白江土地区画整理事業の議論もあるわけです。その中で、今回の事業に取り組む価値基準というのは何なのか、末松市長の考えというものが非常に問われていると私は考えます。

 財政面では、令和6年度決算から経常収支比率は95.9%、公共施設整備保全基金の残高は約11億円、財政調整基金は予算編成分を差し引くと約70億円です。今後の物価、人件費、これ、上昇します。ということは、行政コストが全体的に上昇していくわけですが、そのようなことを考えていくと、公共施設マネジメントというのは極めて厳しい状況だと私は考えます。ですから、私としては飲食施設整備よりも、先に挙げた施設などや西部体育館の空調・トイレ改善、これ、まだやっていないです。それをやるに当たっては、近隣の農村環境改善センターとの複合化によるスポーツ拠点整備など、次世代の投資というのを優先するべきだと考えるところです。
 以上を踏まえて、今回の施設整備について、総合管理計画及び個別施設計画と整合するのか、考えをお聞きしたいと思います。
      
○議長(野間芳実君) 都市整備部長。

○都市整備部長(奥西真哉君) それでは、公共施設マネジメント関連計画との整合性についての御質問に答弁申し上げます。

 本市では、公共建築物にインフラ施設を加えた公共施設等を総合的かつ計画的に管理するために、公共施設等総合管理計画を策定し、令和6年4月に改定を行っております。また、当該計画の下位に位置づけられました公共建築物について、長寿命化など、施設ごとの方向性や対策の優先順位などを示す公共建築物個別施設計画を策定し、同じく令和6年4月に改定を行っております。

 桜の森公園内に飲食施設が建設された場合、当該施設は都市公園法上、公園施設でありますことから、公共施設等総合管理計画におきましては、インフラ施設の公園に位置づけられます。同計画においては、公共施設の管理に関する基本的な考え方が示されており、公共施設等の管理につきましては、保有量の適正化、運営管理の適正化、長寿命化の推進の3つの視点で取り組んでいくこととしております。

 このうち、保有量の適正化は、公共施設等の施設総量の抑制を図るものの、施設の新規設置を妨げるものではございません。また、運営管理の適正化の観点におきましては、公民連携の活用により、公園利用者へのサービスや公園の魅力の向上が図られることにより、行政サービスの改革につながるものと考えております。

 一方、公共建築物個別施設計画は、公共建築物のみを対象とした計画となりますが、当該施設は公園であり、インフラ施設の一つとして、公共建築物とは区別されております。
 公園の維持管理につきましては、公共施設等総合管理計画の実施方針の下、鈴鹿市都市公園長寿命化計画において、適正な維持管理を通して長寿命化に努めることとしております。
 以上でございます。

○議長(野間芳実君) 中西大輔議員。

    
○25番(中西大輔君) 苦しい御答弁ありがとうございます。
 鈴鹿市総合計画2031、単位施策432、公共施設マネジメントの推進の成果指標というのは、人口1人当たりの公共建築物保有量というふうになっています。公共建築物ではなく、インフラ施設とするなど、答弁は詭弁に聞こえてきて仕方がないです。
 週5日、日中3時間の営業で、公園利用者のサービス向上になるんでしょうか。子供のやつをやるといっても、本当に稼働できるんでしょうか。行政サービスの改革というのは本当に言えるんでしょうか。私は疑問です。
 それに、一般財源も含めて、国補助があっても1億5,000万円を投じるというのはなかなか説明が難しいものだと思います。
 この事業というのは、しかも鈴鹿市総合計画2031の基本構想からは読み取れず、6つのビジョンとみんなの目標への位置づけも不明確です。
 薬膳という言葉、前期基本計画、ひととおりぱっと見直していたんですけど、見てもどこにあるのかなというふうな形です。

 一方、ビジョン4のところでは、そもそも有効な土地利用、建築物の適正管理を官民連携で進めると記されています。建設から維持管理まで相当な財源が必要となる事業なのですが、総合計画の策定段階で、前期計画期間の財政見通しも示されています。かなり厳しかったと私は記憶します。であれば、総合計画との関係はもちろん、財政面の懸念に対する説明が必要です。
 聞き取りなどで、先ほどの答弁もいろいろあるんですけれども、計画というものは融通が利かないものではなく、状況に応じて追加できるものという言葉を耳にするわけですが、そうであっても、思いつきのように追加するものではなくて、その必然性を厳しく検討されなければいけないでしょう。

 まして総合計画に記載されていない事業を実施するということは、計画行政の形骸化につながる懸念がありますし、それは市政に対する信頼性の低下や行政の説明責任というのがより問われることになります。また、そのように行うことで、政策評価や検証の困難化を招くおそれがありますが、どう説明されるのでしょうか。
 以上を踏まえて、市民への説明責任を果たす観点からも、施設整備事業について、鈴鹿市総合計画2031と前期基本計画との関連がどのようなものか、市財政からの視点も踏まえて、考えをお聞きしたいと思います。

○議長(野間芳実君) 都市整備部長。

○都市整備部長(奥西真哉君) それでは、総合計画との整合性について答弁申し上げます。
 当該事業は、快適な都市環境に欠かせない公園の魅力の向上を図り、にぎわいを創出する取組を進める中で、特に桜の森公園におきましては、隣接する鈴鹿医療科学大学の強みを生かし、学官連携により薬膳を提供する施設の整備を進めることで、市民の皆様の健康増進や食育の推進にもつなげていくこととしております。
 そのため、鈴鹿市総合計画2031におきましては、ビジョン4、自然と調和し快適な都市環境を未来へつなぐまち、みんなの目標を4−3、都市環境が整い、快適で暮らしやすいまちづくりが進んでいる、基本施策433、公園緑地の適正な整備・保全に位置づけております。

 また、2025年度版の実行計画の笑顔あふれる鈴鹿づくりプロジェクトの1つ、学官連携による桜の森公園の魅力向上として位置づけ、事業を推進しております。
 その上で、都市公園の質及び公園利用者の利便性のさらなる向上を図り、公園の魅力を高め、交流人口及び関係人口の増加につなげてまいります。
 以上でございます。

○議長(野間芳実君) 中西大輔議員。

           
○25番(中西大輔君) もちろん答弁に当たっては、行政評価のほうを見ていただいていると思います。公開されていますので、市民の方も見ていただくと分かると思いますが、今回の施策展開、この行政評価の関連部分にかなり厳しいことが書いてあると思います。厳しい財政状況の中では新たに整備することは困難であると、公園施設に関しては出ていたりするわけですが、基本的に既存施設の適切な維持更新が重要という方向で行政評価はまとまっていますが、今の答弁というのは、理由としてはこじつけにしか聞こえないというのが私の感想です。

 先ほど申し上げましたが、総合計画に記載されていない事業を実施すれば、計画行政の形骸化、かなり総合計画策定には職員の力にかかっていますが、そういう言葉につながってしまう。説明責任の欠如、政策評価や検証の困難化、さらに財政運営の不透明化や議会審議の形骸化が招かれるというふうなこともいろいろ出てきます。鈴鹿市にとって、重大な課題ではないでしょうか。

 加えて、合理性に欠ける事業を進めるために、市長が職員に理由づけを求めていくことが増えれば、当然、職員の時間的損失ということも考えられますし、ストレス要因になることも考えられます。士気低下にもつながりかねません。それは鈴鹿市にとってよいことでしょうか。

 以上を踏まえ、学官連携による桜の森公園の飲食店設置と建設については、やはり現時点では、答弁の中にもありますように、妥当性と将来性の精査に注力していただいて、その上で、統一地方選挙の公約であったりとか、市民参画の上の議論で、鈴鹿市総合計画2031後期基本計画に記載してはどうか、そのように再提案してはどうかということを考えますが、末松市長の考えをお聞きしたいと思います。

○議長(野間芳実君) 市長。

○市長(末松則子君) それでは、中西議員の御質問に答弁を申し上げます。
 先ほど都市整備部長が答弁をさせていただきましたとおり、当該事業は、鈴鹿市総合計画2031では、ビジョン4に位置づけて進めてきております。しかしながら、繰り返しの答弁となりますが、当該事業を進めていく中で、事業の合理性の質をより高めるとともに、さらに幅広い年代の方々に御利用いただき、魅力あふれる施設として見直す必要があると判断し、現在、庁内の関係部局を交え、改めて事業の詳細を再考し、精査をしているところでございます。その再考、精査をした上で、必要に応じて適切に対応してまいりたいと考えております。
 以上でございます。

○議長(野間芳実君) 中西大輔議員。

     
○25番(中西大輔君) 今後、教育関係や空調機器などなど、物品関係の維持更新も課題が大きいはずですよね。かなりの金額が出ると思います。
 また、学校修繕に関しても、十分に予算があるのか、止まっていることはないのか、ちゃんと検証するべきじゃないかなと思います。
 そして、最近、いろいろ相談いただいていますが、国の介護報酬改定で、介護関係の事業者の方々、物価高騰も、また人件費のほうも含めて、かなり厳しい状況が出ているということは認識されていた上での答弁かとは思いますが、部分ではなくて、全体を見て、これからの鈴鹿市のことを考えていただきたい。その上で、事業をちゃんと精査していただかないと、次の世代は厳しくなるということを強く意見して、私の一般質問を終わります。
 以上です。

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