2017年9月定例会 討論

全議案に賛成

 議席11番,中西大輔です。
 私は,今定例会で提案された議案第57号から議案第71号までの全議案に賛成しますが,審議の過程で気づいた点について意見を述べさせていただきます。

 まず,議案第57号 平成29年度鈴鹿市一般会計補正予算(第1号)における地域家庭教育支援事業費において,19万円のタブレットパソコンを購入とありました。これについては県から10分の10の補助が出る,その中で,できる限り高機能の機器を購入と説明がありましたが,現在,学校などで使われている同様の機器との価格差が大きいことについて,今後どのように整理するかということが課題になってきます。まず,活用法について,利用実態なども含め,情報収集,整理していただくともに,先行で導入することになる施設とまだ導入されていないほかの施設との公平性の観点も含め,国補助に頼らず自治体としての責任で,整備も含めた今後の展開を検討していただきたいというふうに思います。

 次に,議案第64号 平成28年度鈴鹿市一般会計決算の認定について述べさせていただきます。
 まず,議案質疑を行わせていただいた内容から意見を述べさせていただきます。

 地域づくり推進事業費について,平成28年度の事業成果については,地域支援職員として各地区で活動している職員の方々の存在もあり,また尽力もあって進んでいることが確認できました。しかし,一般質問のほうでも,私,取り上げさせていただきましたが,国のほうでは地域共生社会の実現という動きがあります。次年度に向けては,この動きをしっかり踏まえていただくように意見します。

 もう1つ,議案質疑のほうでは,小中学校と公民館の維持修繕に係る決算について質問させていただきました。特に,不用額との関係から取り上げさせていただきましたが,それぞれの事業については,予算を踏まえながら,適切に執行されていることはわかりました。しかし,その過程の中で見えてきたものは,必要とされる予算が本当に適切に計上されているかということに課題があるのではないかということです。学校予算であれば,黒板の修繕なども含めて,いろいろな日常の修繕のニーズが10あるとして,それに対する予算が8対応するだけであれば,当然,その間の予算執行はほぼ100%になるでしょう。しかし,2のニーズが改修できない,このような状況は課題ではないでしょうか。その点が小中学校の維持修繕予算の中から見えていると思います。

 公民館については,流用のほうで対応しているという説明がありましたが,これについては,当初予算では不足しているということをあらわしているのではないでしょうか。このことから,それぞれどれだけニーズ,必要があるのか,やはり現場の声を聞き,きちんと計上していただく,それは,何よりも施設保全の予防的な観点から行わなければいけないということで,次年度に向けては,きちんと予算計上していただくということを意見します。

 分科会審査の中から意見のほうを述べさせていただきます。
 多くの行政職員の方々が日常の業務に真摯に取り組まれていることは,日々いろいろなことを調査したり,また懇談したりする中で感じております。そして,議会の委員会,また,予算決算委員会の分科会審査に当たっては,相当な準備をされていることはその現場で感じることです。私自身,事業仕分けの研修をした際,模擬仕分けに当たって,逆に説明側の立場に立ったからこそよくわかることで,その努力というのは非常に大きなことだと思います。その点については評価させていただきます。

 だからこそ,今回の決算審査の中で非常に残念なことがありました。それは,分科会審査の中で,949万1,364円の不用額の内容に対する質疑への答弁の中で,まずその場で執行部側が答弁に窮し,適切に答弁を行えなかったという事例についてです。その後,その日のうちに,執行部側から資料と説明ということがあり,その内容については了解したのですが,そこでも残念ながら,質問者を勘違いしているのではないかというふうな状況もありました。厳しい言い方をすれば,このようなことはあり得ない状況ではないかというふうに考えます。
 また,不用額であるからいいということではないでしょう。厳しい財政状況の中で財政運営をしているというのであれば,やはり税の使い方について,全ての職員の方々が意識を高めて取り組んでいただかなければいけないのではないでしょうか。

 これらのことから,行財政改革やコンプライアンスの推進といった点について,市としての取り組みはもちろんですが,職員意識にも課題があるのではないかと危惧しております。行政側の意識の緩みではないかという点について,やはりきちんと調査と検証を行っていただき,報告と説明を含めて改善を強く求めるところです。

 次の論点ですが,国ではプライマリーバランス,基礎的財政収支の黒字化が進んでおらず,赤字国債の発行でやりくりをしています。三重県のほうも財政が非常に厳しいという状況で,政策的経費が年々大幅に抑制されております。鈴鹿市においても,財政調整基金の取り崩しを前提に予算編成が行われております。鈴鹿市を取り巻く状況というのは,既に火が燃え盛っている状況ではないでしょうか。

 このような中,国の中の議論の中では,地方交付税に対する財政調整基金の積立額に意見が出るなどしております。
 このような中,今回の決算では,今回の討論の中でもありましたが,実質収支額が約14億円の黒字となり,そこから財政調整基金に4億円の積み立てというふうになっております。このことについて,公共施設維持更新費用や災害対策,またリーマン・ショックのときも財政調整基金があったからこそ対応できたという重要な役割があることを考えれば,一定の理解はいたします。しかし,その中でも,今後の公共施設の維持更新の課題を考えれば,やはり特定目的基金の公共施設整備基金などに積み立てることを検討するべきだというふうに意見させていただきます。

 それがもし難しいということであれば,財政調整基金の中で災害への備えにはどれだけ残しておかなければいけないのか,また,公共施設等の更新にはどれだけ積み立てていく,手元に置いておく必要があるのか,その点について,市民の皆さんにもわかりやすく説明できるように検討すべきと意見させていただきます。

 このような状況の中での政策実施については,財源根拠の説明責任が問われます。次年度の予算編成に当たっては,これまでより一層,業務について,市民の皆さんからの税で行っていることの厳しさをもって取り組むべきだというふうに意見します。

 あわせて,このような動きについて,選挙管理委員会だけでなく教育委員会,政策経営部などが連携し,18歳選挙権ということがありますので,選挙啓発とシティズンシップ教育に力を入れていただくべきだということも意見させていただきます。

 議案第70号,平成28年度水道事業会計剰余金の処分及び決算の認定についてと議案第71号,平成28年度下水道事業会計剰余金の処分及び決算の認定について,老朽管更新の課題がある中,事業を進められていることは評価します。また,今年度については,いろいろ経営の改革にも取り組まれていることについても評価するところです。ですから,今回の決算を受けて,次年度の取り組みの中で,10年後,20年後といった長期で,都市インフラ全体の中で上下水道のあり方といった点を鈴鹿市都市マスタープランなどとの連携を検討していただくように意見します。

 以上,厳しい意見も述べましたが,私の賛成討論とさせていただきます。皆様の御理解よろしくお願いいたします。