2017年 12月定例会 討論

議案第100号,議案第107号及び議案第108号に反対

 議席11番,中西大輔です。
 私は,今定例会に提出された議案のうち,議案第100号 指定管理者の指定について及び議案第107号 平成29年度鈴鹿市一般会計補正予算(第4号)及び議案第108号 鈴鹿市職員給与条例及び一般職の任期付職員の採用等に関する条例の一部改正について反対,残りの議案は賛成の立場で討論させていただきます。

 反対議案について,議案第100号については,この後,同じ会派の後藤議員のほうから詳細にしていただきますので,私のほうでは割愛させていただきます。

 反対議案について,議案第108号は,人事院勧告をもとに市職員給与を上げる内容です。議案第107号は,それに対する補正予算になっていますが,合計で約7,600万円,今年度から適用する内容となっております。
 私は,昨年も同様の議案に対して,鈴鹿市の直面している政策課題,学校を初めとした公共施設の維持更新や,子供の教育や福祉の向上への取り組みなど,このような政策を実現するための財源の確保,また,当時は国保税の増額などの課題があるとし,反対討論を行いました。

 これらの課題について,どれだけ今年度,取り組まれたかということを考えると,まだまだ入り口にある程度だというふうに考えます。今後,学校への空調設備設置に伴う運用経費等がふえることは確実で,それを含めて考えると,そのような点からも賛成することができません。

 もちろん,頑張っている職員の方々がいるということはわかっているところです。日々見させていただいています。しかし,今後,鈴鹿市の自治体としての持続可能性を考えると,今行うべき判断は手当アップということではなく,やはり公共施設の予防保全・修繕の推進であったり,子供たちへの投資だというふうに考えます。それらへの道筋を立てた上で,財政全体の中で考えていくことではないでしょうか。

 昨年度に続き,今年度も改定を行うと,合わせて約1億5,000万円が経常的な経費としてふえることになります。政策的経費が厳しいと言われている中で,やはり理解に苦しむところです。賛成する議案第79号 平成29年度鈴鹿市一般会計補正予算(第3号)において,民生費でも増額補正が,教育費では台風被害による校舎修繕の予算が増額と,それらの政策課題の重要性が見えているのではないでしょうか。

 また,9月議会の討論において,私,決算審査の中で不用額を問う質疑を行ったのですが,その場で執行部が答弁に窮し,適切に答弁ができなかったことを指摘させていただきました。厳しい言い方をすれば,あり得ない次元の話ではないでしょうか。

 同様のことが,今定例会に提出されている議案第100号の審査の過程において,本来は精査した上で出されるべき資料や情報が,チェック不足といった形であらわれているというふうに考えます。その点は,くしくも宮本議員の質疑のほうでも見えたのではないかと考えるところです。これらは,市の業務に対する意識の課題として見えている。これらのことから,法令遵守,コンプライアンスについて,市として改善が見られない。市長以下,行政側の意識の緩みが蔓延しているのではないかというふうに危惧しております。このような中で,給与改定が行われることは理解できません。

 市財政の厳しさを理由に,市民が実現を求める課題の解決が遅々として進まない中,それらよりも先に財源が充てられるとすれば,市民の皆さんの市政に対する満足度が下がるのではないでしょうか。そのような中で仕事をすることで,逆にストレスがかかる場面がふえるのではないか,それによって職員モチベーションが下がるおそれはないかということも危惧します。

 昨年度,市の財政が厳しい中,地方経済の活性化,地方創生の推進が叫ばれる中,地域経済の活性化の一助にもなると考えているという趣旨の行政側の発言がありました。このようなことを真摯に考えているのか,取り組んでいるのか,疑問に持つところもあります。やはり厳しい財政状況と言うのであれば,相応の業務を行うことは当然のことではないでしょうか。過去何度も市のコンプライアンスに対する意識や取り組みを一般質問などを通じて取り上げておりますが,今回,職員意識を引き締めるためにも,給与改定は行わず,据え置くべきではないかと私は考えます。

 財政的な面から見れば,経常収支比率は92.5%ということで,財政の硬直化が進んでおります。9月決算では,公共施設を更新していくための特定目的基金などへの積み立てができていないということもわかりました。昨年度は,国保税率のアップ,今年度は上下水道料金の改定とある中で,市民の皆さんの理解も得にくいとも考えます。
 以上のような理由で,議案第107号,議案第108号に反対するものです。

 賛成議案について,若干,意見を述べさせていただきます。
 議案第87号 鈴鹿市水道事業給水条例の一部改正についてと議案第88号 鈴鹿市公共下水道条例の一部改正について及び議案第89号 鈴鹿市農業集落排水処理施設条例の一部改正について,それぞれ過去約20年間,料金改定が据え置かれたという事情があります。それに対して,今回,値上げをするという内容になっておりますが,このことにより,市民の皆さんの負担がふえるということは非常に心痛いところもありますが,ある意味,先送りにされてきた課題を,上下水道事業経営審議会を行いながら取り組んできた上下水道局について,努力があったと考えるところです。また,今回,行わなければ,いずれ将来世代において,より大幅な改定もあり得ることを考えると,また,大規模災害への備えを考えれば,やむを得ない判断だというふうに考えます。

 上下水道それぞれに,人口減少が進む中,都市インフラを適切に維持更新していくという課題,老朽管更新はもちろんですが,将来的な鈴鹿市の都市のあり方ともかかわっていくでしょう。ですから,今回の取り組みですが,これを機に終わるのではなく,今後も継続して,できれば若い世代も交えながら,上下水道のあり方を検討していただきたいと思います。
 同時に,どうしても料金については近隣自治体との比較が求められるところです。この点についても,市民の皆さんにわかりやすく提示していただく努力も一層進めていただくよう意見します。

 議案第81号 鈴鹿市国民健康保険条例の全部改正について,平成30年度に県へ国民健康保険事業の財政部分が移管されるという動きの前に,保険税方式から保険料方式へ変更を行うことは拙速ではないかというふうに考えるところもあるのですが,審査の過程の中で,市として混乱が起こらないよう,また市民の方々にメリットがあるように取り組むということを述べていましたので,賛成します。ただし,税から料へと変更することで,債権債務関係の早期確定ができるということがメリットとして挙げられておりますが,これを機会に,鈴鹿市は生活再建型の相談事業を,先進市の取り組みを参考に,より充実させていくように意見します。

 議案第97号 指定管理者の指定について,この指定管理者は稲生民俗資料館が対象となっています。審査の中では,鈴鹿市が進めている地域づくりとの関係について,担当課で整理できていないと思われる答弁がありましたが,鈴鹿市として住民自治,地域づくりを進めていくというのであれば,横の連携を密にとらなければいけません。その点についても,ほかの事案でそのようなことがないか,検証すべきです。

 最後に,私たちがいろいろ決めていることですが,今の状況だけではなく,10年先,20年先を考えながら,政策の判断を行わなければいけないのではないでしょうか。自治体としての持続可能性からいろいろな課題を考え,今の決定が,先の世代へのツケ回しとして,先で大きなひずみにつながる可能性があるのであれば,その決定はより慎重に行うべきだというふうに考えます。そのような意識で,今回の討論に臨ませていただきました。
 以上を,今定例会に提出された議案に対する私の討論とします。議員各位も,いま一度お考えいただきたいと思います。よろしくお願いします。