2019年 6月定例会 討論

全議案に賛成

 おはようございます。議席26番,無所属,中西大輔です。
 私は,6月定例議会に提出された議案第50号から議案第61号までの全ての議案に賛成し,賛成の立場で意見を述べさせていただきます。

 まず,議案第50号 令和元年度鈴鹿市一般会計補正予算(第2号)及び議案第51号 令和元年度鈴鹿市水道事業会計補正予算(第1号)について意見を述べます。

 議案第50号は骨格予算として編成された当初予算への肉づけ予算となっており,提案されている事業は,それぞれ必要と考え,内容は妥当と考えます。
 しかし,2月議会でも意見をさせていただいたように,土木関連予算では,当初予算で計上すべきと考える事業が幾つか見られます。この点について,予算執行の中で事業精査を行い,経常的に必要と考えられる事業については,当初予算に計上するように整理していただきたいところです。
 その1つとして,歩道整備事業費での歩行者空間,グリーン帯整備に関する予算があります。当初予算と今回の補正予算で半々の割合で支出されることになりますが,この事業は,子供たちの安全安心にかかわる重要な予算と考えますから,選挙の有無にかかわらず,当初予算で計上すべきではないでしょうか。検討していただくことを期待します。

 地域振興部所管分について,市役所窓口業務の業務委託を進めるための関連予算があります。行財政改革の観点からも,業務改善の観点からも評価できる取り組みと考えるところです。これを機会に,単に業務委託にとどまらず,今後,人工知能(AI)の活用の考え方もあります。窓口業務のあり方は変化していくでしょうから,ICT機器等を活用して,さらなる効率化を進めていただきたいと期待します。

 子供政策に関係する予算について,保育所における業務負担軽減のためのICT化推進の予算に関して,私立と公立の境なく情報を共有,活用できることを視野に入れながら取り組んでいただきたいと思います。また,特別教育推進事業費において,閉園となる一ノ宮幼稚園園舎を活用し,5歳児健診後から小学校1年生を対象とした包括的な児童発達支援体制として,(仮称)すずかっ子広場を設置することについて,趣旨のとおり必要な事業と考えるところです。説明資料から,厚生労働省における家庭,教育,福祉の連携,いわゆるトライアングルプロジェクトをベースにしているということですが,鈴鹿市においては,福祉部局,教育委員会,家庭だけではなく,ここに地域を加えてスクエア,三角ではなく四角になるように取り組んでいただくことを期待します。

 教育費について,教育情報化推進費は,補正予算で3億2,206万4,000円,令和2年から令和6年までの債務負担行為で24億2,626万3,000円,総事業費として27億4,832万7,000円であり,今回の補正予算で大きな位置づけを占めていると考えるところです。少ないと言われてきている教育費の改善に意義のあるものだと考えるところです。
 これまで他市に比べておくれのあったICT活用の教育分野について,子供たちの学習環境と同時に,教職員の方々の業務改善,校務支援システム等の導入も含めて整備することは,過去,森 雅之議員の一般質問であったり,所管の常任委員会において議論されたり,提案されたりしたものを予算化したものであり,ここまでの教育委員会の動き,教育行政の動きを評価するものです。おくれていた分,ステージ3までの整備となったことによって,金額的な負担も大きくなったことについては,やむを得ないことと考えるところです。
 ただし,この事業について,今回,政策的経費として計上されていますが,本来,継続的に行っていくものであり,経常的経費として考え直すという考え方があることについても評価するところであります。
 しかし,経常的経費と考えることについて,歳出において経常的な支出が増大するということは,経常収支比率をさらに上げる方向になります。子供たちにとって必要な事業ではありますが,今回の債務負担行為の期間終了後を見据えながら,相応の覚悟と展望を持ち,事業に取り組んでいただくことを期待します。

 今回の補正予算について,財源のほとんどを財政調整基金の取り崩しに依存していますが,将来的な災害リスク,これは遠い未来の話ではありません。気候変動による影響,現在も九州では非常に大変な状況になっていますが,このようなことを考えれば非常に身近なものと考えるべきですし,社会的な変動のリスクも考えたとき,やはり今まで以上に危機意識を持たなければいけないのではないでしょうか。

 国の支援について,国は地方交付税に算入し財政措置を行うという考えを示しています。しかし,地方財政計画などでは,臨時財政対策債の発行抑制の考え方なども国から示されていることもあり,今後,地方交付税と市歳入の関係について慎重に考えていかなければいけない。その点についても取り組んでいただくことを期待します。

 これから鈴鹿市が独自に使えるお金は,平成29年の決算時の約23億円よりも恐らく減少するでしょう。ですから,今回の補正予算を契機に,行財政改革についてビルド・アンド・スクラップの意識を強く持ち,一層の事業精査に取り組んでいただくこと,経常的な経費の抑制はもちろんですが,政策的経費の抜本的な見直しを進めて,次の世代にも鈴鹿をつなげていく,持続可能な鈴鹿市政の運営に取り組んでいただくことを期待します。
 あわせて,財政状況などを表現する際,目的別や性質別の歳出について,現在,百分率,パーセントで表現されて議論されることが多いですが,こちらのほうは総額が変わった場合,金額が変わらなくても数値が下がってしまうということもありますので,ぜひ実質的な金額で,過去からの推移や類似団体比較ができるようにしていただき,それを市民の皆さんに公開していただくことを期待します。

 議案第58号,第59号,第60号の指定管理者の指定について,第1療育センターと第2療育センター,ベルホームの指定管理をそれぞれ鈴鹿市社会福祉協議会に委託するという内容となっております。所管の地域福祉委員会には,指定管理に関する仕様書,また事業者からの提案の資料なども提出され,あわせて現在の指定管理者の過去の実績から考えて妥当な内容と考えるところです。

 そこで,今回の指定管理を進めるに当たって,ぜひとも行政内で取り組んでいただきたいのですが,部局間の横の連携だけではなく,地域,指定管理者となる社会福祉協議会はもちろんですが,地区社会福祉協議会の皆さんや,地域づくり協議会,子供たちの課題に取り組むNPOの方々も含めて,改めて連携と体制のあり方を検討していただき,実際の取り組みにつなげていただくことを期待します。

 今後,鈴鹿市内での子供の福祉ということを考えたとき,地域共生社会という言葉がありますが,個別の福祉課題だけではなく,多様な課題について,さまざまな人たちが連携することが必要になるはずです。発達障害を取り上げても,その理由の中に愛着障害などが入っている場合については,場合によっては児童相談所との連携も必要になるでしょうし,ゼロ歳児からの養育の課題もあるでしょう。鈴鹿市の課題としては,外国につながりを持つ子供さんたちの存在もあります。このような子供たちへの支援を考えると,行政内での縦割り対応だけではなく,当然ですが横の連携が必要です。それを支える体制の構築が求められています。

 このような連携と体制づくりのためには,福祉や教育だけの課題としてではなく,行政全体の課題という認識を持ち,その上で保護者や家庭,地区社会福祉協議会や地域づくり協議会などを初めとした地域の皆さん,子供支援のNPOの方々も含め,どのように子供たちを支えるのかを考える必要があります。これまでも現場の声を聞いているところとは思いますが,子供を支えるさまざまな主体の皆さんが連携をとるための会議を開くなど,保護者の皆さんの声も聞きながらですが,一緒に取り組んでいく体制を構築していただきたいと期待します。それを言葉だけではなく,わかりやすく図やイラストを用いて可視化できるようにし,説明できるようにすることも必要です。絵に描いた餅ではなく,実際に機能する体制づくりを期待するところです。

 以上,これからの行政の動きに期待し,全ての議案に賛成といたします。議員各位の御賛同をよろしくお願いいたします。