2019年 9月定例会 討論

全議案に賛成

 議席26番,中西大輔です。
 私は,9月定例議会に提出された議案第65号から議案第90号まで全ての議案に賛成の立場をとり,幾つかの議案について意見を述べさせていただきます。

 賛成議案から,まず,議案第71号 鈴鹿市運動施設の設置及び管理に関する条例の一部改正について,市立体育館の使用料について,体育館改修に係る費用を今後使う予定とされる47年間で分割し,それに年間のランニングコストを合わせたものを,鈴鹿市の公共サービスに係る受益者負担に関する基本方針の考えに基づき,スポーツ施設の受益者による負担割合を50%として考え,そこから料金を算出しているものになっております。この際,他の施設との比較や将来世代との負担の公平性から考えても,値上げ方向で改定されることはやむを得ないことと考えるところです。
 しかし,運用期間の47年間で想定される大規模改修はコストとして想定されていないなど,課題があると考えるところです。今後,将来のリスクなども含め,情報の見える化,透明化を進めていただき,施設の運用に取り組んでいただくことを期待します。
 また,該当施設は指定管理者制度の議論のある施設でもあり,その観点から考えて,市民の皆さん,利用者の皆さんにとって利用のしやすい,利用価値の高い施設運営の検討と,稼ぐという方向での施設利用を検討し,ニーズに応じて新しく使用料などを設定する可能性も含め検討するべきと意見して賛成いたします。

 次に,幼児教育・保育の無償化に関係する議案第70号 鈴鹿市立幼稚園条例の一部改正についてと議案第72号 鈴鹿市特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営に関する基準を定める条例の一部改正について及び議案第65号 令和元年度鈴鹿市一般会計補正予算(第3号)について意見を述べます。
 国の方針により,ことし10月から実施される幼児教育・保育の無償化に関連する条例改正と補正予算ですが,議案第72号の根拠となる内閣府令に間違い箇所が多く見られ,修正などの対応に追われたり,その中,副食費について,当初4,500円で動いていたものが9月上旬に国から5,180円という方針が示され,それに対しても混乱が起きました。
 それに対して,全国市長会などの動きもあって,最終的には当初の4,500円というふうに落ちついたわけですが,今後も制度上の不備であったり,対応の必要性が出てくることが想定されます。条例の条文についても,1年間の猶予期間の間に修正を図るということですが,その部分において種々の対応が必要になることが懸念されるところです。
 今後,保護者の方々や保育の現場においても,いろいろな対応に追われることになるかもしれません。ですから,鈴鹿市として,ほかの自治体と連携し,わかりやすい情報提供とともに,保育の質の向上により,よりよい保育環境が子供たちに提供されるよう真摯な対応を期待して賛成するものとします。

 議案第65号 令和元年度鈴鹿市一般会計補正予算(第3号)について,保育所費及び幼稚園費及び小学校費で,施設管理費の維持修繕費として,平成30年度に実施された遊具の保守点検で,老朽化により危険と判断され使用禁止となっている遊具について,撤去または修繕を行う予算が計上されています。この点について,危険とされ使用禁止のテープが張られた遊具を一斉に撤去することについては評価できる部分です。
 しかし,厳しいと言われる財政状況の中で,撤去後の遊具の再設置等を行っていくには課題があるところと考えます。ですので,ぜひ遊具の整備について,教育委員会や行政,学校と園だけの話にするのではなく,公共施設の担当部署も含め,学校や園の保護者の方々,子供さんの声,また地域の声を聞きながら,いろいろな考えや提案を交わして,どのような遊具が設置されればいいのか,設置の費用や期間なども含めて,多くの方の参画の上で検討して取り組んでいただきたいと考えるところです。
 これは,鈴鹿市が直面している公共施設マネジメントにおいても,類似の取り組みが求められると考えるところです。それを,小さな範囲からとはなりますが,実践することに意義があると考えます。子供たちにとってよりよい方向で遊具の設置に取り組んでいただくよう期待し,賛成するものとします。

 議案第83号 平成30年度鈴鹿市一般会計決算の認定について,今回の決算について,おおむね妥当なものと考えるところです。その中,質疑のほうで確認いたしましたが,市が独自に使えたと考えられる金額について,平成30年度は約28億円ということで,前年度決算時の約23億円と比較して,若干改善したと言えるものとは考えます。
 しかし,これは単年度のことであり,経常経費の削減に取り組まなければいけないことを示していることは変わりがないと考えます。特に今後,第2療育センターの運営,教育ICT化の推進,幼児教育・保育の無償化に関連する自治体負担など,いろいろな経常経費の増加の可能性を考えると,このままでは独自に使える金額は減少する一方でしょうから,経常経費の抜本的な見直しと圧縮は避けられません。

 同時に,各種基金のあり方についても,議論が避けられない時期と考えるところです。議案質疑でその点を取り上げましたが,災害などリスクへの備えのための財政調整基金について,確保すべき金額はどの程度なのかと同時に,今後,学校施設を初めとした公共施設の改修などで多額の財源の必要性も増すところから,特定目的基金の中,公共施設整備基金について,今後10年,20年の間に想定される大規模改修や施設更新などから,積み立てておくべきと考えられる金額を算出し,財政調整基金からの積みかえを検討したり,年度ごとに定額の積み立てを制度化するなど,将来世代を考えた取り組みを進めていただくことを期待し,賛成とします。

 最後に,議案第89号と議案第90号に象徴される,決算議案全般に言えることですが,単年度で黒字が出たから,それを住民,市民の方々にすぐ還元するべきだという論点について,賛同しかねる部分があります。それは,人口減少が進んでいる現状の中で,少なくとも社会的な人口移動がない限りは,生産年齢人口の減少に伴い,10年後,20年後の世代は,今よりも負担が大きくなることが容易に想定されるからです。私たち現役世代は,次の世代の負担も想定に入れながら,残しておくべきと考えられる財源の確保に備えておくべきではないでしょうか。
 高齢化が進展することで,高齢者施策の必要性が増すことや,健康施策の必要性が増すでしょう。医療費の抑制も課題となっているところです。また,人口が減るということは,上下水道についても利用人口が減るということになり,収益に影響が出てくることは明らかです。そうなったときに,自治体から支援をするべきだという論点について,その原資は税金ですから,そのための税の投入が必要になるということは,ほかの部分で政策の選択肢を狭めることになるでしょう。つまるところ,将来世代の負担がふえることになると考えるところです。
 ですから,黒字部分については,将来世代の負担を軽減するための原資であると私たちが強い意志を持ち,その運用についてチェックをし,黒字があるからと安易なものに投資などをすることがないようにすることが,現役世代の私たちが将来世代に対してとる責任ではないかと考えます。ですから,鈴鹿市上下水道局,また鈴鹿市行政について,そのような意識をしっかりと持ち,明確に市民の皆さんにもお伝えし,場合によっては説明し,御理解をいただく取り組みを不断に行っていただくことを期待して,賛成とします。

 以上,総合計画の後期計画の策定の年でもあり,行政側の真摯な取り組みに期待して,私の全ての議案に対する討論とさせていただきます。議員各位の御賛同をよろしくお願いいたします。